レジェンド (エキスパンション)

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(概要)
(10人の利用者による、間の13版が非表示)
1行: 1行:
 +
{{Otheruses|[[エキスパンション]]|その他の用法|レジェンド}}
 
{{情報ボックス/エキスパンション
 
{{情報ボックス/エキスパンション
 
|英語名=Legends
 
|英語名=Legends
4行: 5行:
 
|シンボル=ドーリア式円柱
 
|シンボル=ドーリア式円柱
 
|略号=LE, LEG
 
|略号=LE, LEG
|発売日=1994年6月
+
|発売日=1994年6月10日
 
|セット枚数=全310種類
 
|セット枚数=全310種類
 
}}
 
}}
'''レジェンド'''/''Legends''は、3番目の[[エキスパンション]]。1994年6月に発売された。意味は「伝説」。
+
'''レジェンド'''/''Legends''は、3番目の[[エキスパンション]]。[[1994年]]6月10日に発売された。意味は「[[伝説の|伝説]]」。英語版の他にイタリア語版がある。
  
 
==概要==
 
==概要==
当初、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]初の「独立型」エキスパンションを目指して作られたセットである。枚数も[[基本セット]]並に多く、基本的な[[クリーチャー]]の[[同型再版]]や従来の[[カード]]の修正版・[[色]]違い版が多数収録された。
+
当初、[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]初の「独立型」エキスパンションを目指して作られた[[セット]]である。枚数も[[基本セット]]並に多く、基本的な[[クリーチャー]]の[[同型再版]]や従来の[[カード]]の修正版・[[色]]違い版が多数収録された。
  
その反面、[[解呪/Disenchant]]に相当する[[カード]]が収録されず、同セット内のカードのみで遊ぶ場合の[[エンチャント]]を壊す手段は[[ワールド]]・[[エンチャント]]に対してワールド・エンチャントを後出ししたり、対戦相手の[[オーラ]]を[[Remove Enchantments]]で[[破壊]]するなど限定的であった。
+
*その反面、一部の汎用的なカードは収録されておらず、同セット内のカードのみで遊ぶにはやや問題があった。
 +
**一例として[[解呪/Disenchant]]に相当するカードが収録されず、[[エンチャント]][[除去]]する手段は[[ワールド]]・[[エンチャント]]に対してワールド・エンチャントを後出ししたり、[[対戦相手]]の[[オーラ]]を[[Remove Enchantments]]で[[破壊]]したりなど限定的であった。
  
[[クリーチャー・タイプ]]の[[レジェンド (クリーチャー・タイプ)|レジェンド]](現在では[[伝説のクリーチャー]])や[[多色カード]]が初めて登場した。このセットではレジェンド・クリーチャーはすべて多色カードであり、多色カードはすべてレジェンドである。これら伝説のクリーチャー55種は規則的な系図(Family Tree)を成している。まず[[友好色]]3色の[[エルダー]]・[[ドラゴン]]5種の[[サイクル]]があり、その下にその他の友好色3色の[[レア]]3種のサイクル5パターン、更に友好色2色の[[レア]]3種5パターン、同[[アンコモン]]4種5パターンと続いている。
+
[[クリーチャー・タイプ]]の[[レジェンド (クリーチャー・タイプ)|レジェンド]](現在では[[伝説のクリーチャー]])や[[多色カード]]が初めて登場した。このセットではレジェンド・クリーチャーはすべて多色カードであり、多色カードはすべてレジェンドである。これら伝説のクリーチャー55種は規則的な系図(Family Tree)を成している。まず[[友好色]]3色の[[エルダー]]・[[ドラゴン]]5種の[[サイクル]]があり、その下にその他の友好色3色の[[レア]]3種のサイクル5パターン、更に友好色2色の[[レア]]3種5パターン、同[[アンコモン]]4種5パターンと続いている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/family-trees-2002-03-07 Family trees] (Arcana 2002年3月7日)</ref>。
  
