常磐木

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[[キーワード能力]]や[[キーワード処理]]の中には、「[[飛行]]」や「[[破壊]]する」のように、毎セットに渡って継続的に採用され、常連として定着しているものがある。このようなものは'''常磐木メカニズム'''/''Evergreen mechanics''、'''常磐木キーワード'''/''Evergreen keyword''などと呼ばれ、[[ルール]]用語の中でも特に基本的なものとして位置付けられている。
 
[[キーワード能力]]や[[キーワード処理]]の中には、「[[飛行]]」や「[[破壊]]する」のように、毎セットに渡って継続的に採用され、常連として定着しているものがある。このようなものは'''常磐木メカニズム'''/''Evergreen mechanics''、'''常磐木キーワード'''/''Evergreen keyword''などと呼ばれ、[[ルール]]用語の中でも特に基本的なものとして位置付けられている。
  
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元は[[開発部]]内で使われていた[[デザイン・チーム|デザイン]]・[[デベロップ・チーム|デベロップ]]上の専門用語だったが、[[未来予知]]における[[接死]]・[[絆魂]]・[[到達]]・[[被覆]]の制定を契機に、公式記事中で広く使用される言葉となった。[[総合ルール]]に記載されたルール用語ではないものの、一時期の総合ルールでは、[[キーワード能力]]、[[キーワード処理]]が常磐木のアルファベット順→非常磐木の登場順に並べられるという形で暗示されていた。ただし後述の一部キーワードの入れ替えにより、現在その法則は崩れている。
 
元は[[開発部]]内で使われていた[[デザイン・チーム|デザイン]]・[[デベロップ・チーム|デベロップ]]上の専門用語だったが、[[未来予知]]における[[接死]]・[[絆魂]]・[[到達]]・[[被覆]]の制定を契機に、公式記事中で広く使用される言葉となった。[[総合ルール]]に記載されたルール用語ではないものの、一時期の総合ルールでは、[[キーワード能力]]、[[キーワード処理]]が常磐木のアルファベット順→非常磐木の登場順に並べられるという形で暗示されていた。ただし後述の一部キーワードの入れ替えにより、現在その法則は崩れている。
  
よく使われることから、元々キーワード能力ではなかった常磐木メカニズムでも、後からキーワード化されるものも多い。[[速攻]]、[[警戒]]、[[瞬速]]、[[破壊不能]]など。常磐木キーワード能力の約半分は未来予知以降に追加されたものである。[[色の役割]]上のバランスも長年のあいだ模索され続けており、[[果敢]]のように元々セット固有のメカニズムであっても、それに相応しければ常磐木になるケースもある。一方で[[潜伏]]のように、元々そうなることを期待してデザインされていながら常磐木になれなかったものも。
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よく使われることから、元々キーワード能力ではなかった常磐木メカニズムでも、後からキーワード化されるものも多い。[[速攻]]、[[警戒]]、[[瞬速]]、[[破壊不能]]など。常磐木キーワード能力の約半分は未来予知以降に追加されたものである。[[色の役割]]上のバランスも長年のあいだ模索され続けており、[[果敢]]のように元々セット固有のメカニズムであっても、それに相応しければ常磐木になったケースもある。一方で[[潜伏]]のように、元々そうなることを期待してデザインされていながら常磐木になれなかったものも。
  
 
かつては常磐木であったものの外されてしまったキーワードもある。難解であったり、研究の結果ゲームに望ましくない影響があることが判明したりなど、理由は様々である。登場頻度を下げれば問題ないとされて使用自体は続けられるケースもあれば、完全に廃止されるケースもある。より良い後継の能力が開発できたことを機に入れ替えていくというケースもある。キーワード能力は初心者にとっては参入障壁となるものでもあるため、無尽蔵に増えることがないように意識した調整が行われている。
 
かつては常磐木であったものの外されてしまったキーワードもある。難解であったり、研究の結果ゲームに望ましくない影響があることが判明したりなど、理由は様々である。登場頻度を下げれば問題ないとされて使用自体は続けられるケースもあれば、完全に廃止されるケースもある。より良い後継の能力が開発できたことを機に入れ替えていくというケースもある。キーワード能力は初心者にとっては参入障壁となるものでもあるため、無尽蔵に増えることがないように意識した調整が行われている。
  
