執政官

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'''執政官'''/''Archon''は、[[クリーチャー・タイプ]]の1つ。[[魅力的な執政官/Blazing Archon]][[正義の執政官/Archon of Justice]]がこのクリーチャー・タイプを持つ。
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'''執政官'''/''Archon''は、[[クリーチャー・タイプ]]の1つ。元ネタは存在するが、[[マジック:ザ・ギャザリング]]オリジナルの[[クリーチャー]]
  
 
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[[カード名]]に「執政官/Archon」とつく[[クリーチャー]]は他に[[陰謀団の執政官/Cabal Archon]]が存在するが、そちらは[[人間]][[クレリック]]である。
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初出は[[ラヴニカ:ギルドの都]][[魅力的な執政官/Blazing Archon]]。しばらくはそれ専用のクリーチャー・タイプだったが、3年後の[[イーブンタイド]]で新種の[[正義の執政官/Archon of Justice]]が登場。その後も徐々に数を増やしている。
  
*「執政官」とはその名の通り政治などを執る官職のことである。また、「Archon」はもともとは古代アテネの高級執政官のことを指していた。
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ほとんどが[[]]かそれを含む[[多色]]に存在し、[[]][[単色]]にも1体存在する。共通する[[能力]]としては全員[[飛行]]を持ち、また[[パーマネント]]を[[追放]]する[[誘発型能力]]を持つものがいくつかいる。
**グノーシス主義や[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]に登場する天使的存在も「Archon」と呼ばれていて、古代アテネのArchonから名付けられたとされている。
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*クリーチャー・タイプのArchonやそれらのカード名にある執政官とは、実は[[職業]]のArchonではなく天使的存在のArchonではないか?という声もある。というのも、もしそれらが職業を表しているとしたら、それらは[[種族]]にあたるクリーチャー・タイプを持たないことになり、近年のクリーチャー・タイプの原則に外れるからである。
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執政官であることを参照するカードとして[[調和のアルコン/Harmonious Archon]]が存在する。
*陰謀団の執政官がこのクリーチャー・タイプを持っていないことも、職業のArchonとは別の意味だとする根拠になっている。[[オラクル]]変更で[[ヴィセリッドの徒食者/Viscerid Drone]]と[[スパイクの徒食者/Spike Drone]]は(徒食者という意味での)[[ドローン]]のタイプを得たが、何故か陰謀団の執政官は得ていない。
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**そうすると、「執政官」以外の区別した訳語が必要であると思われ、結果としては一種の[[誤訳/名訳|誤訳]]ということになるが、実際そうであったのかは不明。
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[[伝説の]]執政官として[[暁まといのクロンド/Krond the Dawn-Clad]]と[[探偵社社長、エズリム/Ezrim, Agency Chief]]の2枚が存在する。
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==ストーリー==
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「アルコーン」とはもともとギリシア語で「執政官」を意味し、その名の通り、古代アテネの政治に携わる官職のことを指す。和訳でも、それを踏まえて「執政官」と訳されている。
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転じて、グノーシス主義では「偽神」すなわち全知全能でない神、低位の神を意味する。そこから派生し、創作ファンタジーの世界でも、神に準ずる強大な存在などを指す言葉として使われる。例えば[[ダンジョンズ&ドラゴンズ]]に登場する[[天使]]的存在も「Archon」と呼ばれている。マジックのArchonもその流れを汲んだ超現実的で神秘的な[[種族]]である。
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マジックでは、人型の堂々たる体躯を持ち盲目であり、何らかの空飛ぶ生き物に騎乗しており、栄光や正義などの[[白]]に属する原理や価値観を体現するクリーチャーである<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/angry-lands-brave-adventurers-and-other-decks-vorthos-2010-02-09 Angry Lands, Brave Adventurers, and Other Decks for Vorthos](Savor The Flavor [[2010年]]2月9日)</ref><ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/magics-exclusive-creatures-2011-08-10 Magic's Exclusive Creatures]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/stf/0004329/ マジックの独自クリーチャーたち](Savor The Flavor [[2011年]]8月10日 [[Doug Beyer]]著)</ref>。
 
*Archonは英語では「アーカン」「アルカン」、原語であるギリシア語では「アルコン」「アルコーン」と発音する。
 
*Archonは英語では「アーカン」「アルカン」、原語であるギリシア語では「アルコン」「アルコーン」と発音する。
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*[[カード名]]に「執政官/Archon」とつくクリーチャーは他に[[陰謀団の執政官/Cabal Archon]]が存在するが、そちらの「アルコーン」は原義どおりの政治官僚の意味で用いられており、クリーチャー・タイプも[[人間]]・[[クレリック]]である。
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**カード名を訳すとき、多くの場合は先例にならって逐語訳的に訳すことで、異言語カード間の対照に困らないようにしている(→[[テンプレート#カード名のテンプレート]])が、執政官の訳語についてはそれが仇となったと言えよう。初代執政官である魅力的な執政官の{{Gatherer|id=83754}}が、それと分かりにくいものであったことも大きいか。
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**種族上アルコンであることと政務を行うことの両方を満たしている執政官に、[[エズリム/Ezrim]]が存在する。記事<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/feature/planeswalkers-guide-to-murders-at-karlov-manor Planeswalker's Guide to Murders at Karlov Manor]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0037571/ プレインズウォーカーのための『カルロフ邸殺人事件』案内]([[Daily MTG]] [[2024年]]2月1日 [[Emily Teng]]著)</ref>では、それぞれ種族をアルコン、役職を執政官と訳し分けられている。
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*初代の魅力的な執政官から4枚目にあたる[[復讐に燃えたアルコン/Vengeful Archon]]のカード名で初めて'''アルコン'''とギリシア語読みで訳されたが、[[テーロス]]では再び執政官と訳され、その後[[エルドレインの王権]]ではアルコン、[[テーロス還魂記]]では執政官、[[ゼンディカーの夜明け]]ではアルコン、[[統率者2021]]では執政官と、変遷を繰り返している。
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==脚注==
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==参考==
 