その他にも[[ランページ]]や[[伝説の土地]]、エンチャント([[ワールド]])、[[毒カウンター]]関連のカード、[[マナ・コスト]]に色マナ・シンボルを含まない[[有色]]のカード([[コボルド]])もはじめて収録される。
+
その他にも[[ランページ]]や[[伝説の土地]][[ワールド]]・エンチャント、[[毒カウンター]]関連のカード、[[マナ・コスト]][[色マナ]][[マナ・シンボル|シンボル]]を含まない[[有色]]のカード([[コボルド]])もはじめて収録される。
 
+
開発者の[[Steve Conard]][[Robin Herbert]]は[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]](以下D&D)を70年代から愛好しており、このセットのデザインにはD&Dの影響が色濃く反映されている。中でも伝説のクリーチャーの多くは、彼らが数年にわたって展開してきたD&Dキャンペーンのキャラクターが原型になっている。
+
 
+
また、このセットには現実世界の伝説の人物に似た[[カード名]]をもつカードが含まれているが、公式記事[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/arcana/45 A real legend]によると、現実世界をモチーフとした伝説のクリーチャーは[[ネブカドネザル/Nebuchadnezzar]]1種だけである。
+
 
+
カードデザインに関与しない、既存のルールに対する追加ルールも2点あり、クリーチャーのパワーとタフネスに関する記述と、パーマネントのコントローラーとオーナーの違いについての詳細な明文化が追加された。後者は例えば[[支配魔法/Control Magic]]をエンチャントされたクリーチャーは、ゲーム中・ゲーム終了後を問わず[[支配魔法/Control Magic]]のコントローラーの所有物となってしまうと認識される問題解決のために作られている。
+
  
 +
カードデザインに関与しない、既存のルールに対する追加ルールも2点あり、クリーチャーの[[パワー]]と[[タフネス]]に関する記述と、[[パーマネント]]の[[コントローラー]]と[[オーナー]]の違いについての詳細な明文化が追加された。後者は例えば[[支配魔法/Control Magic]]を[[エンチャント (キーワード能力)|エンチャント]]されたクリーチャーは、[[ゲーム]]中・ゲーム終了後を問わず支配魔法のコントローラーの所有物となってしまうと認識される問題解決のために作られている。
 
<!-- パワーとタフネスの変更についての追加ルール(when something changes a creature's power and toughness to specific numbers, such as 0/2, play as if these numbers appeared in the lower right-hand corner of the card. Other cards may legally modify these numbers.)について、ルールが制定された理由や以前の問題点など判る方がいたら記述願います。 -->
 
<!-- パワーとタフネスの変更についての追加ルール(when something changes a creature's power and toughness to specific numbers, such as 0/2, play as if these numbers appeared in the lower right-hand corner of the card. Other cards may legally modify these numbers.)について、ルールが制定された理由や以前の問題点など判る方がいたら記述願います。 -->
  
基本セット以外では初めて1パック15枚のカードで構成されたエキスパンションで、[[トーナメントパック]][[構築済みデッキ]]のないパックのみ販売されていた(すべてのパックに16枚目としてルール解説のカードが入っている)。
+
有名なカードは[[Mirror Universe]][[Eureka]]、[[マナ吸収/Mana Drain]]、[[Moat]]、[[The Abyss]]、[[Nether Void]]、[[地獄界の夢/Underworld Dreams]]、[[Chains of Mephistopheles]]など。
  
