太陽帝国/The Sun Empire

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太陽帝国/The Sun Empireは、イクサラン/Ixalanに存在する人間/Humanの国家。イクサランの四大勢力の一つ。

目次

[編集] 概要

イクサラン/Ixalan大陸の東岸地域を支配する人間の帝国。恐竜と共生し、太陽の三つの相を崇拝している。

領土の拡大を進めているため、同じイクサラン大陸に住むマーフォークの集団、川守り/The River Heraldsとは戦争状態にある。また鉄面連合/The Brazen Coalition海賊や、数年前にイクサラン大陸への侵略を始めた薄暮の軍団/The Legion of Dusk吸血鬼/Vampireとも激しく対立している。

[編集] 歴史

かつてイクサラン大陸に人間の文明が生まれたとき、それは大陸中に点在するいくつかの都市国家の形を取っていた。そのうちの一つ、オラーズカ/Orazcaが、統治者チャカント・イントリ/Chacanto Intliのカリスマと狡知を背景に、次第に他を圧倒していった。彼女は他の都市を自らの指揮の下に統一し始めた。この時代はまだ、人間の支配地域は川守りの領土までは広がっておらず、マーフォークもオラーズカと交易を行っていた。御しがたいバラバラの都市国家はやがて、一つの強大な帝国へと変わった。

それから世代を経て、新たな皇帝アパゼク・イントリ/Apatzec Intliが運命的な出会いの中で不滅の太陽/The Immortal Sunを授かった。彼は川守りの領土を征服して密林を薙ぎ払うと誓い、何の分別も自制もなくその力を振るった。彼の通った道には破壊と滅亡だけが残り、不滅の太陽は持ち去られて川守りに与えられ、秘匿されることとなった。

太陽帝国は衰退し、沿岸地域に少数の都市を残すまでになった。皇帝の後継者は新たな帝都パチャチュパ/Pachatupaを築いたが、他の都市との繋がりは希薄だった。この時代に三つの都市が隆盛し、帝国に属する他の町や村を支配していった。

最近即位した皇帝、アパゼク・イントリ三世/Apatzec Intli IIIは、パチャチュパ以外の都市をも覆う新しく強力な支配を築き、海賊を撃退し、帝国に領土拡大と征服の気風をもたらしている。

[編集] 地理

現在の領土
  • 太陽海岸/The Sun Coast - イクサラン大陸東部に広がる海岸。
  • パチャチュパ/Pachatupa - 海岸平野と山間部の境にある帝都。皇帝の宮殿トカートリ/Tocatliを擁する。
  • アゾカン/Atzocan - 海岸平野にある、海に最も近い都市。
  • オテペク/Otepec - 帝国の西端に当たる、高山の森林地帯に位置する都市。
  • オラーズカ/Orazca - 黄金都市と呼ばれるかつての帝都。その正確な位置を知る者はいなかったが、ファートリの発見により再び帝国が所有することとなった。
  • イトリモク州/Itlimoc state- 帝国の州の一つ。大規模な都市はなく、代わりに広大な農場が広がっている。
  • ケツァトル/Quetzatl - 皇帝の権威に挑んだ自称君主、The Pretender King(詐称王)の故郷。建物は粉々の瓦礫と化しており、「王」を含む死者の霊が今も彷徨っていると言われる。アパゼク・イントリIII世の時代において、ケツァトル州はイトリモク州と同様の農業地帯となっている。
かつての領土
  • アズカンタ/Azcanta - 水没遺跡/The Sunken Ruinと呼ばれるかつての都市。繁栄した人口密集地だったが、川守りとの長い紛争の末に水底に沈んだ。
  • Pecatli - 三本の尖塔を誇る大神殿があった都市。遥か昔に倒された尖塔は太陽の三相を表しており、ダイヤモンド、エメラルド、ルビーを戴いていたと言われている。
  • Techepec - 皇帝やその家族のかつての亡命先。謀反を受けた皇帝Huatzan II(ファーザン二世)がオラーズカに代わる臨時の帝都として使用した。
  • Tanaztac - かつての帝国西端に当たる城塞都市。東の太陽の神殿Tonalixcoを擁していた。
  • Icalaquiampa - 日没の神殿。神政法を設立し、高司祭を皇帝に代わる最高権力者にしようとした宗教派閥の中心地。