[[サイクリング]]のようにフレイバー要素に乏しいものは、新規プレイヤーが不安に感じるため常磐木にはなりづらい<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/odds-ends-amonkhet-part-1-2017-05-22 Odds & Ends: Amonkhet, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0018873/ こぼれ話:『アモンケット』 その1]([[Making Magic -マジック開発秘話-]] [[2017年]]5月22日 [[Mark Rosewater]]著/[[米村薫]]訳)</ref>。その一方で[[武士道]]のように、能力自体は単純ながらも名前のせいで収録できる世界が限られてしまった例もある。武士道の失敗を踏まえ、開発時に最初「功夫/''kung fu''」と呼ばれていたものは「果敢/''Prowess''」という普遍的な名前で印刷され<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/m-files-khans-tarkir-part-1-2014-09-19 The M Files: Khans of Tarkir, Part 1 | MAGIC: THE GATHERING]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0011203/ Mファイル『タルキール覇王譚』編・パート1]([[Latest Developments -デベロップ最先端-]]  [[Sam Stoddard]]著/[[益山拓也]]訳)</ref>、結果的に常磐木になることができた。とはいえ果敢は[[新世界秩序]]の観点において「盤面の複雑さ」を増すとして、常磐木でありながらも複数のセットにおいて収録されていない。このように常磐木の選定には常に注意が払われている。
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ゲームシステムの面だけでなく、[[フレイバー]]の面も考慮されている。例えば[[武士道]]のようにフレイバー要素が強すぎるものは、能力が単純で扱いやすいものでも、収録できる世界が限られるため常盤木にはなり得ない。逆に[[サイクリング]]のようにフレイバー要素に乏しすぎるものも、新規プレイヤーが不安に感じるため常磐木にはなりづらい<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/odds-ends-amonkhet-part-1-2017-05-22 Odds & Ends: Amonkhet, Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0018873/ こぼれ話:『アモンケット』 その1]([[Making Magic -マジック開発秘話-]] [[2017年]]5月22日 [[Mark Rosewater]]著/[[米村薫]]訳)</ref>とされる。ただし後者の場合は、ほとんどの世界に馴染むという利点にもなりうるという見解も示されている<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/essay-what-you-will-2018-02-05 Essay What You Will]/[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/20180205 その意図をエッセイに](Making Magic -マジック開発秘話- 2018年2月5日 Mark Rosewater著)</ref>
  
*[[Mark Rosewater]]によれば、呪文([[インスタント]]や[[ソーサリー]])が持つキーワード能力は常磐木にされないとのこと<ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/53525774011/is-cycling-evergreen-what-are-the-arguments-to Is Cycling Evergreen? What are the arguments to...]([[Blogatog]] [[2013年]]6月21日 [[Mark Rosewater]]のブログ)</ref><ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/53565258005/why-dont-you-have-evergreen-spell-abilities Why don't you have evergreen spell abilities?]([[Blogatog]] [[2013年]]6月21日 [[Mark Rosewater]]のブログ)</ref>。
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常盤木の選定が慎重に行われている例として、[[果敢]]の変遷を挙げてみたい。開発時には最初「功夫/''kung fu''」と呼ばれていたが、武士道の失敗を踏まえて「果敢/''Prowess''」という普遍的な名前で印刷され<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/m-files-khans-tarkir-part-1-2014-09-19 The M Files: Khans of Tarkir, Part 1 | MAGIC: THE GATHERING]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/ld/0011203/ Mファイル『タルキール覇王譚』編・パート1]([[Latest Developments -デベロップ最先端-]]  [[Sam Stoddard]]著/[[益山拓也]]訳)</ref>、それが功を奏して後に常磐木になることができた。とはいえ果敢は[[新世界秩序]]の観点において「盤面の複雑さ」を増すとして、常磐木でありながらも複数のセットにおいて収録されない時期があり、結果的に常磐木能力からは外されてしまった<ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/181750005483/since-prowess-is-no-longer-in-standard-is-it-save Since Prowess is no longer in Standard is it save to assume it lost its Evergreen status?]([[Blogatog]] [[2019年]]1月05日 [[Mark Rosewater]]のブログ)</ref>。
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*[[Mark Rosewater]]によれば、呪文([[インスタント]]や[[ソーサリー]])が持つキーワード能力([[歴伝]]や[[暗号]]など)は常磐木にされないとのこと<ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/53525774011/is-cycling-evergreen-what-are-the-arguments-to Is Cycling Evergreen? What are the arguments to...]([[Blogatog]] [[2013年]]6月21日 [[Mark Rosewater]]のブログ)</ref><ref>[http://markrosewater.tumblr.com/post/53565258005/why-dont-you-have-evergreen-spell-abilities Why don't you have evergreen spell abilities?]([[Blogatog]] [[2013年]]6月21日 [[Mark Rosewater]]のブログ)</ref>。
 
