スライ

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2019年11月24日 (日) 12:41時点におけるPiyopiyo (トーク | 投稿記録)による版
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スライ(Sligh)は、を中心とした、マナカーブダメージ効率を重視した超速攻ウィニーデッキ。または、赤を中心としたビートダウン系デッキの総称。デッキ名はPaul Sligh(ポール・スライ)のラストネームに由来する。

目次

概要

軽量クリーチャーと数種類の火力が主戦力で、無色ダメージソースとして呪われた巻物/Cursed Scrollなども使用される。5ターン以内に決められるかどうかが勝負の分かれ目となる。

もともとのスライはJay Schneiderの唱えた「そのターンに出し得るマナをムダなく使うにはどうしたらいいか?」という理論のもと生み出されたデッキ。特定のマナカーブ(スライカーブ)に基づいて構築されており、元来は土地23枚に対して1マナ13枚、2マナ9枚、3マナ5枚、4マナ3枚を目安にクリーチャーが投入されており、火力呪文などは別途で計算されていた。

Paul Slighが使用したプロツアー予選で2位に入ったことで、以後“スライ”というニックネームがつけられることになった。当時は2位でもプロツアー出場枠に入れたので、インターネット上における若干の誇大宣伝もあって、この名前が定着してしまった。実際、このデッキ(またの名を“ギーバ”や“オークの司書デッキ”)は、今日においても偉大なデッキビルダーであるJay Schneiderのデザインによるものであるが、スライに比べてその名はここ数年ほとんど表に出てこない。

近年、スライと呼ばれているデッキのほとんどがデッドガイレッド(又はバーン)に近い。エクステンデッドでは土地破壊要素も入り、赤単色の高速デッキ全体がRed Deck Winsと呼ばれることが多い。

他のデッキとの相性

良くも悪くもウィニーの特性を突き詰めたような超速攻が特徴であり、遅いデッキ全般に強い。コントロールデッキはもちろんだが、相手の速度やこちらの展開によってはウィニーが苦手とするコンボデッキミッドレンジ相手に押し切れてしまうことも珍しくない。

弱点も分かりやすく、序盤をしのげるだけ防御力を持ったデッキには弱い。軽い除去を詰め込んだコントロールデッキの他、アグロ寄りのビートダウンデッキとの相性も良くない。これは火力カード・アドバンテージを得づらいものが多い上、クリーチャーの殴り合いにおいても緑や白のクリーチャーはコスト・パフォーマンスが高く、さらにプロテクション被覆呪禁を持つものが多いため、攻撃力と引き換えに総合的なコスト・パフォーマンスで劣るスライでは直接的な殴り合いに押し負ける場合が多いためである。そして時間が経てば経つほど自分は息切れし、相手は強力な呪文やクリーチャーを出す準備が整ってしまう。

スタンダード

下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。

ブロック構築

各ブロック構築においても、下記の時期で活躍を見せる。

パイオニア

パイオニアにおいて、各シーズンの強力なパーツを集めた赤単のアグロ・デッキが成立する。



僧院の速槍/Monastery Swiftspearを始めとした優秀なウィニークリーチャー火力呪文で攻め立て、密輸人の回転翼機/Smuggler's Copterラムナプの遺跡/Ramunap Ruinsといったスタンダードにおいて禁止された強力なカードで脇を固める。

サンプルリスト

Mono-Red Aggro [1]
土地 (19)
1 エンバレス城/Castle Embereth
14 山/Mountain
4 ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins
クリーチャー (21)
4 ボーマットの急使/Bomat Courier
4 大歓楽の幻霊/Eidolon of the Great Revel
4 ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner
1 熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent
4 僧院の速槍/Monastery Swiftspear
4 損魂魔道士/Soul-Scar Mage
呪文 (20)
4 舞台照らし/Light Up the Stage
4 稲妻の一撃/Lightning Strike
4 密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter
4 乱撃斬/Wild Slash
4 魔術師の稲妻/Wizard's Lightning
サイドボード (15)
2 反逆の先導者、チャンドラ/Chandra, Torch of Defiance
2 ゴブリンの鎖回し/Goblin Chainwhirler
2 熱烈の神ハゾレト/Hazoret the Fervent
3 暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon
4 灼熱の血/Searing Blood
2 粉々/Smash to Smithereens