==参考==
 
*{{WHISPER検索/サブタイプ|Archon|執政官(Archon)}}
 
*{{WHISPER検索/サブタイプ|Archon|執政官(Archon)}}
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*{{WHISPER検索/カードテキスト|{Archon}|執政官(Archon)}}
 
*[[クリーチャー・タイプ解説]]
 
*[[クリーチャー・タイプ解説]]
  
 
[[Category:クリーチャー・タイプ|しつせいかん]]
 
[[Category:クリーチャー・タイプ|しつせいかん]]

2024年2月10日 (土) 13:07時点における最新版

執政官/Archonは、クリーチャー・タイプの1つ。元ネタは存在するが、マジック:ザ・ギャザリングオリジナルのクリーチャー


Blazing Archon / 魅力的な執政官 (6)(白)(白)(白)
クリーチャー — 執政官(Archon)

飛行
クリーチャーはあなたを攻撃できない。

5/6


Archon of Justice / 正義の執政官 (3)(白)(白)
クリーチャー — 執政官(Archon)

飛行
正義の執政官が死亡したとき、パーマネント1つを対象とし、それを追放する。

4/4


Krond the Dawn-Clad / 暁まといのクロンド (緑)(緑)(緑)(白)(白)(白)
伝説のクリーチャー — 執政官(Archon)

飛行、警戒
暁まといのクロンドが攻撃するたび、それがエンチャントされている場合、パーマネント1つを対象とし、それを追放する。

6/6

初出はラヴニカ:ギルドの都魅力的な執政官/Blazing Archon。しばらくはそれ専用のクリーチャー・タイプだったが、3年後のイーブンタイドで新種の正義の執政官/Archon of Justiceが登場。その後も徐々に数を増やしている。

ほとんどがかそれを含む多色に存在し、単色にも1体存在する。共通する能力としては全員飛行を持ち、またパーマネント追放する誘発型能力を持つものがいくつかいる。

執政官であることを参照するカードとして調和のアルコン/Harmonious Archonが存在する。

伝説の執政官として暁まといのクロンド/Krond the Dawn-Clad探偵社社長、エズリム/Ezrim, Agency Chiefの2枚が存在する。

[編集] ストーリー

「アルコーン」とはもともとギリシア語で「執政官」を意味し、その名の通り、古代アテネの政治に携わる官職のことを指す。和訳でも、それを踏まえて「執政官」と訳されている。

転じて、グノーシス主義では「偽神」すなわち全知全能でない神、低位の神を意味する。そこから派生し、創作ファンタジーの世界でも、神に準ずる強大な存在などを指す言葉として使われる。例えばダンジョンズ&ドラゴンズに登場する天使的存在も「Archon」と呼ばれている。マジックのArchonもその流れを汲んだ超現実的で神秘的な種族である。

マジックでは、人型の堂々たる体躯を持ち盲目であり、何らかの空飛ぶ生き物に騎乗しており、栄光や正義などのに属する原理や価値観を体現するクリーチャーである[1][2]

  • Archonは英語では「アーカン」「アルカン」、原語であるギリシア語では「アルコン」「アルコーン」と発音する。
  • カード名に「執政官/Archon」とつくクリーチャーは他に陰謀団の執政官/Cabal Archonが存在するが、そちらの「アルコーン」は原義どおりの政治官僚の意味で用いられており、クリーチャー・タイプも人間クレリックである。
    • カード名を訳すとき、多くの場合は先例にならって逐語訳的に訳すことで、異言語カード間の対照に困らないようにしている(→テンプレート#カード名のテンプレート)が、執政官の訳語についてはそれが仇となったと言えよう。初代執政官である魅力的な執政官のイラストが、それと分かりにくいものであったことも大きいか。
    • 種族上アルコンであることと政務を行うことの両方を満たしている執政官に、エズリム/Ezrimが存在する。記事[3]では、それぞれ種族をアルコン、役職を執政官と訳し分けられている。
  • 初代の魅力的な執政官から4枚目にあたる復讐に燃えたアルコン/Vengeful Archonのカード名で初めてアルコンとギリシア語読みで訳されたが、テーロスでは再び執政官と訳され、その後エルドレインの王権ではアルコン、テーロス還魂記では執政官、ゼンディカーの夜明けではアルコン、統率者2021では執政官と、変遷を繰り返している。

[編集] 脚注

  1. Angry Lands, Brave Adventurers, and Other Decks for Vorthos(Savor The Flavor 2010年2月9日)
  2. Magic's Exclusive Creatures/マジックの独自クリーチャーたち(Savor The Flavor 2011年8月10日 Doug Beyer著)
  3. Planeswalker's Guide to Murders at Karlov Manor/プレインズウォーカーのための『カルロフ邸殺人事件』案内Daily MTG 2024年2月1日 Emily Teng著)

[編集] 参考

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