[編集] 文化

[編集] 三相一体の太陽/The Threefold Sun

帝国の民は太陽を崇拝している。彼らは、太陽には三つの相があると考えている――創造の相キンジャーリ/Kinjalli、持続と育成の相イクサーリ/Ixalli、破壊の相ティロナーリ/Tilonalliである。

生物や自然界に数多ある、異なる面を持つものは、太陽の三相に関連しているとされる。例えば季節の場合、雨季はキンジャーリ、冷涼な季節はイクサーリ、暑い季節はティロナーリに関連付けられる。

[編集] キンジャーリ/Kinjalli

白マナの相キンジャーリ/Kinjalliは、太陽の創造的な性質を表している。覚醒の太陽/The Wakening Sunのほか、太陽の創世/Sun's Creation、誕生の太陽/The Birthing Sunとも呼ばれる。

キンジャーリは慈愛に満ちた手で土を人型に成形し、太陽の熱でそれを焼き固めて人間を作ったと言われている。この相は生命に魂の炎を灯し、知性に火を点け、創造のひらめきを与えるとされ、治癒に関連付けられる一方で、目を眩まし焼き焦がすような怒りにも関連している。

キンジャーリは皇帝を支える存在であり、帝国の創始者チャカント・イントリと深い関わりを持つ。この相は宮廷、キンジャーリの神官の階級、軍隊構造の中に体現されている。

[編集] イクサーリ/Ixalli

緑マナの相イクサーリ/Ixalliは、太陽の持続と育成の性質を表している。翠緑の太陽/The Verdant Sunのほか、肥沃の太陽/The Fertile Sun、持続の太陽/The Sustaining Sun、太陽の成長/Sun's Growing、太陽の豊穣/Sun's Abundanceとも呼ばれる。

緑豊かな雨林から、大人になる子供に至るまで、イクサーリはあらゆるものの成長を育む。この相は力、結束、共同体に関連している。

イクサーリの神官は帝国社会の中では保守的な勢力で、変化に抵抗しながらも人々と国力の支えとなっている。彼らは優れた恐竜使いであり、強力な魔法を用いて恐竜を制御し抑え込む。

[編集] ティロナーリ/Tilonalli

赤マナの相ティロナーリ/Tilonalliは、太陽の破壊的な性質を表している。焼熱の太陽/The Burning Sunのほか、焼尽の太陽/The Consuming Sun、太陽の破壊/Sun's Destructionとも呼ばれる。

ティロナーリは情熱に火を点け、帝国の敵を討ち、すべての生命にいつか訪れる終わりをもたらす。この相は獰猛性、炎、愛に関連している。

ティロナーリはパチャチュパの聖なる兵士やオテペクの獰猛な騎士など、多くの戦士を支える存在である。

[編集] 恐竜

恐竜はイクサラン大陸の生態系において支配的な動物である。恐竜には攻撃的な二足歩行の肉食動物(イラスト)、巨大な草食動物(イラスト)、重い鎧に覆われた四足歩行のもの(イラスト)、卵や種子を食べる小型のもの(イラスト)、空を飛ぶもの(イラスト)など、様々な種が含まれる。

太陽帝国の人間は恐竜を乗騎として用い、敵にけしかけ、重い荷車を牽かせているが、彼らは恐竜を飼い馴らしているわけでも家畜化しているわけでもない。野生の恐竜と共に生きているだけである。恐竜が帝国の都市の中を移動する場合は、誰かの直接的な制御下にあるのが常である――そして常に、その制御を脱する危険をはらんでいる。これこそが帝国に生きる人々の世界観である。自然は、そして自然の体現者たる恐竜は、用いることのできる道具であり、人間の意志に従わせられるものだが、常に人の意志と力を試しているのだ。自然を飼い馴らすことはできないが、自然と共に生きることで人は強くなれる、そう彼らは考えている。

恐竜は彼らの国民意識にとって重要な存在である。装身具から建築物に至るまで、帝国の民はあらゆるものに恐竜の羽毛を飾りつける、もしくは羽毛をデザインモチーフとして用いる。また恐竜を召喚し命令に従わせる魔法は、元々不滅の太陽が神官に授けたものだと信じられており、そのためこの力を使い続けることは古の遺産を守ることにも繋がるとされている。

