白ウィニー

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==概要==
 
==概要==
[[軽い|軽量]][[クリーチャー]][[戦場]]に並べ、[[全体強化]][[エンチャント]]により戦場を制圧する。2[[マナ]]以下のクリーチャーがこの[[デッキ]]の大半を占める。
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[[白騎士/White Knight]]などの[[白]]の優秀な[[軽い|軽量]][[クリーチャー]][[ウィニー]])を[[十字軍/Crusade]]などの[[全体強化]][[エンチャント]]により強化し、[[ハルマゲドン/Armageddon]]で戦場の状況を固定し殴り勝つ。[[マジック:ザ・ギャザリング]]黎明期に誕生した白の基本的[[アーキタイプ]]である。
  
[[]]という[[]]の性質上、[[ウィニー]]クリーチャーの質は非常に優秀。単純な[[コスト・パフォーマンス]]の良さに加え、[[飛行]]・[[先制攻撃]]・[[プロテクション]]などのオプションも充実している。また、エンチャントと[[アーティファクト]]を容易く[[割る|割れる]]ので、[[防御円]]等による完封負けなどの心配もほぼ無い。
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2[[マナ]]以下のクリーチャーがこの[[デッキ]]の大半を占める。単純な[[コスト・パフォーマンス]]の良さに加え、[[飛行]]・[[先制攻撃]]・[[プロテクション]]などのオプションも充実している。また、[[解呪/Disenchant]]によりエンチャントと[[アーティファクト]]を容易く[[割る|割れる]]ので、[[防御円]]等による完封負けなどの心配もほぼ無い。その反面、[[手札]]や[[ライブラリー]]に干渉できず、[[火力]]も一切持たないため、最後の最後まで[[ボード・アドバンテージ]]のみで正直に押し切るしか勝ちパターンを持てない。
  
その反面、[[手札]][[ライブラリー]]に干渉できず、[[火力]]も一切持たないため、最後の最後まで[[ボード・アドバンテージ]]のみで正直に押し切るしか勝ちパターンを持てない。昔は[[ハルマゲドン/Armageddon]][[対戦相手]]の反撃を封じるという戦法がとれたが、今ではその戦法はとれない。代わりに[[アンタップ]]制限や[[呪文]][[唱える|キャスト]]禁止などを手に入れたが、やはり確実性に欠け、代役としては十分とはいえない。よって詰めの甘さばかりが目立つようになった。
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基本パーツは[[基本セット]]常連であり、[[エキスパンション]]で白のウィニークリーチャーが供給されないことは無かったので、かつて[[Randy Buehler]]は「核戦争があってもゴキブリと白ウィニーだけは生き残る」という趣旨の発言もしていた<ref>[https://mtg-jp.com/reading/variety/0004528/ 浅原晃の「デッキタイムトラベル!」 Part11 ?白単ウィニー](木曜マジック・バラエティ 2011年10月27日 文:[[浅原晃]])</ref>。だが[[第7版]]でのハルマゲドンの基本セット[[落ちる|落ち]]による[[コントロール (デッキ)|コントロールデッキ]]への優位の消失、クリーチャーの全体的な性能底上げにより軽量クリーチャーでは太刀打ちできない重コストクリーチャーの登場、[[マナ基盤]]の充実による[[多色]]化のリスク低減などにより、昔ながらの白単色速攻デッキが[[トーナメント]]シーンに登場することは少なくなった。
  
とはいえ、今も白には優秀なウィニークリーチャーが多く、また比較的容易かつ安価にそれなりのデッキを作れるとあって、未だに多くの[[プレイヤー]]からの根強い人気を誇るデッキである。かつて[[Randy Buehler]]は「核戦争があってもゴキブリと白ウィニーだけは生き残る」とまで発言していた。
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とはいえ、白が最も低マナ域クリーチャーに充実した[[]]であることは変わり無く、また比較的容易かつ安価にそれなりのデッキを作れるとあって、未だに多くの[[プレイヤー]]からの根強い人気を誇るデッキである。
  
