巨人/Giant

提供:MTG Wiki

移動: 案内, 検索

巨人/Giantは人型種族の一つ。様々な次元/Planeに棲息する。

目次

ドミナリア

ドミナリア/Dominariaドメインズ/The Domains地域、フォライアス/Foriys群島に双頭の巨人族イラスト)が棲息していることが知られている。

また、雪解けの時/The Thawにはヨツン/Jotunと呼ばれる巨人族が平原からキイェルドー/Kjeldorに移住してきた。詳細は当該項目を参照のこと。

ローウィン

ローウィン/Lorwynの巨人は極端な性格をしており、非常に知的な巨人も存在する。他種族に怒りや不作為から災いを与えることもあるし、いざこざの仲裁者になることもある。この違いは彼らの中途半端を好まない性質によるものである。に属する巨人は外向きに、に属する巨人は内向きに焦点が向いているという違いはあるが、どちらにせよ彼らのすることは大きく、派手で、極端である。

彼らは寿命も考え方も大きく異なる小型種族たちにはあまり気を遣わず、自分たちのやり方で物事を進める傾向がある。とはいえ彼らはツリーフォークと並んで知恵深い種族とされ、その破壊活動は悪意ではなく足元の小さな生き物に気づかないことによるものである。しかしシャドウムーア/Shadowmoorになると彼らの両面性は怒りと暴力的な破壊へと置き換わる。

住処

巨人は他者との交流を避けようと、他のどの種族の居住地からも離れた場所に住んでいる。それは彼らが周囲の環境に敏感であるからで、自分の領地と言える広大な土地を必要とする。特に意見の異なる巨人同士が出会うと、互いに極端で絶対的な考えを曲げようとせず、周囲に甚大な被害を及ぼしながらどちらかが死ぬまで争う可能性が高い。

彼らの住居の大半は山の高いところにあり、しばしば雲海の上にもある。単純に洞窟をそのまま住処にする巨人もいれば、堂々とした石の砦を築き上げて暮らす巨人もいる。ほとんどの巨人の住処には3枚の巨大な石の板で出来た巨岩の門/Dolmen Gateイラスト)と呼ばれる入口がある。内部は興味深い物や珍しい物の宝庫であるため、巨人が死ぬと美の追求者たるエルフ/Elfたちを始めとする、トレジャーハンターや商人の大キャラバンが略奪にやってくる。

Name Sleep

巨人は基本的にどんな状況でもよく眠り、その夢は彼らの人生と同じくらい壮大で物語や象徴性に満ちている。しかし、Name Sleepと呼ばれる眠りは普通の睡眠と根本的に異なり、巨人が新しい目的・アイデンティティを選択するためのトランス状態のような冬眠である。Name Sleepから目覚めた巨人は彼らの自己イメージ、気質、目的、またはそれらの組み合わせを反映した新たな姓を自分で選択する。

一般的に、巨人が初めてName Sleepを迎えるのは思春期の終わりごろであり、それまでは姓がない。また、人生を変えるような出来事やトラウマ、あるいは老化の始まりによりName Sleepが引き起こされることがある。巨人の中にはName Sleepを頻繁に経験するものもいる。例えば、戦闘の達人の巨人が足に障害を負うと平和的な生き方に転向するためにName Sleepにつくことがある。巨人のファーストネームは一般的に2~3音節で構成されており、友人と親しみを込めて呼び合うときに使用する。それ以外の場合は、単に姓のみを使って呼ぶ。同じ姓を名乗る巨人同士は激しく争う――同じ領土を主張する巨人同士が争うように。

重要人物

ゼンディカー

ゼンディカー/Zendikarの巨人は、他の種族の居住地から離れ緊密な部族を形成して暮らしている。小型の人型種族たちに比べれば野性的だが、オーガ/Ogreミノタウルス/Minotaurよりは文明的で友好的とされる。

