オブ・ニクシリス/Ob Nixilis

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'''オブ・ニクシリス'''/''Ob Nixilis''は[[ゼンディカー・ブロック]]および[[基本セット2015]]のキャラクター。[[カード]]としては[[ゼンディカー]]の[[堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen]]が初出。
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'''オブ・ニクシリス'''/''Ob Nixilis''は[[ゼンディカー・ブロック]]初出のキャラクター。[[カード]]としては[[ゼンディカー]]の[[堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen]]が初出。
  
 
==解説==
 
==解説==
[[ゼンディカー/Zendikar]]に囚われた元[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]の[[デーモン#ストーリー|デーモン]]。男性。
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[[ゼンディカー/Zendikar]]に囚われた元[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]の[[デーモン/Demon]]。男性。
  
「征服者」としての矜持を持ち、力を「世界共通の言語」として信奉している。遥か昔にゼンディカーの地で力と[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]を失ってしまったが({{Gatherer|id=203918}})、長年の計略の末、その力を取り戻しつつある({{Gatherer|id=385034}})。
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「征服者」としての矜持を持ち、力を「世界共通の言語」として信奉している。勝利のため、力を得るためには手段を選ばない。遥か昔にゼンディカーの地で力と[[プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark]]を失ってしまったが({{Gatherer|id=192219}})、長年の計略の末、再び灯を点すことに成功した({{Gatherer|id=401971}})。
  
*[[黒マナ]]の権化であるデーモンは通常プレインズウォーカーの灯を持つことはできず<ref>[http://dougbeyermtg.tumblr.com/post/48928741588/hello-im-very-excited-to-see-the-new-blog-i-was-a A Voice for Vorthos]([[Doug Beyer]]ブログ)</ref>、彼がいかにしてプレインズウォーカーとなったのかは謎である。掌編「忌むべき者の夢/Dreams of the Damned」([[#登場作品・登場記事]]参照)では、「''私達は彼の起源を知らない――''(中略)''彼はずっとデーモンだったのかどうかさえ知らない。''」と、彼がかつてデーモンではなかった可能性が示唆されていた。また[[アヴァシン/Avacyn]]によれば、[[鎖のヴェール/The Chain Veil#ストーリー|鎖のヴェール/The Chain Veil]]の呪いに侵された者は最終的にデーモンになってしまうようだ<ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/hunter-cannot-pity-2014-07-16 The Hunter Cannot Pity]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0010828/ 狩人は憐れむなかれ]([[Daily MTG]]、Uncharted Realms、文:[[Jennifer Clarke Wilkes]]、訳:[[若月繭子]])</ref>。
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*[[黒マナ]]の権化であるデーモンは通常プレインズウォーカーの灯を持つことはできず<ref>[http://dougbeyermtg.tumblr.com/post/48928741588/hello-im-very-excited-to-see-the-new-blog-i-was-a A Voice for Vorthos]([[Doug Beyer]]ブログ)</ref>、彼が如何にしてプレインズウォーカーとなったのかは長い間謎であったが、[[統率者2014]]にて、元は[[人間/Human]]であったことが明らかにされた({{Gatherer|id=389618}})。
**[[統率者2014]]にて、[[黒き誓約、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis of the Black Oath]]として{{Gatherer|id=391303|プレインズウォーカー時代の姿}}でカード化。以前は[[人間]]であったことが明らかになった。
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==経歴==
 
==経歴==
===覚醒前===
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===最初の世界、最後の難関/The First World Is the Hardest===
オブ・ニクシリスにとっての最初の世界、彼が生まれた[[次元/Plane]]では、何世紀もの長きにわたり戦争が続いていた。300年間栄えたケオシア大帝国は魔術的な異変によって滅び、その後たびたび結ばれる同盟は束の間の平和しかもたらさず、まさに血で血を洗う戦国時代の最中であった。
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オブ・ニクシリスにとっての最初の世界、彼が生まれた[[次元/Plane]]では、何世紀もの長きにわたり戦争が続いていた。300年間栄えたケオシア人/The Keocianの大帝国は第七の大異変/The Seventh Cataclysmによって滅び、その後たびたび結ばれる同盟は束の間の平和しかもたらさず、まさに血で血を洗う戦国時代の最中であった。
  
