「続唱」を編集中
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|英名=Cascade | |英名=Cascade | ||
|種別=[[誘発型能力]] | |種別=[[誘発型能力]] | ||
− | |登場セット= | + | |登場セット=[[アラーラ再誕]]<br/>[[プレインチェイス2012]]<br/>[[統率者2016]]<br>[[モダンホライゾン]] |
|リーガル=legal | |リーガル=legal | ||
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'''続唱'''(ぞくしょう)/''Cascade''は、[[アラーラ再誕]]で初登場した[[キーワード能力]]。この[[能力]]を持つ[[呪文]]が[[唱える|唱えた]]ときに[[誘発]]する[[誘発型能力]]である。 | '''続唱'''(ぞくしょう)/''Cascade''は、[[アラーラ再誕]]で初登場した[[キーワード能力]]。この[[能力]]を持つ[[呪文]]が[[唱える|唱えた]]ときに[[誘発]]する[[誘発型能力]]である。 | ||
− | {{#card: | + | {{#card:Enlisted Wurm}} |
{{#card:Yidris, Maelstrom Wielder}} | {{#card:Yidris, Maelstrom Wielder}} | ||
==定義== | ==定義== | ||
− | '''続唱'''/''Cascade''は、「[[あなた]]がこの[[呪文]]を[[唱える|唱えた]] | + | '''続唱'''/''Cascade''は、「[[あなた]]がこの[[呪文]]を[[唱える|唱えた]]とき、あなたの[[ライブラリーの一番上]]の[[カード]]を、[[点数で見たマナ・コスト]]がその呪文より低い[[土地]]でないカードが[[追放]]されるまで追放する。あなたはそのカードをその[[マナ・コストを支払うことなく唱える|マナ・コストを支払うことなく唱えてもよい]]。その後、これにより追放されたすべてのカードを、あなたの[[ライブラリーの一番下]]に[[無作為に|無作為]]の順番で置く。」を意味する。 |
==解説== | ==解説== | ||
− | 唱えると追加で1枚[[カード]]をただで唱えられるという豪快なメカニズム。[[プレインチェイス2012]]、[[統率者2016]]、[[モダンホライゾン | + | 唱えると追加で1枚[[カード]]をただで唱えられるという豪快なメカニズム。[[プレインチェイス2012]]、[[統率者2016]]、[[モダンホライゾン]]で再登場した。 |
− | + | 続唱をもつカードはそのほとんどが[[多色カード]]かつ3[[マナ]]以上でデザインされている(例外は[[モダンホライゾン]]で登場した[[赤]][[単色]]の[[混沌の辛苦/Throes of Chaos]])。[[#マナ・コストの調整]]も参照。 | |
[[カード]]単体での[[効果]]は同じ効果の続唱を持たない呪文に比べて大幅に[[重い|重く]]デザインされており、[[ライブラリー]]からどの呪文が出てくるかはわからないものの、[[デッキ]][[構築]]によってある程度唱える呪文をコントロールできる。元の呪文を[[打ち消す|打ち消され]]ても追加の呪文には影響しないため、[[パーミッション]]に対する耐性がある。 | [[カード]]単体での[[効果]]は同じ効果の続唱を持たない呪文に比べて大幅に[[重い|重く]]デザインされており、[[ライブラリー]]からどの呪文が出てくるかはわからないものの、[[デッキ]][[構築]]によってある程度唱える呪文をコントロールできる。元の呪文を[[打ち消す|打ち消され]]ても追加の呪文には影響しないため、[[パーミッション]]に対する耐性がある。 | ||
− | 初出のアラーラ再誕は、収録カードが全て多色カードという異色の[[カード・セット]]であり、[[色拘束]]が強い代わりに[[カードパワー]]が高いカードが多数収録されていた。それが手伝い、[[スタンダード]]では[[血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf]]から[[大渦の脈動/Maelstrom Pulse]]や[[荒廃稲妻/Blightning]]が飛び出してくる[[黒赤緑ビートダウン#アラーラの断片ブロック期|ジャンド続唱]]が構築され、大暴れした。また[[マナ・コストの無いカード]]を唱えられる点を悪用し、[[エクステンデッド]]以下の[[フォーマット]]では[[超起源]]や[[死せる生]]といった[[コンボデッキ]]を誕生させた。 | + | 初出のアラーラ再誕は、収録カードが全て多色カードという異色の[[カード・セット]]であり、[[色拘束]]が強い代わりに[[カードパワー]]が高いカードが多数収録されていた。それが手伝い、[[スタンダード]]では[[血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf]]から[[大渦の脈動/Maelstrom Pulse]]や[[荒廃稲妻/Blightning]]が飛び出してくる[[黒赤緑ビートダウン#アラーラの断片ブロック期|ジャンド続唱]]が構築され、大暴れした。また[[マナ・コストの無いカード]]を唱えられる点を悪用し、[[エクステンデッド]]以下の[[フォーマット]]では[[超起源]]や[[死せる生]]といった[[コンボデッキ]]を誕生させた。 |