また、尻尾を持ち役畜として使われるハルダ/Hurdaは、巨人と遠縁の種族と考えられている。詳細は当該項目を参照のこと。

部族

アクーム/Akoumムラーサ/Murasaオンドゥ/Onduの大陸にそれぞれ結び付きが強い部族が住んでいる。

岩足族/The Boulderfoot tribe
アクームに住む部族。敵を足で踏みつけることからその名が付いた。
髑髏砕き族/The Shatterskull tribe
ムラーサに住む部族。同名の危険な峠を通ろうとする旅人に「通行料」を要求する。
変わり樹族/The Turntimber tribe
オンドゥに住む部族。ゼンディカーの巨人族では唯一魔法に傾倒しており、同名の森ベイロス/Balothなどを狩って暮らしている。伝説では他の巨人族と異なり、変わり樹の影響で変質したドルイドが起源とされる。
Trench giant
オンドゥのマキンディ溝/The Makindi Trencheに棲息する異形の巨人。その正体は森のマナで心と身体を歪められたために追放された元変わり樹族である。

テーロス

テーロス/Therosの巨人は、大地そのものから生まれてくる古い種族。彼らは丘の上の古石や老木の根、大河のうねりや洞穴の暗闇からも力を授かる事ができる。

タイタンたちの軛/The Binding of the Titans

数千年前、原初の衝動を肉体化したタイタンたちが定命の領域を彷徨い、行く先々に死と破壊を振りまいていた。その難局のなかで定命の捧げた祈りが具現化したものこそ現在の神々/Godsである。人々の信心という途方もない力を吹き込まれた神々とタイタンたちの間に戦争が勃発し、神々が勝利するとクローティス/Klothys神の監視のもとタイタンたちは死の国/The Underworldに封印された(イラスト)。

重要人物

カラデシュ

カラデシュ/Kaladeshの巨人は身長20~30フィート(6~9メートル)ほどで、霊気/Aetherの流れに沿って年2回の渡りを行う。移動中に遭遇したものは何でも食べるが、その中には霊気の流れに引き寄せられた他の生物も多く含まれている。

彼らは純粋に攻撃的な本能を持つが、悪意は微塵もなく、おそらく能動的に危害を加えようとするほどの知能もない。しかし一度動き出すと止めることはできず、行く手を阻むものは建物だろうが兵士の部隊であろうが全て粉砕してしまう(イラスト)。そのためギラプール/Ghirapurの巨人通路/Giants' Walkと呼ばれる地区は回転する台、動く橋、調整可能な運河の閘門などで巨人の通り道を妨げないような設計がなされている。

エルドレイン

エルドレイン/Eldraineの巨人は姿も大きさも多種多様である。10フィート(3メートル)程度の「小柄な」巨人は銅の皮膚を持ち、その巨大な力を持って人間/Humanを虐げる(イラスト)。一方、15フィート(4.5メートル)ほどの「大柄な」巨人は石の皮膚を持ち、しばしば苔むしている(イラスト)。こちらは人間に優しく、彼らを助けるためにその力を使う傾向にある。

ギャレンブリグ城/Castle Garenbrigは王国で人間が隆盛するよりもはるか昔、巨人たちによって建造されたものである。

人間との関係

彼らの多くは一般的なフェイ属/The fair folkと同様、僻境/The Wildsに住み王国/The Realmの人間とは距離を置いている。美徳に固執することは自身を弱めると考え宮廷に対し無関心な巨人もいれば、かつての王国による僻境征服の恨みから人間への不信を抱く巨人もいる。

ただし、王国に巨人が存在しないというわけでもなく、先述の大柄な巨人の一部はギャレンブリグ/Garenbrigの宮廷に協力することを選んでいる。ギャレンブリグの巨人騎士は武装したマンモスに騎乗し、樹木よりも長い棍棒や斧を用いて戦う(イラスト)。

