シミック連合/The Simic Combine

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シミック連合/The Simic Combineは、ラヴニカ/Ravnicaにおける10のギルド/Guildの1つ。緑青。日本語では「シミック団」と表記されたこともある。

目次

[編集] 解説

ラヴニカに残存する僅かな自然の保護と再生を目的としたギルド。同じく自然回帰を謳うギルドは複数あるが、それらと違い、魔法や科学の力を使い自然を「研究」することに注力している。好奇心旺盛なエルフと生物学者によって日夜研究が進められており、その過程での産物である医療技術の進歩と発展を持って、ラヴニカの市民生活に貢献している。

しかし、彼らの類稀なる好奇心は、そこにもう1つの目的を見出してしまう。それは、保護した自然に人工的な改良を加える事で、「進化」の意図的な誘導を行うことである。結果、彼らの研究は当初の目的から次第に乖離し、禁忌の生物実験が主となっていった。指導者である解剖学の権威モミール・ヴィグは、自らが開発した、強化調整を可能とする生命体「細胞質胞」によって、市民達を含めたラヴニカの生態系を作り変えようとしていた。彼はそれがラヴニカのよりよい将来のためであると信じてやまず、クラージ計画という特別なプロジェクトを推し進めている。

ラヴニカ・ブロックの物語において、研究の粋を集めた生物兵器クラージ実験体、指導者ヴィグ、さらには拠点ノヴィジェンまでもを失い、シミックは消滅の危機に瀕した。しかし、都市に突然「ゾノット」と呼ばれる太古の海へと繋がる大きな孔が空き、そこからマーフォークたちが登場したことで事情が一変。「主席議長」を名乗る指導者ゼガーナ/Zeganaは新たなシミックのギルド指導者に就くことを宣言した。彼女がアゾール公会広場において行なった演説は、後に「水深の布告」として知られることになる。

[編集] ギルド用語

[編集] ノヴィジェン/Novijen

旧シミックの本拠地。浮遊島の上に建設されており、そこから周囲に渡って生命維持コードと思われる無数の蔓が延びている。ここでは混血生物の開発や研究が進められている。

[編集] ザーメク/Zameck

新シミックの本拠地。地表のすぐ下に作られた巨大な議場。厳しさを主張する装飾もなければ、華やかに飾られた雰囲気もなく、また特別な研究施設などもない。会議や面会を行なうためのテーブルと演壇とがあるだけであるが、空の光が差し込むように設計されており、議場全体が水中にいるような乳白色の光に包まれる様はとても幻想的である。

[編集] ゾノット/Zonot

ラヴニカの都市部各所に突如登場した、太古の海にまで通じる深い縦穴。単なる孔ではなく、壁面は住居として使えるように整備されており、「逆さまに立った巨大な塔」と形容されることもある。水棲生物たちの地表での活動拠点となっており、そのため地上で生活する他のシミック構成員たちも自然とゾノット周辺に集まっている。各ゾノットごとに異なる種族が入植する傾向があり、シミックに派閥や閉鎖性が生じる遠因にもなっている。

ほとんどのゾノットは閉鎖的であるが、例外もある。ザーメクがある第七ゾノットは中心地であると同時に他ギルドや一般市民との窓口でもあり、活気に溢れており人口も多い。第五ゾノットは観光地として人気で、螺旋の階段を使って海面まで降りることができ、市民たちはそこで海を眺めたり泳いだりできる。

各ゾノットごとに「言論者(議長)/Speaker」という代表者を選出し、それらが集まって「言論室/Speakers' Chamber」という組織を構成している。新シミックの活動方針はすべてこの言論室の合議制で決められており、ゼガーナはあくまでその代弁者であるという。しかし他のギルドの面々は、言論室などという組織は存在しないか形式的なものにすぎず、実体はゼガーナの独裁制なのではないかと疑っている。

  • ユカテコ語D'zonotに由来すると考えられる。セノーテの語源であり水面下の巨大な縦穴を意味する。

[編集] ジェゼル/Jezeru

ラヴニカの某所にある、天然の盆地に広がる浅く広い湖。「湖水地区」とも呼ばれる。新シミックの閉鎖性を危惧した一派が集団移住した。

[編集] 太古の海

都市の拡大により埋め尽くされ、数千年もの年月が経ち、もはやその存在を知る者は誰もいなくなっていた海。マーフォークやその他さまざまな水棲生物たちと共に再び表舞台に返り咲いた。

