Time Vault

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[[マジック]]最初の「[[ターン]]を増減させる」[[カード]]で、要はターン貯蔵機。
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[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]最初の「[[ターン]]を増減させる」[[カード]]で、要はターン貯蔵機。次のターンを失う(貯める)代わりに、後にそのターンを呼び戻せる、という感じ。「自分だけが2ターン連続で行動」できる効果は強いが、それを行うためにまず「[[対戦相手]]だけが2ターン連続で行動」を先に実施させてしまうので、単純には使いづらい。
[[能力]]を[[起動]]することで次のターンを失う(貯める)代わりに、後にそのターンを呼び戻せる、という感じ。
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「自分だけが2ターン連続で行動」できる効果は強いが、それを行うためにまず「[[対戦相手]]だけが2ターン連続で行動」を先に実施させてしまうので、単純には使いづらい。
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しかし、これの[[位相]]を恒久的に操作する方法があれば、[[無限ターン]]を容易に得ることができ、恐るべき[[カードパワー]]を発揮する。そのため、[[エラッタ]]と悪用法の考案がいたちごっこのように繰り返された。
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*[[Vintage Masters]]に{{Gatherer|id=383130|新規イラスト}}で収録された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-articles/vintage-masters-unique-art-2014-06-18 Vintage Masters Unique Art] ([[Magic Online]] 2014年6月18日 [[Blake Rasmussen]]著)</ref>。
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*ターンを飛ばすことによって[[アンタップ]]する能力は、ターンを始めることの代わりにする[[置換]]能力である。[[誘発]]能力ではないので、[[スタック]]にも乗らず、[[打ち消す]]こともできない。
  
[[Type1]](現在の[[ヴィンテージ]])では1994/01/25より[[制限カード]]に指定され、1995/03/23より[[禁止カード]]に格上げされた。
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[[タイプ1]](現在の[[ヴィンテージ]])では[[1994年]]1月25より[[制限カード]]に指定され、[[1995年]]3月23日より[[禁止カード]]に指定される。その後[[1996年]]4月1日に後述の[[エラッタ]][[#1度目のエラッタ]])が出され、同時に禁止カード指定を解除された。その後、[[2008年]]9月24日で元の機能に戻す([[#4度目のエラッタ]])ため、2008年9月20日より再びヴィンテージで制限カード、[[レガシー]]で禁止カードに指定された。
その後1996/04/01に後述の[[エラッタ]]が出され、同時に[[禁止カード]]指定を解除された。
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*[[市長の笏/Magistrate's Scepter]]が後継といえるだろうか。
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エラッタが複数回出たカードであるが、その度に悪用する方法が考えられた。
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==エラッタ==
以下では、それぞれのエラッタと悪用方法を述べる。
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エラッタが複数回出たカードであるが、その度に悪用する方法が考えられた。以下では、それぞれのエラッタと悪用方法を述べる。
<!--  以下、いくつかエラッタにかかわる記載は「現状できない使用方法」なので
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===オリジナル===
  論理階層を下げました。
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オリジナルのテキストは現代風に直すと以下のようなもの。
当時のテキストがないと挙動が分からないと思うので修正してみました。
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{{カードテキスト
-以下、過去さまざまに存在した「現在ではできなくなっている」悪用方法。 -->
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|カード名=Time Vault
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|コスト=(2)
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|タイプ=アーティファクト
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|カードテキスト=Time Vaultはタップ状態で戦場に出る。<br /> Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間に通常のアンタップはせず、あなたのターンを飛ばすことでアンタップする。<br />(T):この後に追加のターンを得る。
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|PT=
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|背景=old
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}}
  
オリジナルのテキストは現代に直すと以下のようなもの。
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*そのまま解釈すると、[[アンタップ・ステップ]](当時は[[フェイズ]])が始まってから、そのターンを飛ばすかどうか決めることになる。これではおかしいので、この選択は前のターンが終わってからあなたのターンが始まるまで、つまり「ターンの間」に行われると解釈された。
Time Vaultはタップ状態で場に出る。
+
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
+
あなたの次のターンを飛ばす:Time Vaultをアンタップする。
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(T):この後に追加のターンを得る。
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*[[最後の賭け/Final Fortune]]との相性がいい。
+
最後の賭けで増えたターンをこれで「貯める」ことで、最後の賭けの効果による「追加ターン終了時に負け」という弱点がなくなってしまう。
+
 