*「Cascade」とは「滝」あるいは「(滝のように)繋がったもの・流れるもの」のこと。「続唱」は呪文の詠唱が連なり続いていくような様からの命名だろう。 | *「Cascade」とは「滝」あるいは「(滝のように)繋がったもの・流れるもの」のこと。「続唱」は呪文の詠唱が連なり続いていくような様からの命名だろう。 | ||
− | *ストーリー掌編「The Day a Vedalken Exploded」<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/day-vedalken-exploded-2009-05-05 The Day a Vedalken Exploded](Savor of Flavor 2009年5月5日)</ref>では、「続唱」は荒れ狂うむき出しのマナの流れである[[大渦/ | + | *ストーリー掌編「The Day a Vedalken Exploded」<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/day-vedalken-exploded-2009-05-05 The Day a Vedalken Exploded](Savor of Flavor 2009年5月5日)</ref>では、「続唱」は荒れ狂うむき出しのマナの流れである[[大渦/Maelstrom]]によって、魔法が影響を受けた現象として描かれている。このことから、「続唱」は大渦の一面を表現したメカニズムの1つであることが分かる。 |
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==ルール== | ==ルール== | ||
*続唱[[能力]]は続唱を持つ呪文を唱えたときに[[誘発]]し、その呪文が[[解決]]される前に解決される。続唱能力によって唱えられたカードも同様である。続唱を持つ呪文を[[打ち消す|打ち消し]]ても、続唱能力は打ち消されない。 | *続唱[[能力]]は続唱を持つ呪文を唱えたときに[[誘発]]し、その呪文が[[解決]]される前に解決される。続唱能力によって唱えられたカードも同様である。続唱を持つ呪文を[[打ち消す|打ち消し]]ても、続唱能力は打ち消されない。 | ||
*条件を満たすカードを追放した後、それを唱えないことを選んでもよい。唱えなかった(唱えられなかった)カードは、他のカードと同様にライブラリーの一番下に置かれる。 | *条件を満たすカードを追放した後、それを唱えないことを選んでもよい。唱えなかった(唱えられなかった)カードは、他のカードと同様にライブラリーの一番下に置かれる。 | ||
− | *能力が[[解決中に呪文を唱える]]よう指示している({{CR|608. | + | *能力が[[解決中に呪文を唱える]]よう指示している({{CR|608.2f}})ため、[[優先権]]や[[カード・タイプ]]による許可([[あなた|自分]]の[[メイン・フェイズ]]で[[スタック]]が空といった)とは関係なく唱える事ができる。 |
*続唱能力によって唱えられるカードは、ライブラリーではなく、追放領域から唱えられる。 | *続唱能力によって唱えられるカードは、ライブラリーではなく、追放領域から唱えられる。 | ||
*続唱能力によって唱えられるカードの[[マナ・コスト]]に[[X]]が含まれていた場合、適正なXの選択は0のみである。また、そのカードの任意の[[追加コスト]]を支払ってもよく、強制の追加コストは支払わなければいけない。 | *続唱能力によって唱えられるカードの[[マナ・コスト]]に[[X]]が含まれていた場合、適正なXの選択は0のみである。また、そのカードの任意の[[追加コスト]]を支払ってもよく、強制の追加コストは支払わなければいけない。 | ||
*続唱能力によって唱えられたカードの続唱能力も誘発する。 | *続唱能力によって唱えられたカードの続唱能力も誘発する。 | ||
− | *[[分割カード]] | + | *[[分割カード]]が追放された場合、点数で見たマナ・コストは分割カードすべての合計となる。いずれかのカードの点数で見たマナ・コストが続唱を持つ呪文より低くても、その合計が上回っているならばどのカードとしても唱えられない。 |
− | *[[ | + | **[[アモンケット]]以前の分割カードのルールでは、いずれかのカードの点数で見たマナ・コストが続唱を持つ呪文より低ければ、どちらのカードでも唱えられた。 |
− | *[[ | + | *[[マナ・コストの無いカード]]は続唱能力で唱えられる(点数で見たマナ・コストは未定義値のルールにより0として扱う)。 |
*追放されたカードは、[[ライブラリーの一番下]]に'''無作為の順番'''で置かれる。これは、条件を満たすカードが[[ライブラリー]]に存在しない場合、ライブラリーを好きな順番に並び替えることを防ぐためである。 | *追放されたカードは、[[ライブラリーの一番下]]に'''無作為の順番'''で置かれる。これは、条件を満たすカードが[[ライブラリー]]に存在しない場合、ライブラリーを好きな順番に並び替えることを防ぐためである。 | ||
*条件を満たすカードがライブラリーに存在しなかった場合、結果としてライブラリーが無作為に並べ替えられるだけだが、これは「ライブラリーを[[切り直す]]」ではない。そのため、「ライブラリーを切り直すたび」に誘発する[[誘発型能力]]([[心因検査器/Psychogenic Probe]])は誘発しない。 | *条件を満たすカードがライブラリーに存在しなかった場合、結果としてライブラリーが無作為に並べ替えられるだけだが、これは「ライブラリーを[[切り直す]]」ではない。そのため、「ライブラリーを切り直すたび」に誘発する[[誘発型能力]]([[心因検査器/Psychogenic Probe]])は誘発しない。 | ||
