統治者
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+ | [[サプリメント・セット]]でのみ扱われているため勘違いしがちだが、[[カジュアル変種ルール]]用の特別ルールというわけではなく、どんな[[フォーマット]]でも統治者は機能する。[[レガシー]]では[[宮殿の看守/Palace Jailer]]などが[[トーナメント]]・シーンで使われており、[[パウパー]]ではアドバンテージを得る方法が限られているため毎ターンの追加ドローはさらに強力。[[宮殿の歩哨/Palace Sentinels]]や[[黒薔薇の棘/Thorn of the Black Rose]]が[[コントロールデッキ]]で採用されている。→[[統治者 (デッキ)]] | ||
*「The Monarch」は[[統率者]]に音韻が似る「統治者(とうちしゃ)」と訳されているが、「支配者」「君主」といった訳の方が日本人には感覚が掴みやすかったかもしれない。栄華は長くは続かないのだ。 | *「The Monarch」は[[統率者]]に音韻が似る「統治者(とうちしゃ)」と訳されているが、「支配者」「君主」といった訳の方が日本人には感覚が掴みやすかったかもしれない。栄華は長くは続かないのだ。 | ||
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*カードを引く誘発型能力および戦闘ダメージを与えたプレイヤーが統治者になる誘発型能力のコントローラーは、誘発した時点の統治者であるプレイヤーである。これらの能力は[[発生源]]を持たない。 | *カードを引く誘発型能力および戦闘ダメージを与えたプレイヤーが統治者になる誘発型能力のコントローラーは、誘発した時点の統治者であるプレイヤーである。これらの能力は[[発生源]]を持たない。 | ||
*統治者は[[紋章]]ではない。 | *統治者は[[紋章]]ではない。 | ||
+ | *統治者であるプレイヤーを参照する[[常在型能力]]から生成される[[継続的効果]]の適用が開始されたとき、プレイヤーの誰も統治者でなかったなら、それはいずれかのプレイヤーが統治者になるまでは何も起こさない([[王国への忠誠/Fealty to the Realm]])。 | ||
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− | [[多人数戦]]ではプレイヤーが対戦相手の[[ヘイト]]を買うことを避けるため、防御的になりすぎる傾向がある。コンスピラシー:王位争奪ではこの問題の解決策として、「プレイヤーが何らかの要素を奪い合うようにすることで、対戦相手を[[攻撃]]する動機を作る」というアイディアが採用された。奪い合うものは当初[[アーティファクト]]・[[トークン]]だったが、カードの効果で[[除去]]できないようにするため、プレイヤーの「状態」になった<ref>[ | + | [[多人数戦]]ではプレイヤーが対戦相手の[[ヘイト]]を買うことを避けるため、防御的になりすぎる傾向がある。コンスピラシー:王位争奪ではこの問題の解決策として、「プレイヤーが何らかの要素を奪い合うようにすることで、対戦相手を[[攻撃]]する動機を作る」というアイディアが採用された。奪い合うものは当初[[アーティファクト]]・[[トークン]]だったが、カードの効果で[[除去]]できないようにするため、プレイヤーの「状態」になった<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/its-another-conspiracy-2016-08-15 It's Another Conspiracy]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0017348/ さらなる策略(コンスピラシー)](Making Magic [[2016年]]8月15日 [[Mark Rosewater]]著)</ref>。 |