その世界で、ニクシリス卿はあらゆる犠牲を厭わず戦勝のみを求める熟達した将であった。戦の騒音は交響曲、死臭は甘美な蜜。『あらゆる犠牲が払われた勝利』のみが彼にとっての『勝利』であった。
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その世界で、ニクシリス卿はあらゆる犠牲を厭わず戦勝のみを求める熟達した将軍であった。戦の騒音は交響曲、死臭は甘美な蜜。「あらゆる犠牲が払われた勝利」のみが彼にとっての「勝利」であった。
  
あるとき、裏切り者の部下ヴェランティ伯と大勢力のラクシマー王に挟み撃ちにされ、ニクシリス卿は窮地に陥る。ラクシマー王を魔術と剣技によって討つも、部下は次々に彼を見捨て、ついに最も忠実な2人を残して廃墟に逃げ込むことになった。しかし偶然にも、そこはケオシア帝国の遺産、デーモン召喚の間と思しき遺跡。その最奥には巨大な黒曜石の鉢が2つあり――彼は躊躇いなく忠臣2人を生け贄に捧げた。その儀式に喚ばれた存在は彼の心を探り回り、究極的な望みを探し当てた。
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あるとき、裏切り者の部下ヴェランティ伯爵/Earl Velantiと大勢力のラクシマー卿/Lord Raximarに挟み撃ちにされ、ニクシリス卿は窮地に陥る。ラクシマー卿を闇の魔術と卓越した剣技によって討つも、部下は次々に彼を見捨て、ついには最も忠実な2人とともに廃墟に逃げ込むことになった。しかし偶然にも、そこはケオシア人の遺産、デーモン召喚の間と思しき遺跡だった。その最奥には巨大な黒曜石の鉢が2つあり――彼は躊躇いなく忠臣2人を殺し、その血で鉢を満たした。その儀式に喚ばれた古のデーモンは彼の心を探り回り、究極的な望みを探し当てた。
  
世界は滅んだ。
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世界は滅んだ。炎も風もなく、目の前から遠くの大陸に至るまで、すべての生命が死滅した。
炎も風もなく、目の前から遠くの大陸に至るまで、全ての生命が死滅した。
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オブは数日間さまよった後、己の野心が、欲望が、あらゆる苦労が、この虚無のためでしかなかったことを悟った。その馬鹿らしさに彼は咳き込むまで笑い、咽び泣き、視界が暗闇に閉ざされ……眼を開けると、新たな世界に立っていた。オブ・ニクリシスにプレインズウォーカーの灯が点った。
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ニクシリス卿は生者なき世界を彷徨い続けた。10日目に、謎の存在がニクシリスと全く同じ姿を取って現れた。彼は、世界とは高位存在に玩具として作られ壊されるものであり、君は第八の大異変/The Eighth Cataclysmを起こすという役を立派に演じてくれたと言った。己の人生が他者の掌の上で踊っていたに過ぎなかったことを知ったニクシリスは、その馬鹿らしさに咳き込むまで笑い、咽び泣き、視界が暗闇に閉ざされ……眼を開けると、新たな世界に立っていた。オブ・ニクシリスにプレインズウォーカーの灯が点った。
  
===灯の喪失===
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===忌むべき者の夢/Dreams of the Damned===
若い頃のオブ・ニクシリスは[[次元/Plane]]を渡り歩く征服者であり、あらゆるものを手に入れ、手に入れたものの力によって次のものを更に容易く手に入れていた。そんな彼にとって、噂に聞く鎖のヴェールはあまりに魅力的な褒賞に思えた――しかし、それは罠であった。彼はヴェールの呪いに侵された。
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オブ・ニクシリスは次元を渡り歩く征服者となった。彼はあらゆるものを手に入れ、手に入れたものの力によって次のものを更に容易く手に入れた。そんな彼にとって、噂に聞く[[鎖のヴェール/The Chain Veil#ストーリー|鎖のヴェール/The Chain Veil]]はあまりに魅力的な褒賞に思えた――しかし、それは罠であった。彼はヴェールの呪いに侵され、デーモンとなった。
  
