吸血鬼 (デッキ)
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吸血鬼(Vampires)は、ゼンディカー・ブロック以降成立した吸血鬼の部族デッキ。
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[編集] 概要
もともと黒には吸血鬼のクリーチャー・タイプを持つものが少数ながら存在したが、吸血鬼だけでデッキを組めるほどではなかった。しかし、基本セット2010、ゼンディカー・ブロック、基本セット2011で多数の吸血鬼クリーチャーならびにそれを支援する呪文を獲得し、スタンダードやゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築で見ることができるようになった。
[編集] イニストラード:真夜中の狩り期
イニストラード:真夜中の狩りで吸血鬼が主要種族となったことにより、吸血鬼の部族デッキが久々にスタンダード環境に姿を現すようになった。黒赤で組まれる。
ファルケンラスの闘技士/Falkenrath Pit Fighterや血流の学部長、ヴァレンティン/Valentin, Dean of the Veinなどの軽い吸血鬼を並べ、吸血鬼の社交家/Vampire Socialiteで全体強化し、ヴォルダーレンの末裔、フロリアン/Florian, Voldaren Scionでアドバンテージを稼ぐ。消耗戦に陥った場合は、伸びたマナを活かし血に飢えた敵対者/Bloodthirsty Adversary、忘却の虚僧/Nullpriest of Oblivion、アガディームの覚醒/Agadeem's Awakeningで墓地のカードを再利用できる。
環境初期こそある程度の活躍があったが、イゼット天啓がトップメタになると速度不足が問題となりメタゲームから一時姿を消すこととなる。
再び環境に浮上したのはメタゲームがミッドレンジに傾き、強力な新規吸血鬼も追加されたニューカペナの街角参入後である。こちらでは青黒赤で組まれる。
電圧のうねり/Voltage Surgeや冥府の掌握/Infernal Graspなどの軽量除去で相手の初動を捌きつつ、税血の収穫者/Bloodtithe Harvesterや死体鑑定士/Corpse Appraiserなどの優秀なアタッカーで攻め立てていく。クリーチャーは何らかの形でカード・アドバンテージを稼げるものが多く、欲深き者、エヴリン/Evelyn, the Covetousという疑似的なドロー・エンジンも存在しているため、消耗戦に強い設計となっている。
ニューカペナ・チャンピオンシップでChannel Fireballがトップメタのエスパー・ミッドレンジを意識して持ち込んだことで大きく知名度を伸ばした。血トークンにより電圧のうねりを4点火力として使いやすい(=策謀の予見者、ラフィーン/Raffine, Scheming Seerに対処しやすい)、クリーチャーが多色中心で消失の詩句/Vanishing Verseを腐らせやすいといった点であちらに優位を取れる。
[編集] サンプルリスト
[編集] 初期型
- 初期の黒赤・アグロ型。
[編集] ニューカペナの街角後
- 備考
Grixis Vampires [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 後期の青黒赤・ミッドレンジ型。
[編集] イクサラン・ブロック~基本セット2020期
基本セット2020から漆黒軍の騎士/Knight of the Ebon Legionや傲慢な血王、ソリン/Sorin, Imperious Bloodlordを獲得したことにより、吸血鬼の部族デッキが強化された。
漆黒軍の騎士や空渡りの野心家/Skymarcher Aspirantなどの軽い吸血鬼と軍団の上陸/Legion's Landingによるトークン生成で頭数を並べ、軍団の副官/Legion Lieutenantや傲慢な血王、ソリンでダメージレースを優位に進める。
[編集] サンプルレシピ
- 備考
- グランプリデンバー19 ベスト4(参考)
- 使用者:Eric Hawkins
- フォーマット
Orzhov Vampires [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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[編集] イクサラン・ブロック+ドミナリア+基本セット2019+ラヴニカのギルド+ラヴニカの献身期
イクサラン・ブロックの吸血鬼にラヴニカの献身の神無き祭殿/Godless Shrineや災いの歌姫、ジュディス/Judith, the Scourge Divaを加えたマルドゥ吸血鬼がミシックチャンピオンシップクリーブランド19で地雷的に登場した。同環境のアグロデッキと比較し、薄暮軍団の盲信者/Dusk Legion Zealotのぶんだけジュディスや敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodonといった全体強化に多くアクセスできる。
