プレインズウォーカー/Planeswalker
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プレインズウォーカー/Planeswalkerは、多元宇宙/Multiverseにおいて、次元/Planeの外に広がる久遠の闇/Blind Eternitiesを通り抜け、別の次元へと渡り歩く力(プレインズウォーク能力)を持っている存在のこと。読んで字の如く、「次元を渡り歩く者」の意である。
マジック:ザ・ギャザリングをプレイしているあなたは、プレインズウォーカーである(→#プレイヤーとしてのプレインズウォーカー)。
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[編集] 解説
マジックの物語には多種多様な魔法使いたちが登場するが、プレインズウォーカーはその中でも別格の力を持つ存在である。
いかに優秀な魔法使いがたゆまぬ努力を積んで熟達の域に達しようとも、素質がなければプレインズウォーカーになることはできない。逆に、素質があれば魔法使いでなくともプレインズウォーカーとして覚醒することもままある。その素質は「プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Spark」、または単に「灯/Spark」と呼ばれており、幸運にも(もしくは不幸にも)それを覚醒させた者だけが、プレインズウォーカーとなる。
プレインズウォーカーの灯が持つ性質から、プレインズウォーカーになりうる種族はある程度限られている。例えば、アンデッドや構築物のように魂を持っていなかったり、あるいはエレメンタルや天使/Angelのようにマナの具現化に近い存在は基本的に灯を持つことはないため、原則としてプレインズウォーカーになることはない。ただしカーン/Karnやソリン・マルコフ/Sorin Markovのように特殊な覚醒を行った例外も存在する。その他、灯に関する詳細はプレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkの項を参照。
[編集] 大修復以前/pre-Mending
かつてのプレインズウォーカーたちは、まさに「神」のような存在であった。強大な魔力は、彼らの肉体を不老不死とし、その姿を自由に変化させ(シェイプシフター/Shapeshifterとしての能力)、世界を創るも滅ぼすも自由にできるほどであった。しかしそれゆえに、あるいは多くの異なる次元を観ることができるがゆえに、その正気の度合いは判断が難しい。その能力を利用して欲望の赴くままに振舞う者(テイザー/Taysir、ジアドロン・ディハーダ/Geyadrone Dihada、レシュラック/Leshracなど)、肉親の死による絶望から世界の破滅を願う者(テヴェシュ・ザット/Tevesh Szat)、孤独から復讐に駆り立てられる者(Ravidel(ラヴィデル))、永遠の寿命のため狂気に陥りそうになった者(フレイアリーズ/Freyalise)、数千年に渡る戦争計画のため様々な非人道的実験を行った者(ウルザ/Urza)など、枚挙に暇がない。
- ポケットプレイヤーズガイド日本語版に掲載されたJohn Tynesによる「ドミニアの本質」の「プレインズウォーカーは通常の魔法使いに比べて神のごとき存在である」という文脈において「プレインズウォーカーのみがマナのなんたるかを知っており、通常の魔法使いは5種類のマナについても、次元移動法についても、召喚についても知らないに等しい」と述べている。
- あくまでMark Rosewater個人の見解だが、大修復以前のプレインズウォーカーはシェイプシフターとしての能力を持つためにファイレクシアの油/Phyrexian oilへの耐性が高く、ほぼ完成化されないとされる[1]。
[編集] 大修復以後/post-Mending
時のらせんブロックの物語において時の裂け目/Time Riftが修復された際(大修復/The Mending)、多元宇宙全体に影響が生じ、プレインズウォーカーといえども無限の魔力や不死の力を得ることができなくなった。それでもまだ、一般の魔道士とは比較にならない大きな魔力や知識を持ち、次元の移動なども依然として可能。そして以前ほどではないが、力を持て余しどこか常識では図りがたい精神を持つに至る例がある点も同様である。また、ニコル・ボーラス/Nicol Bolasのように、かつての神のごとき力を取り戻そうと暗躍している者もいる。詳しくはコラム「You Are a Planeswalker/あなたはプレインズウォーカーだ」を参照。
この時代において、ほとんどの人々は、この多元宇宙には自分たちが住んでいるのとは別の次元があり、そこに行く力を持つ者がいるなどということは、まったく知らないか、おとぎ話だと思っている。それが事実だと知っているのは、それを自分の体で体験したプレインズウォーカーと、その直接の知り合いだけに限られている。
大修復以降、全てのポータル/Portalは機能を停止し、新たにポータルを開くことも不可能となった。またプレインズウォーカーであっても他の生物を次元間移動させることは困難であり、可能であったとしてもそれには強い制約を伴う[注釈 1]。このため、次元間移動はプレインズウォーカーの特権となった。物体に関しても、プレインズウォーカーが直に持ち運ぶ以外に次元間移動させるすべはなくなり、ウェザーライト/Weatherlightのような巨大な物体の次元間移動は事実上不可能となっている[注釈 2]。これらはプレインズウォーカーの独自性を損なわないようにするための設定である[2]。
