次元壊し/Realmbreaker

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次元壊し/Realmbreaker新ファイレクシア/New Phyrexiaにより作られた樹木。侵略樹(侵略の樹)/Invasion Treeとも呼ばれる。

目次

解説

ヴォリンクレックス/Vorinclexが奪った世界樹/The World Treeの精髄を新ファイレクシア最奥部の種子中枢/The Seedcoreで育成して作られた、紛い物の世界樹。白磁の金属でできた幹を持ち、樹液の代わりにファイレクシアの油/Phyrexian oilが流れている(イラスト)。

カルドハイム/Kaldheimの世界樹が星界/Cosmosに浮かぶ領界/Realm同士を繋いでいるように、この樹は久遠の闇/Blind Eternitiesを引き裂き他の次元/Planeへと枝を伸ばす。こうして作られたある種の領界路により、新ファイレクシアは制約の多い次元橋/Planar Bridgeを使わずとも他の次元を侵略する術を手に入れた。

次元壊しの枝は、都市全体を破壊し、空中の弩級艦をたやすく押しやるほどの恐ろしい武器である。各枝の先には三本の逆棘があり、地面にぶつかると開いてその場に枝を固定する。この棘は爪としても機能し、遭遇したクリーチャーや構造物を引き裂くことができる。

種子殻/Seedpods

次元壊しの枝は数多の種子殻に覆われている。この棘だらけの容器は、ファイレクシア人の機械兵団を久遠の闇を越えて運ぶための入れ物である。種子殻は百長/Centurionsの連隊1個をまるまる収めたものもあれば、巨大なビヒモス/Behemoth1体だけが格納されたものもある。ファイレクシアの油だけを詰め込んだものもあり、これは大気中に油をばらまきファイレクシア病/Phyrexisを拡散させる。

一部の種子殻は/Cocoonと呼ばれており、完成化のための外科的機能に特化している。ファイレクシア人でない者の身体にぎらつく油が完全に浸透すると、それは繭へと引きずり込まれ、密閉された内部で有機的組織を機械部品へと置き換えられる。この完成化処理は従来のものと比べ不格好だが素早いものであり、生み出されたものは"純粋"なファイレクシア人と区別するために改宗者/Convertや新参者/Neophytesなどと呼ばれる。機械兵団は優雅さよりも迅速さを重点に置いているため、新参者は大雑把かつ乱雑に機械部品が移植された姿をしていることが多い。

ストーリー上の描写

団結のドミナリア

新ファイレクシアへ拉致されたカーン/Karnが、白磁の砂の中から生えた小さく痩せた若木を目撃している。

兄弟戦争

エリシュ・ノーン/Elesh Nornの口から「次元壊し」の名が初登場している。

  • 日本語訳では「次元壊しは其方なくしては完成しえなかったであろう」とこの時点で次元壊しが完成したかのように表現されているが、原文では"We could not have our Realmbreaker without you."と完成したかは曖昧な表現となっている。

また、ドミナリア/Dominariaではケイヤ/Kayaビビアン/Vivien経由でウラブラスク/Urabraskからもたらされた情報を元に、ファイレクシアが世界樹を用いた侵略計画を企てていることを推理していた。プレインズウォーカー/Planeswalker達はウラブラスクの反乱に乗じ、新ファイレクシアへ乗り込み金線の酒杯/The Filigree Sylexにより次元壊しを破壊することを決意する。

ファイレクシア:完全なる統一

多くの仲間を失いながらも種子中枢にたどり着いたプレインズウォーカー達であったが、次元壊しは既に多元宇宙に枝を伸ばしており、酒杯を起動したならば他の次元をも巻き込んでしまう危険性が極めて高いことが明らかとなった。ケイヤや魁渡/Kaitoは爆破を中止しようとするが、ヴラスカ/Vraska完成化され自らもファイレクシアの油に侵されつつあるジェイス/Jaceは幾つかの次元を犠牲にしてでも多元宇宙を救わんと酒杯を起動する。しかし、エルズペス/Elspethが酒杯を奪い久遠の闇へとプレインズウォークしたことで次元の崩壊は阻止された。