*常磐木でも落葉樹でもないメカニズムであっても、そのカードセットに不可欠と判断されれば再登場の可能性はある。より広範に「再登場の可能性」を評価したものが[[ストーム値]]である。
 
*常磐木でも落葉樹でもないメカニズムであっても、そのカードセットに不可欠と判断されれば再登場の可能性はある。より広範に「再登場の可能性」を評価したものが[[ストーム値]]である。
  
 
==常磐木メカニズム一覧==
 
==常磐木メカニズム一覧==
常磐木であるメカニズムを持つカードはたいていのセットに収録されているが、どのセットにも必ずすべてが存在しているというわけではない。例えば[[イーブンタイド]]に到達はないし、[[イクサラン・ブロック]]に[[果敢]]はない。
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常磐木であるメカニズムを持つカードはたいていのセットに収録されているが、どのセットにも必ずすべてが存在しているというわけではない。例えば[[イーブンタイド]]に[[到達]]はなく、[[ラヴニカの献身]]に[[二段攻撃]]はない。
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===[[キーワード能力]]===
 
===[[キーワード能力]]===
[[接死]]、[[防衛]]、[[二段攻撃]]、[[エンチャント (キーワード能力)|エンチャント]]、[[装備]]、[[先制攻撃]]、[[瞬速]]、[[飛行]]、[[速攻]]、[[呪禁]]、[[破壊不能]]、[[絆魂]]、[[到達]]、[[トランプル]]、[[警戒]]、[[果敢]]、[[威迫]]の17種。
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[[接死]]、[[防衛]]、[[二段攻撃]]、[[エンチャント (キーワード能力)|エンチャント]]、[[装備]]、[[先制攻撃]]、[[瞬速]]、[[飛行]]、[[速攻]]、[[呪禁]]、[[破壊不能]]、[[絆魂]]、[[プロテクション]]、[[到達]]、[[トランプル]]、[[警戒]]、[[威迫]]、[[護法]]の18種。
  
*かつて常磐木だったキーワード能力には[[バンド]]、[[ランページ]]、[[生息条件]](現在は[[廃語]])、[[畏怖]]、[[被覆]]、[[威嚇]]、[[土地渡り]]、[[プロテクション]](現在は落葉樹)がある。
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*かつて常磐木だったキーワード能力には[[バンド]]、[[ランページ]]、[[生息条件]](現在は[[廃語]])、[[畏怖]]、[[被覆]]、[[威嚇]]、[[土地渡り]]、[[果敢]]がある。
**被覆は総合ルールでは常磐木の位置にあったが、呪禁のキーワード化以降登場しておらず、今後登場する予定があるのか、単にルールの再整理が行われていないだけなのかが長らく不明であった。後に、呪禁と入れ替わりで常磐木から外れていたことが明らかにされた。<ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/evergreen-eggs-ham-2015-06-08 Evergreen Eggs & Ham]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0015160/ 常磐木な日常]([[Making Magic -マジック開発秘話-]] [[2015年]]6月8日 [[Mark Rosewater]]著/[[米村薫]]訳)</ref>
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**被覆は総合ルールでは常磐木の位置にあったが、呪禁のキーワード化以降登場しておらず、今後登場する予定があるのか、単にルールの再整理が行われていないだけなのかが長らく不明であった。後に、呪禁と入れ替わりで常磐木から外れていたことが明らかにされた。<ref name="EG">[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/evergreen-eggs-ham-2015-06-08 Evergreen Eggs & Ham]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0015160/ 常磐木な日常]([[Making Magic -マジック開発秘話-]] [[2015年]]6月8日 [[Mark Rosewater]]著/[[米村薫]]訳)</ref>
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**プロテクションは[[マジック・オリジン]]で一度は常磐木を外れた<ref name="EG"/>が、[[イニストラード:真夜中の狩り]]の時点で常磐木に戻っていることが明らかにされた<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/mechanical-color-pie-2021-changes-2021-10-18 Mechanical Color Pie 2021 Changes]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0035516/ メカニズム的カラー・パイ 2021年版変更点](Making Magic -マジック開発秘話- [[2021年]]10月18日 Mark Rosewater著)</ref>。
  
