信仰無き物あさり/Faithless Looting

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[[赤]]くなって[[フラッシュバック]]の付いた[[入念な研究/Careful Study]]。赤[[単色]][[手札]]交換で「すべて[[捨てる]]」でも「[[無作為に]]捨てる」でもなく、選んで捨てられるものはこれが初。
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[[マナ・コスト]]、フラッシュバック・[[コスト]]ともに[[軽い|軽く]][[墓地]]利用[[デッキ]]ではかなり強力。この[[カード]]自身が墓地に落とされても機能するのも嬉しい。[[発掘 (デッキ)|発掘]][[青赤昇天]]、[[燃え立つ復讐/Burning Vengeance]]デッキなどでは即戦力になれるだろう。
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==解説==
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[[]][[単色]][[手札]]交換は「[[捨てる|捨て]]てから[[引く]]」「[[無作為に]]捨てる」などクセの強いものが多いが、これは引いてから捨てる上、捨てる[[カード]]を選べるため非常に使い勝手が良い。加えて[[マナ・コスト]][[フラッシュバック]]・[[コスト]]ともに[[軽い|軽く]]、[[墓地]]利用[[デッキ]]ではかなり強力。このカード自身が墓地に落とされても機能するのも嬉しい。
  
 
また1枚で[[ライブラリー]]を4枚も掘り下げられるカードはそれだけで赤には貴重。[[カード・アドバンテージ]]を失うため無条件で採用できるわけではないが、[[コンボデッキ]]など[[キーカード]]の比重が大きいデッキであれば、墓地依存でなくとも採用を検討できる。
 
また1枚で[[ライブラリー]]を4枚も掘り下げられるカードはそれだけで赤には貴重。[[カード・アドバンテージ]]を失うため無条件で採用できるわけではないが、[[コンボデッキ]]など[[キーカード]]の比重が大きいデッキであれば、墓地依存でなくとも採用を検討できる。
  
*Magic: The Gathering comic bookの付属カードとして先行収録された([http://www.wizards.com/magic/magazine/article.aspx?x=mtg/daily/arcana/847 Faithless Looting])。
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==利用==
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===スタンダード、イニストラード・ブロック構築===
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[[スタンダード]]および[[イニストラード・ブロック構築]]では、主に[[赤]]を含む[[リアニメイト/スタンダード/イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期|リアニメイトデッキ]]で使われた。[[Frites]]、[[リアニメイト/スタンダード/イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期|4色リアニメイト]]、[[人間リアニメイト]]など。
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===モダン===
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[[モダン]]はこの[[カード]]が最も活躍した[[フォーマット]]である。[[カードプール]]の増加に伴って評価が上がり、[[ドレッジ#モダン|ドレッジ]]、[[ホロウ・ワン]]、[[ドレッジ・ヴァイン#モダン|ブリッジ・ヴァイン]]、[[青赤スペル#モダン|青赤フェニックス]]、[[白黒赤コントロール#モダン|マルドゥ・パイロマンサー]]など、後述の[[#禁止指定|禁止指定]]まで様々な[[デッキ]]で使われ続けた。
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各種[[墓地]]利用[[ギミック]]との[[シナジー]]はもちろん、[[若き紅蓮術士/Young Pyromancer]]や[[弧光のフェニックス/Arclight Phoenix]]と組んだときには、[[軽い|軽く]]て1枚で2回[[唱える|唱え]]られる[[呪文]]という点でも有用。
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===レガシー===
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[[レガシー]]では[[ドレッジ#レガシー|ドレッジ]]で使われるほか、[[リアニメイト#レガシー|黒赤リアニメイト]]を成立させる立役者となった。
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==禁止指定==
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[[2019年]]8月30日([[Magic Online]]では8月26日)より、[[モダン]]で[[禁止カード]]に指定される<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/august-26-2019-banned-and-restricted-announcement-2019-08-26 August 26, 2019 Banned and Restricted Announcement]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0032973/ 2019年8月26日 禁止制限告知]</ref>。事実上の「信仰無き物あさり[[デッキ]]」である[[墓地]]利用デッキが長期にわたって活躍し、[[メインデッキ]]から[[墓地対策]]を採用させるなど、[[メタゲーム]]に悪影響を及ぼしていることが問題視された。
  