 
==スタンダード==
 
==スタンダード==
下記の時期の[[スタンダード]]においても、活躍を見せる。  
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下記の時期の[[スタンダード]]においても、活躍を見せる。
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*[[白ウィニー/スタンダード/ラヴニカのギルド~基本セット2021期|ラヴニカのギルド~基本セット2021期]]
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*[[白ウィニー/スタンダード/イクサラン・ブロック~基本セット2020期|イクサラン・ブロック~基本セット2020期]]
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*[[オケチラの碑|戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック期]]
 
*[[白ウィニー/スタンダード/ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期|ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期]]
 
*[[白ウィニー/スタンダード/ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期|ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期]]
 
*[[白ウィニー/スタンダード/イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期|イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期]]
 
*[[白ウィニー/スタンダード/イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期|イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期]]
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優秀な[[ウィニー]][[クリーチャー]]を高速で[[展開]]し、[[幽体の行列/Spectral Procession]]も合わせて数を並べ、[[清浄の名誉/Honor of the Pure]]で[[全体強化]]して一気に押し切るのが基本方針。
 
優秀な[[ウィニー]][[クリーチャー]]を高速で[[展開]]し、[[幽体の行列/Spectral Procession]]も合わせて数を並べ、[[清浄の名誉/Honor of the Pure]]で[[全体強化]]して一気に押し切るのが基本方針。
  
[[運命の大立者/Figure of Destiny]]と[[闘争の学び手/Student of Warfare]]、[[フェッチランド]]・[[トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair]]との[[シナジー]]を持つ[[ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx]]は1[[マナ]]クリーチャーとは思えない[[サイズ]]に成長する。[[イーオスのレインジャー/Ranger of Eos]]は後半も強いこれらのクリーチャーを[[サーチ]]して[[アドバンテージ]]を稼げるだけでなく、[[ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender]]などの[[シルバーバレット]]要員をサーチすることもできる。
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自らサイズを上げる能力を持つ[[運命の大立者/Figure of Destiny]]と[[闘争の学び手/Student of Warfare]]、[[フェッチランド]]・[[トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair]]との[[シナジー]]を持つ[[ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx]]は、いずれも1[[マナ]]クリーチャーとは思えない[[サイズ]]に成長する。[[イーオスのレインジャー/Ranger of Eos]]は後半も強いこれらのクリーチャーを[[サーチ]]して[[アドバンテージ]]を稼げるだけでなく、[[ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender]]などの[[シルバーバレット]]要員をサーチすることもできる。
  
 
[[精霊への挑戦/Brave the Elements]]や[[マナの税収/Mana Tithe]]などにより、本来白ウィニーが苦手とする[[全体除去]]や[[コンボ]]に耐性をつけているのも特徴。その動きは[[クロック・パーミッション]]にも通じるものがある。
 
[[精霊への挑戦/Brave the Elements]]や[[マナの税収/Mana Tithe]]などにより、本来白ウィニーが苦手とする[[全体除去]]や[[コンボ]]に耐性をつけているのも特徴。その動きは[[クロック・パーミッション]]にも通じるものがある。
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{{#card:Leonin Arbiter}}
 
{{#card:Leonin Arbiter}}
  
[[レガシー]]の[[#レガシー|もの]]と同じように[[霊気の薬瓶/AEther Vial]]から妨害能力の高い[[クリーチャー]]を[[展開]]する。モダンでは[[サーチ]]を多用する[[デッキ]]が[[環境]]に多く存在することから[[レオニンの裁き人/Leonin Arbiter]]が採用されることが多い。詳しくは[[ヘイトベアー]]を参照。
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[[#レガシー|レガシーのもの]]と同じように[[霊気の薬瓶/AEther Vial]]から妨害能力の高い[[クリーチャー]]を[[展開]]する。モダンでは[[サーチ]]を多用する[[デッキ]]が[[環境]]に多く存在することから[[レオニンの裁き人/Leonin Arbiter]]が採用されることが多い。詳しくは[[Death & Taxes#モダン|Death & Taxes]]を参照。
  