呪いを浄化する手段を求め、豊富で力強い[[マナ]]を有するゼンディカーへとプレインズウォークしたオブ・ニクシリスは、ゼンディカー次元の庇護者、[[ナヒリ/Nahiri]]の攻撃を受ける。ナヒリの圧倒的な力の前に彼は叫び声を上げることも叶わず、体に[[面晶体/Hedron]]を埋め込まれた。その瞬間、すべてが終わった。
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呪いを浄化する手段を求め、豊富で力強い[[マナ]]を有するゼンディカーへとプレインズウォークしたニクシリスは、ゼンディカー次元の庇護者、[[ナヒリ/Nahiri]]の攻撃を受ける。ナヒリの圧倒的な力の前に彼は叫び声を上げることも叶わず、額に[[面晶体/Hedron]]を埋め込まれた。その瞬間、すべてが終わった。
  
 
呪いは消え去ったが、同時に力も消え去った。肩の骨が崩れ、翼が落ち、プレインズウォーカーの灯が――[[多元宇宙/Multiverse]]という自由が――失われた。彼はナヒリへの復讐を心に誓った。
 
呪いは消え去ったが、同時に力も消え去った。肩の骨が崩れ、翼が落ち、プレインズウォーカーの灯が――[[多元宇宙/Multiverse]]という自由が――失われた。彼はナヒリへの復讐を心に誓った。
  
===[[マジック2015―デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ]]===
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それからニクシリスは面晶体を数世紀に渡って研究し続け、作り手のナヒリを除く他の誰よりもその魔法を知るまでになった。また、ゼンディカーを訪れたプレインズウォーカーと接触し、案内役を買って出るようになった。彼は親切な案内人を装いながら、プレインズウォーカーたちに自分の状態を教え、その情報が多元宇宙中に拡散するように仕向けた。
オブ・ニクシリスは面晶体を数世紀に渡って研究し続け、作り手(石術師/Lithomancerのナヒリ)を除く他の誰よりもその魔法を知るまでになった。また、ゼンディカーを訪れたプレインズウォーカーと接触し、案内役を買って出るようになった。彼は親切な案内人を装いながら、プレインズウォーカーたちに自分の状態を教え、その情報が多元宇宙中に拡散するように仕向けた。
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そして最終的に、彼の「寄せ餌」にかかる者が現れた――ゼンディカーに潜むデーモンを打ち倒し、面晶体を摘出しようと目論む、自信に満ちたプレインズウォーカーが。オブ・ニクシリスはその者に疑念を抱かせることのないよう、十分な戦闘を行った上で、偽りの敗北を演じ、沼の中に倒れ伏した。
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そして最終的に、彼の「寄せ餌」にかかる者が現れた――ゼンディカーに潜むデーモンを打ち倒し、面晶体を摘出しようと目論む、自信に満ちたプレインズウォーカーが。ニクシリスはその者に疑念を抱かせることのないよう、十分な戦闘を行った上で、偽りの敗北を演じ、沼の中に倒れ伏した。
  
 
今やオブ・ニクシリスは面晶体の束縛から解き放たれ、かつての力を取り戻しつつある。プレインズウォーカーの灯は未だ失われたままだが、それももはや手の届くところにあると彼は考えている。
 
