ネクロポーテンス/Necropotence

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[[アイスエイジ]]初出、[[第5版]]に[[再録]]された最強の[[ドローエンジン]]の1つ。
 
[[アイスエイジ]]初出、[[第5版]]に[[再録]]された最強の[[ドローエンジン]]の1つ。
[[黒]]の[[カード]]と言えばこれがしっくり来る人も多いだろう。
 
  
 
[[ドロー]][[飛ばす|スキップ]]と[[ライフ]]の高速損失、[[ディスカード]][[フェイズ]](現在は[[ターン終了ステップ]])にならないと[[手札]]に入らないといったマイナス要素から、出た当時は皆から[[カスレア]]扱いされていた。
 
[[ドロー]][[飛ばす|スキップ]]と[[ライフ]]の高速損失、[[ディスカード]][[フェイズ]](現在は[[ターン終了ステップ]])にならないと[[手札]]に入らないといったマイナス要素から、出た当時は皆から[[カスレア]]扱いされていた。
  
しかしのちに、高速の[[ドロー]]から[[展開]]される[[クリーチャー]]群、[[ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk]]による[[場]]の[[リセット]]、そしてこの[[カード]]によるドローサポートによる[[場]]の再築、といった動きをする[[ネクロディスク]]が開発された。
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しかしのちに、高速の[[ドロー]]から[[展開]]される[[クリーチャー]]群、[[ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Disk]]による[[場]]の[[リセット]]、そしてこの[[カード]]によるドローサポートによる[[場]]の再築、といった動きをする[[ネクロディスク]]が開発された。それが1996年における大会において凄まじい使用者と戦績を収めて以来、[[トップレア]]の1つとなった。その年の夏が、後に「[[ネクロの夏|黒い夏]](ブラックサマー)」と呼ばれる様になる(しかし優勝したのは[[白ウィニー#twelveknights|白ウィニー]]だった)。
それが1996年における大会において凄まじい使用者と戦績を収めて以来、[[トップレア]]の1つとなった。
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その年の夏が、後に「[[ネクロの夏|黒い夏]](ブラックサマー)」と呼ばれる様になる(しかし優勝したのは[[白ウィニー#twelveknights|白ウィニー]]だった)。
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その後も[[環境]]を問わず様々な大会で優勝した[[デッキ]]に入っていたことが、このカードがいかに強力だったかを証明している。
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その後も[[環境]]を問わず様々な大会で優勝した[[デッキ]]に入っていたことが、このカードがいかに強力だったかを証明している。また上記の大会によって、ライフ→ドローの[[リソース]]変換の強さが次第に世に広まることになり、[[ネクロ・ドネイト]]などの[[コンボ]]デッキを生み出す一因となった。デメリットを含め、[[手札]]を消費するほとんどの[[カード]]をフルに活用できるスグレモノである。
また上記の大会によって、ライフ→ドローの[[リソース]]変換の強さが次第に世に広まることになり[[ネクロ・ドネイト]]などの[[コンボ]]デッキを生み出す一因となった。
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やはり、ライフを際限なく[[手札]]に変換できるという点が凶悪であり、[[強欲/Greed]]のようにマナの支払いさえあれば適正な強さのカードだったかもしれない。
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デメリットを含め、[[手札]]を消費するほとんどの[[カード]]をフルに活用できるスグレモノである。
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[[第6版]]に収録されず[[スタンダード]]から[[落ちる|落ちた]]後も、[[ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain]]や[[ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena]]といった類似カードが開発された。
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*基本的に速攻・増産向きのカードだが、[[コンボ]][[コントロール#deck|コントロールデッキ]]にも使えることから万能型ともいえる。 少し調整するだけで役割が変わってしまうところが、こういったタイプのカードの面白いところである。
それらと見比べると、同じドローエンジンでありながらその役割は三種三様。
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この手の開発されたカードはどれも絶妙な持ち味を発揮している。
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まさに[[マジック]]の流れに新たな風を吹き込んだ1枚、そう断言できるカードである。
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*ライフを支払い取り除いたカードはその後ネクロポーテンスが場からなくなっても[[ターン]]の終了時に手札になる。これは「1点のライフを〜手札に加える。」までが1つの[[能力]]であるためである。
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*当時は[[ボガーダンの金床/Anvil of Bogardan]]が天敵であったが、[[第6版]]におけるルールとボガーダンの金床のテキスト変更により、現在では天敵ではなくなってしまった。
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*[[アイスエイジ]]版(英語版)しか存在しなかった頃には初心者泣かせのカードだった。 現在は比較的シンプルな記述になっているが、とにかく物凄い長さの[[テキスト]]で、しかも文字数を詰め込むためにフォントも小さくなっているため、虫眼鏡でしか読めない様な大きさの英文とにらめっこするという苦行を強いられた。({{日本語画像|Necropotence~ICE|画像}})
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**その上「カードを[[脇に置く]]」(set aside)などと初心者には意味不明なことが書かれており、強さどころか何をするカードなのかも分かりにくかった。 また、ライフを失うことは[[ダメージ]]とは違うという趣旨のことを延々書かれており、この時代にありがちな無駄に丁寧な記述が本文を圧迫していたのである。実際、後の日本ランカーなどでも「初心者時代、ネクロは訳が分からんから使わなかった」という証言をしている例もあるという。
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*多くの[[プレイヤー]]が「[[アンタップ]]、[[アップキープ]]、ドロー」という一連の流れが身に染み付いてしまっているため、ネクロを張っていながら[[ドロー・ステップ]]のタイミングで思わず1枚のカードを引いてしまうことも少なからずあった。もちろんペナルティの対象となる。 それを防ぐ為に、このカードを場に出した後、[[ライブラリー]]の上に直接置いてしまい、「手くせ」で勝手に引くことを防止しているプレイヤーもいた。
  