 
また[[モダン]]では環境初期から[[ソウルシスターズ]]が活躍している。
 
また[[モダン]]では環境初期から[[ソウルシスターズ]]が活躍している。
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これらのウィニー構成に加え、[[古えの墳墓/Ancient Tomb]]など[[2マナランド]]での[[マナ加速]]を導入し、[[賛美されし天使/Exalted Angel]]を高速で[[召喚]]するタイプも存在する。詳細は[[エンジェル・ストンピィ]]を参照のこと。
 
これらのウィニー構成に加え、[[古えの墳墓/Ancient Tomb]]など[[2マナランド]]での[[マナ加速]]を導入し、[[賛美されし天使/Exalted Angel]]を高速で[[召喚]]するタイプも存在する。詳細は[[エンジェル・ストンピィ]]を参照のこと。
  
また、近年では、[[Death & Taxes]]と呼ばれる[[コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor]]と[[Karakas]]の[[コンボ]]を導入したタイプも見られるようになった。
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また、近年では、[[Death & Taxes#レガシー|Death & Taxes]]と呼ばれる[[コロンドールのマンガラ/Mangara of Corondor]]と[[カラカス/Karakas]]の[[コンボ]]を導入したタイプも見られるようになった。
  
==Pauper==
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==パウパー==
安定した動きが魅力的であり、Pauperにおいても根強い人気を保ち続けている。
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安定した動きが魅力的であり、[[パウパー]]においても根強い人気を保ち続けている。
  
 
{{#card:Icatian Javelineers}}
 
{{#card:Icatian Javelineers}}
 
{{#card:Squadron Hawk}}
 
{{#card:Squadron Hawk}}
  
メタゲーム上の主要デッキと言うわけではないが、使い続ける愛好者も見受けられるなど根強い人気があるデッキの1つ。他の構築環境ではあまり使用されていない[[トロウケアの影/Shade of Trokair]]や[[バリーノックの群勢/Ballynock Cohort]]、[[剃刀のゴーレム/Razor Golem]]などが主力アタッカーとして利用されている。
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他の[[構築]][[環境]]ではあまり使用されていない[[トロウケアの影/Shade of Trokair]]や[[バリーノックの群勢/Ballynock Cohort]]、[[剃刀のゴーレム/Razor Golem]]などが主力[[アタッカー]]として利用されている。また、[[戦隊の鷹/Squadron Hawk]]や[[コーの空漁師/Kor Skyfisher]]といった[[飛行]][[クロック]]も充実している。
  