  • 団結のドミナリアのメインストーリー最終話→兄弟戦争のサイドストーリー第1話までに1か月以上が経過しており[1]、さらに兄弟戦争のサイドストーリー最終話までに少なくとも数週間が経過していることが明らかになっている[2]。そのため、最短2か月ほどで若木から多元宇宙に届く大木と化したと言える。

機械兵団の進軍

樹木である次元壊しを扱うにおいて、ニッサ/Nissaが完成化されたことは僥倖であり、ノーンは彼女に命令することで次元壊しを操った。次元壊しは空に開けられたΦの形のポータル/Portalからその枝を伸ばし、数多くの次元の構造物を破壊し機械兵団を送り込んだ。

だが、樹木であるという点は同時に最大の弱点にもなった。レン/Wrennチャンドラ/Chandraミラディン人/Mirran達の力を借りて次元壊しの元へたどり着くと、木と一体化するその力をもって次元壊しの制御を試みた。油が堕落の囁きをもたらしたが、彼女はそれに打ち勝ち、次元壊しを――内気で小さな若木を――自らの「八番」として迎え入れることに成功した。

レンと一体化した「彼」はさらに成長を続けた。レンはかつて触れ合ったテフェリー/Teferiの魔法を追うことでザルファー/Zhalfirを多元宇宙の奈落から救い出し、代わりに新ファイレクシアをその場所へと送りこんだ。こうして、新ファイレクシアは誰の目にも届かない場所へと封印され、ファイレクシアの油に信号が届かなくなったことで各地のファイレクシア人達も機能を停止した。

登場

カード名に登場

機械兵団の進軍
次元壊しの掌握/Realmbreaker's Grasp

フレイバー・テキストに登場

ファイレクシア:完全なる統一
すべて侵略樹/Invasion Tree表記。
完全なる統一/All Will Be One頭足類の歩哨/Cephalopod Sentryマイコシンスの庭/The Mycosynth Gardens
機械兵団の進軍
ファイレクシアの空剥ぎ/Phyrexian Skyflayerレンの決意/Wrenn's Resolve
次段は「侵略の樹/Invasion Tree」としての登場。
次元壊しの掌握/Realmbreaker's Grasp先駆的な歴史家/Trailblazing Historian巨大な板岩角/Gargantuan Slabhorn壊れた空/The Broken Skyクロクサとクノロス/Kroxa and Kunoros陰鬱な僻地/Dismal Backwater
機械兵団の進軍統率者デッキ
胆液の霊薬/Ichor Elixir

イラストに登場

ファイレクシア:完全なる統一
完全なる統一/All Will Be One種子中枢/The Seedcore
機械兵団の進軍機械兵団の進軍統率者デッキ
数多くのカードの背景に次元壊しの枝が描かれている。

登場記事・登場作品

団結のドミナリア

兄弟戦争

ファイレクシア:完全なる統一

機械兵団の進軍

(メインストーリー10話を除くすべての話に何らかの形で登場しているため作品紹介は割愛)

余談

  • マジックにおいて通常、「次元」は"Plane"に対応する訳語であり、"Realm"の定訳は「世界」や「領域」である。また、次元壊しのルーツであるカルドハイムでは領界と訳される。しかし、他の次元を侵攻するという役割を考えれば、あながち「次元壊し」は誤訳とも言い切れない。

脚注

  1. The Brothers' War | Chapter 1: Stronghold/サイドストーリー第1話:拠点(ストロングホールド)(Magic Story 2022年10月21日 Reinhardt Suarez著)
  2. The Brothers' War | Chapter 2: Antiquities/サイドストーリー第2話:遺物(アンティキティー)(Magic Story 2022年10月24日 Reinhardt Suarez著)

参考

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