ブロック (総称)

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(変則的な構成のブロックが増えてきたので、大型と小型を一目で見分けられるように書き換えたほうがよいかと思うのですが、どうでしょうか?)
 
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{{Otheruses|[[エキスパンション]]のまとまり|その他|ブロック}}
 
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'''ブロック'''(''Block'')は、1年間のあいだに発売される共通のテーマやストーリーを持った[[エキスパンション]]群の総称。
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'''ブロック'''(''Block'')は、1年間または半年間のあいだに発売される共通のテーマやストーリーを持った[[エキスパンション]]群の総称。
  
 
==概要==
 
==概要==
毎年10月に、第1セットである'''大型エキスパンション'''が発売され、新ブロックの幕開けとなる。そのエキスパンションの名前(またはその一部)を取って「~ブロック」と呼ぶ。
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新たなブロックの第1セットは'''大型エキスパンション'''である。そのエキスパンションの名前(またはその一部)を取って「~ブロック」と呼ぶ。
 
*かつては[[サイクル]]とも呼ばれ、ブロックごとにそのストーリーやイメージにちなんだ名称が与えられていた。
 
*かつては[[サイクル]]とも呼ばれ、ブロックごとにそのストーリーやイメージにちなんだ名称が与えられていた。
  
その翌年の2月と6月に、第2・第3セットである'''小型エキスパンション'''が発売される。第2セットのことを「第1エキスパンション」、第3セットのことを「第2エキスパンション(最終エキスパンション)」と呼ぶことも多い。
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そこに続編・拡張セットである'''小型エキスパンション'''が加わり、2セット([[タルキール覇王譚ブロック]]以前は3セット)で1つのブロックが構成される。
  
*ただし、[[2006年]][[2008年]]は発売されるエキスパンションが4つであるため、
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ブロックの大型エキスパンションには必ず、[[基本土地]]や各種基本的な[[効果]]を持つ[[カード]](一例としては[[帰化/Naturalize]]やその亜種)が収録される。これにより、「[[エンチャント]]を[[破壊]]するカードが1枚も存在しない」などの理由で戦略が制限されることは起こりにくい。1つのブロックに含まれるカードのみで[[デッキ]]を構築する「[[ブロック構築]]」という[[フォーマット]]が成立していたほか、[[スタンダード]]に代表される[[ローテーション]]を行う[[構築]]フォーマットもブロックと強い関係がある。
*:[[ディセンション]]は5月に、[[コールドスナップ]]は7月に発売された。
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*また[[非公式フォーマット]]として、各々が好きなブロックを1~2種類選ぶ[[ブロック・パーティ]]、[[2サイクル]]、[[BYOB]][[Choose Your Own Standard]]などがプレイされている。
*:[[シャドウムーア]]は5月に、[[イーブンタイド]]は7月に発売された。
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*マジックの[[俗説]]の一つに[[俗説#ブロックの最後のエキスパンションは強い|ブロックの最後のエキスパンションは強い]]というものがあった。
  
上記のように「大→小→小」の3つのエキスパンションで構成されるのが基本だが、[[ローウィン=シャドウムーア・ブロック]]以降は「大→小→/大→小」の2+2=4つ等の変則型も実験的に採用されている。
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==変遷==
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ブロック制の前夜には大型独立セット1つ+拡張小型セット1つという形式が計画され、実際に[[アイスエイジ]]+[[アライアンス]]、[[ミラージュ]]+[[ビジョンズ]]はこの方式でデザインされた。しかしミラージュの発売に前後して3セット1ブロック制に決まり、ミラージュ・ブロックの最終エキスパンションとして[[ウェザーライト]]が付け加えられ、[[アイスエイジ・ブロック]]には[[ホームランド]]が編入された。
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*このため、[[ウェザーライト]]と、([[コールドスナップ]]に置き換えられる前の)[[ホームランド]]はブロック内の他のセットと世界観やストーリー展開で隔たりがある。
  