有名なカードは[[Mirror Universe]][[Eureka]][[Mana Drain]][[Moat]][[The Abyss]][[Nether Void]][[地獄界の夢/Underworld Dreams]][[Chains of Mephistopheles]]など。
+
*基本セット以外では初めて[[ブースターパック]]が15枚のカードで構成されたエキスパンションで、[[トーナメントパック]][[構築済みデッキ]]のないパックのみ販売されていた(すべてのパックに16枚目としてルール解説のカードが入っている)。
 +
*[[アンコモン]]にはA・Bと2つのグループがあり、最初期ロットは1つのボックスにはどちらかのグループのカードしか収録されていないという、致命的な商品管理上のミスがあった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/make-no-mistake-2003-11-10-0 Make No Mistake](Making Magic 2003年11月10日) - その10</ref><ref>[http://web.archive.org/web/20090207022834/http://members.at.infoseek.co.jp/braingeyser/03/1112.html M:tGやっちまった小咄集](個人サイト「Braingeyser」、上の記事の和訳)</ref>。
 +
*開発者の[[Steve Conard]][[Robin Herbert]][[ダンジョンズ&ドラゴンズ]](以下D&D)を70年代から愛好しており、このセットのデザインにはD&Dの影響が色濃く反映されている。中でも[[エルダー・ドラゴン/Elder Dragon]]などの伝説のクリーチャーの多くは、彼らが数年にわたって展開してきたD&Dキャンペーンのキャラクターが原型になっている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/history-legends-2002-03-04 The history of Legends] (Feature 2002年3月4日)</ref>。
 +
*このセットには現実世界の伝説の人物に似た[[カード名]]をもつカードが含まれているが、公式記事によると、現実世界をモチーフとした伝説のクリーチャーは[[ネブカドネザル/Nebuchadnezzar]]のみである<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/real-legend-2002-03-06 A real legend](Arcana 2002年3月6日)</ref>。
 +
*映画と同名のカードが30枚以上([http://www.flaminio.com/magic/movies.html ある映画マニアのマジックファンによる調査]では[http://www.flaminio.com/magic/movies-le.html 45枚])も存在している<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/movie-legends-2002-07-02 Movie Legends](Arcana 2002年7月2日)</ref>。
 +
*日本では一般的に「レジェンド」と表記されているが、英語の読みに近づけるためや、かつてクリーチャー・タイプであったレジェンドと区別する意味で「レジェンズ」と表記する人もいる。
  
*[[アンコモン]]にはA・Bと2つのグループがあり、最初期ロットは1つのボックスにはどちらかのグループのカードしか収録されていないという、致命的な商品管理上のミスがあった。
+
===レイアウトの変更点===
*日本では一般的に「レジェンド」と表記されているが、英語の読みに近づけるためや、かつてクリーチャー・タイプであったレジェンドと区別する意味で「レジェンズ」と表記する人もいる。
+
カードレイアウトの変更が行われている。
*公式記事[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/arcana/129 Movie Legends]によると、映画と同名のカードが30枚以上([http://www.flaminio.com/magic/movies.html ある映画マニアのマジックファンによる調査]では[http://www.flaminio.com/magic/movies-le.html 45枚])も存在している。
+
*[[絵|イラスト]]の権利表記に年号が付くようになった。
  
 
==デザイン==
 
==デザイン==
41行: 43行:
 
|||[[Robin Herbert]]
 
|||[[Robin Herbert]]
 
|-
 
|-
|開発チーム||[[Skaff Elias]]
+
|デベロップ・チーム||[[Skaff Elias]]
 
|-
 
|-
 
|||[[Jim Lin]]
 
|||[[Jim Lin]]
55行: 57行:
  
 
==関連リンク==
 
==関連リンク==
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/mr97 ミスなんてもってのほか] その10 (WotC、英語)
+
*[https://magic.wizards.com/ja/game-info/products/card-set-archive/legends レジェンド](マジック英語公式日本語版  セット特設サイト)
**[http://members.at.infoseek.co.jp/braingeyser/03/1112.html M:tGやっちまった小咄集] (Braingeyser、上の記事の和訳)
+
<references />
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/arcana/46 Family trees] (WotC、英語、セットに収録されたレジェンドたちの関係図)
+
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtgcom/feature/20 The history of Legends] (WotC、英語)
+
  
 
==参考==
 
==参考==
 +
*[http://whisper.wisdom-guild.net/cardlist/Legends/ カードリスト](Wisdom Guild)
 
*[[カード個別評価:レジェンド]]
 
*[[カード個別評価:レジェンド]]
 
*[[Johan]] (小説レジェンド・サイクル)
 
*[[Johan]] (小説レジェンド・サイクル)

