「メタゲーム」を編集中

提供:MTG Wiki

移動: 案内, 検索
あなたはログインしていません。あなたのIPアドレスはこの項目の履歴に記録されます。
取り消しが可能です。 これが意図した操作であるか、下に表示されている差分を確認し、取り消しを確定させるために、変更を保存してください。
最新版 編集中の文章
2行: 2行:
  
 
==解説==
 
==解説==
メタゲームとは、[[トーナメント]]で選択されている使用[[デッキ]]や使用[[カード]]、[[プレイング]]など(これらの傾向を俗に'''環境'''とも呼ぶ)を考慮した上で、それらに対して有利なデッキ、カード、プレイングなどを選択することである。より簡単に[[じゃんけん|ジャンケン]]で例えるなら「グーを出す人が多い(多そう)だから、自分はパーを出す」という選択である。
+
簡単に説明すると、[[トーナメント]]で選択されている使用[[デッキ]]や使用[[カード]]、[[プレイング]]など(これらの傾向を俗に'''環境'''とも呼ぶ)を考慮した上で、それらに対して有利なデッキ、カード、プレイングなどを選択することである。より簡単にジャンケンで例えるなら「グーを出す人が多い(多そう)だから、自分はパーを出す」という選択である。
  
 
トーナメントでは何人もの[[対戦相手]]と戦うことになる。この場合、「どんなデッキ相手でもそこそこに戦えるよう構築したデッキ」も悪くはないが、それ以上に「大会で多く使用されているデッキ相手に有利となるよう構築したデッキ」の方が勝率を上げやすい。そういったことを考え、勝率が高くなるようにデッキ([[サイドボード]]を含む)を構築するのがトーナメント指向のプレイヤーの基本となっている。[[リミテッド]]においてもこれは当てはまり、その場合は「環境」の定義の中に使用[[カード・セット|セット]]全体の[[カードプール]]も加え入れて考慮する。
 
トーナメントでは何人もの[[対戦相手]]と戦うことになる。この場合、「どんなデッキ相手でもそこそこに戦えるよう構築したデッキ」も悪くはないが、それ以上に「大会で多く使用されているデッキ相手に有利となるよう構築したデッキ」の方が勝率を上げやすい。そういったことを考え、勝率が高くなるようにデッキ([[サイドボード]]を含む)を構築するのがトーナメント指向のプレイヤーの基本となっている。[[リミテッド]]においてもこれは当てはまり、その場合は「環境」の定義の中に使用[[カード・セット|セット]]全体の[[カードプール]]も加え入れて考慮する。
  
たとえば、[[赤]]以外には強いが赤には弱いデッキが、[[赤の防御円/Circle of Protection: Red]]をいれて赤ともそこそこ戦えるようにしたとする。この選択は、対戦相手の使用するデッキが予測できない場合には一応合理性はある。しかし、そもそも大会参加者の中に赤デッキを使用している人がいないことが予測できるなら、赤の防御円は全くの無駄カードになってしまうので、これを抜いてより有効なカードに差し替えるほうが効果的である。逆に、赤が多数を占めると予測出来るなら、元から赤に強いデッキを使う、またはそのデッキに赤の防御円を投入する方がより高い戦果をあげられる可能性が高い。
+
たとえば、[[赤]]以外には強いが赤には弱いデッキが、[[赤の防御円/Circle of Protection: Red]]をいれて赤ともそこそこ戦えるようにしたとする。この選択は、対戦相手の使用するデッキが予測できない場合には一応合理性はある。しかし、そもそも大会参加者の中に赤デッキを使用している人がいないことが予測できるなら、赤の防御円は全くの無駄カードになってしまうので、これを抜いてより有効なカードに差し替えるほうが効果的である。逆に、赤が多数を占めると予測出来るなら、元から赤に強いデッキを使う、またはそのデッキに赤の防御円を投入する方がより高い戦果をあげられる可能性が高い。
 