 
*Necropotenceとは「死の力」という意味。
 
*Necropotenceとは「死の力」という意味。
*ライフを支払い取り除いたカードはその後ネクロポーテンスが場からなくなっても[[ターン]]の終了時に手札になる。これは『1点のライフを〜手札に加える。』までがひとつの[[能力]]であるためである。
 
*基本的に速攻・増産向きのカードだが、[[コンボ]]や[[コントロール#deck|コントロールデッキ]]にも使えることから万能型ともいえる。 少し調整するだけで役割が変わってしまうところが、こういったタイプのカードの面白いところである。
 
*[[アンヒンジド]]の[[Necro-Impotence]]はこれのパロディ。
 
*[[藤田剛史]]が[[グランプリ京都00|GP京都]]を[[ネクロ・ドネイト]]で優勝したとき、インタビューに「ネクロは実力を度外視したゲームを作り出す。[[禁止カード|禁止]]にするべき。」と答えている。→[http://www.wizards.com/sideboard/gpkyo00/196japanese11.html 参考]
 
 
*ネクロポーテンスには全身像があり、外見は骸骨の騎士で手にエネルギー球とエネルギーの剣を持っている→デュエリスト・ジャパン vol.6(P90)
 
*ネクロポーテンスには全身像があり、外見は骸骨の騎士で手にエネルギー球とエネルギーの剣を持っている→デュエリスト・ジャパン vol.6(P90)
*多くの[[プレイヤー]]が「[[アンタップ]][[アップキープ]]、ドロー」という一連の流れが身に染み付いてしまっているため、ネクロを張っていながら[[ドロー・ステップ]]のタイミングで思わず1枚のカードを引いてしまうことも少なからずあった。もちろんペナルティの対象となる。 それを防ぐ為に、このカードを場に出した後、[[ライブラリー]]の上に直接置いてしまい、「手くせ」で勝手に引くことを防止しているプレイヤーもいた。
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*[[藤田剛史]][[グランプリ京都00|GP京都]][[ネクロ・ドネイト]]で優勝したとき、インタビューに「ネクロは実力を度外視したゲームを作り出す。[[禁止カード|禁止]]にするべき。」と答えている。→[http://www.wizards.com/sideboard/gpkyo00/196japanese11.html 参考]
<!-- --現在の[[DCI汎用トーナメント・ルール]]では、ライブラリーの上にマーカーや場にあるカードを置くことは禁止されている。 -->
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*[[第6版]]に収録されず[[スタンダード]]から[[落ちる|落ちた]]後も、[[ヨーグモスの取り引き/Yawgmoth's Bargain]][[ファイレクシアの闘技場/Phyrexian Arena]]といった類似カードが開発された。それらと見比べると、同じドローエンジンでありながらその役割は三種三様。この手の開発されたカードはどれも絶妙な持ち味を発揮している。
*当時は[[ボガーダンの金床/Anvil of Bogardan]]が天敵であったが、[[第6版]]におけるルールとボガーダンの金床のテキスト変更により、現在では天敵ではなくなってしまった。
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*[[アンヒンジド]][[Necro-Impotence]]はこれのパロディ。
*[[アイスエイジ]]版(英語版)しか存在しなかった頃にはこれまた初心者泣かせのカードだった。 現在は比較的シンプルな記述になっているが、とにかく物凄い長さの[[テキスト]]で、しかも文字数を詰め込むためにフォントも小さくなっているため、虫眼鏡でしか読めない様な大きさの英文とにらめっこするという苦行を強いられた。([http://mtg.takaratomy.co.jp/cgi-bin/autocard/acjp.cgi?card=Necropotence~ICE 画像])
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*その上「カードを[[脇に置く]]」(set aside)などと初心者には「意味不明」のことが書かれており、強さどころか何をするカードなのかも分かりにくかった。 また、ライフを失うことは[[ダメージ]]とは違うという趣旨のことを延々書かれており、この時代にありがちな「無駄に丁寧」な記述が本文を圧迫していたのである。 実際、後の日本ランカーなどでも「初心者時代、ネクロは訳が分からんから使わなかった」という証言をしている例もあるという。
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2000/10/01より、[[ヴィンテージ]]で[[制限カード]]、[[Type1.5]]で[[禁止カード]]
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2000年10月1日より、[[ヴィンテージ]]で[[制限カード]]、[[Type1.5]]で[[禁止カード]]。2001年4月1日より、[[エクステンデッド]]でも[[禁止カード]]。2004年9月20日より、[[Type1.5]]から移行した[[レガシー]]でも続けて[[禁止カード]]に指定される。
2001/04/01より、[[エクステンデッド]]でも[[禁止カード]]
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2004/09/20より、[[Type1.5]]から移行した[[レガシー]]でも続けて[[禁止カード]]指定。
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これだけ強力なカードでありながら、[[禁止カード]]に指定されたのは割と後になってから。
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==参考==
 
