最新版 |
編集中の文章 |
1行: |
1行: |
− | '''パワー9'''('''パワーナイン'''、''Power 9''、''P9'')は、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の黎明期に存在した、あまりに強大な力をもった9枚の[[カード]]の総称。
| + | =パワー9(パワーナイン,Power 9)= |
| | | |
− | {{#card:Black Lotus}}
| + | マジックの黎明期、すなわち[[アルファ]]・[[ベータ]]・[[アンリミテッド]]に存在した、あまりに強大な力をもった9枚の[[カード]]の総称。 |
− | {{#card:Ancestral Recall}}
| + | 値は([[カードの状態|ニアミント]]であれば)どれも数万を下回らないし、[[カードの状態|プア]]ですら取引対象となる。 |
| + | 現在、認定トーナメントでは[[ヴィンテージ]]でしか使えず、そのヴィンテージでも[[制限カード]]指定である。 |
| | | |
− | ==解説==
| + | 具体的には以下の9枚のことである。 |
− | *[[ブラック・ロータス/Black Lotus]] | + | |
− | *[[Ancestral Recall]]
| + | *[[Black Lotus]] |
| *[[Time Walk]] | | *[[Time Walk]] |
| *[[Timetwister]] | | *[[Timetwister]] |
| + | *[[Ancestral Recall]] |
| *[[Mox Pearl]] | | *[[Mox Pearl]] |
| *[[Mox Sapphire]] | | *[[Mox Sapphire]] |
15行: |
17行: |
| *[[Mox Emerald]] | | *[[Mox Emerald]] |
| | | |
− | 以上の9枚が'''パワー9'''と呼ばれるカードである。その[[壊れ]]た強さゆえ、誰もが当たり前のように[[デッキ]]に投入し、終いには「デッキに投入しないと勝てない・入れなければならない」という誤った(とは言えあながち間違いではないというのが恐ろしい)認識さえ生まれるほどである。
| |
| | | |
− | また、いずれも[[再録禁止カード]]であり今後[[再録]]されないことが保証されているため、取引価格はいずれも高額であり、[[カードの状態|プア]]のものですら取引対象となる。まさしく、マジック黎明期の混沌の象徴たるカード群であると言えるだろう。
| + | 混沌としていたマジック創世記を表す象徴であり、その壊れた強さ故誰もが当たり前のように[[デッキ]]に投入するほどであった。 |
| + | (終いには「デッキに投入しないと勝てない・入れなければならない」という誤認が広まる程に、ゲームそのものを壊す一因にもなった) |
| + | その影響は後のマジック界にも与え、時を経ていくにつれ修正された別の姿へと変わっていくこととなる。 |
| + | 「例 [[Time Walk]]→[[時間のねじれ/Time Warp]] [[Ancestral Recall]]→[[渦まく知識/Brainstorm]]」 |
| | | |
− | なおこの言葉は「高いパワーを持つカード上位9枚」や「[[パワー]]が9のカード」のことでは無く、マジック黎明期において飛び抜けて強大なパワーを持ち、その後のマジック史にも大きな影響を与えるに至った上記9枚に対する通称である。出現から長い月日が経ち、[[カード・プール]]の拡大に従って、これらよりも高いパワーを持つカードも生まれつつある。例えば[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]や[[修繕/Tinker]]、[[太陽の指輪/Sol Ring]]等は、[[ヴィンテージ]]に於いてその[[カードパワー]]はパワー9を凌駕し得るが、それらが上記9枚に取って代わったり、数に加わって「パワー10(後述)」「パワー11」と名乗ったりすることは無い。
| + | 出現から長い月日が経ち、カードプールが広くなったヴィンテージにおいて、確かにこれ以上の力を持った[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will|カード]]も出てきている。 |
| + | だが根本的に、この呼び名は上記の9種類に対する尊畏であり、マジック史においてそれ以降のカードがパワー9と呼ばれることはなく、また取って代わったこともない。 |
| | | |
− | 実際これらは多くのカード・デザインの基礎(と言っても、反面教師的な立場ではあるが)となり、また数多くの調整版・[[リメイク]]版の亜種も生まれた。[[Ancestral Recall]]に対する[[渦まく知識/Brainstorm]]や[[祖先の幻視/Ancestral Vision]]、[[Time Walk]]に対する[[時間のねじれ/Time Warp]]や[[瞬間の味わい/Savor the Moment]]など。ただし、[[Timetwister]]に対する[[時のらせん/Time Spiral]]は、修正版だったが[[フリースペル]]化によって強化された部分もあり、各種[[フォーマット]]で[[制限カード]]や[[禁止カード]]に指定された。
| + | *なお、これに[[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/arcana/432|Library of Alexandria]]を加えて[[パワー10]]と呼ぶこともある([[参考]])。 |
