伏魔殿のピュクシス/Pyxis of Pandemonium

提供:MTG Wiki

(版間での差分)
移動: 案内, 検索
(パンドラの箱がモチーフだと思われます。)
 
(10人の利用者による、間の18版が非表示)
1行: 1行:
 
{{#card:Pyxis of Pandemonium}}
 
{{#card:Pyxis of Pandemonium}}
  
[[セット]]の度に現れるちゃぶ台をひっくり返すような豪快な[[カード]]。
+
豪快な[[効果]]を持った[[アーティファクト]]。一つ目の[[起動型能力]]でお互いの[[ライブラリーの一番上]]の[[カード]]を[[追放]]し、二つ目の起動型能力で追放されたカードのうち[[パーマネント・カード]]であるものをすべて[[戦場に出す]]。
  
一つ目の[[起動型能力]][[自分]][[対戦相手]]も分からないカードが[[追放]]され二つ目の起動型能力で追放されたカードが[[パーマネント]]だったらすべて[[戦場に出る]]
+
カードは[[裏向き]]のまま追放されるため、[[洞察のランタン/Lantern of Insight]]など一番上を[[公開]]するものがなければ[[あなた|自分]]も[[対戦相手]]もこの箱に何が閉じ込められたのかを窺い知ることはできない。あまりに不安定な効果のため、[[占術]]などで追放するカードの質を上げるといった工夫が必要だが、追放した直後にこれ自体を[[割る|割られて]]しまったら元も子もない。
  
あまりに不安定な効果のため、[[占術]]などで質を良くして追放するといった工夫が必要だがこれ自体を[[割る|割られて]]しまったら元も子もない。
+
むしろ対戦相手が行う占術などの[[ライブラリー操作]]を妨害する使い方で潜在的[[アドバンテージ]]を得た方が利口かもしれない。または恒久的な[[ライブラリー破壊]]カードとして使う道もあるだろう。
  
むしろ対戦相手が占術で自信を持って[[ライブラリートップ]]に残したカードを追放する使い方で潜在的[[アドバンテージ]]を得た方が利口かもしれない。
+
[[ETB]]能力を持ったカードやパーマネント・カードを多めに採用することで、不安定さをある程度ケアできる。特に[[アスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodel]]を始めとする[[信心]]関連のETB能力持ちと相性がよく、追放したカードによっては[[1ショットキル]]も可能。ただし対戦相手がそれらのカードを使っている場合もあり、注意が必要。
  
*ピュクシス(Pyxis)とは南天にある羅針盤(らしんばん)座である。帆柱(ほばしら)座のことを指すこともある。
+
[[リミテッド]]でも概ね同じことが言えるが、自身の[[カードプール]]があまりにも貧弱だったときに、その格差を埋めるためにカードをどんどん追放していくという使い方もある。やはり運任せだが、こちらの見劣りするカードで相手の強力なカードを追放できれば儲け物。
**由来はギリシア神話に登場するアルゴー船で、あまりにも巨大な星座のためフランスの天文学者ラカーユによりほ座、とも座、らしんばん座、りゅうこつ座の4つに分割された。アルゴー船にはヘラクレスを初めとする数多の英雄が乗り込んでいた。
+
 
+
*また、「pyxis」とはギリシア語で「箱」を意味する。カードイラストの溢れ出すものに驚く女性の姿や、一つ目の起動型能力で封じ込められたものが二つ目の起動型能力で溢れ出し互いに予測し得ぬ混乱という「災厄」をもたらす様からギリシア神話の[[Wikipedia:ja:パンドーラー|パンドーラー]]の逸話に登場する「パンドーラーの箱」がモチーフだと思われる。
+
  
