すべての人類を破壊する。それらは再生できない。

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すべての人類を破壊する。それらは再生できない。は、マジックを題材としたマンガ。原作:伊瀬勝良/作画:横田卓馬/監修・協力:WotC

目次

概要

20世紀末を舞台に、中学生 神納はじめ沢渡慧美とのマジックを通じての交流を描く90年代青春グラフィティ。タイトルは神の怒り/Wrath of Godルール文章と、1999年に人類が滅ぶとされた「ノストラダムスの大予言」に由来する。

マジックのプレイヤーを題材にした過去の漫画と比較すると、それらに見られたような現実離れした描写(オーバーテクノロジーな装置や、カードを用いる悪の組織など)を控えて、現実にどこかであり得たかも知れないプレイヤーの物語となっている。作中には背景やセリフとして、当時流行したグッズや音楽などが頻繁に登場し、特に主人公と同世代の読者にノスタルジーを感じさせる場面が多い。その一方で、当時は存在しなかったであろうマジック:ザ・ギャザリングのカードやキャラクターが看板やマスコットとして登場するなど、現在のプレイヤーをクスリとさせる場面も存在する。

  • 物語の進行とともに時間が経過し、新セットが発売されたりスタンダードローテーションしたりといった出来事が描かれる。
    • 1話の時点での時系列は1998年の5月で、エクソダス発売を翌月に控えている。
    • 2巻開始時点ではエクソダスはスタンダード使用可能となっており、アングルード発売直前となっている。
    • 3巻ではウルザズ・サーガの発売と、それによるローテーションが描かれている。
    • 4巻は「MoMaの冬」の真っ最中である1998年末。グランプリ京都99への意気込みも語られる。
    • 5巻では年が明けて1999年となる。グランプリ京都99においてそれぞれの戦いが繰り広げられる。
  • 主人公たちが住む町は架空のもの(マジックの次元が元ネタ)だが、渋谷DCIジャパントーナメントセンターのように当時実在した施設を訪れる話もある。

原作は月刊少年エースで連載中。KADOKAWAのWebコミックサイトComicWalkerでもWebコミックとして連載中。 また、書籍版がKADOKAWAより単行本として出版されている。

書籍版にはプロモーション・カードが付属する。いずれも作中当時のイラストかつ新枠プレミアム・カードという独特のデザインになっている。

製作背景

原作の伊瀬によると、ある日作画の横田から漫画の制作に誘われたので何も考えず二つ返事で了承したという[1]

舞台である1990年代後半は単に伊瀬が好きな時代であり、資料は当時のCDやRPGマガジンゲームぎゃざなどを利用した。タイトルは「ノストラダムスの大予言」を意識し、それを2010年代によく見られるライトノベル風に仕上げたものであるという[1]


注意:作品の内容に関する記述が以下には含まれています。

主な登場人物

神納はじめ(かのう はじめ)
神河市立ときわ木中学校の2年生。アニメやゲームが好きな、現代で言えば「中二病」のオタク。テストの成績は万年二位。黒ウィニーなどののデッキの使い手。学校では負け知らずだったが、カードショップでもある純喫茶「しぶやま」にて敗北を知り、同時により奥深いマジックの世界を知ることになる。携帯電話は持ってはいない。ファイナルファンタジー7が好きで(主人公である)「クラウド」を名乗ることも。ファイナルファンタジーの略称は「ファイファン」派。
沢渡慧美(さわたり えみ)
神納はじめと同じ中学に通う同級生。小学生の頃に転入し、以降学年トップの座をはじめから奪ったことから、はじめから一方的にライバル視されている。学力は全国クラスで、校内表彰も受けている。マジックのプレイヤーであることは学校どころか厳格な母親にも隠しているが、「しぶやま」での対戦中にはじめと遭遇し、はじめと秘密を共有することになる。「しぶやま」常連陣でもトップクラスの実力者。アーマースキンなどのデッキの使い手。携帯電話所有。水泳は苦手。
諏訪原八雲(すわばら やくも)
トーナメントセンターではじめや慧美たちと出会った。小柄で幼く見えるが、はじめ達と同じ中学2年生である。はじめと慧美にはそれぞれ同性だと思われているが……。のデッキを好み、トーナメントではナイトメア・サバイバルではじめと慧美を圧倒した。神河の近くの景群に在住。携帯電話所有。トーナメントを通じて慧美と仲良くなり、電話番号を交換する。はじめ同様、ファイナルファンタジー7が好き。
来島卓(くるしま すぐる)
はじめと同じ学校に通う同級生で、中学入学以来の親友。カウンターロックを仕掛けるのデッキを好み、はじめに青をタッチさせるヒントを与えた。マジックの醍醐味をコンボに見出しており、後にMoMaをもってはじめの強大なライバルとして立ちはだかる。中学生にして彼女持ちの色男だが、実ははじめに負けず劣らずの中二病。1話から登場しているが、下の名前は14話でようやく明かされた。
渋山竜夫(しぶやま たつお)
純喫茶「しぶやま」の店長。眼鏡を掛け、無精髭を生やした恰幅の良い温厚な30代の男性。体格のせいか汗っかき。プラモ・アニメ・フィギュア・MTGと趣味の幅広い90年代的オタクであり、現在は父親から譲り受けた店舗をデュエルスペースとして開放している。既婚者。
渋山 いと
名前のとおり、渋山の妻。結婚五年目。ロングヘアで細身だが出るところは出ているおっとりした美女。店長とは幼馴染。自動車免許を持っている。マジックは「たしなむ程度」と言うが、グランプリ京都99を控えたはじめにシールド戦と言う“弱点”を指摘できる力量の持ち主。
阿久井剛(あくい ごう)
愛称は「ゴブさん」。「しぶやま」の常連。キャスケット帽をかぶった長身、尖った耳と鷲鼻、細目が特徴の男性。系、特にスライデッキを好む。
鳥居祐爾(とりい ゆうじ)
愛称は「トリー」。「しぶやま」の常連。ロン毛のイケメンで合コンやナンパに精を出すが、実際にモテているかは不明。自動車免許を持っている。パンデモノートなどアーティファクト主体のデッキを使う。
大楠主税(おおぐす ちから)
愛称は「社長」。「しぶやま」のオーナーにして常連。痩せぎすでぐるぐる眼鏡にバケットハット、店長よりも濃い無精髭が特徴。「しぶやま」ではいつもカレーを食べながらライトノベルを読んでいる。スパイクの誓いなどののデッキを使う。

脚注

  1. 1.0 1.1 『マナバーン2020』(ホビージャパン、2019年12月20日初版)p.80-82 ISBN 9784798620862

参考

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