 
==開発秘話==
 
==開発秘話==
このカードは[[The Great Designer Search 2]]で得られたアイディアが元になっている。1次予選における「[[能力]]1つをある[[色]]から他の色に移すとしたら何が良いか」という問題に対し、「カードの濾過/card filtering・[[ルーター]]能力/looting(カードを[[引く|引き]]、カードを捨てること)を[[青]]から赤に移す」という回答が複数寄せられた([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/116 Essay What]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/001070/ 論述問題])。
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このカードは[[The Great Designer Search 2]]で得られたアイディアが元になっている。1次予選における「[[能力]]1つをある[[色]]から他の色に移すとしたら何がよいか」という問題に対し、「カードの濾過/card filtering・[[ルーター]]能力/looting(カードを[[引く|引き]]、カードを捨てること)を[[青]]から[[赤]]に移す」という回答が複数寄せられた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/essay-what-2010-11-08 Essay What]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0003916/ 論述問題]([[Making Magic]] [[2010年]]11月8日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
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[[開発部]]はこのアイディアを気に入り、青からルーター能力を取り除くことはしないが、赤に追加することを決定した。後に赤のルーター能力は「捨ててから引く」ようになったが、このカードは青と同じ「引いてから捨てる」ものとして世に出ることになった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/dark-shadows-part-1-2012-01-23 Dark Shadows, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004164/ 暗き影 その1](Making Magic [[2012年]]1月23日 Mark Rosewater著)</ref>。
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==その他==
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*[[Magic: The Gathering 1]]に[[コミックブックカード]]として先行収録された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/faithless-looting-2011-11-22 Faithless Looting](Arcana [[2011年]]11月22日 [[Monty Ashley]]著)</ref>。[[絵|イラスト]]に描かれているのは[[ダク・フェイデン/Dack Fayden (ストーリー)|ダク・フェイデン/Dack Fayden]]。
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**このイラストは、その後[[統率者2019]]に[[再録]]された際に使用された。
  
開発部はこのアイディアを気に入り、青からルーター能力を取り除くことはしないが、赤に追加することを決定した。後に青と赤でルーター能力に差異を設けることも検討されたが、このカードは青と同じものとして世に出ることになった([http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/179 Dark Shadows, Part 1])。
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==脚注==
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<references />
  
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[カード個別評価:闇の隆盛]] - [[コモン]]
 
*[[カード個別評価:闇の隆盛]] - [[コモン]]
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*[[カード個別評価:アルティメットマスターズ]] - [[コモン]]
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*[[カード個別評価:エターナルマスターズ]] - [[コモン]]

2019年8月27日 (火) 17:15時点における版


Faithless Looting / 信仰無き物あさり (赤)
ソーサリー

カードを2枚引き、その後カードを2枚捨てる。
フラッシュバック(2)(赤)(あなたはあなたの墓地にあるこのカードを、そのフラッシュバック・コストで唱えてもよい。その後それを追放する。)


の強力な手札交換ソーサリー。赤くなってフラッシュバックの付いた入念な研究/Careful Study

目次

解説

単色手札交換は「捨ててから引く」「無作為に捨てる」などクセの強いものが多いが、これは引いてから捨てる上、捨てるカードを選べるため非常に使い勝手が良い。加えてマナ・コストフラッシュバックコストともに軽く墓地利用デッキではかなり強力。このカード自身が墓地に落とされても機能するのも嬉しい。

また1枚でライブラリーを4枚も掘り下げられるカードはそれだけで赤には貴重。カード・アドバンテージを失うため無条件で採用できるわけではないが、コンボデッキなどキーカードの比重が大きいデッキであれば、墓地依存でなくとも採用を検討できる。

利用

スタンダード、イニストラード・ブロック構築

スタンダードおよびイニストラード・ブロック構築では、主にを含むリアニメイトデッキで使われた。Frites4色リアニメイト人間リアニメイトなど。

モダン

モダンはこのカードが最も活躍したフォーマットである。カードプールの増加に伴って評価が上がり、ドレッジホロウ・ワンブリッジ・ヴァイン青赤フェニックスマルドゥ・パイロマンサーなど、後述の禁止指定まで様々なデッキで使われ続けた。

各種墓地利用ギミックとのシナジーはもちろん、若き紅蓮術士/Young Pyromancer弧光のフェニックス/Arclight Phoenixと組んだときには、軽くて1枚で2回唱えられる呪文という点でも有用。

レガシー

レガシーではドレッジで使われるほか、黒赤リアニメイトを成立させる立役者となった。

禁止指定

2019年8月30日(Magic Onlineでは8月26日)より、モダン禁止カードに指定される[1]。事実上の「信仰無き物あさりデッキ」である墓地利用デッキが長期にわたって活躍し、メインデッキから墓地対策を採用させるなど、メタゲームに悪影響を及ぼしていることが問題視された。

開発秘話

このカードはThe Great Designer Search 2で得られたアイディアが元になっている。1次予選における「能力1つをあるから他の色に移すとしたら何がよいか」という問題に対し、「カードの濾過/card filtering・ルーター能力/looting(カードを引き、カードを捨てること)をからに移す」という回答が複数寄せられた[2]

開発部はこのアイディアを気に入り、青からルーター能力を取り除くことはしないが、赤に追加することを決定した。後に赤のルーター能力は「捨ててから引く」ようになったが、このカードは青と同じ「引いてから捨てる」ものとして世に出ることになった[3]

その他

脚注

  1. August 26, 2019 Banned and Restricted Announcement/2019年8月26日 禁止制限告知
  2. Essay What/論述問題Making Magic 2010年11月8日 Mark Rosewater著)
  3. Dark Shadows, Part 1/暗き影 その1(Making Magic 2012年1月23日 Mark Rosewater著)
  4. Faithless Looting(Arcana 2011年11月22日 Monty Ashley著)

参考

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