アヴァシン/Avacyn
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数世紀もの昔、イニストラードの闇の勢力と[[人間]]勢力の均衡が崩れた。[[吸血鬼 (ストーリー)#イニストラード|吸血鬼]]たちは勢いを増して人間を食い荒らし、人類は滅亡への途を辿った。人類の絶滅はその血を糧とする吸血鬼の破滅をも意味する。この事態を憂えたソリンは次元の守護者としてのアヴァシンとその宗教を造り出した。 | 数世紀もの昔、イニストラードの闇の勢力と[[人間]]勢力の均衡が崩れた。[[吸血鬼 (ストーリー)#イニストラード|吸血鬼]]たちは勢いを増して人間を食い荒らし、人類は滅亡への途を辿った。人類の絶滅はその血を糧とする吸血鬼の破滅をも意味する。この事態を憂えたソリンは次元の守護者としてのアヴァシンとその宗教を造り出した。 | ||
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− | 狼男の呪いは人間と野生の魂が余りにも強固に結びついているために、アヴァシン自身の力を持ってしても解くことはできなかったが、彼女は改心して人類の守り手となることを誓った狼男たちの呪いを組み替え、獣性と人間性を統合された高貴なるクリーチャーである[[狼男 | + | 狼男の呪いは人間と野生の魂が余りにも強固に結びついているために、アヴァシン自身の力を持ってしても解くことはできなかったが、彼女は改心して人類の守り手となることを誓った狼男たちの呪いを組み替え、獣性と人間性を統合された高貴なるクリーチャーである[[狼男/Werewolf#ウルフィー/Wolfir|ウルフィー/Wolfir]]へと変身させた。後に「呪い黙らせ/Cursemute」として知られるこの強力な魔法の波は、狼男だけではなくイニストラードの次元全てに及び、世界のあらゆる呪いを変化させた。 |
*リリアナからの[[鎖のヴェール/The Chain Veil#ストーリー|鎖のヴェール/The Chain Veil]]の呪いによって死に瀕していた[[ガラク/Garruk]]を一時的に正気に戻し窮地を救ったのも、呪い黙らせである。 | *リリアナからの[[鎖のヴェール/The Chain Veil#ストーリー|鎖のヴェール/The Chain Veil]]の呪いによって死に瀕していた[[ガラク/Garruk]]を一時的に正気に戻し窮地を救ったのも、呪い黙らせである。 |
2017年2月13日 (月) 20:47時点における版
アヴァシン/Avacynはイニストラード・ブロックおよびイニストラードを覆う影ブロックのキャラクター。カードとしてはアヴァシンの帰還の希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hopeが初出。
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解説
プレインズウォーカー/Planeswalkerのソリン・マルコフ/Sorin Marcovによって創造された天使。女性。彼女を創り出すに際し、ソリンは自らのプレインズウォーカーとしての「大事なもの」を代償とした、と言われており、そのためか次元/Plane全体に影響を与えるほどの強大な力と、創造主のソリンを彷彿とさせる白髪黒衣の外見を持つ(イラスト1、イラスト2)。
イニストラード/Innistradの人間たちを守護することが最大にして唯一の目的である。アヴァシン自身はソリンの被造物であることを理解しているが、創造目的に忠実である。ただし、仮に必要になればソリンは彼女に元の目的から外れた命令をも下せると思われる[1]。
経歴
アヴァシンの誕生
数世紀もの昔、イニストラードの闇の勢力と人間勢力の均衡が崩れた。吸血鬼たちは勢いを増して人間を食い荒らし、人類は滅亡への途を辿った。人類の絶滅はその血を糧とする吸血鬼の破滅をも意味する。この事態を憂えたソリンは次元の守護者としてのアヴァシンとその宗教を造り出した。
アヴァシンは天使たちを率い、闇の勢力に立ち向かった。彼女たちは吸血鬼を討ち取り、狼男/Werewolfの吠え群れ/Howlpackを狩り、霊/Geistやグール/Ghoulを浄化していった。やがて人類は再び繁栄し、彼女を崇めるアヴァシン教会/The Church of Avacynへの信仰はいや増していった。
デーモンの台頭とアヴァシンの消失
イニストラードにおける闇の勢力の後退は、そこに悪魔や小悪魔の大軍が入り込む隙間を与えた。アヴァシンはそれぞれのデーモンを一騎打ちで討ち取ったが、やがていくら倒してもすぐに新たなデーモンが顕れることに気がついた。彼らを完全に滅ぼすことはできないと悟ったアヴァシンは「破壊し得ぬ物は縛られるであろう」というアヴァシンの誓約/Oath of Avacynと呼ばれる命を発し、デーモンを束縛する銀の首輪を作成し、彼らを教会の大聖堂の中庭にある獄庫/The Helvaultに封印した。その首輪はアヴァシンのシンボルとなり、聖職者たちや聖戦士/Catharによって広められた。
殆どのデーモンや小悪魔たちが獄庫に封印された後、かつて一度も捕らわれることのない最強のデーモンと謳われるグリセルブランド/Griselbrandが獄庫に降り立ちアヴァシンへと挑戦した。月皇/Lunarchのミケウス・セカーニ/Mikaeus Cecaniや数人の側近が見守る中、その戦いは数日に及んだが、ついにアヴァシンは決死でグリセルブランドを獄庫へと追い込み、死にもの狂いのグリセルブランドの槍はアヴァシンの心臓を貫いた。跳ね返った束縛の呪文はアヴァシン自身をも捉え、両者とも獄庫に吸い込まれていった。