今やオブ・ニクシリスは面晶体の束縛から解き放たれ、かつての力を取り戻しつつある。プレインズウォーカーの灯は未だ失われたままだが、それももはや手の届くところにあると彼は考えている。
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*[[マジック2015―デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ]]では、異なる視点からこの物語が描かれている。ゲームのプレイヤーが「面晶体を摘出しようと目論むプレインズウォーカー」であり、オブ・ニクシリスは敵キャラクターとして登場する。摘出された面晶体はヴェールの呪いに侵されていた[[ガラク/Garruk]]に埋め込まれ、その呪いを抑制するのに役立った。
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===ニッサの決断/Nissa's Resolve===
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[[エルドラージ/Eldrazi]]に破壊し尽くされた[[バーラ・ゲド/Bala Ged]]大陸の地下洞窟の中で、オブ・ニクシリスは密かに計画を進めていた――ゼンディカーの魂が逃げ込んだ一輪の花、[[カルニの心臓/Khalni Heart]]を面晶体の牢獄に閉じ込め、次元そのものの力を手に入れる計画を。そこへ現れたのは、ゼンディカーの魂に起きた異変を察知した[[ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane (ストーリー)|ニッサ・レヴェイン/Nissa Revane]]だった。
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ニクシリスはニッサを止めようとしたが、彼女は面晶体の一つを[[精霊信者の剣/Sword of the Animist#ストーリー|剣]]で斬り付け、牢獄を壊すことに成功した。動揺するニクシリスの隙を突いてカルニの心臓を掴んだニッサの手を、ニクシリスは花ごと握り締め、激しい憎悪と憤怒をもって彼女の生命力を吸い上げ始めた。しかしニッサはニクシリスには思いも寄らないことをやった――力を奪うのではなく、自分の力をカルニの心臓に注ぎ込むということを。カルニの心臓は根を伸ばし、大地に触れた。ゼンディカーの力は大地に還り、ニクシリスの計画は失敗に終わった。
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===全てを賭しても/At Any Cost===
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計画は失敗に終わり、ニクシリスは瓦礫の中に閉じ込められた。しかし彼は笑った―あのエルフの小娘は我を生かしておいたのだ。それは即ち敗北を自省する機会を与えられたということ。瓦礫の中から這い出つつ、彼は計画を見直した。およそ一世紀を費やした「作品」を再び作り上げるには少なく見積もっても半世紀は必要―しかし、エルドラージの怪物たちがこの次元を滅ぼし尽くすにはそれほどの時間は必要ない。ニッサを追いカルニの心臓を取り戻すのも、エルドラージとむしろ手を組むというのも現実的ではない。いずれにせよ時間がない。つまり彼は悟った。あれほど憎んだこの次元は、自身の手で救わねばならないということを。
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ニッサの持つ巨大な力を目指し、[[海門/Sea Gate (ストーリー)|海門/Sea Gate]]へと向かうニクシリス。彼がそこで見た光景は、実に信じがたいものであった。[[ウラモグ/Ulamog]]が、エルドラージの巨人が、実に完璧な面晶体構造に囚われているではないか。これこそが自身が数十年を費やし築こうとした構築物。この幸運を逃す手はない。ニクシリスはその構造の力が集結する点に、自身の要石を置いた。強烈な力の奔流がニクシリスの身体へと流れ込んだ。彼の目の前には多元宇宙が広がっていた。オブ・ニクシリスは、プレインズウォーカーの灯を取り戻した。
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眼前に次々に広がる、かつて征服した数々の次元。彼はそこへとプレインズウォークしようとしたが、思いとどまった。まだこの次元でやるべきことがある。
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精密に作られた面晶体の構造物に僅かな力を加える。それは崩壊し、ウラモグは解き放たれた。勝利に沸いたゼンディカー人による軍隊は、阿鼻叫喚の地獄絵図へと叩き落とされた。
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まだだ。まだもう一つだけ、やるべきことがある。
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彼は地中深くに眠る力の存在へと語りかけた。正確には、それに目的を与えた。
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勝利、つまりあらゆる犠牲を払っての勝利が、ニクシリスに笑みと喜びを与えた。
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たった一語。それだけで、我がこのゼンディカーを絶望へと叩き落とせる。
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{{フレイバーテキスト|「目覚めよ!」}}
  
 
==登場==
 
==登場==
 
===登場カード===
 
===登場カード===
*[[堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallen]]
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{{キャラクターを表すカード/オブ・ニクシリス}}
*[[解き放たれし者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, Unshackled]]
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*[[黒き誓約、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis of the Black Oath]]
+
====[[カード名]]に登場====
 +
;[[灯争大戦]]
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:[[オブ・ニクシリスの残虐/Ob Nixilis's Cruelty]]
  
 
====[[フレイバー・テキスト]]に登場====
 
====[[フレイバー・テキスト]]に登場====
 
;[[エルドラージ覚醒]]
 
;[[エルドラージ覚醒]]
 
:[[悪魔の食欲/Demonic Appetite]]
 