| | | |
− | なお、[[Time Walk]]→[[時間のねじれ/Time Warp]]、[[Timetwister]]→[[時の逆転/Time Reversal]]、[[Ancestral Recall]]→[[ジェイスの創意/Jace's Ingenuity]]と、[[青]]の[[呪文]]の最も類似したリメイク版は、偶然にも共通して(3)([[青マナ|青]])(青)の[[マナ・コスト]]に揃っている。
| + | *修正されたものがオリジナルを超えることは基本的にないが…唯一、[[時のらせん/Time Spiral]]だけが[[Timetwister]]と同等以上の能力を持ってしまった。 |
| + | その為か、現在では[[Timetwister]]一枚だけ格下になってしまった感があり、あまり使用率は高くない。 |
| + | また取り引きされる値段も他の8枚と比べると一回り安くなってしまっている。 |
| | | |
− | *9枚の内6枚は[[アーティファクト]]、他の3枚は[[青]]の[[呪文]]。この露骨な[[色]]の偏りも魅力の1つだ。 | + | * |
− | **これらに[[Library of Alexandria]]を加えて[[パワー10]]と呼ぶことがある<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/power-nine-2003-10-15 The Power Nine](News [[2003年]]10月15日 [[Wizards of the Coast]]著)</ref>。
| + | ちなみにパワー9と銘打ってはいるが、決して下のような[[パワー]]の値上位9枚ではない。 |
− | *いずれのカードも現在の認定[[トーナメント]]では[[ヴィンテージ]]でのみ使えるが、そのヴィンテージでもすべてが[[制限カード]]に指定されている。 | + | <!-- -[[B.F.M.(Big Furry Monster)]] --> |
− | *[[メタゲーム|メタ]]の最前線のデッキでも、パワー9が全部入っているということはそれほど多くはない。パワー9には[[Timetwister]]のような、かなりデッキを選ぶカードもあるためである。 | + | **[[クローサの雲掻き獣/Krosan Cloudscraper]] |
− | **ヴィンテージにおいては、9枚のうち使うデッキを選ぶ[[Timetwister]]1枚だけが格下として扱われがち。事実他8枚に比べて使用率も低く、また取り引きされる際の[[シングルカード]]価格も一回り安かった。 | + | **[[ファイレクシアン・ドレッドノート/Phyrexian Dreadnought]] |
− | ***[[統率者戦]]ではTimetwisterはパワー9で唯一禁止されていない。そのため、(1枚しか入れないでも)統率者戦での需要のために取引価格が上昇し、2019年現在では他の(とりわけ高額な[[ブラック・ロータス/Black Lotus]]以外の)パワー9に匹敵する値段が付いている。
| + | **[[氷河屠り/Jokulmorder]] |
− | *ヴィンテージ選手権の優勝者には、[[環境]]の象徴であるこれらパワー9カードの新規描き下ろし[[絵|イラスト]]の額が贈られている。詳細は該当カードの各項を参照のこと。 | + | **[[ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus]] |
− | *いずれも再録禁止カードだが、紙媒体ではない[[Magic Online]]は再録禁止カードの適用を受けないため、[[Vintage Masters]]では再録された。イラストは前述の優勝者用の額と同じものが使用されている。 | + | **[[深海の生息者/Denizen of the Deep]] |
− | *あくまでプレイヤーが名付けた俗称であるのだが、[[開発部]]にも認知されている。そのためか、[[MTGアリーナ]]では上記のカード9枚を[[創出]]できる[[頭目の神官/Oracle of the Alpha]]の[[ルール・テキスト]]においてこの語が使用された。 | + | **[[Polar Kraken]] |
| + | **[[リバイアサン/Leviathan]] |
| + | **[[地ならし屋/Leveler]] |
| + | **[[スカイシュラウドのビヒモス/Skyshroud Behemoth]] |
| + | <!-- 氷河屠りのせいで少々やっかいなことになりました。 |
| + | 一応キリが良い見た目にするために銀枠を外しておきますが、異論などございましたらどんどん修正してください。 --> |
| + | ***さらに、これに[[暗黒の深部/Dark Depths]]のマリット・レイジを加えてパワー10…とも言わない。 |
| | | |
| ==参考== | | ==参考== |
− | <references/>
| + | *[[The Power Nine:http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/arcana/432]](WotC) |
− | *[[Mox]] | + | |
− | *[[ビッグ・ブルー]]
| + | |
− | *[[パワー10]]
| + | |
− | *[[偽パワー9]]
| + | |
| *[[カードの俗称]] | | *[[カードの俗称]] |
| *[[用語集]] | | *[[用語集]] |
| + | <!-- 削除する人は理由をつけること。 --> |