==参考==
 
*[[ネクロ]]
 
*[[ネクロ]]
 
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/arcana/570 壁紙]
 
*[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/arcana/570 壁紙]
*[[カード個別評価:5版(5th)]] - [[レア]]
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*[[カード個別評価:第5版]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:アイスエイジ]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:アイスエイジ]] - [[レア]]

2008年5月10日 (土) 14:21時点における版


Necropotence / ネクロポーテンス (黒)(黒)(黒)
エンチャント

あなたのドロー・ステップを飛ばす。
あなたがカードを捨てるたび、あなたの墓地にあるそのカードを追放する。
1点のライフを支払う:あなたのライブラリーの一番上のカードを裏向きのまま追放する。あなたの次の終了ステップの開始時に、そのカードをあなたの手札に加える。


アイスエイジ初出、第5版再録された最強のドローエンジンの1つ。

ドロースキップライフの高速損失、ディスカードフェイズ(現在はターン終了ステップ)にならないと手札に入らないといったマイナス要素から、出た当時は皆からカスレア扱いされていた。

しかしのちに、高速のドローから展開されるクリーチャー群、ネビニラルの円盤/Nevinyrral's Diskによるリセット、そしてこのカードによるドローサポートによるの再築、といった動きをするネクロディスクが開発された。それが1996年における大会において凄まじい使用者と戦績を収めて以来、トップレアの1つとなった。その年の夏が、後に「黒い夏(ブラックサマー)」と呼ばれる様になる(しかし優勝したのは白ウィニーだった)。

その後も環境を問わず様々な大会で優勝したデッキに入っていたことが、このカードがいかに強力だったかを証明している。また上記の大会によって、ライフ→ドローのリソース変換の強さが次第に世に広まることになり、ネクロ・ドネイトなどのコンボデッキを生み出す一因となった。デメリットを含め、手札を消費するほとんどのカードをフルに活用できるスグレモノである。

  • 基本的に速攻・増産向きのカードだが、コンボコントロールデッキにも使えることから万能型ともいえる。 少し調整するだけで役割が変わってしまうところが、こういったタイプのカードの面白いところである。
  • ライフを支払い取り除いたカードはその後ネクロポーテンスが場からなくなってもターンの終了時に手札になる。これは「1点のライフを〜手札に加える。」までが1つの能力であるためである。
  • アイスエイジ版(英語版)しか存在しなかった頃には初心者泣かせのカードだった。 現在は比較的シンプルな記述になっているが、とにかく物凄い長さのテキストで、しかも文字数を詰め込むためにフォントも小さくなっているため、虫眼鏡でしか読めない様な大きさの英文とにらめっこするという苦行を強いられた。(画像
    • その上「カードを脇に置く」(set aside)などと初心者には意味不明なことが書かれており、強さどころか何をするカードなのかも分かりにくかった。 また、ライフを失うことはダメージとは違うという趣旨のことを延々書かれており、この時代にありがちな無駄に丁寧な記述が本文を圧迫していたのである。実際、後の日本ランカーなどでも「初心者時代、ネクロは訳が分からんから使わなかった」という証言をしている例もあるという。
  • 多くのプレイヤーが「アンタップアップキープ、ドロー」という一連の流れが身に染み付いてしまっているため、ネクロを張っていながらドロー・ステップのタイミングで思わず1枚のカードを引いてしまうことも少なからずあった。もちろんペナルティの対象となる。 それを防ぐ為に、このカードを場に出した後、ライブラリーの上に直接置いてしまい、「手くせ」で勝手に引くことを防止しているプレイヤーもいた。

2000年10月1日より、ヴィンテージ制限カードType1.5禁止カード。2001年4月1日より、エクステンデッドでも禁止カード。2004年9月20日より、Type1.5から移行したレガシーでも続けて禁止カードに指定される。

参考

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