ライブラリー破壊
提供:MTG Wiki
ライブラリー破壊(Milling/Decking/Library Destruction)とは、対戦相手のライブラリーのカードを切削する(墓地に置く)ことなどにより、その枚数を直接減らすこと。またはそのような効果を持つカードや、それを目的としたデッキのこと。最終的にライブラリーアウトで勝利するために行われる。イメージは記憶・思考の破壊。
目次 |
解説
ライブラリーを使わないデッキは存在しないし、ライブラリーアウトは対戦相手のライフや戦場の状況に関係なく勝利できる手段である。そのため対戦相手のデッキや動きに関係なく使えることが利点。
逆に言えば、ライフや戦場や手札に直接の影響がないため、普通のデッキに少し入れただけではほとんど意味がない。特定のキーカードに頼る場合を除けばライブラリーが削れることは大きなデメリットではないのでライブラリーを減らすカードを使用した分、カード・アドバンテージを失うだけということが殆どである。さらに墓地活用するデッキ相手の場合は逆効果になってしまう。最初から自分の墓地を肥やす目的でライブラリー破壊カードを投入するデッキ(ナルコブリッジ、ドレッジ・ヴァインなど)も存在する。
ライブラリーアウトとまでは言わずとも、相手の勝利手段や致命的なカードを使用不能にすることで有利な状況をつくるという目的のライブラリー破壊もある。
また、この手のカードはゲーム開始時のデッキ枚数が60枚(初期手札7枚を差し引くので実際には53枚)程度であることを想定しているので、ライブラリーがその枚数を大きく超えるバベルなどタワーデッキとは相性が悪い。一方で、ライブラリーが少ないリミテッドでは有力な追加の勝ち手段となることもままある。
これが主軸のデッキは基本的に勝つまでに時間がかかるため、何らかの防御手段が必要になることが多い。そのため、ライブラリー破壊デッキはコントロールデッキの一種になりやすい。他方、何らかのコンボによってライブラリーの大部分もしくはすべてを一撃で削り取るデッキ(玉虫アルターやキメラ、ペインター・グラインドストーンなど)もある。無限ライブラリー破壊も参照。
- 基本セット2021でキーワード処理の切削/Millが制定され、長らく「ライブラリーの一番上からN枚のカードを墓地に置く」と記述されていたルール文章は「カードをN枚切削する」という書式に改められた。詳細については切削の項を参照。
- フェルドンの杖/Feldon's Caneやガイアの祝福/Gaea's Blessing、セラのアバター/Serra Avatar、ダークスティールの巨像/Darksteel Colossus、大祖始/Progenitus、真実の解体者、コジレック/Kozilek, Butcher of Truthなどといった天敵も存在する。特にモダンやエターナルでは引き裂かれし永劫、エムラクール/Emrakul, the Aeons Tornが絶望的で、遭遇率が高い上にデッキに1枚あるだけで対策されてしまう。
- これを得意とするのは青と黒、そしてアーティファクト。ラヴニカ・ブロックおよびラヴニカへの回帰ブロックでは、青黒のディミーア家/House Dimirが特にこれを得意としている。
- 青やアーティファクトは無差別に、黒は選んで抜き取るタイプが多い傾向にある。
有名なライブラリー破壊カード
- 石臼/Millstone (→ミルストーリーなど)
- 狂気の祭壇/Altar of Dementia (→玉虫アルターなど)
- 丸砥石/Grindstone (→ヒューミリティオアリム、ペインター・グラインドストーンなど)
- 研磨石/Whetstone (→キメラなど)
- 思考停止/Brain Freeze (→デザイアフリーズなど)
- 天才のひらめき/Stroke of Genius (→ドロー。MoMaなど)
- 消えないこだま/Haunting Echoes (→追放。オデッセイ・ブロック期の黒コントロールなど)
- 精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor (→追放。青系コントロール全般)
- 使用者のライブラリーを破壊してしまうカードではDemonic Consultationや弧炎撒き/Arc-Sloggerなどが有名。
脚注
- ↑ Say When/「いつ」の話(Making Magic 2014年12月8日 Mark Rosewater著)
参考
- Milling, About/「削るってさぁ」 (Internet Archive)(Feature 2010年1月11日 Mark Rosewater著)
- 切削
- ライブラリー破壊カード
- 用語集