オーバーキル

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2021年9月1日 (水) 16:13時点におけるPalmatumn (トーク | 投稿記録)による版
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オーバーキル(Over Kill)とは、デッキの構成やカードを評価する際に出てくる概念の1つ。直訳するなら「殺しすぎ」、もっと分かりやすく言うと「やりすぎ」。直接相手を敗北させる場合以外にも用いられることがある。

例えば、対戦相手ライフは通常20点であるので猛火/BlazeXを100や100万にする必要性は薄い。そのような膨大な量のマナを出すことを目指すより、速やかにX=20の猛火を撃てるマナを出すことを目標にした方が良い。

無駄なほどの高威力は、その威力が増すほどに多くのリソースが費やされることを考えると非常に効率が悪く、そのリソースを別のものに向けた方がより確実に早く勝利できるはずである。つまり、オーバーキルになってしまうデッキ構成は避けるべきであるし、単体でオーバーキルなカードはコンセプトを重視したファンデッキでなければデッキに入れないほうがよい。また勝率を考えたとき、優勢な状態からさらに有利な状況へ持っていくカードを入れるよりは、劣勢な状況をひっくり返せるカードや、五分に近い状況から優勢に持って行くためのカードを入れたほうがよい。

マジックにおいては、具体的には以下のような考え方に分類できる(中でももっともよく使われる用法は1だろう)。

  1. カードの性能評価において
    • 例えば焼尽の風/Searing Windは、10点もの威力の火力は確かに強力ではあるが、そのぶんマナ・コストが非常に重いため、強力さよりも扱いづらさのほうが目立ってしまっている。
    • 例えばオドリックの十字軍/Crusader of Odricは、自軍が大量にいる(つまり自軍が有利な状況である)ことが前提のデザインである。このような「有利をより有利にする」カードは、「逆転される前に一気に勝負をつけられる」「五分五分の均衡状態を打破できる」という側面もあるものの、逆に「実はいなくても勝てる」カードであることも多々ある。
  2. プレイングにおいて
  3. デッキ構築において
    • 例えば、粉砕/Shatterのような用途が狭い呪文を大量にデッキに入れるのは明らかに「やりすぎ」であり、デッキ自体の機能性をゆがめることになる。
    • 例えば、コントロール・デッキにおけるフィニッシャーと呼ばれるカードは、主に「終盤の最後のひと押し」として使用するものであって、大量に必要なものではない。ゆえに、フィニッシャー級のクリーチャーを大量にデッキに投入するのは「やりすぎ」で、むしろそれではデッキがまともに機能しなくなる。フィニッシャーは少数に抑えて、除去打ち消しドローと言ったサポートカードを多めに採用するのが基本となる。

ただしいずれの場合にも、メタゲームデッキ構成、また個々の状況も考慮する必要があるので、絶対の基準は存在しない相対的な概念であることに注意が必要である。

参考

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