:[[悪魔の食欲/Demonic Appetite]]
 +
;[[戦乱のゼンディカー]]
 +
:[[虚空の選別者/Void Winnower]]、[[祭壇の刈り取り/Altar's Reap]]、[[悪魔の掌握/Demon's Grasp]]
 +
;[[ゲートウォッチの誓い]]
 +
:[[無情な処罰/Remorseless Punishment]]、[[食い荒らす炎/Devour in Flames]]
 +
;[[ニッサvsオブ・ニクシリス]]
 +
:[[野望の代償/Ambition's Cost]]、[[破滅の刃/Doom Blade]]
 +
;[[灯争大戦]]
 +
:[[オブ・ニクシリスの残虐/Ob Nixilis's Cruelty]]
 +
;[[モダンホライゾン]]
 +
:[[悪魔の布告/Diabolic Edict]]
 +
;[[ミスティカルアーカイブ]]
 +
:[[破滅の刃/Doom Blade]]
 +
;[[ニューカペナの街角]]
 +
:[[力の天啓/Revelation of Power]]、[[悪魔の本分/Demon's Due]]、[[殺害/Murder]]、[[果敢な逃亡/Daring Escape]](「敵対するもの」として)、[[敵意ある乗っ取り/Hostile Takeover]]
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;[[ジャンプスタート2022]]
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:[[悪魔の布告/Diabolic Edict]]
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====[[絵|イラスト]]に登場====
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;[[戦乱のゼンディカー]]
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:[[祭壇の刈り取り/Altar's Reap]]、[[悪魔の掌握/Demon's Grasp]](腕と影のみ)、[[食い荒らす炎/Devour in Flames]]
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;[[灯争大戦]]
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:[[オブ・ニクシリスの残虐/Ob Nixilis's Cruelty]]
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;[[ニューカペナの街角]]
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:[[悪魔の本分/Demon's Due]]、[[殺害/Murder]]、[[敵意ある乗っ取り/Hostile Takeover]]
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===登場デッキ===
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;[[デュエルデッキ]]
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*[[ニッサvsオブ・ニクシリス]]
  
 
===登場作品・登場記事===
 
===登場作品・登場記事===
*[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/ur/dreams-damned-2014-08-06 Dreams of the Damned]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0010855/ 忌むべき者の夢](Uncharted Realms 2014年8月6日 [[Nik Davidson]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/story/planeswalkers/ob-nixilis OB NIXILIS]/[https://magic.wizards.com/ja/story/planeswalkers/%E3%82%AA%E3%83%96%E3%83%BB%E3%83%8B%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%82%B9 オブ・ニクシリス](公式サイト)
*[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/ur/first-world-hardest-2014-11-05 The First World Is the Hardest]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/ur/0011471/ 最初の世界、最後の難関](Uncharted Realms 2014年11月5日 [[Nik Davidson]]著)
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*[[マジック2015―デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ]]([[デジタルゲーム]])
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/ur/dreams-damned-2014-08-06 Dreams of the Damned]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/M15/0010855/ 忌むべき者の夢](Uncharted Realms [[2014年]]8月6日 [[Nik Davidson]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/ur/first-world-hardest-2014-11-05 The First World Is the Hardest]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/C14/0011471/ 最初の世界、最後の難関](Uncharted Realms 2014年11月5日 Nik Davidson著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/checking-planeswalkers-2015-2015-08-19 Checking in on the Planeswalkers (2015)]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/ORI/0015523/ プレインズウォーカー達の現状2015](Feature [[2015年]]8月19日 [[Mel Li]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/many-looks-ob-nixilis-2015-09-09 The Many Looks of Ob Nixilis]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0015709/ オブ・ニクシリスの様々な姿](Arcana 2015年9月9日 [[Blake Rasmussen]]著)
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;[[戦乱のゼンディカー・ブロック]]
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/arcana/battle-zendikar-story-events-2015-10-07 Battle for Zendikar Story Events](Arcana 2015年10月7日 Magic Creative Team著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/nissas-resolve-2015-10-07 Nissa's Resolve]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0015794/ ニッサの決断](Uncharted Realms 2015年10月7日 [[Kimberly J. Kreines]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/hedron-alignment-2015-11-18 Hedron Alignment]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0016026/ 面晶体の連結](Uncharted Realms 2015年11月18日 Kimberly J. Kreines著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/any-cost-2015-11-25 At Any Cost]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0016126/ 全てを賭しても](Uncharted Realms 2015年11月25日 Nik Davidson著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/promises-keep-2015-12-02 Promises to Keep]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0016148/ 守るべき約束](Uncharted Realms 2015年12月2日 [[Doug Beyer]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/battle-zendikar-story-summary-2015-12-23 Battle for Zendikar Story Summary](Uncharted Realms 2015年12月23日 Mel Li著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/uncharted-realms/retaliation-ob-nixilis-2015-12-30 Retaliation of Ob Nixilis]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0016279/ オブ・ニクシリスの報復](Uncharted Realms 2015年12月30日 Kimberly J. Kreines & Nik Davidson著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/official-magic-fiction/flames-2016-01-20 Up in Flames]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/0016317/ 燃え盛る炎](Magic Story [[2016年]]1月20日 Doug Beyer著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/oath-gatewatch-story-events-2016-01-27 Oath of the Gatewatch Story Events](Feature 2016年1月27日 The Magic Creative Team著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/oath-gatewatch-story-summary-2016-03-02 Oath of the Gatewatch Story Summary](Feature 2016年3月2日 The Magic Creative Team著)
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;[[灯争大戦]]
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*[[War of the Spark: Ravnica]](小説)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/war-spark-ravnica-rallying-reluctant-2019-05-22 War of the Spark: Ravnica – Rallying the Reluctant]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/WAR/0032551/ ラヴニカ:灯争大戦――結束という難問](Magic Story [[2019年]]5月22日 [[Greg Weisman]]著)
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/war-spark-ravnica-operation-desperation-2019-06-05 War of the Spark: Ravnica—Operation Desperation]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/WAR/0032589/ ラヴニカ:灯争大戦――絶体絶命作戦](Magic Story 2019年6月5日 Greg Weisman著、名前のみ)
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;[[ニューカペナの街角]]
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/episode-1-homecoming-2022-03-28 Episode 1: Homecoming]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/SNC/0035908/ メインストーリー第1話:安住の地へ](Magic Story [[2022年]]3月28日 [[Elise Kova]]著、「敵対するもの」として言及されるのみ)
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/episode-2-dirty-laundry-2022-03-29 Episode 2: Dirty Laundry]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/SNC/0035913/ メインストーリー第2話:汚れ仕事](Magic Story 2022年3月29日 Elise Kova著)
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/episode-3-tests-2022-03-30 Episode 3: Tests]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/SNC/0035917/ メインストーリー第3話:試練](Magic Story 2022年3月30日 Elise Kova著、「敵対するもの」として言及されるのみ)
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/side-freedom-2022-03-30 The Side of Freedom]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/SNC/0035918/ サイドストーリー:自由の側](Magic Story 2022年3月30日 Elise Kova著、「敵対するもの」として)
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/episode-4-font-2022-04-04 Episode 4: The Font]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/SNC/0035930/ メインストーリー第4話:源](Magic Story 2022年4月4日 Elise Kova著)
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/magic-story/episode-5-hymn-angels-2022-04-05 Episode 5: Hymn of the Angels]/[https://mtg-jp.com/reading/ur/SNC/0035933/ メインストーリー第5話:天使の賛歌](Magic Story 2022年4月5日 Elise Kova著)
  