テンペスト期のエクステンデッド

ローテーション後のエクステンデッドにおけるスライは、土地破壊の要素を組み込み、特にRed Deck Winsの名で呼ばれることが多い。



優秀なウィニークリーチャー火力に加え、リシャーダの港/Rishadan Port不毛の大地/Wastelandマナを縛り、対戦相手の動きを封じる。また、オンスロートフェッチランドライブラリー圧縮しつつ、終盤の無駄な土地ドローを減らしてくれる。

要となるテンペスト・ブロックローテーションで退場してしまったが、速攻+土地破壊という動きはBoros Deck Winsにも受け継がれている。

オンスロート以降は強力なゴブリンの登場を受けてラッキースライも強化されたが、ゴブヴァンテージに取って代わられてしまい、その後のゴブリンもスライとは動きが異なる。

デュアルランド期のエクステンデッド

スライはテンペスト・ブロック以降エクステンデッドでも有力なアーキタイプになった。



基本的にはテンペスト期のものと同じで、軽量クリーチャー火力対戦相手ライフ削る。ただし、デュアルランドなど凶悪な基本でない土地が蔓延する環境であるため、定番の不毛の大地/Wastelandに加えて発展の代価/Price of Progressも多く採用される。

デッキの性質上遅いコントロールネクロなどには強いが、メタゲームの中心にあったドネイトにはIllusions of Grandeurから苦戦を強いられる。そのため、活躍の度合いはメタによるところが大きい。

サンプルリスト

Sligh [2]
土地 (22)
18 山/Mountain
4 不毛の大地/Wasteland
クリーチャー (19)
4 ジャッカルの仔/Jackal Pup
4 モグの狂信者/Mogg Fanatic
4 ゴブリン巡視部隊/Goblin Patrol
3 投火師/Fireslinger
4 ボール・ライトニング/Ball Lightning
呪文 (19)
4 呪われた巻物/Cursed Scroll
4 ショック/Shock
4 火葬/Incinerate
4 火炎破/Fireblast
3 ボガーダンの鎚/Hammer of Bogardan
サイドボード (15)
4 紅蓮破/Pyroblast
4 混沌の魔除け/Chaos Charm
3 Anarchy
2 ボトルのノーム/Bottle Gnomes
2 破壊的脈動/Shattering Pulse

レガシー

レガシーでも散見されるアーキタイプである。



レガシーの赤単といえば、ゴブリンデッキが主流であるが、純粋なスライタイプも少なくない。

構成としては、旧エクステンデッドのものを基盤とし、加えて、中盤以降の活躍が期待できる渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer運命の大立者/Figure of Destinyなどが採用される。

強力な基本でない土地が蔓延する環境であるため、火力発展の代価/Price of Progressが標準装備である。また、別な基本でない土地への対策として破滅/Ruinationを使用することもある。

最近では、タッチして闇の腹心/Dark Confidantを採用したり、をタッチしてタルモゴイフ/Tarmogoyfを採用するなどの構成も多く見られる。色が増えるとZooに近い構成をとることが多い。

また、火力が十分に充実している環境であるため、モグの狂信者/Mogg Fanatic以外のクリーチャーを外し、バーン寄りの構成を取るタイプも多い。

サンプルリスト

スライ(レガシー) [3]
土地 (17)
17 山/Mountain
クリーチャー (24)
4 ゴブリンのそり乗り/Goblin Sledder
4 モグの狂信者/Mogg Fanatic
4 ジャッカルの仔/Jackal Pup
2 モグの下働き/Mogg Flunkies
2 蛮行ゴブリン/Goblin Vandal
4 炎歩スリス/Slith Firewalker
4 ボール・ライトニング/Ball Lightning
呪文 (19)
4 稲妻/Lightning Bolt
4 マグマの噴流/Magma Jet
4 火葬/Incinerate
4 火炎破/Fireblast
3 呪われた巻物/Cursed Scroll
サイドボード (15)
1 破滅/Ruination
2 血染めの月/Blood Moon
2 Anarchy
3 赤霊破/Red Elemental Blast
1 紅蓮破/Pyroblast
2 蛮行ゴブリン/Goblin Vandal
1 呪われた巻物/Cursed Scroll
2 ワイルドファイアの密使/Wildfire Emissary
1 溶鉱炉の脈動/Pulse of the Forge