有用な全体強化カードが環境中に存在しないため他環境ほどの爆発的な攻撃力は期待できないが、除去として[[未達への旅/Journey to Nowhere]]や[[忘却の輪/Oblivion Ring]]、相手の除去から身を守るための[[心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard]]や[[虹色の断片/Prismatic Strands]]など使用することができるためデッキとしての安定性は高い。対抗策が皆無であるコンボデッキ以外には、極端な苦手意識を持たなければならないデッキが少ないという点も強みである。
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有用な[[全体強化]][[カード]]が環境中に存在しないため他環境ほどの爆発的な攻撃力は期待できないが、[[全体除去]]も乏しいため極端な苦手意識を持たなければならないデッキが少ないという点も強みである。[[除去]]として[[未達への旅/Journey to Nowhere]]や[[忘却の輪/Oblivion Ring]]、[[対戦相手]]の除去から身を守るための[[心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard]]や[[虹色の断片/Prismatic Strands]]などを使用することができるため[[デッキ]]としての安定性は高い。
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一方で、[[コンボデッキ]]に対しては対抗策が皆無であるのは小さくない弱点である。
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他の白単ビートダウンとしては、[[親和]]や[[金属術]]を持った[[クリーチャー]]を採用した[[サイボーグ (デッキ)|サイボーグ]]と呼ばれる白茶単の金属術[[ウィニー]]、[[トークン]]生成スペルを多く採用した[[白単トークン]]と呼ばれる中速デッキ、[[英雄的]]を活用した[[白単英雄的]]なども存在する。
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[[メタゲーム]]の一角を占めていた時期もあったものの、[[カードプール]]拡大により他のデッキが強化され新しいデッキが登場する一方で目立った新戦力がなく、相対的に弱体化している。[[地雷|ローグ]]デッキの1つといった立場だが、使い続ける愛好者も見受けられるなど根強い人気もある。
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===サンプルリスト===
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====初期型====
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*備考
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**Pauper Challenge #770308 on 12/11/2009 1st Place([http://archive.wizards.com/Magic/digital/magiconlinetourn.aspx?x=mtg/digital/magiconline/tourn/770308 参考])
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**使用者:deluxeicoff
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*[[フォーマット]]
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**[[パウパー]] (~[[エクソダス]])
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{{#MagicFactory:df313212}}
 +
====ソウルシスターズ型====
 +
*備考
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**Pauper Daily #4940391 on 01/26/2013 4-0([http://archive.wizards.com/Magic/Digital/MagicOnlineTourn.aspx?x=mtg/digital/magiconline/tourn/4940391 参考])
 +
**使用者:Roklem
 +
*[[フォーマット]]
 +
**[[パウパー]] (~[[ラヴニカへの回帰]])
  
また、[[Vintage Masters]]での[[金切るときの声/Battle Screech]]のコモンへの変更、[[基本セット2015]]での[[三つぞろいの霊魂/Triplicate Spirits]]収録により[[トークン]]生成スペルを多く採用したトークン型のウィニーも組まれるようになった。
+
{{#MagicFactory:df312809}}
 +
*[[魂の管理人/Soul Warden]][[魂の従者/Soul's Attendant]]を4枚ずつ採用した[[ソウルシスターズ]]に近いタイプ。
 +
*[[ストーム (デッキ)#パウパー|赤系ストーム]]対策として[[心優しき一角獣/Benevolent Unicorn]][[Holy Light]]、[[感染 (デッキ)#Pauper|感染]]対策として[[軍旗の旗手/Standard Bearer]]がメイン、サイド合わせて4枚ずつ採用されている。
  
===サンプルレシピ(クリーチャー型)===
+
====禁止改訂後====
 
*備考
 
*備考
 
**Pauper Daily #8022261 on 01/30/2015 4-0([http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-daily-2015-01-31 参考])
 
**Pauper Daily #8022261 on 01/30/2015 4-0([http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-daily-2015-01-31 参考])
 
**使用者:AndreyS
 
**使用者:AndreyS
 
*[[フォーマット]]
 
*[[フォーマット]]
**[[Pauper]] (~[[タルキール覇王譚]])
+
**[[パウパー]] (~[[タルキール覇王譚]])
  
 
{{#MagicFactory:df312614}}
 
{{#MagicFactory:df312614}}
 +
*ストームや[[8post#パウパー|8post]]の消滅、感染の弱体化後のリスト。
  
===サンプルレシピ(トークン型)===
+
====基本セット2019参入後====
 
*備考
 
*備考
**Pauper Daily #8022237 on 02/28/2015 4-0([http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-daily-2015-03-01 参考])
+
** Pauper Constructed League 5-0(2018/07/25)([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-constructed-league-2018-07-25 参考])
**使用者:Naga_tsuki
+
**使用者: Corran62
 
*[[フォーマット]]
 
*[[フォーマット]]
**[[Pauper]] (~[[運命再編]])
+
**[[パウパー]](~[[基本セット2019]]
  
{{#MagicFactory:df312613}}
+
{{#magicfactory: df318691}}
 +
* [[軍用隼/War Falcon]]を主体としたリスト。軍用隼以外のクリーチャーはすべて[[兵士]]か[[騎士]]となっている。
 +
* [[基本セット2019]]からは[[騎兵隊の教練官/Cavalry Drillmaster]]を獲得している。
  