[編集] 新ファイレクシアとの決戦以後
ファイレクシア:完全なる統一にて金線の酒杯/The Filigree Sylexが久遠の闇で炸裂し、次元壊し/Realmbreakerが次元の境界に穴を開けたことで、多元宇宙は深刻なダメージを受けた。多元宇宙自身がその傷を癒そうとしたことにより、多くのプレインズウォーカーが灯を失い、能動的に次元を渡ることができなくなった(→灯を失った/Desparked)。
- 多元宇宙の構造が変化したことにより、次元同士を繋ぐポータルの一種、領界路/Omenpathが各地に発生するようになった。これにより、灯を持たぬ者(元々プレインズウォーカーでなかった者も含む)も次元を渡ることができるようになった。だが、領界路の旅はプレインズウォークによるものと比べて長い時間がかかり、危険性も高いものである[3][4]。
[編集] ストーリーに登場したプレインズウォーカーの一覧
→プレインズウォーカーの一覧を参照。
[編集] ゲームでの表現
[編集] プレイヤーとしてのプレインズウォーカー
プレイヤーであるあなた(もしくは対戦相手など)は、プレインズウォーカーである。あなたはさまざまな次元を旅して、そこの土地とマナの繋がりを得て、生物や魔法を呪文書の1ページに記して、そのページを集めて呪文書を作成する。不要な生物や魔法はまとめて書庫に保管しておく。そして、別のプレインズウォーカーと、時には遊戯やちょっとした賭け事として、時には命を賭けた決闘として、呪文書を用いて対決するのである。
マジックの黎明期におけるプレインズウォーカーの特性(→#大修復以前/pre-Mending)に加えて上記のような設定を持ち、またエレメンタルやゾンビといった意思を思惟するのが難しいような存在も使役できる存在である以上、この呪文書を操れるプレイヤーはまさに神の如き存在だった。だが、あなたが他のプレインズウォーカー、すなわち他のプレイヤーを呼び出し操ることができないのと同様、どんなに偉大な存在であってもプレインズウォーカーそのものがカード化されることはなかったのである。
言い換えれば、プレイヤーは呪文書を持つプレインズウォーカー達を自分の書庫の呪文書の1ページに押し込めることができなかった。彼らが持つ呪文(ウルザの激怒/Urza's Rageなど)を模倣して、間接的に呪文書に入れることができる[注釈 3]のみだったのである(→#時のらせんブロックまで(大修復以前))。
このようなプレインズウォーカー同士の入れ子設定は時のらせんブロックにて大修復が発生した際に見直されることになる(→#ローウィン・ブロック以後(大修復以後))。
- ごく初期でプレインズウォーカーがカード化されなかったのは、もっと単純に、もしプレインズウォーカーがクリーチャーであり、そういう存在を支配できたり、恐怖で殺したりしたとき、なぜその呪文を稲妻/Lightning Boltのようにプレイヤーに使えないのか、という矛盾が生じるのを防ぐためでもある。後に「灯」を失ってクリーチャーとしてカード化されたプレインズウォーカーや、ヴァンガード・カードやプレインズウォーカー・カードとしてカード化されたプレインズウォーカーは、ゲーム上その類の矛盾に反しないようになっている。
- 余談だが、他のプレイヤーをコントロールする効果によって神の如きプレインズウォーカー(プレイヤー)を操作することはできないという上述の設定上の不文律(あるいは第四の壁)が破られた。よって上述の矛盾は操作についてすら形骸化していると言っていいだろう。
- ただし、最低60ページ以上の呪文書を作り出すことができ、他の様々な次元から特色ある土地を切り出して色マナを抽出し、そこからエルドラージや伝説の存在などを召喚することができ、英雄の破滅/Hero's Downfallの対象に取れないでいるのは、現代に続くプレイヤーたちだけの特権である。
- 「プレインズウォーカー同士の戦い」という点をより強調したカジュアル変種ルールとして、プレインチェイス戦が存在する。プレインチェイス戦での次元カードとプレインズウォーク能力は、次元渡りの力をゲーム上で表したものである。まさに次元/Planeを次元ダイス1つのきまぐれさで渡り歩けるのがプレインズウォーカーである証明なのである。
[編集] 時のらせんブロックまで(大修復以前)
ストーリーの登場人物としてのプレインズウォーカー自身は原則的にカード化されることはなかった。プレイヤーと同様に、プレインズウォーカーとはカードとして表現される側ではなく、それを使役する側の存在だったからである。
一方で、プレインズウォーカーたちはマジックの物語の中心的な存在であり、人気のあるキャラクターも多かった。そのため、以下のように様々な方法でカードとして表現されてきた。
- ウルザの激怒/Urza's Rageやテフェリーの反応/Teferi's Response、プレインズウォーカーのエンチャント・サイクルなど、彼らの用いる魔法などとして間接的に表現。
- 定形外のヴァンガードという形でのカード化。
- プレインズウォーカーではない状態(覚醒する前の姿か、なんらかの理由で灯を失った/Desparked姿)で伝説のクリーチャーとしてのカード化。背景ストーリーが色濃いレジェンドや時のらせんブロックで散見される例である(ニコル・ボーラス/Nicol Bolas、ダッコン/Dakkon、ヤヤ・バラード/Jaya Ballard、テフェリー/Teferiなど)。また極めて特殊であるが、「変装した姿」がカード化された例も(無明の予見者/Blind Seer)。