[編集] サンプルリスト
- 備考
- ミシックチャンピオンシップクリーブランド19 第9位、スタンダード部門7勝3敗 (参考/参考)
- 使用者:Joe Soh
- フォーマット
Mardu Vampires [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 使用者によるデッキテクも参照。
[編集] カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック期
イクサラン・ブロックで主要部族として取り上げられたことにより、吸血鬼の部族デッキが再びスタンダードで成立するようになった。特にプロツアー「イクサラン」では、オケチラの碑の亜種である白単色のタイプが登場し、注目を集めた。
金属ミミック/Metallic Mimicで強化されたアダントの先兵/Adanto Vanguardや軍団の征服者/Legion Conquistadorでビートダウンを行いながら、薄暮の使徒、マーブレン・フェイン/Mavren Fein, Dusk Apostleや一番砦、アダント/Adanto, the First Fortで繰り返し吸血鬼・トークンを生成して盤面を制圧。最後は発明の天使/Angel of Inventionやシェフェトの砂丘/Shefet Dunesによる全体強化で勝負を決める。
オケチラの碑/Oketra's Monumentは同名カードをサーチできる軍団の征服者との相性が良く、またトークン生成能力も全体強化で勝負を決めるデッキの方向性と噛み合っている。オケチラの碑とのシナジーから、吸血鬼ではないが格納庫の整備士/Aviary Mechanicも採用される。
イクサランの相克参入後は軍団の副官/Legion Lieutenantなどの獲得により、白黒の部族ウィニーが主流となった。
空渡りの野心家/Skymarcher Aspirantや薄暮軍団の盲信者/Dusk Legion Zealotなどの軽い吸血鬼と饗宴への召集/Call to the Feastなどのトークン生成手段を連打し、軍団の副官や光輝の運命/Radiant Destinyで全体強化して戦う。頭数を並べる性質上、昇殿も無理なく達成することができる。
[編集] 白単
- 備考
- プロツアー「イクサラン」 第22位、スタンダード部門8勝2敗 (参考/参考)
- 使用者:Wilson Hunter
- フォーマット
Mono-White Vampires [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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[編集] 白黒
WB Vampires [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- イクサランの相克参入後の白黒のタイプ。
[編集] ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnusを失って大きく弱体化したものと思われたが、シナジーを多く含んだ軽量ビートダウンとして復活。特に黒割れの崖/Blackcleave Cliffsという優秀な2色土地の追加もあって、ほとんど火力のためだけに赤をタッチしたものが主流となっている。
鼓動の追跡者/Pulse Trackerや吸血鬼の裂断者/Vampire Laceratorなどのウィニークリーチャーを稲妻/Lightning Boltなどの火力でサポートするのが基本の動き。ビートダウンには火力による除去で、コントロールには除去に強い恐血鬼/Bloodghastと闇の後見/Dark Tutelageで対抗できるが、ヴァラクートに対しては干渉手段が少なく速度でも上回りづらいため、分が悪い。
もともとマナ総量が3以上のカードはほとんど存在しないが、さらに臓物の予見者/Viscera Seerのライブラリー操作が闇の後見のライフロスを最小限に抑えてくれる。容易に復活できる恐血鬼がその生け贄コストを務め、加えてカラストリアの貴人/Kalastria Highbornを併用することで一連の動きのたびに対戦相手のライフを削りつつ、ライフロスを補うことができる。
非常に色拘束の強いデッキであり、多くの局面で黒マナを要求されるため、地盤の際/Tectonic Edgeなどの黒マナを生産できない土地は採用しづらい。また広がりゆく海/Spreading Seasで対策されることも。
- 天敵は重力の変容/Gravitational Shift。ほぼすべてのクリーチャーがパワー0となり、エンチャントなので色の関係上割ることができない。
[編集] サンプルレシピ
- 備考
- 世界選手権10 ベスト8 (参考)
- 使用者:Eric Froehlich
- フォーマット