*たとえば、青いデッキが多い環境の場合は[[島]][[土地渡り|渡り]]を活用できる[[フィッシュ]]が有効な選択肢になる。また高速[[コンボデッキ]]が多い環境なら、[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウンデッキ]]にその対策を施すより、[[打ち消す|カウンター]]を満載した[[パーミッション]]などを選択する方が効果的なことが多いだろう。
 
*たとえば、青いデッキが多い環境の場合は[[島]][[土地渡り|渡り]]を活用できる[[フィッシュ]]が有効な選択肢になる。また高速[[コンボデッキ]]が多い環境なら、[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウンデッキ]]にその対策を施すより、[[打ち消す|カウンター]]を満載した[[パーミッション]]などを選択する方が効果的なことが多いだろう。
 
一方、赤の割合は少ないが、数回は対戦相手となることが予測できる場合、最初の選択はその大会において最も効果的といえ、メタに合致していると言いやすいだろう。
 
一方、赤の割合は少ないが、数回は対戦相手となることが予測できる場合、最初の選択はその大会において最も効果的といえ、メタに合致していると言いやすいだろう。
 
*ただしこの場合でも、環境の偏りが著しい場合、少数派との戦いは捨てて多数派との戦いにのみ特化するという戦略もありうる(例:[[ヴィダルケンの枷]])。
 
*ただしこの場合でも、環境の偏りが著しい場合、少数派との戦いは捨てて多数派との戦いにのみ特化するという戦略もありうる(例:[[ヴィダルケンの枷]])。
  
特に[[色対策カード]][[アーティファクト]][[エンチャント]][[除去]][[墓地対策]]などの効く効かないがはっきりわかれるカードは、メタゲームによって採用率が左右されやすいと言える。それ以外にもパーミッションであれば[[不確定カウンター]]の選択、赤であれば何点の[[火力]]を重視するか、対策カードを投入されることを想定した[[アグレッシブ・サイドボーディング]]を考えるか、などデッキ構築段階でメタゲームを考慮すべき要素は枚挙にいとまがない。
+
メタゲームはプレイングと同等、あるいはそれ以上に重要である。[[デッキパワー]]が低いデッキでも、それがメタに合致していればその[[トーナメント]]で優勝を果たせることもあるし、逆にデッキパワーが高くとも[[メタる|メタら]]れればトーナメントの上位に残れないこともある。[[ネクロ]]全盛の[[世界選手権96]](通称[[ネクロの夏]])に、ネクロに強い[[白ウィニー]][[12Knights]]」を使った[[Tom Chanpheng]]が優勝したことや、[[日本選手権01]]における一大勢力であった[[ブルーオーブ]]がベスト8にも入れなかったことはその顕著な例といえる。
  
トーナメントでの勝利を目指すにあたって、メタゲームはプレイングと同等、あるいはそれ以上に重要である。[[デッキパワー]]が低いデッキでも、それがメタに合致していればその[[トーナメント]]で優勝を果たせることもあるし、逆にデッキパワーが高くとも[[メタる|メタら]]れればトーナメントの上位に残れないこともある。[[ネクロ]]全盛の[[世界選手権96]](通称[[ネクロの夏]])に、ネクロに強い[[白ウィニー]][[12Knights]]」を使った[[Tom Chanpheng]]が優勝したことや、[[日本選手権01]]における一大勢力であった[[ブルーオーブ]]がベスト8にも入れなかったことはその顕著な例といえる。
+
また、環境が、極端に強く[[アンチデッキ]]すら存在しないデッキ一種で占められていたとしても、そのデッキ同士の[[ミラーマッチ]]という形でメタゲームは存在する。「[[MoMaの冬]]」たる[[The Finals98]]で、[[小宮忠義]][[赤マナ]]を散らして[[紅蓮破/Pyroblast]][[火の玉/Fireball]]を入れるのみならず、サイドボードに[[解呪/Disenchant]][[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]まで投入した「対[[MoMa]]用MoMa」を使用した。結果、MoMa一色の大会において小宮は優勝を遂げる。
  
