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− | [[ライフ]]の[[回復]]を禁止する[[常在型能力]]と、他の[[クリーチャー]]が[[戦場に出る]]たび[[コントローラー]]に[[本体火力]]を飛ばす[[誘発型能力]]を持った、[[中堅クリーチャー|中型]]の[[恐竜]]。史上初となる「[[スタンダード]]で一度[[禁止カード]]に指定され、[[ローテーション]][[落ちる|落ち]]の前に禁止解除されたカード」である。
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− | ==解説==
| + | [[スタンダード]]では[[ラムナプ・レッド]]の[[サイドボード]]に採用される。 |
− | [[レア]]だけあって3[[マナ]]3/3[[威迫]]持ちと[[本体]]性能は良好で、同じ[[マナ・コスト]]の[[ボガートの粗暴者/Boggart Brute]]を上回り、これに対応するために[[ブロッカー]]を増やすだけでも[[ダメージ]]が飛ぶため、[[クロック]]としての確実性が増している。ダメージ[[誘発]]は[[自分]]にも及ぶが、早期に決着をつけるなら悪影響が少なく、回復禁止能力も含めて[[赤]]系[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウン]]での[[アタッカー]]適性が高い。 | + | |
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− | 登場時の[[スタンダード]]では[[ラムナプ・レッド]]の[[サイドボード]]に3~4枚採用され、構成によっては[[メインデッキ]]に1~2枚割かれることもあった。当時は[[青白コントロール/スタンダード/戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック期|青白コントロール]]の[[副陽の接近/Approach of the Second Sun]]や[[王神の贈り物]]の[[発明の天使/Angel of Invention]]など、[[勝利]]手段として強力な回復[[カード]]を擁する[[デッキ]]が存在しており、これ以外にもラムナプ・レッドの隆盛を受けて[[領事の権限/Authority of the Consuls]]、[[禁制品の黒幕/Contraband Kingpin]]、[[陽光鞭の勇者/Sunscourge Champion]]、[[霊気圏の収集艇/Aethersphere Harvester]]といった回復カード群の需要が増えた事情もあって、その対策として有用であった。なかでもクリーチャーの[[展開]]とライフゲインの両方を軸とする[[白黒トークン#戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック期|白黒トークン]]に対しては特に強烈に突き刺さる。が、[[イクサランの相克]]発売に先駆けて[[禁止カード]]に指定されてしまった。
| + | *[[本質の吸収/Essence Drain]]のような[[ダメージ]]+[[ライフ]]回復の[[除去]]では[[状況起因処理]]まで暴れ回るフェロキドンが[[戦場]]に残っているため、ライフを得られないことに注意。[[ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt]]のような直接[[破壊]]か[[追放]]除去ならばフェロキドンが戦場を離れた後にライフを得る[[イベント]]に移るため、ライフを得ることができる。 |
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− | *この手のカードのお約束として、対戦相手に無理やりクリーチャーを出させるカード群と併用することで[[ダメージソース]]になる。[[狩り立てられたドラゴン/Hunted Dragon|狩り立てられたサイクル]]や、同時収録の[[探査の短剣/Dowsing Dagger]]などが一例。 | + | |
− | *[[ケイヤの誓い/Oath of Kaya]]のようなダメージ+ライフ回復の[[除去]]では[[状況起因処理]]まで暴れ回るフェロキドンが[[戦場]]に残っているため、ライフを得られないことに注意。[[ヴラスカの侮辱/Vraska's Contempt]]のような直接[[破壊]]か[[追放]]する除去ならばフェロキドンが戦場を離れた後にライフを得る[[イベント]]に移るため、ライフを得ることができる。
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− | *映画シリーズ「[[wikipedia:ja:ジュラシック・パーク|ジュラシック・ワールド]]」と[[コラボレーション]]した[[ユニバースビヨンド]]での[[別名]]は'''Velociraptor'''。
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− | ==禁止指定==
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− | [[2018年]]1月19日([[Magic Online]]では1月15日)より、[[スタンダード]]で[[禁止カード]]に指定される<ref name="n_180115">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/january-15-2018-banned-and-restricted-announcement-2018-01-15 January 15, 2018 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0030144/ 2018年1月15日 禁止制限告知]</ref>。エネルギー・デッキの弱体化を目的とする禁止措置を行うにあたり、そのままでは[[ラムナプ・レッド]]一強の[[メタゲーム]]になることが予測された。そのため[[赤]]系[[アグロ]]に対しても何らかの措置が必要と判断され、このカードは[[ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins]]とともに環境から取り除かれることになった。このカードの場合、[[メインデッキ]]への採用枚数はデッキによってまちまちだったものの、[[サイドボード]]に枚数を割くことで、「[[ブロッカー]]を並べる」「[[ライフ]]を得る」という赤系アグロ戦略への対抗策を封殺し、相性差をひっくり返してしまうことが問題視された。下記の[[#開発秘話|開発秘話]]も参照。
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− | その後、[[2019年]]8月30日(Magic Onlineでは8月26日、[[Magic: The Gathering Arena]]では9月4日)より、禁止が解除される<ref name="n_190826">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/august-26-2019-banned-and-restricted-announcement-2019-08-26 August 26, 2019 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0032973/ 2019年8月26日 禁止制限告知]</ref>。禁止当時と比べて赤系アグロが弱体化したこと、[[基本セット2020]]参入後のメタの中心にある[[スケープシフト#イクサラン・ブロック~基本セット2020期|スケープシフト]]と[[吸血鬼 (デッキ)#イクサラン・ブロック~基本セット2020期|オルゾフ・ヴァンパイア]]に対して効果的なことが理由である。