パウパー

パウパーでも少数が存在する。

パウパーの赤単としてはゴブリンデッキバーンが有力だが、スライタイプも少数が存在している。テーロス・ブロック参入後は英雄的を持つクリーチャーを中心に据えた英雄的デッキが主流となっている。



モダンマスターズ2017発売以降は炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryを投入したものが結果を残している。


サンプルリスト1

Mono Red Heroic(Pauper) [4]
土地 (18)
18 山/Mountain
クリーチャー (23)
4 アクロスの十字軍/Akroan Crusader
4 鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen
4 魔道士輪の暴漢/Mage-Ring Bully
3 マルドゥの斥候/Mardu Scout
4 サテュロスの重装歩兵/Satyr Hoplite
4 谷を駆ける者/Valley Dasher
呪文 (19)
2 馬力充電/Dynacharge
2 ティムールの激闘/Temur Battle Rage
4 タイタンの力/Titan's Strength
4 槌手/Hammerhand
4 伝染性渇血症/Infectious Bloodlust
3 向こう見ずな技術/Madcap Skills
サイドボード (15)
3 反逆の行動/Act of Treason
2 ギルドへの畏敬/Awe for the Guilds
2 電謀/Electrickery
2 稲妻/Lightning Bolt
2 火柱/Pillar of Flame
4 焼尽の猛火/Searing Blaze
  • 赤単英雄的と呼ばれるタイプ。

サンプルリスト2

Sligh [5]
土地 (17)
17 山/Mountain
クリーチャー (35)
4 炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary
4 鋳造所通りの住人/Foundry Street Denizen
4 ゴブリンの奇襲隊/Goblin Bushwhacker
4 ゴブリンの群勢/Goblin Cohort
2 ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter
4 ジャッカルの使い魔/Jackal Familiar
4 モグの徴集兵部隊/Mogg Conscripts
1 モグの下働き/Mogg Flunkies
4 泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohort
4 谷を駆ける者/Valley Dasher
呪文 (8)
2 火炎破/Fireblast
4 稲妻/Lightning Bolt
2 命知らず/Reckless Abandon
サイドボード (15)
2 電謀/Electrickery
2 炎の斬りつけ/Flame Slash
3 鋭い痛み/Flaring Pain
2 はらわた撃ち/Gut Shot
3 紅蓮破/Pyroblast
3 粉々/Smash to Smithereens

サンプルリスト3

Mono-Red Heroic [6]
土地 (17)
2 忘れられた洞窟/Forgotten Cave
15 山/Mountain
クリーチャー (15)
4 アクロスの十字軍/Akroan Crusader
3 焼身の魂喰い/Immolating Souleater
4 窯の悪鬼/Kiln Fiend
4 サテュロスの重装歩兵/Satyr Hoplite
呪文 (28)
1 突撃のストロボ/Assault Strobe
4 ギタクシア派の調査/Gitaxian Probe
3 使徒の祝福/Apostle's Blessing
2 稲妻/Lightning Bolt
4 変異原性の成長/Mutagenic Growth
3 ティムールの激闘/Temur Battle Rage
4 タイタンの力/Titan's Strength
3 ドラゴンのマントル/Dragon Mantle
4 噛み傷への興奮/Furor of the Bitten
サイドボード (15)
1 稲妻/Lightning Bolt
3 電謀/Electrickery
2 炎語りの意志/Flamespeaker's Will
2 鋭い痛み/Flaring Pain
2 異世界の発露/Otherworldly Outburst
3 紅蓮破/Pyroblast
2 大霊堂のスカージ/Vault Skirge

参考

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