また、環境が極端に強く[[アンチデッキ]]すら存在しないデッキ一種で占められていたとしても、そのデッキ同士の[[ミラーマッチ]]という形でメタゲームは存在する。この時、ミラーマッチに特化するあまり元々の強みが減ってしまい、再びメタゲームが多様化することもある(下記の例2を参照)。<br>そうならず、完全に1つのデッキに占拠されてしまった環境は最早それ以上の発展が見込めず、つまらないと感じた多くのプレイヤーが離れてしまうため、往々にして[[禁止カード]]や[[制限カード]]が指定される。
+
*メタゲームは主にトーナメントで用いられる用語であるが、[[カジュアルプレイ]]においてもメタという概念がないわけではない。たとえば周囲にクリーチャー主体のデッキが少ないから、クリーチャー[[除去]]を少なくしておくということも立派なメタである。もっとも、身内における過度なメタは[[対人メタ]]と呼ばれ、嫌われる要因となるので注意。
*「[[MoMaの冬]]」たる[[The Finals98]]で、[[小宮忠義]]は[[赤マナ]]を散らして[[紅蓮破/Pyroblast]]や[[火の玉/Fireball]]を入れるのみならず、サイドボードに[[解呪/Disenchant]]や[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]まで投入した「対[[MoMa]]用MoMa」を使用した。結果、MoMa一色の大会において小宮は優勝を遂げる。その後、「ミラーマッチに強いMoMa」が不動の最強デッキとなってしまったので、[[キーカード]]だった[[トレイリアのアカデミー/Tolarian Academy]]と[[意外な授かり物/Windfall]]はスタンダードにおいて禁止された。
+
*メタゲームに勝ったとしても、試合に勝てなかったりメタったデッキに当たらないこともある(→[[マーフィーの法則]])。
 
+
*接頭辞 meta- は「高次の」「変化した」といった意味。[[プレイング]]などが盤上における仮想世界での駆引き(ゲーム)なら、メタゲームは盤上に立つ前、(仮想世界より高次な)現実世界で行われる駆引きといえる。もっともマジックにおいては単に「仮想敵」とか「周りや世間で流行っているデッキ」、「それらに勝てるようなデッキ構築」という意味でも使われる。
メタゲームは主にトーナメントで用いられる用語であるが、[[カジュアルプレイ]]においてもメタという概念がないわけではない。たとえば周囲にクリーチャー主体のデッキが少ないから、クリーチャー[[除去]]を少なくしておくということも立派なメタである。もっとも、身内における過度なメタ([[色対策カード]]の大量投入など)は[[対人メタ]]と呼ばれ、嫌われる要因となるので注意。
+
 
+
*メタゲームを読み切ったのに、試合に勝てなかったりメタったデッキに当たらないこともある(→[[マーフィーの法則]])。
+
*接頭辞 meta- は「高次の」「変化した」といった意味。[[プレイング]]などが盤上における仮想世界での駆引き(ゲーム)なら、メタゲームは盤上に立つ前、(仮想世界より高次な)現実世界で行われる駆引きといえる。もっともマジックにおいては単に「仮想敵」とか「周りや世間で流行っているデッキ」、「それらに勝てるようなデッキ構築」という意味でも使われる。
+
  
 
==メタの変遷==
 
==メタの変遷==
38行: 34行:
  
 
===例2===
 
===例2===
#「[[パララクス補充]](以下補充表記)が流行。あまりにも強いため、補充とアンチ補充のその他デッキという構図になる」
+
#「[[パララクス補充]]が流行。あまりにも強いため、それ以外のデッキが駆逐される」
#「補充に強い[[トリニティ]]が開発され、環境を支配しはじめる」
+
#「パララクス補充に強い[[トリニティ]]が開発され、環境を支配しはじめる」
#*補充は、キーカードのほとんどが4[[マナ]]。トリニティはそれが揃う前に[[マナ加速]]から[[すき込み/Plow Under]]を打てるため優位に立てた。すき込みを序盤に打てる点は、補充に対してのみならず、当時の環境に大きく有効だった。
+
#*パララクス補充は、キーカードのほとんどが4[[マナ]]。トリニティはそれが揃う前に[[マナ加速]]から[[すき込み/Plow Under]]を打てるため優位に立てた。すき込みを序盤に打てる点は、パララクス補充に対してのみならず、当時の環境に大きく有効だった。
#*トリニティが台頭する前は、2番手として[[青茶単]]が有力視されていた。
+
 
