禁止カード

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禁止カードBanned Card)は、構築またはエターナルにおいて、デッキメインデッキおよびサイドボード)に1枚も入れてはいけないカードのこと。

目次

解説

マジック:ザ・ギャザリングのプレイの健全化のため開発部が必要と判断した場合、禁止カードが発効される。発効時期は不定期だが、告知する場合月曜日(日本時間同火曜日午前)発表と決まっている[1]

どのようなカードが禁止カードとして指定されるかは、フォーマットやその時の禁止ポリシーによって異なる。禁止カード指定の最終的な目的は、プレイヤーにマジックを楽しんでもらえるようにすることである[2]#禁止のスタンスや変遷も参照。

禁止カードはフォーマットごとに定められている。あるフォーマットで禁止でも、別のフォーマットでは問題なく4枚使えたりする。その完全なリストは各フォーマットの項を参照のこと。リミテッドでは、禁止カードリストが存在しない。ウルザ・ブロックリミテッドでは、禁止カード発効後も手札を使い切った瞬間に意外な授かり物/Windfallなどというプレイがしばしば見られた。

禁止のスタンスや変遷

禁止にされるカードとしては以下のようなものがある。

スタンダード

開発部はスタンダードで禁止カードをできるだけ発効しないことを目標としている[5][6]

  • 第4版ローテーションしてからはスタンダードで禁止カードが発効されることはなかったが、1999年トレイリアのアカデミー/Tolarian Academyを始め禁止が頻発し、最終的に10枚のカードが禁止された。
  • 2004年ミラディン・ブロック参入後のスタンダードで頭蓋骨絞め/Skullclampが5年ぶりに禁止カードとされ[7]、さらに2005年に親和デッキのためにアーティファクト・土地を含めた8枚のカードが大量禁止された[8]
  • 2011年ミラディンの傷跡ブロック期に、精神を刻む者、ジェイスと石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mysticがスタンダードでの禁止カードに書き加えられた[2]
  • 2017年カラデシュ・ブロック期に約束された終末、エムラクール/Emrakul, the Promised Endを含む3枚のカードがスタンダードで禁止された[9]。このとき、開発部はスタンダード環境に対する禁止カードのスタンスを見直すと声明を出している。それまではトレイリアのアカデミーや精神を刻む者、ジェイスのように明らかに壊れていて、公式大会をそれ一色で染め上げるようなカードでなければ見送られるのが通例であった。しかしそれらを比較対象にするのは「禁止カードを出すためのハードルが高すぎ」であり、環境を健全に保つための判断を妨げていたと判断された。特定のデッキを完全に抹殺するような方法ではなく、特定のカードが禁止にされてもユーザーが所持している他のカードが有用性を保つような方法で禁止を行う方針だが、これはモダンにおける強力すぎるデッキを弱体化させるため禁止措置と似た手法である。また「出来る限り禁止カードを出したくない」という方針そのものはこれまでと変わっていない[10]。だがこの後本来の改訂時期ではない緊急禁止[11]も含めた禁止処置が連続し、2018年に跨ってスタンダードで9枚もの禁止カードが発効されてしまう。相次ぐ禁止の連発に危機感を覚えた開発部は、バランス調整に特化した「プレイ・デザイン・チーム」部門を新設することになる。
  • 2019年、プレイ・デザイン・チームが完全に機能し始めたはずのエルドレインの王権期に、再びスタンダードで禁止カードを出してしまう。特に王冠泥棒、オーコ/Oko, Thief of Crownsの異常な強さを見落としてしまった事に関しては、プレイ・デザイン・チームが「責任は我々にあります」と事実上の謝罪文まで掲載する事態になった[12]

その他のフォーマット

スタンダード以外の環境では、かつてのエクステンデッドを除きカードプールは増えていくしか無いこともあり、発効しないことを目標とはしていない[6]。環境のバランスを取るために禁止解除が行われることもある。

  • コンボデッキに関して、モダンでは3ターン以内で、レガシーでは2ターン以内で勝利を決めてしまうデッキを禁止の基準としている[13]

改定タイミングの変遷

2016年まで、禁止カードの改訂は「スタンダードセットプレリリース後の月曜日」(年ごと4回)に行われていた。

スタンダード環境に対するスタンスとローテーションが見直された2017年には、当初の改定スケジュールは「スタンダード・セットのプレリリース後と、プロツアーの5週間後の月曜日」(年ごと8回)とされていたが、「改訂回数が多すぎ」と多くのプレイヤーから不評だったため、2017年6月より定期的では無くなり、禁止告知のたびに次回の禁止告知日を指定する形に変更された[4][14]

更に2020年より、柔軟で迅速な対応のために変更の間隔は変わらないが告知と変更の日程を確約しない形となった[1]

その他

脚注

  1. 1.0 1.1 2019年12月16日 禁止制限告知(Daily MTG 2019年12月16日)
  2. 2.0 2.1 Standard Bannings Explained/スタンダードの禁止に関する声明(Feature 2011年6月20日 Aaron Forsythe著)
  3. Standard Bannings Explained/スタンダードの禁止に関する声明(magic.wizards.com、Aaron Forsythe、2011年6月20日
  4. 4.0 4.1 2017年6月13日 禁止制限告知Daily MTG News 2017年6月13日)
  5. Standard Bannings Explained/スタンダードの禁止に関する声明Daily MTG、Feature Article、文:Aaron Forsythe 2011年6月20日)
  6. 6.0 6.1 Development Risks in Modern/モダンにおけるデベロップのリスク (Latest Developments、Sam Stoddard、2015年5月22日)
  7. Skullclamp, We Hardly Knew Ye(Daily MTG 2004年6月4日)
  8. Eight Plus One(Daily MTG 2005年3月4日)
  9. January 9, 2017 Banned and Restricted Announcement/2017年1月9日 禁止制限告知(Daily MTG 2017年1月9日)
  10. Standard/スタンダード (Latest Developments、Sam Stoddard、2017年1月13日)
  11. Addendum to April 24, 2017 Banned and Restricted Announcement/2017年4月24日 禁止制限告知への追加(Daily MTG 2017年4月24日)
  12. Play Design Lessons Learned/プレイデザインの教訓(Feature 2019年11月18日 Bryan Hawley著)
  13. Welcome to the Modern World/モダンの世界へようこそ (Latest Developments、Tom LaPille、2011年8月12日 米村薫訳)
  14. 2017年8月28日 禁止制限告知(News 2017年8月28日)
  15. Eighteen YearsDaily MTGMaking Magic、英語)
  16. DCI Banned and Restricted List Announcement(WebArchive)WotC、1999年3月1日告知、同年4月1日発行の禁止・制限リスト改定告知)
  17. 上記ページの邦訳(MjMJ.info)
  18. 渡辺雄也のTwitter (2012年6月18日)
  19. サイドイベント・「禁止解除レガシー」上位入賞者デッキリスト(カジュアル) (マジック日本公式、グランプリ千葉15)
  20. 禁止解除モダン 全デッキリスト(晴れる屋、グランプリ千葉16 2016/11/25)

参考

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