ストーム・ジャイアント/Storm giant

僻境の上空に浮かぶ島々ストームケルド/Stormkeldには、地上とは異なる巨人種が暮らしている。青白い肌と雲か霧のような白い体毛を持つ彼らを、人はストーム・ジャイアント/Storm giantと呼ぶ(イラスト)。

ストーム・ジャイアントは力自慢の地上種と異なり、狡猾にして知的な存在である。中でも天候魔術において彼らの右に出るものはいない。彼らはしばしば凧と金属の棒で雷を魔法の瓶に貯め、呪文の燃料や居住地の熱源として使っている(イラスト)。

この種族は自分たちの故郷であるストームケルドは揺るぎなき物だと考えているため、小さな種族の問題にはほとんど関心がなく、新ファイレクシア/New Phyrexiaの侵攻にもほぼ静観を決め込んでいた。彼らの公的な意思決定は議会制により行われるが、中でもグランドスコール家は高い影響力を誇っている。

彼らの間ではガチョウの飼育が娯楽とされる。気分屋で激情家なこの動物と接することは、忍耐力を養う絶好の機会であると考えられている。

重要人物

  • ベルーナ・グランドスコール/Beluna Grandsquall - ストーム・ジャイアントの貴族。下界から様々な物を「解放」という名目で盗んでいる。
  • ヨルヴォ/Yorvo - ギャレンブリグの現在の王。他の巨人たちよりも一際大きく、その王冠は彼の玉座を奪おうとして敗れた者たちの武器で出来ている。

カルドハイム

カルドハイム/Kaldheimの巨人は領界/Realmの一つ、セルトランド/Surtlandに住まう。この荒れ狂う領界には二種類の巨人がいる。霜の巨人/Frost giantは知性的かつ秘密主義で、ルーンの魔法を用いて星界/The Cosmosの秘密を予言し、その秘密を余所者の好奇心から用心深く守っている。炎の巨人/Fire giantはそれと対照的に、野蛮かつ衝動的で、霜の巨人と同じ腕力と回復力を持つが、彼らのような知識や機転は一切ない。霜の巨人は高地を支配し、最も安定した山岳地帯全域の領有権を主張しており、その地に氷でできた要塞を築く。低地に追いやられた炎の巨人は、どうせ雪崩や溶岩流に流されるか覆われるのだからと、永続するものを築きたがらない。彼らは必要とあれば分解し移設できる、粗野な木造の長屋を好む。

セルトランドの霜の巨人と炎の巨人は、絶え間ない抗争から抜け出せずにいる。霜の巨人は孤独を好むが、それと同時にこの領界で最高の、最も安全な場所を領土として主張している――そして山の宮殿に、自らのためだけの宝物や秘儀的な秘密を蓄える。怒れる衝動的な炎の巨人は集まって隊を組み、主に独りでいる霜の巨人を襲撃する。霜の巨人はルーンの氷魔法を放って報復を行う。これは炎の巨人の氏族全体をバラバラにするか、無力化することもある。

極めて稀なことだが、セルトランドが侵略者や暴れ回る星界の怪物/Cosmos monsterに脅かされている場合には、霜の巨人と炎の巨人は互いの違いを脇に置き、協力してこの領界を防衛することもある。

また、ノットヴォルド/Gnottvoldの領界にある遺跡は古の巨人たちの文明の名残とされている。

霜の巨人/Frost giant

霜の巨人はセルトランドの高山の頂と氷原の領有権を主張しており、その地に氷の宮殿を築き、独りで永劫の時を過ごす。難攻不落の山頂の要塞のおかげで、彼らは星界の光とその神秘的な秘密をはっきりと見ることができる。彼らがセルトランドを離れることは滅多になく、略奪にも一切の関心を持たないが、ブレタガルド/Bretagard人間/Human氏族、領界路探し/The Omenseekersとは特別な関係にある。彼らと志を同じくする領界路探しは、時折セルトランドを訪れ、友好的な霜の巨人と情報を交換するのだ。