 
==脚注==
 
==脚注==
<references/>
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<references />
  
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]
 
*[[背景世界/ストーリー用語]]
 +
 +
[[Category:プレインズウォーカー|おふにくしりす]]

2022年12月22日 (木) 23:16時点における最新版

オブ・ニクシリス/Ob Nixilisゼンディカー・ブロック初出のキャラクター。カードとしてはゼンディカー堕ちたる者、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Fallenが初出。

目次

[編集] 解説

ゼンディカー/Zendikarに囚われた元プレインズウォーカー/Planeswalkerデーモン/Demon。男性。

「征服者」としての矜持を持ち、力を「世界共通の言語」として信奉している。勝利のため、力を得るためには手段を選ばない。遥か昔にゼンディカーの地で力とプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkを失ってしまったが(イラスト)、長年の計略の末、再び灯を点すことに成功した(イラスト)。

  • 黒マナの権化であるデーモンは通常プレインズウォーカーの灯を持つことはできず[1]、彼が如何にしてプレインズウォーカーとなったのかは長い間謎であったが、統率者2014にて、元は人間/Humanであったことが明らかにされた(イラスト)。

[編集] 経歴

[編集] 最初の世界、最後の難関/The First World Is the Hardest

オブ・ニクシリスにとっての最初の世界、彼が生まれた次元/Planeでは、何世紀もの長きにわたり戦争が続いていた。300年間栄えたケオシア人/The Keocianの大帝国は第七の大異変/The Seventh Cataclysmによって滅び、その後たびたび結ばれる同盟は束の間の平和しかもたらさず、まさに血で血を洗う戦国時代の最中であった。

その世界で、ニクシリス卿はあらゆる犠牲を厭わず戦勝のみを求める熟達した将軍であった。戦の騒音は交響曲、死臭は甘美な蜜。「あらゆる犠牲が払われた勝利」のみが彼にとっての「勝利」であった。