*[[動く秘宝/Animate Artifact]]と[[賦活/Instill Energy]]の[[コンボ]]で簡単に[[無限ターン]]が可能だった。
 
*[[動く秘宝/Animate Artifact]]と[[賦活/Instill Energy]]の[[コンボ]]で簡単に[[無限ターン]]が可能だった。
<!-- そのためいったん[[制限カード]]、[[禁止カード]]になり、そのあと[[エラッタ]]の発表とともに禁止指定を解除された。 -->
 
  
上記の抜け道を塞ぐ為に出たエラッタのテキストは以下の通り。
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===1度目のエラッタ===
Time Vaultはタップ状態で場に出る。
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簡単な追加ターンの獲得を防ぐため、1996年4月にturn[[カウンター (目印)|カウンター]]を使用したテキストに変更された。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
+
{{カードテキスト
あなたの次のターンを飛ばす:Time Vaultをアンタップし、時間カウンターをTime Vaultの上に1個置く。
+
|カード名=Time Vault
(T),Time Vaultからすべての時間カウンターを取り除く:この後に追加のターンを得る。この能力は、
+
|コスト=()
Time Vaultの上に時間カウンターが置かれている場合にしかプレイできない。
+
|タイプ=アーティファクト
<!-- 画面からはみ出すんですけど。なんでそんなに一行を長くする必要があるんですか? -->
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|カードテキスト=Time Vaultはタップ状態で場に出る。<br />Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。<br />Time Vaultがタップ状態でturnカウンターが置かれていない場合、あなたのターンを飛ばすことでTime Vaultをアンタップし、その上にturnカウンターを1個置く。<br />(T):Time Vaultからturnカウンターを取り除くことで、次の通常のターンの前に追加ターンを得る。
*[[炎の一斉攻撃/Flame Fusillade]]と、無限ターンではない別の側面での無限コンボができる。
+
|PT=
このテキストでは「ターンを飛ばしてこれをアンタップ」という能力に使用制限がないので、これのアンタップは何度でも行えるため、何度もアンタップさせてダメージを無限に与えることができた。もちろんその分ターンを失うが、飛ぶ前に勝負がついていれば問題ない。
+
|背景=old
このため、[[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/askwizards/0406|エターナル]]環境で高確率で1〜2ターンキルが発生することも懸念されたのか、[[ディセンション]]発売に伴い再び[[エラッタ]]が出ることになり、このコンボは現在では成立しない。→[[Ask Wizards参照]]
+
}}
*[[煙突/Smokestack]]に2つ以上のカウンターが乗った状態で延々と自分のターンを飛ばしていくことにより、相手のパーマネントを消すコンボが可能であった。現在は下記の2006年7月のエラッタによりターンを飛ばし続けることができなくなったため、そのままでは成立しない。
+
  