[編集] 系統組/Clade

シミックの構成員は種や役割・階級よりも系統組によって組織化されている。各系統組はいわゆるプロジェクトチームに相当し、多様な個体が異なる仕事に従事しながらも、共通の目標のもとに折り合っている。各系統組はもっぱら単一のゾノットに収まっているが、大きい系統組は二つ以上のコミュニティに跨っている。

  • 育殻組/Hull Clade:保護、防御、耐久性などを中心とする。育殻組のプロジェクトは外骨格による生体強化からゾノット外壁の安定化まで幅広い。
  • 流翼組/Fin Clade:移動の研究を中心とする。
  • 覆隠組/Crypsis Clade:シミックを他のギルドの目から隠蔽する戦略を担当する。
  • 渦潮組/Gyre Clade:循環パターンと高次の魔法を専門とする。

これら以外にも系統組は存在する。

[編集] マーフォーク

ラヴニカのマーフォークたちは、その故郷である「海」が持つ二面性を自分たちの精神文化に取り込んでいる。ひとつは「固着」、すなわち海草などが流されないよう岩に体をしっかりと固定する様のように、自分たちの伝統や初志を忘れないという保守性。もうひとつは「湧出」、すなわち海水が循環することで海全体の生命サイクルを構成するように、自分たちの学んだ知識などを実践へと移す発展主義である。

ゼガーナはかの有名な「水深の布告」の中で固着の原理を強調し、かつてのシミックのような暴走に至ることを強く否定したものの、一部のマーフォークや旧シミック研究員の中には湧出の原理に従った暴走気味の傾向も見え始めている。

[編集] 細胞質胞/Cytoplast

モミール・ヴィグが発明した生物魔法組織。透明な青緑のゼラチン質であり、宿主にしたあらゆる生命の遺伝情報を保存・伝達できる。

初めのものは外科的かつ魔術的な移植を経なければ新たな宿主を確保できず、移植時の苦痛や整容的観点からあまり受容されなかった。ラヴニカ市民の視野の狭さに業を煮やしたモミール・ヴィグは改良を重ね、最終的にはマナを用いて宿主の身体から射出し相手に無理矢理遺伝情報を埋め込めるようになった[1]

[編集] 混成体/Krasis

シミックの交配生命体は混成体/Krasisという用語で一括りに呼ばれる。新シミックはモミール・ヴィグの過ちを繰り返さぬよう用心しつつも、依然として魔法を用いて複数の生命体の特質を結合し、既存の生物の新たな形態を引き出している。そこには生殖を行うことができないような独特の生物もいる。繁殖してギルドの基盤の一部となっているものも少数存在する。

[編集] ゲームでの特徴


Experiment Kraj / クラージ実験体 (2)(緑)(緑)(青)(青)
伝説のクリーチャー — ウーズ(Ooze) ミュータント(Mutant)

クラージ実験体は、その上に+1/+1カウンターが置かれている他の各クリーチャーの全ての起動型能力を持つ。
(T):クリーチャー1体を対象とし、その上に+1/+1カウンターを1個置く。

4/6


Prime Speaker Zegana / 首席議長ゼガーナ (2)(緑)(緑)(青)(青)
伝説のクリーチャー — マーフォーク(Merfolk) ウィザード(Wizard)

首席議長ゼガーナは+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。Xは、あなたがコントロールする他のクリーチャーの中の最大のパワーである。
首席議長ゼガーナが戦場に出たとき、これのパワーに等しい枚数のカードを引く。

1/1

生命の改良や進化を+1/+1カウンターで表しており、その扱いに長けたギルド。単純にP/Tを上昇させるだけでなく、再生飛行などの能力を付加したり、+1/+1カウンターを利用したギミックを持つカードも多い。

固有メカニズムとしてラヴニカ・ブロックでは移植を、ラヴニカへの回帰ブロックでは進化を、ラヴニカの献身では順応を有する。

[編集] 関連カード・関連デッキ

[編集] 伝説のクリーチャー

[編集] 関連デッキ

[編集] 参考

  1. Cytoplasts, the Other Blue/Green Meat(2006年4月19日 Matt Cavotta著)
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