獄庫から大天使を解放すると心臓への傷が元で彼女が死ぬかもしれないと危惧したミケウスは、アヴァシンの幽閉の事実をこのまま機密としてとどめた。しかし時が経つにつれ、聖なる防護魔法は弱まり、天使たちは姿を見せなくなり、アヴァシンへの祈りは応えられず、人々の間にはアヴァシンが世界を見捨てたという噂が囁かれるようになっていった。
アヴァシンの帰還
グリセルブランドを追ってイニストラードを訪れたプレインズウォーカー、リリアナ・ヴェス/Liliana Vessの策略によって獄庫は破られ、多くのデーモンと共にアヴァシンは帰還した。貫かれたはずの心臓には傷ひとつなかった。彼女の天使たちは再び姿を顕し、教区の護法や僧侶たちの祝福、大魔導士たちの神聖魔法は力を取り戻した。
狼男の呪いは人間と野生の魂が余りにも強固に結びついているために、アヴァシン自身の力を持ってしても解くことはできなかったが、彼女は改心して人類の守り手となることを誓った狼男たちの呪いを組み替え、獣性と人間性を統合された高貴なるクリーチャーであるウルフィー/Wolfirへと変身させた。後に「呪い黙らせ/Cursemute」として知られるこの強力な魔法の波は、狼男だけではなくイニストラードの次元全てに及び、世界のあらゆる呪いを変化させた。
- リリアナからの鎖のヴェール/The Chain Veilの呪いによって死に瀕していたガラク/Garrukを一時的に正気に戻し窮地を救ったのも、呪い黙らせである。
- 呪いに関する造詣が深く、鎖のヴェールの全容を知っていた――ヴェールの持ち主にその代償として恐ろしい災いを齎すことも[2]。
マジック2015―デュエルズ・オブ・ザ・プレインズウォーカーズ
ソリンの依頼でイニストラードを訪れたとあるプレインズウォーカー。多元宇宙/Multiverseの各所で「プレインズウォーカー狩り」を始めたガラクを追っている彼(あるいは彼女)は、アヴァシンに情報提供を乞うた。アヴァシンはそのプレインズウォーカーに試練を課し、その力を認めた上でガラクの行方についての手がかりを与えた。
イニストラードを覆う影
アヴァシンの帰還により人間は繁栄と平和を手に入れたが、アヴァシンは変わらず人間の守護者であった。人間たちの祈りを聞き届け、必要とあらば事象に介入し、邪悪と戦う。これまでと変わらぬ日々であったが、彼女は満足していた。
しかしある時、ある人間の熱心な祈りに答えて迷子を助けた直後、彼女を奇妙な感覚が襲った。周囲に敵は見当たらなかったが、それは祈りの声々を遮り、今までにない思考を紡がせた。「人の種は腐っている。」彼女はその場を離れたが、この思考をとめる事ができなかった。むしろ、全ての人間が混沌とした矛盾まみれの醜い存在であることを理解し、その思考が真実の声であると認識した。世界を浄化しなければならない。配下の天使に村を焼き払わせ、アヴァシンは大声で笑うのだった。
それからのイニストラードは大きく変化した。天使が村々を襲い、狼男の呪い黙らせは効力を失い、悪魔たちが暗躍した。しかし、狂乱しながらもアヴァシンはイニストラードの守護者であることに変わりはなかった。アヴァシンはイニストラードへの侵入者の気配を感じ取り、スレイベン大聖堂にて2人のプレインズウォーカー(ジェイスとタミヨウ)と対決する。プレインズウォーカーたちに圧倒的な力の差を見せ付け、止めを刺す寸前、ソリンが乱入した。造物主を認識することで、アヴァシンの思考は正常化したが、同時に自身の過去の悪行に気づくこととなった。ソリンはアヴァシンを正常に戻そうとするが、彼女はソリンが自身を守護者として完璧に造れなかった悪と断じて襲い掛かる。
激しい戦いの末、アヴァシンはソリンに破壊された。その胸に守護者としての使命を抱きながら。
登場
登場カード
- 希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hope
- 守護天使アヴァシン/Avacyn, Guardian Angel
- 大天使アヴァシン/Archangel Avacyn - 浄化の天使、アヴァシン/Avacyn, the Purifier
カード名に登場
- イニストラード
- アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim、アヴァシン教の僧侶/Avacynian Priest、アヴァシンの仮面/Mask of Avacyn
- 闇の隆盛
- アヴァシンの首飾り/Avacyn's Collar
- アヴァシンの帰還
- アヴァシンの巻物/Scroll of Avacyn
- イニストラードを覆う影
- アヴァシン教の宣教師/Avacynian Missionaries、アヴァシンの裁き/Avacyn's Judgment
フレイバー・テキストに登場
- イニストラード
- 古えの遺恨/Ancient Grudge、空翔ける雪花石の天使/Angel of Flight Alabaster、アヴァシンの巡礼者/Avacyn's Pilgrim、信仰の縛め/Bonds of Faith、グリセルブランドの信奉者/Disciple of Griselbrand、月鷺/Moon Heron、金輪際/Nevermore、レインジャーの悪知恵/Ranger's Guile、深淵からの魂刈り/Reaper from the Abyss、大物潰し/Smite the Monstrous
- 闇の隆盛
- 大天使の光/Archangel's Light、予言/Divination、信仰無き物あさり/Faithless Looting 、森林の好意/Favor of the Woods、不浄の聖戦士/Unhallowed Cathar、息吹のニブリス/Niblis of the Breath