 
==参考==
 
==参考==
*[http://mtg-jp.com/reading/variety/002259/ 浅原晃の「デッキタイムトラベル!」 Part11-白単ウィニー]([[WotC]]、文:[[浅原晃]])
+
<references />
 
*[[ウィニー]]
 
*[[ウィニー]]
 
*[[デッキ集]]
 
*[[デッキ集]]
218行: 249行:
 
[[Category:モダンデッキ]]
 
[[Category:モダンデッキ]]
 
[[Category:レガシーデッキ]]
 
[[Category:レガシーデッキ]]
[[Category:Pauperデッキ]]
+
[[Category:パウパーデッキ]]

2020年5月4日 (月) 14:53時点における版

白ウィニー(White Weenie)は、主に白単色で組まれる速攻ビートダウンデッキの総称。

目次

概要

白騎士/White Knightなどのの優秀な軽量クリーチャーウィニー)を十字軍/Crusadeなどの全体強化エンチャントにより強化し、ハルマゲドン/Armageddonで戦場の状況を固定し殴り勝つ。マジック:ザ・ギャザリング黎明期に誕生した白の基本的アーキタイプである。

2マナ以下のクリーチャーがこのデッキの大半を占める。単純なコスト・パフォーマンスの良さに加え、飛行先制攻撃プロテクションなどのオプションも充実している。また、解呪/Disenchantによりエンチャントとアーティファクトを容易く割れるので、防御円等による完封負けなどの心配もほぼ無い。その反面、手札ライブラリーに干渉できず、火力も一切持たないため、最後の最後までボード・アドバンテージのみで正直に押し切るしか勝ちパターンを持てない。

基本パーツは基本セット常連であり、エキスパンションで白のウィニークリーチャーが供給されないことは無かったので、かつてRandy Buehlerは「核戦争があってもゴキブリと白ウィニーだけは生き残る」という趣旨の発言もしていた[1]。だが第7版でのハルマゲドンの基本セット落ちによるコントロールデッキへの優位の消失、クリーチャーの全体的な性能底上げにより軽量クリーチャーでは太刀打ちできない重コストクリーチャーの登場、マナ基盤の充実による多色化のリスク低減などにより、昔ながらの白単色速攻デッキがトーナメントシーンに登場することは少なくなった。

とはいえ、白が最も低マナ域クリーチャーに充実したであることは変わり無く、また比較的容易かつ安価にそれなりのデッキを作れるとあって、未だに多くのプレイヤーからの根強い人気を誇るデッキである。

スタンダード

下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。

ブロック構築

下記の時期のブロック構築においても、活躍を見せる。

エクステンデッド(時のらせん期)

時のらせん期以降のエクステンデッドでも活躍するデッキである。開幕戦となったプロツアーアムステルダム10ではPaul Rietzlが見事優勝を飾った。→*1



優秀なウィニークリーチャーを高速で展開し、幽体の行列/Spectral Processionも合わせて数を並べ、清浄の名誉/Honor of the Pure全体強化して一気に押し切るのが基本方針。

自らサイズを上げる能力を持つ運命の大立者/Figure of Destiny闘争の学び手/Student of Warfareフェッチランドトロウケアの敷石/Flagstones of Trokairとのシナジーを持つステップのオオヤマネコ/Steppe Lynxは、いずれも1マナクリーチャーとは思えないサイズに成長する。イーオスのレインジャー/Ranger of Eosは後半も強いこれらのクリーチャーをサーチしてアドバンテージを稼げるだけでなく、ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tenderなどのシルバーバレット要員をサーチすることもできる。

精霊への挑戦/Brave the Elementsマナの税収/Mana Titheなどにより、本来白ウィニーが苦手とする全体除去コンボに耐性をつけているのも特徴。その動きはクロック・パーミッションにも通じるものがある。