[編集] 軍隊

帝都パチャチュパには2種類の軍隊、近衛兵団/The Emperor's Guardカンチャタン/The Canchatanが置かれている。

[編集] 近衛兵団/The Emperor's Guard

近衛兵団は、皇帝の宮殿トカートリに駐在する精鋭部隊である。厳しい訓練により統制された彼らは、皇帝から直接命令を下される立場にあり、宮殿の防衛に専念している。

近衛兵団は7つの分隊に分かれており、それぞれにインティカル/Inticalと呼ばれる指揮官がいる。7人のインティカルは全員が皇帝直属であり、互いに強い対抗意識を抱いているため、兵団全体が結束して皇帝に反旗を翻すことはない。

[編集] カンチャタン/The Canchatan

カンチャタンはパチャチュパの神殿兵であり、トカートリの二つの太陽神殿――誕生の太陽の神殿/The Temple of the Birthing Sun焼尽の太陽の神殿/The Temple of the Consuming Sunの神官から、特別に選ばれ祝福を受けた者たちである。なお、もう一つの神殿である持続の太陽の神殿/The Temple of the Sustaining Sunは安定と結束を教えることに重きを置いており、聖なる戦士のために聖別された場所にはなっていない。

カンチャタンは厳密には二つの部隊から成るが、指揮官はカパロクティ・サンボーン/Caparocti Sunbornただ一人である。彼らは武器として、太陽を模した円形の刃を好む。

[編集] キャラクター

人間
恐竜
  • ギシャス/Gishath - 太陽の三相すべてを体現する強大な恐竜。彼の力を借りる兵士や神官からは、混じり合った崇敬と畏怖を向けられている。

[編集] 登場

[編集] ゲームでの特徴


Otepec Huntmaster / オテペクの猟匠 (1)(赤)
クリーチャー — 人間(Human) シャーマン(Shaman)

あなたが恐竜(Dinosaur)呪文を唱えるためのコストは(1)少なくなる。
(T):恐竜1体を対象とする。ターン終了時まで、それは速攻を得る。

1/2


Ravenous Daggertooth / 貪欲な短剣歯 (2)(緑)
クリーチャー — 恐竜(Dinosaur)

激昂 ― 貪欲な短剣歯にダメージが与えられるたび、あなたは2点のライフを得る。

3/2


Steadfast Armasaur / 不動のアルマサウルス (3)(白)
クリーチャー — 恐竜(Dinosaur)

警戒
(1)(白),(T):不動のアルマサウルスをブロックしているクリーチャー1体かこれにブロックされているクリーチャー1体を対象とする。不動のアルマサウルスはそれに、これのタフネスに等しい点数のダメージを与える。

2/3

に存在し、人間恐竜クリーチャー・タイプを持つ。人間は恐竜をコントロールしていることで強化されるものや、味方の恐竜をサポートするものが多い。

固有のメカニズムとして能力語激昂を有する。さらにリミテッドの観点から、2色のペアごとにサブテーマが与えられている。

  • 赤緑 - 激昂持ちの多いペア。火力格闘により誘発も容易。これは恐竜の獰猛さを表している。
  • 緑白 - タフネス寄りのペア。タフネスを参照する能力も存在する。これは恐竜の巨大さを表している。
  • 赤白 - アグロ志向のペア。軽い恐竜や、攻撃を推奨する能力を持つ恐竜が多い。これは恐竜の攻撃性を表している[1]

[編集] その他

  • 直接のモチーフとなったのは、現在のメキシコに当たる地域にかつて存在していた国家、アステカ帝国[2]。1428年に三つの都市が同盟を結ぶ形で誕生したが、スペインのコンキスタドール(薄暮の軍団のモチーフ)の征服を受け、1521年に滅ぼされた。マヤ文明(川守りのモチーフ)と並び、メソアメリカ文明を代表する存在である。
    • また段々畑の風景(イラスト)など、一部インカ帝国の要素も取り入れられている[2]。三相一体の太陽は、三つの異なる姿を持つインカ神話の太陽神、インティをモチーフにしたものと思われる。
    • 恐竜は後から付け加えられた要素だが、ロストワールドものの雰囲気により無理なく融合させることができたとのこと[3]

[編集] 脚注

  1. Just for Ix(alan), Part 3/ただ『イクサラン』のために その3(Making Magic 2017年9月18日 Mark Rosewater著)
  2. 2.0 2.1 Magic Story Podcast: Ixalan(Feature 2017年8月30日 Blake Rasmussen and Alison Luhrs、文字起こししたものはこちら
  3. Just for Ix(alan), Part 1/ただ『イクサラン』のために その1(Making Magic 2017年9月4日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

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