#「アンチ・トリニティデッキとして[[アングリーハーミット]]が台頭する」
 
#「アンチ・トリニティデッキとして[[アングリーハーミット]]が台頭する」
 
#「増えたアングリーハーミットに有利な[[アングリーノンハーミット]]が台頭」
 
#「増えたアングリーハーミットに有利な[[アングリーノンハーミット]]が台頭」
#「アングリーノンハーミットを食える補充が復権」(最初に戻る)
+
#「アングリーノンハーミットを食えるパララクス補充が復権」(最初に戻る)
  
以上が補充からアングリーハーミットを巡るメタの変遷である。ただしこのメタが一周した時点で開催された[[世界選手権00]]では、「補充もアングリーハーミットも食える」デッキとして登場した[[ティンカー]]([[スーサイドブラウン]])が登場したという点で一周する前とは決定的な違いがあり、このデッキは圧倒的な強さを見せつけて世界チャンピオンに輝いた(詳細は[[スーサイドブラウン]]の項を参照)。このようにメタが一周したといっても一周前と完全に一致しているとは限らず、一周した過程を教訓に新たな「第三勢力」が登場して猛威を振るうこともある。ティンカーは[[パーミッション|青茶単]]に弱いのだが、青茶単は補充以上にマナ束縛に弱いため、トリニティが流行すると下火になっていった。
+
以上がパララクス補充からアングリーハーミットを巡るメタの変遷である。ただしこのメタが一周した時点で開催された[[世界選手権00]]では、「補充もアングリーハーミットも食える」デッキとして登場した[[ティンカー]]([[スーサイドブラウン]])が登場したという点で一周する前とは決定的な違いがあり、このデッキは圧倒的な強さを見せつけて世界チャンピオンに輝いた(詳細は[[スーサイドブラウン]]の項を参照)。このようにメタが一周したといっても一周前と完全に一致しているとは限らず、一周した過程を教訓に新たな「第三勢力」が登場して猛威を振るうこともある。
*余談ではあるが、補充自身は、ミラーマッチ対策として[[サイドボード]]に[[時間の名人/Temporal Adept]]を投入することで、補充をメタっていた。デッキの構造上3マナ以下でクリーチャーを除去できないために、延々と毎ターン土地を戻し続けて4マナ揃えられなくするという、補充相手でしか成立しない「完全[[ロック]]」が存在したからである。
+
*余談ではあるが、パララクス補充自身は、ミラーマッチ対策として[[サイドボード]]に[[時間の名人/Temporal Adept]]を投入することで、パララクス補充をメタっていた。デッキの構造上3マナ以下でクリーチャーを除去できないために、延々と毎ターン土地を戻し続けて4マナ揃えられなくするという、パララスク補充相手でしか成立しない「完全[[ロック]]」が存在したからである。
 
*また、メタが一周した世界選手権00では元祖たるトリニティもベスト8に入っている。
 
*また、メタが一周した世界選手権00では元祖たるトリニティもベスト8に入っている。
  

MTG Wikiへの全ての投稿は、他の利用者によって編集、変更、除去される可能性があります。 自信の投稿が他人によって遠慮なく編集されることを望まない場合は、ここには投稿しないでください。
また、投稿されるものは、自身によって書かれたものであるか、パブリック・ドメイン、またはそれに類するフリーな資料からの複製であることを約束してください(詳細はMTG Wiki:著作権を参照)。 著作権保護されている作品を、許諾なしに投稿してはいけません!

中止 | 編集の仕方 (新しいウィンドウが開きます)
QR Code.gif