あるとき、裏切り者の部下ヴェランティ伯爵/Earl Velantiと大勢力のラクシマー卿/Lord Raximarに挟み撃ちにされ、ニクシリス卿は窮地に陥る。ラクシマー卿を闇の魔術と卓越した剣技によって討つも、部下は次々に彼を見捨て、ついには最も忠実な2人とともに廃墟に逃げ込むことになった。しかし偶然にも、そこはケオシア人の遺産、デーモン召喚の間と思しき遺跡だった。その最奥には巨大な黒曜石の鉢が2つあり――彼は躊躇いなく忠臣2人を殺し、その血で鉢を満たした。その儀式に喚ばれた古のデーモンは彼の心を探り回り、究極的な望みを探し当てた。

世界は滅んだ。炎も風もなく、目の前から遠くの大陸に至るまで、すべての生命が死滅した。

ニクシリス卿は生者なき世界を彷徨い続けた。10日目に、謎の存在がニクシリスと全く同じ姿を取って現れた。彼は、世界とは高位存在に玩具として作られ壊されるものであり、君は第八の大異変/The Eighth Cataclysmを起こすという役を立派に演じてくれたと言った。己の人生が他者の掌の上で踊っていたに過ぎなかったことを知ったニクシリスは、その馬鹿らしさに咳き込むまで笑い、咽び泣き、視界が暗闇に閉ざされ……眼を開けると、新たな世界に立っていた。オブ・ニクシリスにプレインズウォーカーの灯が点った。

[編集] 忌むべき者の夢/Dreams of the Damned

オブ・ニクシリスは次元を渡り歩く征服者となった。彼はあらゆるものを手に入れ、手に入れたものの力によって次のものを更に容易く手に入れた。そんな彼にとって、噂に聞く鎖のヴェール/The Chain Veilはあまりに魅力的な褒賞に思えた――しかし、それは罠であった。彼はヴェールの呪いに侵され、デーモンとなった。

呪いを浄化する手段を求め、豊富で力強いマナを有するゼンディカーへとプレインズウォークしたニクシリスは、ゼンディカー次元の庇護者、ナヒリ/Nahiriの攻撃を受ける。ナヒリの圧倒的な力の前に彼は叫び声を上げることも叶わず、額に面晶体/Hedronを埋め込まれた。その瞬間、すべてが終わった。

呪いは消え去ったが、同時に力も消え去った。肩の骨が崩れ、翼が落ち、プレインズウォーカーの灯が――多元宇宙/Multiverseという自由が――失われた。彼はナヒリへの復讐を心に誓った。

それからニクシリスは面晶体を数世紀に渡って研究し続け、作り手のナヒリを除く他の誰よりもその魔法を知るまでになった。また、ゼンディカーを訪れたプレインズウォーカーと接触し、案内役を買って出るようになった。彼は親切な案内人を装いながら、プレインズウォーカーたちに自分の状態を教え、その情報が多元宇宙中に拡散するように仕向けた。

そして最終的に、彼の「寄せ餌」にかかる者が現れた――ゼンディカーに潜むデーモンを打ち倒し、面晶体を摘出しようと目論む、自信に満ちたプレインズウォーカーが。ニクシリスはその者に疑念を抱かせることのないよう、十分な戦闘を行った上で、偽りの敗北を演じ、沼の中に倒れ伏した。

今やオブ・ニクシリスは面晶体の束縛から解き放たれ、かつての力を取り戻しつつある。プレインズウォーカーの灯は未だ失われたままだが、それももはや手の届くところにあると彼は考えている。

[編集] ニッサの決断/Nissa's Resolve

エルドラージ/Eldraziに破壊し尽くされたバーラ・ゲド/Bala Ged大陸の地下洞窟の中で、オブ・ニクシリスは密かに計画を進めていた――ゼンディカーの魂が逃げ込んだ一輪の花、カルニの心臓/Khalni Heartを面晶体の牢獄に閉じ込め、次元そのものの力を手に入れる計画を。そこへ現れたのは、ゼンディカーの魂に起きた異変を察知したニッサ・レヴェイン/Nissa Revaneだった。

ニクシリスはニッサを止めようとしたが、彼女は面晶体の一つをで斬り付け、牢獄を壊すことに成功した。動揺するニクシリスの隙を突いてカルニの心臓を掴んだニッサの手を、ニクシリスは花ごと握り締め、激しい憎悪と憤怒をもって彼女の生命力を吸い上げ始めた。しかしニッサはニクシリスには思いも寄らないことをやった――力を奪うのではなく、自分の力をカルニの心臓に注ぎ込むということを。カルニの心臓は根を伸ばし、大地に触れた。ゼンディカーの力は大地に還り、ニクシリスの計画は失敗に終わった。