ローウィン期に入ると、ミラディン包囲戦で優秀な装備品饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine二段攻撃を持つミラディンの十字軍/Mirran Crusaderなどが登場し、石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mysticで必要な装備品をサーチするデッキも登場した。→*2

後期型

White Weenie [1]
土地 (24)
21 平地/Plains
3 風立ての高地/Windbrisk Heights
クリーチャー (20)
4 運命の大立者/Figure of Destiny
4 白蘭の騎士/Knight of the White Orchid
4 ミラディンの十字軍/Mirran Crusader
4 石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
4 闘争の学び手/Student of Warfare
呪文 (16)
4 精霊への挑戦/Brave the Elements
2 遍歴の騎士、エルズペス/Elspeth, Knight-Errant
1 迫撃鞘/Mortarpod
3 流刑への道/Path to Exile
4 幽体の行列/Spectral Procession
1 肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind
1 饗宴と飢餓の剣/Sword of Feast and Famine
サイドボード (15)
1 骨溜め/Bonehoard
2 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender
3 審判の日/Day of Judgment
4 コーの火歩き/Kor Firewalker
2 静寂の守り手、リンヴァーラ/Linvala, Keeper of Silence
2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos
1 肉体と精神の剣/Sword of Body and Mind


初期型

White Weenie [2]
土地 (23)
4 乾燥台地/Arid Mesa
4 トロウケアの敷石/Flagstones of Trokair
1 地平線の梢/Horizon Canopy
4 湿地の干潟/Marsh Flats
10 平地/Plains
クリーチャー (22)
4 エーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist
4 運命の大立者/Figure of Destiny
4 白蘭の騎士/Knight of the White Orchid
2 イーオスのレインジャー/Ranger of Eos
4 ステップのオオヤマネコ/Steppe Lynx
4 闘争の学び手/Student of Warfare
呪文 (15)
4 精霊への挑戦/Brave the Elements
4 清浄の名誉/Honor of the Pure
2 マナの税収/Mana Tithe
1 流刑への道/Path to Exile
4 幽体の行列/Spectral Procession
サイドボード (15)
1 天使の嗜み/Angel's Grace
3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender
1 天界の粛清/Celestial Purge
1 確実性の欠落/Lapse of Certainty
3 流刑への道/Path to Exile
4 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
2 法の定め/Rule of Law


エクステンデッド(テンペスト後)

エクステンデッドでは、テンペスト以降白シャドーウィニーが活躍する。



スライなどと比べてスピードでは劣るが、剣を鍬に/Swords to Plowshares解呪/Disenchantなどのユーティリティーカードにより柔軟性に富む。

メタの中心にあるコンボデッキコントロールデッキへの対策として、打ち消し呪文やコンボ対策の翻弄する魔道士/Meddling Mageなどのためにタッチする場合も多い。同時期のリベリオンも同様の理由で白青で組まれた。また、悟りの教示者/Enlightened Tutorによるシルバーバレット戦術を搭載する場合もある。

後期にはメタゲームの変遷の末ウィニー色を強める必要性が薄まり、最終的にテンポラリーソリューションへと移行していった。

サンプルレシピ

メインデッキ (60)
クリーチャー (23)
4 翻弄する魔道士/Meddling Mage
4 ルーンの母/Mother of Runes
3 新星の僧侶/Nova Cleric
4 レイモス教の兵長/Ramosian Sergeant
4 真実の信仰者/True Believer
4 鞭縄使い/Whipcorder
呪文 (14)
4 渦まく知識/Brainstorm
3 聖餐式/Divine Sacrament
3 パララクスの波/Parallax Wave
4 ぐらつき/Topple
土地 (23)
4 アダーカー荒原/Adarkar Wastes
4 溢れかえる岸辺/Flooded Strand
1 島/Island
14 平地/Plains
サイドボード
3 金粉のドレイク/Gilded Drake
4 阻止/Interdict
4 浄化の印章/Seal of Cleansing
2 退去の印章/Seal of Removal
2 崇拝/Worship