2006年7月にエラッタがまた出された。アンタップ状態になるときに、タップ状態にしたままにするかアンタップして次の自分のターンを飛ばすかを選ぶ置換効果になり、さらにタップするだけで追加のターンを得られるようになった。そして、カウンターも必要なくなった。
+
*[[最後の賭け/Final Fortune]]との相性がよい。最後の賭けで増えたターンをこれで「貯める」ことで、最後の賭けの効果による「[[追加のターン|追加ターン]]終了時に[[敗北]]」という弱点がなくなってしまう。
*これにより[[ミジウムの変成体/Mizzium Transreliquat]]との無限ターンコンボが出来るため、[[エターナル]]でこの2枚を中心にしたデッキが少数活躍している。
+
*その後、「ターンの間」の概念がルールの抜け道となり、[[フェイズ・ゼロ]]という[[コンボデッキ]]が誕生してしまう。
<!-- --この2枚を出して能力を起動させる(通算無色8マナ、次のターンからはたった3マナでいい)のは[[ヴィンテージ]]ならそれほど難しくなく、1ターン目でコンボが決まって相手が[[Force of Will]]でも持っていない限り何もできずに終わる可能性が高いデッキになるので、またエラッタが出るのではないだろうか。 -->
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===2度目のエラッタ===
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「ターンの間」の抜け道を塞ぐため、1998年2月に以下のエラッタが出された。
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{{カードテキスト
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|カード名=Time Vault
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|コスト=(2)
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|タイプ=アーティファクト
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|カードテキスト=Time Vaultはタップ状態で場に出る。<br />Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。<br />あなたの次のターンを飛ばす:Time Vaultをアンタップし、時間カウンターをTime Vaultの上に1個置く。<br />(T),Time Vaultからすべての時間カウンターを取り除く:この後に追加のターンを得る。この能力は、Time Vaultの上に時間カウンターが置かれている場合にしかプレイできない。
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|PT=
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|背景=old
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}}
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*[[炎の一斉攻撃/Flame Fusillade]]と、無限ターンではない別の側面での無限コンボができる。このテキストでは「ターンを飛ばしてこれをアンタップ」という能力に[[起動]]制限がなく、これのアンタップは何度でも行えるため、何度もアンタップさせて[[無限ダメージ]]を与えることができた。もちろんその分ターンを失うが、飛ぶ前に勝負がついていれば問題ない。このため、[[エターナル]]環境で高確率で1〜2ターンキルが発生することも懸念されたのか、直後の[[ディセンション]]発売に伴い再び[[エラッタ]]が出ることになり、このコンボは現在では成立しない。<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/ask-wizards-april-2006-2006-04-03 Ask Wizards - April 21, 2006]</ref>
 +
*[[煙突/Smokestack]]に複数のカウンターが乗った状態で延々と自分のターンを飛ばしていくことにより、相手の[[パーマネント]]を消すコンボが可能であった。現在は下記の2006年7月のエラッタによりターンを飛ばし続けることができなくなったため、そのままでは成立しない。
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===3度目のエラッタ===
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{{カードテキスト
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|カード名=Time Vault
 +
|コスト=(2)
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|タイプ=アーティファクト
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|カードテキスト=Time Vaultはタップ状態で場に出る。<br /> Time Vaultがアンタップ状態になる場合、代わりに以下の2つから1つを選ぶ。「Time Vaultをアンタップし、あなたの次のターンを飛ばす。」「Time Vaultをタップ状態のままにする。」
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<br />(T):このターンに続いて追加の1ターンを行う。
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|PT=
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|背景=old
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}}
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2006年7月にエラッタが再び出された。アンタップ状態になるときに、タップ状態にしたままにするかアンタップして次の自分のターンを飛ばすかを選ぶ置換効果になり、さらにタップするだけで追加のターンを得られるようになった。そして、カウンターも必要なくなった。
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*これにより[[ミジウムの変成体/Mizzium Transreliquat]]との無限ターンコンボができるため、[[エターナル]]でこの2枚を中心にしたデッキが少数活躍した。
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===4度目のエラッタ===
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機能的には一番初期のものに戻った。もちろんのことながら[[フェイズ・ゼロ]]問題はルールレベルで対策されている。
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*[[動く秘宝/Animate Artifact]]と[[賦活/Instill Energy]]の[[コンボ]]どころか[[ミジウムの変成体/Mizzium Transreliquat]]や[[通電式キー/Voltaic Key]]、[[求道者テゼレット/Tezzeret the Seeker]]の小プラス[[忠誠度能力]]で無限ターンが成立する。[[ヴィンテージ]]では、これを主軸に据えた[[Tezzeret's Vault]]が組まれ、隆盛した。
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==関連カード==
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このようにエラッタしてもエラッタしてもその都度悪用法が考案されるいわく付のカードであり、現在ではターン操作を行うパーマネントは慎重にデザインされるようになった。
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以下はその一例。
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*[[市長の笏/Magistrate's Scepter]] - 4ターンに一度のペースで追加ターンを得るアーティファクト。([[メルカディアン・マスクス]])
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*[[水の帳、マゴーシ/Magosi, the Waterveil]] - 同じくターン貯蔵能力を持つ[[土地]]だが、その手続きはより厳重。([[ゼンディカー]])
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*[[時の篩/Time Sieve]] - アーティファクト5つを[[生け贄に捧げる]]という[[起動コスト]]で追加ターンを得る[[有色アーティファクト]]。([[アラーラ再誕]])
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 +
==脚注==
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<references />
  
 
==参考==
 
==参考==
*[[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/feature/253|The Top 50 Artifacts of All Time]]第50位([[WotC]]、文:[[Zvi Mowshowitz]]、英語)
+
*[[The Top 50 Artifacts of All Time]]第50位
*[[カード個別評価:アンリミテッド(2nd)]]
+
*[[ターン・フェイズ・ステップを飛ばすカード]]
 +
*[[ターン・フェイズ・ステップを追加するカード]]
 +
*[[再録禁止カード一覧]]([[再録禁止カード]])
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*[[カード個別評価:アンリミテッド・エディション]] - [[レア]]
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*[[カード個別評価:Vintage Masters]] - [[神話レア]]
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*[[カード個別評価:Masters Edition 4]] - [[レア]]
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[[Category:リミテッド・エディションの再録禁止カード]]
 +
__NOTOC__

2022年5月19日 (木) 00:28時点における最新版


Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で戦場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
Time Vaultがタップ状態である間にあなたがあなたのターンを始める場合、代わりにあなたはそのターンを飛ばしてもよい。そうした場合、Time Vaultをアンタップする。
(T):このターンに続いて追加の1ターンを行う。