[編集] 全てを賭しても/At Any Cost

計画は失敗に終わり、ニクシリスは瓦礫の中に閉じ込められた。しかし彼は笑った―あのエルフの小娘は我を生かしておいたのだ。それは即ち敗北を自省する機会を与えられたということ。瓦礫の中から這い出つつ、彼は計画を見直した。およそ一世紀を費やした「作品」を再び作り上げるには少なく見積もっても半世紀は必要―しかし、エルドラージの怪物たちがこの次元を滅ぼし尽くすにはそれほどの時間は必要ない。ニッサを追いカルニの心臓を取り戻すのも、エルドラージとむしろ手を組むというのも現実的ではない。いずれにせよ時間がない。つまり彼は悟った。あれほど憎んだこの次元は、自身の手で救わねばならないということを。

ニッサの持つ巨大な力を目指し、海門/Sea Gateへと向かうニクシリス。彼がそこで見た光景は、実に信じがたいものであった。ウラモグ/Ulamogが、エルドラージの巨人が、実に完璧な面晶体構造に囚われているではないか。これこそが自身が数十年を費やし築こうとした構築物。この幸運を逃す手はない。ニクシリスはその構造の力が集結する点に、自身の要石を置いた。強烈な力の奔流がニクシリスの身体へと流れ込んだ。彼の目の前には多元宇宙が広がっていた。オブ・ニクシリスは、プレインズウォーカーの灯を取り戻した。

眼前に次々に広がる、かつて征服した数々の次元。彼はそこへとプレインズウォークしようとしたが、思いとどまった。まだこの次元でやるべきことがある。

精密に作られた面晶体の構造物に僅かな力を加える。それは崩壊し、ウラモグは解き放たれた。勝利に沸いたゼンディカー人による軍隊は、阿鼻叫喚の地獄絵図へと叩き落とされた。

まだだ。まだもう一つだけ、やるべきことがある。

彼は地中深くに眠る力の存在へと語りかけた。正確には、それに目的を与えた。

勝利、つまりあらゆる犠牲を払っての勝利が、ニクシリスに笑みと喜びを与えた。

たった一語。それだけで、我がこのゼンディカーを絶望へと叩き落とせる。

「目覚めよ!」

[編集] 登場

[編集] 登場カード

[編集] カード名に登場

灯争大戦
オブ・ニクシリスの残虐/Ob Nixilis's Cruelty

[編集] フレイバー・テキストに登場

エルドラージ覚醒
悪魔の食欲/Demonic Appetite
戦乱のゼンディカー
虚空の選別者/Void Winnower祭壇の刈り取り/Altar's Reap悪魔の掌握/Demon's Grasp
ゲートウォッチの誓い
無情な処罰/Remorseless Punishment食い荒らす炎/Devour in Flames
ニッサvsオブ・ニクシリス
野望の代償/Ambition's Cost破滅の刃/Doom Blade
灯争大戦
オブ・ニクシリスの残虐/Ob Nixilis's Cruelty
モダンホライゾン
悪魔の布告/Diabolic Edict
ミスティカルアーカイブ
破滅の刃/Doom Blade
ニューカペナの街角
力の天啓/Revelation of Power悪魔の本分/Demon's Due殺害/Murder果敢な逃亡/Daring Escape(「敵対するもの」として)、敵意ある乗っ取り/Hostile Takeover
ジャンプスタート2022
悪魔の布告/Diabolic Edict

[編集] イラストに登場

戦乱のゼンディカー
祭壇の刈り取り/Altar's Reap悪魔の掌握/Demon's Grasp(腕と影のみ)、食い荒らす炎/Devour in Flames
灯争大戦
オブ・ニクシリスの残虐/Ob Nixilis's Cruelty
ニューカペナの街角
悪魔の本分/Demon's Due殺害/Murder敵意ある乗っ取り/Hostile Takeover

[編集] 登場デッキ

デュエルデッキ

[編集] 登場作品・登場記事

戦乱のゼンディカー・ブロック
灯争大戦
ニューカペナの街角

[編集] 脚注

  1. A Voice for VorthosDoug Beyerブログ)

[編集] 参考

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