モダン

モダンでも白単色ビートダウンデッキが存在している。


レガシーのものと同じように霊気の薬瓶/AEther Vialから妨害能力の高いクリーチャー展開する。モダンではサーチを多用するデッキ環境に多く存在することからレオニンの裁き人/Leonin Arbiterが採用されることが多い。詳しくはDeath & Taxesを参照。

またモダンでは環境初期からソウルシスターズが活躍している。

レガシー

レガシーでも白単色ビートダウンデッキが存在している。



剣を鍬に/Swords to Plowsharesなどで邪魔なブロッカーを排除、梅澤の十手/Umezawa's Jitteなどの装備品強化しつつ殴り勝つというのが基本構成である。

2マナ域が多いため、霊気の薬瓶/AEther Vialが多く採用される。この関係で、クリーチャーには霊気の薬瓶と相性のよい時代寄生機/Epochrasiteや、セラの報復者/Serra Avengerといったものが定番となっている。また、ルーンの母/Mother of Runesはこれらのクリーチャーを守りつつ、突破力向上に一役買っている。

白のクリーチャーには、優秀なサイズに加え、特定のデッキに対して強烈に利く能力を持っているものが多く存在するため、攻撃性よりも対策性を重視したチョイスをされる事も多い。特に、ゴブリンいカード全般に対するストッパーとしてのブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tenderストームコンボデッキによく効くエーテル宣誓会の法学者/Ethersworn Canonist墓地対策を兼ねるヨツンの兵卒/Jotun Gruntなどが、よくメインから採用されている。サイドボードに4枚仕込んでおくこともしばしば。

これらのウィニー構成に加え、古えの墳墓/Ancient Tombなど2マナランドでのマナ加速を導入し、賛美されし天使/Exalted Angelを高速で召喚するタイプも存在する。詳細はエンジェル・ストンピィを参照のこと。

また、近年では、Death & Taxesと呼ばれるコロンドールのマンガラ/Mangara of Corondorカラカス/Karakasコンボを導入したタイプも見られるようになった。

パウパー

安定した動きが魅力的であり、パウパーにおいても根強い人気を保ち続けている。



他の構築環境ではあまり使用されていないトロウケアの影/Shade of Trokairバリーノックの群勢/Ballynock Cohort剃刀のゴーレム/Razor Golemなどが主力アタッカーとして利用されている。また、戦隊の鷹/Squadron Hawkコーの空漁師/Kor Skyfisherといった飛行クロックも充実している。

有用な全体強化カードが環境中に存在しないため他環境ほどの爆発的な攻撃力は期待できないが、全体除去も乏しいため極端な苦手意識を持たなければならないデッキが少ないという点も強みである。除去として未達への旅/Journey to Nowhere忘却の輪/Oblivion Ring対戦相手の除去から身を守るための心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard虹色の断片/Prismatic Strandsなどを使用することができるためデッキとしての安定性は高い。

一方で、コンボデッキに対しては対抗策が皆無であるのは小さくない弱点である。

他の白単ビートダウンとしては、親和金属術を持ったクリーチャーを採用したサイボーグと呼ばれる白茶単の金属術ウィニートークン生成スペルを多く採用した白単トークンと呼ばれる中速デッキ、英雄的を活用した白単英雄的なども存在する。

メタゲームの一角を占めていた時期もあったものの、カードプール拡大により他のデッキが強化され新しいデッキが登場する一方で目立った新戦力がなく、相対的に弱体化している。ローグデッキの1つといった立場だが、使い続ける愛好者も見受けられるなど根強い人気もある。