 +
[[モダン]]では[[ランタンコントロール]]において追加の[[ライブラリー破壊]]として採用されている。
  
 +
*[[ライブラリー破壊カード]]の例に漏れず、[[捕海/Griptide]]や[[アゾリウスの魔除け/Azorius Charm]]のような[[ライブラリーの一番上]]への[[バウンス]]と組み合わせることで完全な[[除去]]として機能する。2番目の能力を使い難くなるが、[[神 (テーロス・ブロック)|神]]を始めとする[[破壊不能]]持ちをも対処できる。リミテッドでも使用可能なプチ[[コンボ]]なので覚えておくとよい。
 +
*ライブラリー破壊カードとして見ると[[グール呼びの鈴/Ghoulcaller's Bell]]相当。墓地に置かず追放するため、墓地利用カードと組み合わせられないものの、逆に対戦相手に墓地利用されにくくなっている。
 +
*「パンドーラーの箱(パンドラの箱)」として知られる、ギリシャ神話の人類最初の女性[[Wikipedia:ja:パンドーラー|パンドーラー]]の逸話がモチーフ。ヘーパイストスが創造し、神々から多くの贈り物を授けられたパンドーラーは、最後に「決して開けてはいけない」と言われて1つの箱(壺とも)を託された。しかし、彼女が好奇心に負けてそれを開けたところ、中から様々な災厄が飛び出し、世界に災いが満ちることになったとされる<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/theroses-are-red-and-white-blue-black-and-green-part-2-2013-10-04 Theroses Are Red (and White, Blue, Black, and Green), Part 2]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004247/ テーロス、それは赤き者(とか白とか青とか黒とか緑とか)その2]([[Making Magic]] [[2013年]]10月4日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。
 +
**[[カード名]]の[[Wikipedia:ja:ピュクシス|ピュクシス]]とは{{Gatherer|id=375163}}に描かれている円筒型の容器のこと。古代ギリシャ・ローマ期に主に婦人の化粧品入れとして用いられた。''pyxis''はギリシア語で「箱」を意味する。
 +
**ちなみに、同じ逸話をモチーフとしたカードに[[アストラルセット]]収録の[[Pandora's Box]]が存在する。[[テーロス還魂記]]では[[未知なるものの魅惑/Allure of the Unknown]]も追加された。
 +
**ただしこのカードは[[伝説のアーティファクト]]ではない。こんなものがいくつも存在するのだろうか。
 +
==脚注==
 +
<references />
 
==参考==
 
==参考==
 +
*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/serious-fun/temptation-gods-2013-08-29 Temptation from the Gods]([https://magic.wizards.com/en/articles Daily MTG]、Serious Fun [[2013年]]8月29日 [[Bruce Richard]]著)
 
*[[ライブラリー破壊カード]]
 
*[[ライブラリー破壊カード]]
 
*[[カード個別評価:テーロス]] - [[レア]]
 
*[[カード個別評価:テーロス]] - [[レア]]

2023年10月6日 (金) 18:33時点における最新版


Pyxis of Pandemonium / 伏魔殿のピュクシス (1)
アーティファクト

(T):各プレイヤーはそれぞれ自分のライブラリーの一番上のカードを裏向きで追放する。
(7),(T),伏魔殿のピュクシスを生け贄に捧げる:各プレイヤーはそれぞれ伏魔殿のピュクシスによって追放された自分がオーナーであるカードをすべて表向きにする。その後、その中のすべてのパーマネント・カードを戦場に出す。


豪快な効果を持ったアーティファクト。一つ目の起動型能力でお互いのライブラリーの一番上カード追放し、二つ目の起動型能力で追放されたカードのうちパーマネント・カードであるものをすべて戦場に出す

カードは裏向きのまま追放されるため、洞察のランタン/Lantern of Insightなど一番上を公開するものがなければ自分対戦相手もこの箱に何が閉じ込められたのかを窺い知ることはできない。あまりに不安定な効果のため、占術などで追放するカードの質を上げるといった工夫が必要だが、追放した直後にこれ自体を割られてしまったら元も子もない。

むしろ対戦相手が行う占術などのライブラリー操作を妨害する使い方で潜在的アドバンテージを得た方が利口かもしれない。または恒久的なライブラリー破壊カードとして使う道もあるだろう。

ETB能力を持ったカードやパーマネント・カードを多めに採用することで、不安定さをある程度ケアできる。特にアスフォデルの灰色商人/Gray Merchant of Asphodelを始めとする信心関連のETB能力持ちと相性がよく、追放したカードによっては1ショットキルも可能。ただし対戦相手がそれらのカードを使っている場合もあり、注意が必要。

リミテッドでも概ね同じことが言えるが、自身のカードプールがあまりにも貧弱だったときに、その格差を埋めるためにカードをどんどん追放していくという使い方もある。やはり運任せだが、こちらの見劣りするカードで相手の強力なカードを追放できれば儲け物。

モダンではランタンコントロールにおいて追加のライブラリー破壊として採用されている。

[編集] 脚注

  1. Theroses Are Red (and White, Blue, Black, and Green), Part 2/テーロス、それは赤き者(とか白とか青とか黒とか緑とか)その2Making Magic 2013年10月4日 Mark Rosewater著)

[編集] 参考

QR Code.gif