*続唱能力の解決の後に優先権を得るのは、[[アクティブ・プレイヤー]]である({{CR|117.3b}})。 | *続唱能力の解決の後に優先権を得るのは、[[アクティブ・プレイヤー]]である({{CR|117.3b}})。 | ||
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==開発秘話== | ==開発秘話== | ||
===スピンとシャッフル=== | ===スピンとシャッフル=== | ||
− | [[Mark Gottlieb]]がこの[[キーワード能力]]を提案したときの名称は「'''スピン'''/''Spin''」で、「ライブラリーから最初の[[コスト]]がN(そのカードの[[ | + | [[Mark Gottlieb]]がこの[[キーワード能力]]を提案したときの名称は「'''スピン'''/''Spin''」で、「ライブラリーから最初の[[コスト]]がN(そのカードの[[点数で見たマナ・コスト]]と同値)以下の[[土地]]でない[[カード]]を見つけ、それをこの呪文の代わりに[[唱える|唱え]]てもよい。」という[[能力]]であった。要するに、スピン呪文の代わりに別の呪文を唱えられる選択肢を与える能力である<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/information-cascade-2009-04-17 Information Cascade](Latest Developments 2009年4月7日)</ref>。 |
[[Mike Turian]]は、スピン呪文は「いらだつような決定が生じる」欠点を持つと指摘した。スピン呪文はそうでない同じコストの呪文より弱くしなくてはならないが、そうすると見つけた別の呪文を選択する方が多くなり、これでは単に効果が不確定な呪文に過ぎなくなってしまう。さらに、[[公開する|公開]]されたのが元より低いコストの呪文であったら、どちらを選択しても支払ったコストに見合った効果が得られない。これを解決するため、両方の呪文を唱えるように提案し、「この呪文の代わりに唱える」が「コストを支払わずに唱えてもよい」に変更された。 | [[Mike Turian]]は、スピン呪文は「いらだつような決定が生じる」欠点を持つと指摘した。スピン呪文はそうでない同じコストの呪文より弱くしなくてはならないが、そうすると見つけた別の呪文を選択する方が多くなり、これでは単に効果が不確定な呪文に過ぎなくなってしまう。さらに、[[公開する|公開]]されたのが元より低いコストの呪文であったら、どちらを選択しても支払ったコストに見合った効果が得られない。これを解決するため、両方の呪文を唱えるように提案し、「この呪文の代わりに唱える」が「コストを支払わずに唱えてもよい」に変更された。 | ||
− | + | その後、すべての呪文カードがスピン持ちで同じ点数で見たマナ・コストの場合、スピン呪文を1回唱えるだけで、すべてのスピン呪文が唱えられてしまう問題が発生したため、スピン能力の連発を防ぐため、[[誘発条件]]が「[[手札]]から唱えられたとき」に変更された。だが、スピン能力の連発は問題ではないと多くの主張があったことから、唱えられるカードの条件が「この呪文の点数で見たマナ・コストより低い土地でないカード」に変更され、「手札から唱えられたとき」の誘発条件は削除された。 | |
開発の終盤で、多くのテストプレイヤーが続唱で毎回ライブラリーの[[切り直す|切り直し]]を強制されることに不満を述べたことから、「公開する」が「[[追放]]してから[[ライブラリーの一番下]]に[[戻す]]」に変更された。しかし、先述の「好きな順番に並び替えられる」ことは好まれないため、「追放したカードを無作為の順番で戻す」という少し奇怪な文章となった。基本的に追放したカードの束を切り直すことになるが、ライブラリーを切り直すよりは悪くないという考えである。 | 開発の終盤で、多くのテストプレイヤーが続唱で毎回ライブラリーの[[切り直す|切り直し]]を強制されることに不満を述べたことから、「公開する」が「[[追放]]してから[[ライブラリーの一番下]]に[[戻す]]」に変更された。しかし、先述の「好きな順番に並び替えられる」ことは好まれないため、「追放したカードを無作為の順番で戻す」という少し奇怪な文章となった。基本的に追放したカードの束を切り直すことになるが、ライブラリーを切り直すよりは悪くないという考えである。 | ||
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調整の結果、続唱の[[マナ・コスト]]は3以上に定められた。[[超起源]][[デッキ]]は依然としてポテンシャルを秘めているものの、1~2マナのカードなしにデッキ構築するにはリスクが高く、問題ないとされた(結局、この種の[[コンボデッキ]]は予想以上に猛威を振るい、[[超起源/Hypergenesis]]は[[エクステンデッド]]と[[モダン]]で[[禁止カード]]となったのだが)。 | 調整の結果、続唱の[[マナ・コスト]]は3以上に定められた。[[超起源]][[デッキ]]は依然としてポテンシャルを秘めているものの、1~2マナのカードなしにデッキ構築するにはリスクが高く、問題ないとされた(結局、この種の[[コンボデッキ]]は予想以上に猛威を振るい、[[超起源/Hypergenesis]]は[[エクステンデッド]]と[[モダン]]で[[禁止カード]]となったのだが)。 | ||
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==脚注== | ==脚注== |