サンプルリスト

初期型

W Weenie(Pauper) [3]
土地 (20)
18 平地/Plains
2 隔離されたステップ/Secluded Steppe
クリーチャー (33)
2 アムローの偵察兵/Amrou Scout
4 エイヴンの裂け目追い/Aven Riftwatcher
4 心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard
4 真紅の見習い僧/Crimson Acolyte
4 コーの空漁師/Kor Skyfisher
4 剃刀のゴーレム/Razor Golem
4 トロウケアの影/Shade of Trokair
4 魂の管理人/Soul Warden
3 古参兵の武具師/Veteran Armorer
呪文 (7)
3 未達への旅/Journey to Nowhere
4 損ない/Unmake
サイドボード (15)
3 塵は塵に/Dust to Dust
3 宮殿の護衛/Palace Guard
3 虹色の断片/Prismatic Strands
2 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
4 軍旗の旗手/Standard Bearer

ソウルシスターズ型

W Weenie(Pauper) [4]
土地 (20)
20 平地/Plains
クリーチャー (30)
3 心優しき一角獣/Benevolent Unicorn
4 ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact
4 忠実な聖戦士/Loyal Cathar
4 剃刀のゴーレム/Razor Golem
4 魂の管理人/Soul Warden
4 魂の従者/Soul's Attendant
3 軍旗の旗手/Standard Bearer
4 古参兵の武具師/Veteran Armorer
呪文 (10)
4 骨断ちの矛槍/Bonesplitter
4 未達への旅/Journey to Nowhere
2 太陽の槍/Sunlance
サイドボード (15)
1 心優しき一角獣/Benevolent Unicorn
4 誠実な証人/Devout Witness
4 Holy Light
1 正義の突撃/Righteous Charge
4 義務と道理の盾/Shield of Duty and Reason
1 軍旗の旗手/Standard Bearer

禁止改訂後

W Weenie(Pauper) [5]
土地 (21)
21 平地/Plains
クリーチャー (29)
2 心優しきボディガード/Benevolent Bodyguard
1 ギルドパクトの守護者/Guardian of the Guildpact
4 アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers
2 コーの奉納者/Kor Sanctifiers
4 コーの空漁師/Kor Skyfisher
4 Order of Leitbur
4 剃刀のゴーレム/Razor Golem
4 戦隊の鷹/Squadron Hawk
4 古参兵の武具師/Veteran Armorer
呪文 (10)
4 骨断ちの矛槍/Bonesplitter
2 未達への旅/Journey to Nowhere
4 忘却の輪/Oblivion Ring
サイドボード (15)
3 軍旗の旗手/Standard Bearer
2 真紅の見習い僧/Crimson Acolyte
2 塵は塵に/Dust to Dust
2 Holy Light
2 黒曜石の見習い僧/Obsidian Acolyte
2 虹色の断片/Prismatic Strands
2 縫合の僧侶/Suture Priest
  • ストームや8postの消滅、感染の弱体化後のリスト。

基本セット2019参入後

White Weenie [6]
土地 (18)
16 平地/Plains
2 隔離されたステップ/Secluded Steppe
クリーチャー (31)
4 騎兵隊の教練官/Cavalry Drillmaster
4 熟達の刃の精鋭/Deftblade Elite
4 アイケイシアの投槍兵/Icatian Javelineers
4 コーの空漁師/Kor Skyfisher
4 レオニンの空狩人/Leonin Skyhunter
3 忠実な聖戦士/Loyal Cathar
4 スレイベンの検査官/Thraben Inspector
4 軍用隼/War Falcon
呪文 (11)
3 変異原性の成長/Mutagenic Growth
4 結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity
4 未達への旅/Journey to Nowhere
サイドボード (15)
1 青の防御円/Circle of Protection: Blue
1 赤の防御円/Circle of Protection: Red
2 今わの際/Last Breath
1 痕跡消し/Leave No Trace
2 孤独な宣教師/Lone Missionary
2 虹色の断片/Prismatic Strands
2 大祖始の遺産/Relic of Progenitus
2 軍旗の旗手/Standard Bearer
2 太陽の槍/Sunlance

参考

  1. 浅原晃の「デッキタイムトラベル!」 Part11 ?白単ウィニー(木曜マジック・バラエティ 2011年10月27日 文:浅原晃
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