ヴェラの魔道士/Vela Mageと呼ばれる霜の巨人の魔術師は、主に固く守られたヴェラ高地/The Vela Heightsに住む。魔法で冷気と氷を操るだけでなく、ヴェラの魔道士は領界の秘密を予言するべく絶えず研究する予見者でもある。その私的な聖域への招かれざる侵入者がいれば、彼らは幻影魔法を用いてその者を欺くことができるが、彼らのほとんどはこれを下等な魔法と見なし、絶対に必要にならないかぎり真剣な練習には値しないと考えている。

炎の巨人/Fire giant

炎の巨人はセルトランドの低地、深い溶岩の裂け目が雪原を分断する場所に住んでいる。彼らは家族や氏族で共に暮らし、この領界の巨木を用いて粗野な建造物を築く。また、低地の地下に伸びる広大な洞窟網や溶岩洞を棲処とする者もいる。

炎の巨人は向こう見ずで嫉妬深く、競争心が強い――そのさまはまるで、自分たちでは理解できないにもかかわらず、同類が持つ秘密の知識に嫉妬する、巨大な子供のようだ。彼らは霜の巨人よりも小柄だが、それでも巨人であることには変わりなく、信じられないほど頑丈で、力強く、回復力がある。数え切れないほどの英雄譚が、炎の巨人を討つのが如何に難しいかについて詳しく語っている。この記念的な業績を成し遂げた英雄たちは、伝説として祭り上げられている。

ドゥームスカール/Doomskarによってセルトランドが他の領界と重なり合う際には必ず、炎の巨人は待ち切れずに略奪に繰り出す。彼らは近接戦闘が大好きだが、必要とあれば敵に巨岩を投げつけることも厭わない。さらに魔術師は炎と溶岩を操る力を持つ。

カルダー/Kaldar炎の巨人の王/King of the Fire Giantsだ。彼とアールンド/Alrundは長年のライバル関係にあり、多くの場面で互いを騙し合ってきた。カルダーが霜の巨人に関して羨むとともに忌み嫌うすべて――その訳の分からない神秘主義や、その傲慢さ――がへと昇格したものがアールンドである、そう彼は考えている。そしてアールンドをこっぴどく騙し、あまりの屈辱に彼が神の地位を放棄することだけを望んでいる。

重要人物

  • カルダー/Kaldar - 炎の巨人の王。男性。アールンドの長年のライバル。
  • エーガー/Aegar - カルダーと霜の巨人の子。男性。火と氷の力を併せ持ち、すべての巨人の統一を願っている。

アー

人知れぬ場所に存在する次元/Planeアー/Irではフォモーリ/Fomoriと呼ばれる野蛮な有角の巨人が暮らしている(イラスト)。彼らはターリ島/Turri Islandに砦を築いており、侵入者を投石の弾幕で撃退する。

  • 後にイクサラン/Ixalanでもオルテカ/Oltecを襲った侵略者として巨人フォモーリの名が語り継がれているが、これがアーのフォモーリと同種かは現状のところ不明である。

重要人物

  • ルーハン/Ruhan - 盲目の戦士。長老たちとは同盟を結んでいるが、その忠誠心は気まぐれにすぎない。

関連資料

ローウィン
ゼンディカー
テーロス
カラデシュ
エルドレイン
カルドハイム
アー

脚注

  1. "Odum and Broadbark were the only beings mighty enough to challenge the giant Moran the Destroyer. Their battle lasted a hundred dawns, until Moran became so exhausted that he fell into namesleep. He awoke as Moran the Gardener.
    The Tale of Odum and Broadbark
    「巨人のぶち壊しモランに挑める腕っぷしを持つ生き物は、オダムとブロードバークだけでした。 戦いは夜明けが百回来るまで続きましたが、最後にはモランが疲れ果て、眠り込んでしまいました。 目覚めた時、彼は樹植えモランになっていました。」
    「オダムとブロードバークのお話」より

参考

QR Code.gif