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− | *スタンダードにおける禁止解除後も、アリーナ・スタンダード(アリーナにおける[[BO|1本先取]]ルール)では引き続き禁止される<ref name="n_190826" />。同ルールでは赤系アグロがすでに活躍しているためである。
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− | *スタンダードで禁止カードに指定されたカードが、[[ローテーション]]による[[落ちる|スタンダード落ち]]によらずに禁止解除されるのは史上初。
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− | **なお、同年10月4日の[[エルドレインの王権]]発売時にイクサランがスタンダード落ちするため、再び使用可能となる期間は40日に満たない。
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− | *[[ブロール]]が開始された時点では、当時のスタンダード禁止カードリストに準拠するとして禁止カードに指定されたが、ルール改訂により2018年5月10日より禁止解除。
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− | ==開発秘話==
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− | このカードは元々、デベロップ上の不十分なチェックから誕生してしまった[[サヒーリコンボ]]([[守護フェリダー/Felidar Guardian]]と[[サヒーリ・ライ/Saheeli Rai]]による[[速攻]]付き[[無限トークン]][[コンボ]])デッキがスタンダード環境を支配しつつあった頃、その対抗策としてデザインされたものだった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/play-design/play-design-stories-pro-tour-ixalan-edition-2017-11-10 Play Design Stories: Pro Tour Ixalan Edition]/[https://mtg-jp.com/reading/pd/0029926/ プレイ・デザイン物語:プロツアー『イクサラン』編](Play Design [[2017年]]11月10日 [[Melissa DeTora]]著)</ref>。しかし後に守護フェリダーは急遽禁止カードに指定される運びとなり、このカードは本来の役割を半分失ったまま(強力なライフ獲得やトークン・デッキが支配的になった場合の安全弁として)リリースされることとなった。その結果、赤の[[アグロ]]戦略に対抗することを主眼とした他のデッキにむやみに被害を与えるという事態を招いてしまった<ref name="n_180115" />。
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− | その後[[パイオニア]]設立に伴い再び守護フェリダーと対決するチャンスが与えられるが、守護フェリダーが1週間で禁止となったため対策としての有用性はあやふやなままとなった。
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− | ==ストーリー==
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− | '''フェロキドン'''/''Ferocidon''は、[[イクサラン/Ixalan#イクサラン/Ixalan|イクサラン/Ixalan]]大陸に棲息する[[恐竜]]。猛竜/Raptorと呼ばれる小型の肉食恐竜の一種である。後肢の指の一本が、鎌のように湾曲した鋭い鉤爪になっているのが最大の特徴。すばしっこく獰猛で、自分よりも遥かに大きい[[カード名百科事典#ケラトプス|ケラトプス]]も仕留めることができる({{Gatherer|id=435308}})。
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− | {{フレイバーテキスト|猛竜はどれも攻撃的だが、フェロキドンは獲物の苦痛を楽しんでいるようにも見える。}}
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− | *モチーフは[[Wikipedia:ja:デイノニクス|デイノニクス]]や[[Wikipedia:ja:ヴェロキラプトル|ヴェロキラプトル]]といった[[Wikipedia:ja:ドロマエオサウルス科|ドロマエオサウルス科]]の恐竜<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/exploring-ixalan-rampaging-ferocidon-2017-09-08 Exploring Ixalan – Rampaging Ferocidon](Feature 2017年9月8日 [[Nicholas Wolfram]]著)</ref>。後肢の大きな鉤爪は、この科の恐竜に実際に見られる特徴である。
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− | *名前の由来はferocious(獰猛な)+don(歯)だろう。
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− | ==脚注==
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− | <references />
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| ==参考== | | ==参考== |
− | *[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/card-preview/why-we-make-hate-cards-2017-09-08 Why We Make Hate Cards]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/0019482/ 対策カードを作る理由](Card Preview 2017年9月8日 Melissa DeTora著) | + | *[http://mtg-jp.com/reading/translated/0019482/ 対策カードを作る理由](Card Preview 2017年9月8日) |
| *[[カード個別評価:イクサラン]] - [[レア]] | | *[[カード個別評価:イクサラン]] - [[レア]] |
− | *[[カード個別評価:スペシャルゲスト (イクサラン:失われし洞窟)]] - [[レア]]
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− | *[[Secret Lair Drop Series/2023年#Secret Lair x Jurassic World: Life Breaks Free|Secret Lair Drop Series: Secret Lair x Jurassic World: Life Breaks Free]]
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