Br Vampires [7] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- サイドボードの死の門の悪魔/Demon of Death's Gateはトップメタであるヴァラクート対策。原始のタイタン/Primeval Titanの速度を上回れるパワーを持ち、飛行を持つためブロックで時間を稼がれることもない。ただし、転倒の磁石/Tumble Magnetで対処されることもあるので注意。
[編集] アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
強力なロード、吸血鬼の夜侯/Vampire Nocturnusを中心に組まれる。不安定な能力を助けるためにフェッチランドが採用されており、ライブラリーの一番上が黒であった場合の攻撃力はなかなかのもの。
マラキールの血魔女/Malakir Bloodwitchが採用されることが多く、4枚積まれることも少なくない。単純にフィニッシャーとしての性能が買われただけでなく、同環境の強力クリーチャーである悪斬の天使/Baneslayer Angelを止められる点も評価されている。
[編集] サンプルレシピ
- 備考
- 世界選手権09 スタンダード部門 初日全勝 (参考)
- 使用者:Oleksii Antonenko
- フォーマット
Vampires [8] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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[編集] パイオニア
パイオニア環境においては、吸血鬼に色拘束が強いカードが多いことに目をつけた、信心ギミックを搭載したデッキが存在する。
詳細は黒単信心を参照。ただし、しだいにアスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodelが不採用になるなど信心要素が薄まっていき、ほぼ純粋な部族ビートダウンの形に落ち着いた。
イニストラード:真紅の契りの参入後は除去耐性持ちの強力なロードである魅せられた花婿、エドガー/Edgar, Charmed Groomのために白をタッチする型が主流となった。環境上位に存在する各種コンボデッキやイゼット・フェニックスへの対策となる、耳の痛い静寂/Deafening Silenceをサイドボードに取れるという利点もある。
カルロフ邸殺人事件後は、血管切り裂き魔/Vein Ripperを傲慢な血王、ソリン/Sorin, Imperious Bloodlordで高速展開するラクドス吸血鬼(Rakdos Vampire)と呼ばれる構成が登場した。
- ラクドス吸血鬼が開発された背景としては、同じくカルロフ邸殺人事件で登場した喝破/No More Liesも関係している。喝破による打ち消しへの耐性を得られる魂の洞窟/Cavern of Soulsの価値が上がると踏んで、調整チームはタイプ的デッキをいくつか試していた。その時に感触が良かった黒単吸血鬼へ税血の収穫者/Bloodtithe Harvester・鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breakerという既知のパワーカードを採用するために赤を足した、という流れである[1]。
[編集] サンプルリスト
[編集] 黒単
- 備考
- プレイヤーズツアー名古屋20 ベスト8(参考/参考)
- 使用者:Dmitriy Butakov
- フォーマット
Mono-Black Vampires [9] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel不採用の、信心要素の少ないタイプ。
[編集] 黒タッチ白
Bw Vampires [10] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- メインデッキの白いカードは魅せられた花婿、エドガー/Edgar, Charmed Groomのみ。
[編集] ラクドス吸血鬼
- 備考
- プロツアー『カルロフ邸殺人事件』 優勝(参考/参考)
- 使用者:Seth Manfield
- フォーマット
Rakdos Vampires [11] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 使用者による解説記事[2]も参照。
- Sam Pardeeもラクドス吸血鬼でベスト8に入賞している。
[編集] 脚注
- ↑ How I Won Pro Tour Murders at Karlov Manor(TCGplayer infinite 2024年2月29日 Seth Manfield著)
- ↑ A Matchup Breakdown for Pioneer's New Best Deck: Rakdos Vampires(Channel Fireball 2024年3月1日 Seth Manfield著)