− | + | 一方このとき、[[先行デザイン]]を控えていた[[イクサラン]]でも、侵略者と先住民による資源の奪い合いを表す同じようなメカニズムが検討されていた。[[本流のセット]]と[[サプリメント・セット]]のメカニズムが競合する場合は基本的に前者が優先されるが、統治者メカニズムは多人数戦にも[[フィオーラ/Fiora]]のフレイバーにもぴったりで、これに匹敵する代替メカニズムを見つけられなかったこと、またイクサランには十分なデザイン期間が残っていたことから、イクサラン側のメカニズムが変更されることになった<ref>[https://magic.wizards.com/en/news/making-magic/just-ixalan-part-1-2017-09-04 Just for Ix(alan), Part 1]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0019463/ ただ『イクサラン』のために その1](Making Magic [[2017年]]9月4日 Mark Rosewater著)</ref>。 | |
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2023年12月31日 (日) 13:50時点における最新版
統治者/The Monarch はゲーム中にプレイヤーが持つことのできる記号である。コンスピラシー:王位争奪で初登場した。
伝説のクリーチャー — 人間(Human) 暗殺者(Assassin)
接死、速攻
マルチェッサ女王が戦場に出たとき、あなたが統治者になる。
あなたのアップキープの開始時に、対戦相手が統治者であった場合、接死と速攻を持つ黒の1/1の暗殺者(Assassin)クリーチャー・トークンを1体生成する。
クリーチャー — ゾンビ(Zombie) クレリック(Cleric)
カストーディのリッチが戦場に出たとき、あなたが統治者になる。
あなたが統治者になるたび、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはクリーチャー1体を生け贄に捧げる。
目次 |
[編集] 解説
自らに利益をもたらす「君主」の地位をめぐって争いが起きる様子を表したメカニズム。統治者になったプレイヤーは「終了ステップの開始時にカードを1枚引く」という特権を得る事ができるが、統治者を他プレイヤーが襲撃する(戦闘ダメージを与える)たびにそのプレイヤーへと統治者の座を明け渡す事になってしまう。
あなたを統治者にするカードに加え、統治者である場合にメリットを得られるカードや、逆に対戦相手が統治者である場合に強化されるカードも存在する。
コンスピラシー:王位争奪での初登場以降、統率者レジェンズ、兄弟戦争(トランスフォーマー・カード)、機械兵団の進軍統率者デッキ(次元カード)、指輪物語:中つ国の伝承統率者デッキ、統率者マスターズ統率者デッキ、エルドレインの森統率者デッキで再登場した。
サプリメント・セットでのみ扱われているため勘違いしがちだが、カジュアル変種ルール用の特別ルールというわけではなく、どんなフォーマットでも統治者は機能する。レガシーでは宮殿の看守/Palace Jailerなどがトーナメント・シーンで使われており、パウパーではアドバンテージを得る方法が限られているため毎ターンの追加ドローはさらに強力。宮殿の歩哨/Palace Sentinelsや黒薔薇の棘/Thorn of the Black Roseがコントロールデッキで採用されている。→統治者 (デッキ)
- 「The Monarch」は統率者に音韻が似る「統治者(とうちしゃ)」と訳されているが、「支配者」「君主」といった訳の方が日本人には感覚が掴みやすかったかもしれない。栄華は長くは続かないのだ。
- 「統治」は「とうじ」とも読めるため、当事者カード(とうじしゃ)との混同にも注意。
- コンスピラシー:王位争奪および統率者レジェンズのブースターパックのトークン・カードのスロットからは、統治者を表すための注釈カードが出現する。
[編集] ルール
プレイヤーが統治者になる方法は次の3つである。
- カードの効果によって統治者となる。
- クリーチャー1体が統治者に戦闘ダメージを与えるたび、それのコントローラーが統治者になる。これは誘発型能力である。
- 統治者がゲームから除外されるなら、アクティブ・プレイヤーが統治者になる。ゲームから除外される統治者がアクティブ・プレイヤーであるなら、ターン順で次のプレイヤーが統治者になる。
同時に存在できる統治者は1人だけである。あるプレイヤーが統治者になるに際し、現在の統治者は統治者でなくなる。