2020年6月24日 (水) 07:23時点における版

レジェンド/Legends
シンボル ドーリア式円柱
略号 LE, LEG
発売日 1994年6月10日
セット枚数 全310種類

レジェンド/Legendsは、3番目のエキスパンション1994年6月10日に発売された。意味は「伝説」。英語版の他にイタリア語版がある。

目次

概要

当初、マジック初の「独立型」エキスパンションを目指して作られたセットである。枚数も基本セット並に多く、基本的なクリーチャー同型再版や従来のカードの修正版・違い版が多数収録された。

クリーチャー・タイプレジェンド(現在では伝説のクリーチャー)や多色カードが初めて登場した。このセットではレジェンド・クリーチャーはすべて多色カードであり、多色カードはすべてレジェンドである。これら伝説のクリーチャー55種は規則的な系図(Family Tree)を成している。まず友好色3色のエルダードラゴン5種のサイクルがあり、その下にその他の友好色3色のレア3種のサイクル5パターン、更に友好色2色のレア3種5パターン、同アンコモン4種5パターンと続いている[1]

その他にもランページ伝説の土地ワールド・エンチャント、毒カウンター関連のカード、マナ・コスト色マナシンボルを含まない有色のカード(コボルド)もはじめて収録される。

カードデザインに関与しない、既存のルールに対する追加ルールも2点あり、クリーチャーのパワータフネスに関する記述と、パーマネントコントローラーオーナーの違いについての詳細な明文化が追加された。後者は例えば支配魔法/Control Magicエンチャントされたクリーチャーは、ゲーム中・ゲーム終了後を問わず支配魔法のコントローラーの所有物となってしまうと認識される問題解決のために作られている。

有名なカードはMirror UniverseEurekaマナ吸収/Mana DrainMoatThe AbyssNether Void地獄界の夢/Underworld DreamsChains of Mephistophelesなど。

  • 基本セット以外では初めてブースターパックが15枚のカードで構成されたエキスパンションで、トーナメントパック構築済みデッキのないパックのみ販売されていた(すべてのパックに16枚目としてルール解説のカードが入っている)。
  • アンコモンにはA・Bと2つのグループがあり、最初期ロットは1つのボックスにはどちらかのグループのカードしか収録されていないという、致命的な商品管理上のミスがあった[2][3]
  • 開発者のSteve ConardRobin Herbertダンジョンズ&ドラゴンズ(以下D&D)を70年代から愛好しており、このセットのデザインにはD&Dの影響が色濃く反映されている。中でもエルダー・ドラゴン/Elder Dragonなどの伝説のクリーチャーの多くは、彼らが数年にわたって展開してきたD&Dキャンペーンのキャラクターが原型になっている[4]
  • このセットには現実世界の伝説の人物に似たカード名をもつカードが含まれているが、公式記事によると、現実世界をモチーフとした伝説のクリーチャーはネブカドネザル/Nebuchadnezzarのみである[5]
  • 映画と同名のカードが30枚以上(ある映画マニアのマジックファンによる調査では45枚)も存在している[6]
  • 日本では一般的に「レジェンド」と表記されているが、英語の読みに近づけるためや、かつてクリーチャー・タイプであったレジェンドと区別する意味で「レジェンズ」と表記する人もいる。

レイアウトの変更点

カードレイアウトの変更が行われている。

  • イラストの権利表記に年号が付くようになった。

デザイン

デザイン・チーム Steve Conard (lead)
Robin Herbert
デベロップ・チーム Skaff Elias
Jim Lin
Chris Page
Dave Petty
アート・ディレクター Jesper Myrfors
Sandra Everingham

関連リンク

  • レジェンド(マジック英語公式日本語版  セット特設サイト)
  1. Family trees (Arcana 2002年3月7日)
  2. Make No Mistake(Making Magic 2003年11月10日) - その10
  3. M:tGやっちまった小咄集(個人サイト「Braingeyser」、上の記事の和訳)
  4. The history of Legends (Feature 2002年3月4日)
  5. A real legend(Arcana 2002年3月6日)
  6. Movie Legends(Arcana 2002年7月2日)

参考

QR Code.gif