 
===[[キーワード処理]]===
 
===[[キーワード処理]]===
[[起動]]する、[[つける]]/[[はずす]]、[[唱える]]、[[打ち消す]]、[[生成]]する、[[破壊]]する、[[捨てる]]、[[交換]]する、[[追放]]する、[[格闘]]を行う、[[プレイ]]する、[[公開する]]、[[生け贄に捧げる]]、[[探す]]、[[切り直す]]、[[タップ]]する/[[アンタップ]]する、[[占術]]を行うの19種。
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[[起動]]する、[[つける]]/[[はずす]]、[[唱える]]、[[打ち消す]]、[[生成]]する、[[破壊]]する、[[捨てる]]、[[交換]]する、[[追放]]する、[[格闘]]を行う、[[プレイ]]する、[[公開する]]、[[生け贄に捧げる]]、[[探す]]、[[切り直す]]、[[タップ]]する/[[アンタップ]]する、[[占術]]を行うの19種。また、[[統率者戦用セット]]においては[[使嗾]]する、もこれに含まれる<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/commander-legends-battle-baldurs-gate-vision-design-handoff-2022-06-06 Commander Legends: Battle for Baldur's Gate Vision Design Handoff]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0036101/ 『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』展望デザイン提出文書](Making Magic -マジック開発秘話- [[2022年]]6月6日 Mark Rosewater著)</ref>。
  
 
*かつて常磐木だったキーワード処理には[[再生]]するがある。
 
*かつて常磐木だったキーワード処理には[[再生]]するがある。
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==参考==
 
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/can-i-help-you-2016-12-12 Can I Help You?]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0018183/ 「お電話ありがとうございます」](Making Magic 2016年12月12日 Mark Rosewater著)
 
*[[メカニズム]]
 
*[[メカニズム]]
 
*[[キーワード能力]]
 
*[[キーワード能力]]

2022年6月8日 (水) 00:13時点における最新版

常磐木(ときわぎ)/Evergreenは、メカニズムカード・セットに収録される頻度を示す用語の一つ。常盤木とも。「テーマや背景世界を問わず、ほとんどすべてのセットで使われる」ことを意味する。

常磐木の一段下として落葉樹/Deciduousという分類も存在する。

  • 常磐木とは、冬になっても枯れず、落葉しない樹木のこと。常緑樹。常磐(ときわ)は本来は時を経ても変わらない岩石を指すが、常緑の意や永久不変の意でも使われる。「常盤」という字が使われることもある。
  • 原語のEvergreenは、常緑樹や常緑多年草など、年間を通して枯れない植物を指す。またこちらも永久不変であることの比喩としても使われる。

目次

[編集] 解説


Wind Drake / 風のドレイク (2)(青)
クリーチャー — ドレイク(Drake)

飛行

2/2


Murder / 殺害 (1)(黒)(黒)
インスタント

クリーチャー1体を対象とする。それを破壊する。


キーワード能力キーワード処理の中には、「飛行」や「破壊する」のように、毎セットに渡って継続的に採用され、常連として定着しているものがある。このようなものは常磐木メカニズム/Evergreen mechanics常磐木キーワード/Evergreen keywordなどと呼ばれ、ルール用語の中でも特に基本的なものとして位置付けられている。

多くは直観的に理解しやすく、汎用性の高いものとされている。基本セットや、そのメカニズムが初登場となるセットでは文章欄に丁寧に注釈文がつくことが多いが、それ以外の場合は説明なく名前のみが表記されることが多い。

元は開発部内で使われていたデザインデベロップ上の専門用語だったが、未来予知における接死絆魂到達被覆の制定を契機に、公式記事中で広く使用される言葉となった。総合ルールに記載されたルール用語ではないものの、一時期の総合ルールでは、キーワード能力キーワード処理が常磐木のアルファベット順→非常磐木の登場順に並べられるという形で暗示されていた。ただし後述の一部キーワードの入れ替えにより、現在その法則は崩れている。

よく使われることから、元々キーワード能力ではなかった常磐木メカニズムでも、後からキーワード化されるものも多い。速攻警戒瞬速破壊不能など。常磐木キーワード能力の約半分は未来予知以降に追加されたものである。色の役割上のバランスも長年のあいだ模索され続けており、果敢のように元々セット固有のメカニズムであっても、それに相応しければ常磐木になったケースもある。一方で潜伏のように、元々そうなることを期待してデザインされていながら常磐木になれなかったものも。

かつては常磐木であったものの外されてしまったキーワードもある。難解であったり、研究の結果ゲームに望ましくない影響があることが判明したりなど、理由は様々である。登場頻度を下げれば問題ないとされて使用自体は続けられるケースもあれば、完全に廃止されるケースもある。より良い後継の能力が開発できたことを機に入れ替えていくというケースもある。キーワード能力は初心者にとっては参入障壁となるものでもあるため、無尽蔵に増えることがないように意識した調整が行われている。