統治者の終了ステップの開始時に、そのプレイヤーはカードを1枚引く。これは誘発型能力である。
- ゲームの開始時点では、どのプレイヤーも統治者ではない。効果によってあるプレイヤーが統治者になった場合、それ以降そのゲームにはちょうど1人の統治者が存在することになる。
- あなたが「統治者になる」たびに誘発する能力は、あなたが統治者でなかった場合にのみ誘発する。たとえば、カストーディのリッチ/Custodi Lichが戦場に出る際にあなたがすでに統治者であったなら、それの最後の能力は誘発しない。
- 統治者がカードを引くという誘発型能力がスタックに置かれて、その能力が解決される前に他のプレイヤーが統治者になったとしても、1人目のプレイヤーはカードを引く。
- カードを引く誘発型能力および戦闘ダメージを与えたプレイヤーが統治者になる誘発型能力のコントローラーは、誘発した時点の統治者であるプレイヤーである。これらの能力は発生源を持たない。
- 統治者は紋章ではない。
- 統治者であるプレイヤーを参照する常在型能力から生成される継続的効果の適用が開始されたとき、プレイヤーの誰も統治者でなかったなら、それはいずれかのプレイヤーが統治者になるまでは何も起こさない(王国への忠誠/Fealty to the Realm)。
[編集] 開発秘話
多人数戦ではプレイヤーが対戦相手のヘイトを買うことを避けるため、防御的になりすぎる傾向がある。コンスピラシー:王位争奪ではこの問題の解決策として、「プレイヤーが何らかの要素を奪い合うようにすることで、対戦相手を攻撃する動機を作る」というアイディアが採用された。奪い合うものは当初アーティファクト・トークンだったが、カードの効果で除去できないようにするため、プレイヤーの「状態」になった[1]。
一方このとき、先行デザインを控えていたイクサランでも、侵略者と先住民による資源の奪い合いを表す同じようなメカニズムが検討されていた。本流のセットとサプリメント・セットのメカニズムが競合する場合は基本的に前者が優先されるが、統治者メカニズムは多人数戦にもフィオーラ/Fioraのフレイバーにもぴったりで、これに匹敵する代替メカニズムを見つけられなかったこと、またイクサランには十分なデザイン期間が残っていたことから、イクサラン側のメカニズムが変更されることになった[2]。
[編集] 脚注
- ↑ It's Another Conspiracy/さらなる策略(コンスピラシー)(Making Magic 2016年8月15日 Mark Rosewater著)
- ↑ Just for Ix(alan), Part 1/ただ『イクサラン』のために その1(Making Magic 2017年9月4日 Mark Rosewater著)
[編集] 参考
引用:総合ルール 20231117.0
- 7 その他のルール
- 721 統治者
- 721.1 「統治者/The Monarch」は、プレイヤーが持ちうる記号である。効果がプレイヤーを統治者にするよう指示しない限り、ゲームに統治者は存在しない。
- 721.2 統治者であることには、2つの誘発型能力が付属する。これらの誘発型能力には発生源は存在せず、コントローラーはその能力が誘発した時点で統治者であったプレイヤーである。これは rule 113.8 の例外である。これらの能力の完全なルール・テキストは、「統治者の終了ステップの開始時に、そのプレイヤーはカード1枚を引く。」「クリーチャー1体が統治者に戦闘ダメージを与えるたび、そのコントローラーが統治者 になる。」である。
- 721.3 同時に複数のプレイヤーが統治者であることはない。プレイヤーが統治者 になるに際し、現在の統治者は統治者ではなくなる。
- 721.4 統治者がゲームから離れたなら、そのプレイヤーがゲームから離れるのと同時にアクティブ・プレイヤーが統治者 になる。アクティブ・プレイヤーがゲームから離れるかアクティブ・プレイヤーが存在しないなら、ターン順で次のプレイヤーが統治者 になる。ゲームに残っているどのプレイヤーも統治者 になれないなら、統治者なしでゲームを継続する。
- 721.5 常在型能力によって作られた継続的効果の結果が、誰が現在の統治者であるかに基づいて決定されるが、その効果が適用され始めた時点でゲームに統治者がいないなら、その効果はプレイヤーが統治者 になるまで何もしない。rule 613〔継続的効果の相互作用〕参照。
- 721 統治者