[編集] ローウィン・ブロック以後(大修復以後)
時のらせんブロックのストーリーを受け、次のローウィン・ブロックでは初めて現役プレインズウォーカーがカード化している。以降、プレインズウォーカーはカード・タイプとしてのプレインズウォーカーを持つカードとして登場することになった。これらのカードはルール上でもクリーチャーと扱いが異なっており、どちらかと言えば「プレイヤーと共に戦う」という存在になっている。
統率者2014以降は、大修復以前のプレインズウォーカーであっても、大修復以後のプレインズウォーカーと同様にプレインズウォーカー・カードとしてカード化されるようになった。これはデザイン方針の変更によるものであり、「プレインズウォーカー・カードはプレインズウォーカーの全ての力を描いたものではなく、助けを求めた魔術師を助けようという意志の分だけの力を描いたもの」と定義し直されたことによる[5]。
[編集] 登場
[編集] 登場記事
以下は、ローウィンでのプレインズウォーカー・カードの初登場にちなんだプレインズウォーカー全般に関するコラム。
- Planeswalkers Minisite(公式特設ミニサイトトップ WotC著、サイト消失によりInternet Archive)
- You Are a Planeswalker/あなたはプレインズウォーカーだ (Internet Archive)(Feature 2008年7月25日 WotC著)
- Planeswalking the Walk(Mark Rosewater著、サイト消失によりInternet Archive)
- The Era of the Planeswalker(Feature 2007年12月24日 Doug Beyer著、サイト消失によりInternet Archive)
- Where Are They Now: Planeswalkers(Wizards Books Jess Lebow著、サイト消失によりInternet Archive)
[編集] その他
- 綴りが似ているが、平地渡り(Plainswalk)は関係ない。プレインズウォーカーは「次元(Plane)を渡り歩くもの」である。ただし、Nicol Bolas, Plains+Walkerとして平地と関連付けられたことはある。
- コラボセットであるフォーゴトン・レルム探訪において5枚のプレインズウォーカーが登場したが、これらはいずれもダンジョンズ&ドラゴンズのキャラクターであり、プレインズウォーカーではない。しかしながら近年のマジックにおいてプレインズウォーカー・カードは必要不可欠であり、コラボセットでも欠かすことのできない存在として判断されたため、設定上プレインズウォーカーとは一切関係がないが、プレインズウォーカー・カードとして収録されている。
[編集] 脚注
[編集] 注釈
- ↑ モーウー/Mowuを石化させることで次元間移動させているジアン・ヤングー/Jiang Yanggu、オルゾフ組/The Orzhov Syndicate製のアーティファクトを介しニヴ=ミゼット/Niv-Mizzetの魂のみをボーラスの瞑想領土/Bolas's Meditation Realmへ送り届けたサルカン・ヴォル/Sarkhan Vol、プレインズウォーカーの灯/Planeswalker's Sparkを失ったニコル・ボーラス/Nicol Bolasを自身の翼で包み込むことで瞑想領土へと連れて行ったウギン/Uginなど。
- ↑ 逆に言えば、プレインズウォーカーの体格や体力次第では巨大な物体を運ぶことも可能ということである。事実、War of the Spark: Ravnicaにおいてカーン/Karnは巨大なハゾレト/Hazoretの槍をアモンケット/Amonkhetからラヴニカ/Ravnicaへと運搬している。
- ↑ この設定はダンジョンズ&ドラゴンズにおけるスペルの設定に影響されている。D&Dにおいてスペルのうちいくらかは、既存の高位魔術師が開発したものをプレイヤーが習得するようになっていたのである。
[編集] 出典
- ↑ Will there be an explanation about how Phyrexians(Blogatog 2022年1月27日 Mark Rosewaterのブログ)
- ↑ Constraints and Defaults/強制と標準(Making Magic 2019年7月15日 Mark Rosewater著)
- ↑ Doing the Aftermath/『決戦の後に』をする(Making Magic 2023年5月3日 Mark Rosewater著)
- ↑ No Sparks Allowed - Aftermath Lore ft Rhystic Studies || Elder Dragon Social Club(Youtube、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト公式スポンサード動画 2023年5月11日)
- ↑ Fate-ful Stories, Part 2/運命的な話 その2(Making Magic 2015年1月19日 Mark Rosewater著)