- アヴァシンの帰還
- 希望の天使アヴァシン/Avacyn, Angel of Hope、木陰の小道/Bower Passage、聖戦士の進軍/Cathars' Crusade、雲隠れ/Cloudshift、敬虔な司祭/Devout Chaplain、順風/Favorable Winds、黄金夜の救い手/Goldnight Redeemer、グリセルブランド/Griselbrand、連携攻撃/Joint Assault、真夜中の決闘者/Midnight Duelist、ミッドヴァストの守護者/Midvast Protector、原初のうねり/Primal Surge、魂の再鍛/Reforge the Soul 、破滅の儀式/Rite of Ruin
- イニストラードを覆う影
- 永遠の見守り/Always Watching、アヴァシン教の宣教師/Avacynian Missionaries、死中に活/Hope Against Hope、戦闘的な審問官/Militant Inquisitor、武器庫の開放/Open the Armory、腕っぷし/Strength of Arms、吠え群れの復活/Howlpack Resurgence、苦渋の破棄/Anguished Unmaking、タミヨウの日誌/Tamiyo's Journal
- 異界月
- シガルダ教の僧侶/Sigardian Priest
イラストに登場
- イニストラード
- 終わり無き死者の列/Endless Ranks of the Dead(ステンドグラス)
- 闇の隆盛
- 高まる献身/Increasing Devotion(石像)、鎮魂歌の天使/Requiem Angel(石像)
- アヴァシンの帰還
- 奉仕へのいざない/Call to Serve、雲隠れ/Cloudshift、熾天使の聖域/Seraph Sanctuary(石像)
- アヴァシンの帰還 プレリリース・カード
- 月銀の槍/Moonsilver Spear
- イニストラードを覆う影
- 罪人への急襲/Descend upon the Sinful、無情な死者/Relentless Dead(ステンドグラス)、アヴァシンの裁き/Avacyn's Judgment、癇しゃく/Fiery Temper、苦渋の破棄/Anguished Unmaking、手掛かり・トークン(コレクター番号16、ステンドグラス)
登場作品・登場記事
- INNISTRAD - PLANES/イニストラード - 次元(公式サイト)
- The World of Innistrad/イニストラードの世界(イニストラード プレビュー)
- The World of Dark Ascension/闇の隆盛の世界(闇の隆盛 プレビュー)
- The Prison of Silver/銀の牢獄(Savor the Flavor 2012年1月18日 Doug Beyer著)
- The Guardian, the Witch, and the Angel/守護者、魔女、そして天使(Savor the Flavor 2012年3月21日 Doug Beyer著)
- Avacyn Restored Trailer/日本語字幕版(アヴァシンの帰還 予告編)
- Angel's Rise and Demon's Release/天使は蘇り、悪魔は解き放たれる(Feature Article 2012年4月9日 Doug Beyer著)
- The World of Avacyn Restored: The Hunt for Griselbrand/アヴァシンの帰還の世界:グリセルブランドを追って(アヴァシンの帰還 製品情報 2012年4月11日)
- Planeswalker's Guide to Avacyn Restored/プレインズウォーカーのためのアヴァシンの帰還案内
- AVACYN RESTORED PLAYER'S GUIDE(アヴァシンの帰還ファットパック付属)
- The Hunter Cannot Pity/狩人は憐れむなかれ(Uncharted Realms 2014年7月16日 Jennifer Clarke Wilkes著)
- The Lunarch's Journal/月皇の手記(Uncharted Realms 2014年8月13日 Colin Kawakami著)
- A Gaze Blank and Pitiless/空ろな、無慈悲な目をしたものが(Magic Story 2016年3月9日 Ken Troop著)
- Promises Old and New/古今の約束(Magic Story 2016年4月13日 Ari Levitch著)
- Stories and Endings/物語と結末と(Magic Story 2016年5月11日 Nik Davidson著)
- I Am Avacyn/我はアヴァシン(Magic Story 2016年5月18日 Doug Beyer著)
- Stone and Blood/石と血と(Magic Story 2016年6月15日 Kelly Digges著)
脚注
- ↑ Ask Brady posted by Brady Dommermuth May 06, 2012 - 6:29PM
- ↑ The Hunter Cannot Pity/狩人は憐れむなかれ(Daily MTG、Uncharted Realms、文:Jennifer Clarke Wilkes、訳:若月繭子)