ゲームシステムの面だけでなく、フレイバーの面も考慮されている。例えば武士道のようにフレイバー要素が強すぎるものは、能力が単純で扱いやすいものでも、収録できる世界が限られるため常盤木にはなり得ない。逆にサイクリングのようにフレイバー要素に乏しすぎるものも、新規プレイヤーが不安に感じるため常磐木にはなりづらい[1]とされる。ただし後者の場合は、ほとんどの世界に馴染むという利点にもなりうるという見解も示されている[2]

常盤木の選定が慎重に行われている例として、果敢の変遷を挙げてみたい。開発時には最初「功夫/kung fu」と呼ばれていたが、武士道の失敗を踏まえて「果敢/Prowess」という普遍的な名前で印刷され[3]、それが功を奏して後に常磐木になることができた。とはいえ果敢は新世界秩序の観点において「盤面の複雑さ」を増すとして、常磐木でありながらも複数のセットにおいて収録されない時期があり、結果的に常磐木能力からは外されてしまった[4]

  • Mark Rosewaterによれば、呪文(インスタントソーサリー)が持つキーワード能力(歴伝暗号など)は常磐木にされないとのこと[5][6]
  • 常磐木でも落葉樹でもないメカニズムであっても、そのカードセットに不可欠と判断されれば再登場の可能性はある。より広範に「再登場の可能性」を評価したものがストーム値である。

[編集] 常磐木メカニズム一覧

常磐木であるメカニズムを持つカードはたいていのセットに収録されているが、どのセットにも必ずすべてが存在しているというわけではない。例えばイーブンタイド到達はなく、ラヴニカの献身二段攻撃はない。

[編集] キーワード能力

接死防衛二段攻撃エンチャント装備先制攻撃瞬速飛行速攻呪禁破壊不能絆魂プロテクション到達トランプル警戒威迫護法の18種。

[編集] キーワード処理

起動する、つけるはずす唱える打ち消す生成する、破壊する、捨てる交換する、追放する、格闘を行う、プレイする、公開する生け贄に捧げる探す切り直すタップする/アンタップする、占術を行うの19種。また、統率者戦用セットにおいては使嗾する、もこれに含まれる[9]

  • かつて常磐木だったキーワード処理には再生するがある。
    • 総合ルール上は常磐木の位置にあるが、今後の新セットで使用しないことが明言された。[10]
  • 「必要ならば使ってもよい」どころか、「なくてはならない基本的なメカニズム」がかなり多く含まれている。「起動する」「唱える」「アンタップする」などを使わずにゲームをするのはほぼ不可能だろう。

[編集] 能力語

現時点では、常磐木メカニズムである能力語は存在していない。

[編集] 脚注

  1. Odds & Ends: Amonkhet, Part 1/こぼれ話:『アモンケット』 その1Making Magic -マジック開発秘話- 2017年5月22日 Mark Rosewater著/米村薫訳)
  2. Essay What You Will/その意図をエッセイに(Making Magic -マジック開発秘話- 2018年2月5日 Mark Rosewater著)
  3. The M Files: Khans of Tarkir, Part 1 | MAGIC: THE GATHERING/Mファイル『タルキール覇王譚』編・パート1Latest Developments -デベロップ最先端- Sam Stoddard著/益山拓也訳)
  4. Since Prowess is no longer in Standard is it save to assume it lost its Evergreen status?Blogatog 2019年1月05日 Mark Rosewaterのブログ)
  5. Is Cycling Evergreen? What are the arguments to...Blogatog 2013年6月21日 Mark Rosewaterのブログ)
  6. Why don't you have evergreen spell abilities?Blogatog 2013年6月21日 Mark Rosewaterのブログ)
  7. 7.0 7.1 Evergreen Eggs & Ham/常磐木な日常Making Magic -マジック開発秘話- 2015年6月8日 Mark Rosewater著/米村薫訳)
  8. Color Pie 2021 Changes/メカニズム的カラー・パイ 2021年版変更点(Making Magic -マジック開発秘話- 2021年10月18日 Mark Rosewater著)
  9. Commander Legends: Battle for Baldur's Gate Vision Design Handoff/『統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い』展望デザイン提出文書(Making Magic -マジック開発秘話- 2022年6月6日 Mark Rosewater著)
  10. Odds and Ends: Kaladesh, Part 3/こぼれ話:『カラデシュ』 その3Making Magic -マジック開発秘話- 2016年10月31日 Mark Rosewater著/米村薫訳)

[編集] 参考

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