マジック最初の「ターンを増減させる」カードで、要はターン貯蔵機。次のターンを失う(貯める)代わりに、後にそのターンを呼び戻せる、という感じ。「自分だけが2ターン連続で行動」できる効果は強いが、それを行うためにまず「対戦相手だけが2ターン連続で行動」を先に実施させてしまうので、単純には使いづらい。

しかし、これの位相を恒久的に操作する方法があれば、無限ターンを容易に得ることができ、恐るべきカードパワーを発揮する。そのため、エラッタと悪用法の考案がいたちごっこのように繰り返された。

タイプ1(現在のヴィンテージ)では1994年1月25より制限カードに指定され、1995年3月23日より禁止カードに指定される。その後1996年4月1日に後述のエラッタ#1度目のエラッタ)が出され、同時に禁止カード指定を解除された。その後、2008年9月24日で元の機能に戻す(#4度目のエラッタ)ため、2008年9月20日より再びヴィンテージで制限カード、レガシーで禁止カードに指定された。

[編集] エラッタ

エラッタが複数回出たカードであるが、その度に悪用する方法が考えられた。以下では、それぞれのエラッタと悪用方法を述べる。

[編集] オリジナル

オリジナルのテキストは現代風に直すと以下のようなもの。


旧オラクル

Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で戦場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間に通常のアンタップはせず、あなたのターンを飛ばすことでアンタップする。
(T):この後に追加のターンを得る。


[編集] 1度目のエラッタ

簡単な追加ターンの獲得を防ぐため、1996年4月にturnカウンターを使用したテキストに変更された。


旧オラクル

Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
Time Vaultがタップ状態でturnカウンターが置かれていない場合、あなたのターンを飛ばすことでTime Vaultをアンタップし、その上にturnカウンターを1個置く。
(T):Time Vaultからturnカウンターを取り除くことで、次の通常のターンの前に追加ターンを得る。


[編集] 2度目のエラッタ

「ターンの間」の抜け道を塞ぐため、1998年2月に以下のエラッタが出された。


旧オラクル

Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で場に出る。
Time Vaultはあなたのアンタップ・ステップの間にアンタップしない。
あなたの次のターンを飛ばす:Time Vaultをアンタップし、時間カウンターをTime Vaultの上に1個置く。
(T),Time Vaultからすべての時間カウンターを取り除く:この後に追加のターンを得る。この能力は、Time Vaultの上に時間カウンターが置かれている場合にしかプレイできない。


  • 炎の一斉攻撃/Flame Fusilladeと、無限ターンではない別の側面での無限コンボができる。このテキストでは「ターンを飛ばしてこれをアンタップ」という能力に起動制限がなく、これのアンタップは何度でも行えるため、何度もアンタップさせて無限ダメージを与えることができた。もちろんその分ターンを失うが、飛ぶ前に勝負がついていれば問題ない。このため、エターナル環境で高確率で1〜2ターンキルが発生することも懸念されたのか、直後のディセンション発売に伴い再びエラッタが出ることになり、このコンボは現在では成立しない。[2]
  • 煙突/Smokestackに複数のカウンターが乗った状態で延々と自分のターンを飛ばしていくことにより、相手のパーマネントを消すコンボが可能であった。現在は下記の2006年7月のエラッタによりターンを飛ばし続けることができなくなったため、そのままでは成立しない。

[編集] 3度目のエラッタ


旧オラクル

Time Vault (2)
アーティファクト

Time Vaultはタップ状態で場に出る。
Time Vaultがアンタップ状態になる場合、代わりに以下の2つから1つを選ぶ。「Time Vaultをアンタップし、あなたの次のターンを飛ばす。」「Time Vaultをタップ状態のままにする。」
(T):このターンに続いて追加の1ターンを行う。


2006年7月にエラッタが再び出された。アンタップ状態になるときに、タップ状態にしたままにするかアンタップして次の自分のターンを飛ばすかを選ぶ置換効果になり、さらにタップするだけで追加のターンを得られるようになった。そして、カウンターも必要なくなった。

[編集] 4度目のエラッタ

機能的には一番初期のものに戻った。もちろんのことながらフェイズ・ゼロ問題はルールレベルで対策されている。

[編集] 関連カード

このようにエラッタしてもエラッタしてもその都度悪用法が考案されるいわく付のカードであり、現在ではターン操作を行うパーマネントは慎重にデザインされるようになった。

以下はその一例。

[編集] 脚注

  1. Vintage Masters Unique ArtMagic Online 2014年6月18日 Blake Rasmussen著)
  2. Ask Wizards - April 21, 2006

[編集] 参考

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