ブロックの大型エキスパンションには必ず、[[基本土地]]や各種基本的な[[効果]]を持つ[[カード]](一例としては[[帰化/Naturalize]]やその亜種)が収録される。これにより、「[[エンチャント]]を[[破壊]]するカードが1枚も存在しない」などの理由で戦略が制限されることは起こりにくい。1つのブロックに含まれるカードのみで[[デッキ]]を構築する「[[ブロック構築]]」という[[フォーマット]]が成立する。
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その後は長らく「大(10月)→小(翌年2月)→小(翌年6月)」の1+2エキスパンションで構成される基本が守られてきたが、1年間に1ブロック3セット+[[基本セット]]を発売する構造にはストーリー展開の遅れ、第3セットの設計の難しさなどの問題も指摘されており、[[ローウィン=シャドウムーア・ブロック]]以降は「大→小→/大→小」の2+2形式や大→小→大の2+1形式も変則型も実験された。
*また[[非公式フォーマット]]として、各々が好きなブロックを1~2種類選ぶ[[ブロック・パーティ]]、[[2サイクル]]、[[BYOB]]、[[Choose Your Own Standard]]などがプレイされている。
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特に[[2006年]]と[[2008年]]は発売されるエキスパンションが4つであったため、
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:[[ディセンション]]は5月に、[[コールドスナップ]]は7月に発売された。
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:[[シャドウムーア]]は5月に、[[イーブンタイド]]は7月に発売された。
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2015年の[[戦乱のゼンディカー・ブロック]]以降は大+小の2セット1ブロック形式になり、それに伴い[[マジック・オリジン]]を最後に[[基本セット]]は廃止、1年間に2ブロック4エキスパンションを発売する'''2ブロック制'''に変更された<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mm/metamorphosis Metamorphosis]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0011148/ 変身]</ref>。
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[[2018年]]春から、スタンダードで使用可能な[[カード・セット]]がすべて大型セットとなり、ブロックという概念は廃止となった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/metamorphosis-2-0-2017-06-12 Metamorphosis 2.0]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0019021/ 変身2.0]</ref>。これに伴いブロック構築も廃止となった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/news/april-magic-tournament-rules-release-notes-2018-04-23 April Magic Tournament Rules Release Notes]/[https://mtg-jp.com/reading/publicity/0030515/ 4月マジックイベント規定リリースノート]</ref>。
 
==ブロック一覧==
 
==ブロック一覧==
2014年7月段階では、以下のブロックが存在する。
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2017年9月現在、以下のブロックが存在する。
 
#'''[[1995年|1995]]~[[1996年]] [[アイスエイジ・ブロック]](アイスエイジ・サイクル)''' ([[アイスエイジ]]、<s>ホームランド、</s>[[アライアンス]]、[[コールドスナップ]])
 
#'''[[1995年|1995]]~[[1996年]] [[アイスエイジ・ブロック]](アイスエイジ・サイクル)''' ([[アイスエイジ]]、<s>ホームランド、</s>[[アライアンス]]、[[コールドスナップ]])
 
#*2006年8月に[[ホームランド]]が離脱しコールドスナップと置き換わった。
 
#*2006年8月に[[ホームランド]]が離脱しコールドスナップと置き換わった。
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#*''' [[シャドウムーア・ブロック]]''' ([[シャドウムーア]]、[[イーブンタイド]])
 
#*''' [[シャドウムーア・ブロック]]''' ([[シャドウムーア]]、[[イーブンタイド]])
 
#'''2008~[[2009年]] [[アラーラの断片ブロック]]''' ([[アラーラの断片]]、[[コンフラックス]]、[[アラーラ再誕]])
 
#'''2008~[[2009年]] [[アラーラの断片ブロック]]''' ([[アラーラの断片]]、[[コンフラックス]]、[[アラーラ再誕]])
#'''2009~[[2010年]] [[ゼンディカー・ブロック]]''' ([[ゼンディカー]]、[[ワールドウェイク]]、[[エルドラージ覚醒]]
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#'''2009~[[2010年]] [[ゼンディカー・ブロック]]''' ([[ゼンディカー]]、[[ワールドウェイク]]、[[エルドラージ覚醒]]※)
 
#'''2010~[[2011年]] [[ミラディンの傷跡ブロック]]''' ([[ミラディンの傷跡]]、[[ミラディン包囲戦]]、[[新たなるファイレクシア]])
 
#'''2010~[[2011年]] [[ミラディンの傷跡ブロック]]''' ([[ミラディンの傷跡]]、[[ミラディン包囲戦]]、[[新たなるファイレクシア]])
#'''2011~[[2012年]] [[イニストラード・ブロック]]''' ([[イニストラード]]、[[闇の隆盛]]、[[アヴァシンの帰還]]
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#'''2011~[[2012年]] [[イニストラード・ブロック]]''' ([[イニストラード]]、[[闇の隆盛]]、[[アヴァシンの帰還]]※)
#'''2012~[[2013年]] [[ラヴニカへの回帰ブロック]]''' ([[ラヴニカへの回帰]]、[[ギルド門侵犯]][[ドラゴンの迷路]])
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#'''2012~[[2013年]] [[ラヴニカへの回帰ブロック]]''' ([[ラヴニカへの回帰]]、[[ギルド門侵犯]]※、[[ドラゴンの迷路]])
 
#'''2013~[[2014年]] [[テーロス・ブロック]]''' ([[テーロス]]、[[神々の軍勢]]、[[ニクスへの旅]])
 
#'''2013~[[2014年]] [[テーロス・ブロック]]''' ([[テーロス]]、[[神々の軍勢]]、[[ニクスへの旅]])
 
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#'''2014~[[2015年]] [[タルキール覇王譚ブロック]]''' ([[タルキール覇王譚]]、[[運命再編]]、[[タルキール龍紀伝]]※)
これら以前のエキスパンション([[アラビアンナイト]][[フォールン・エンパイア]])には、ブロックという概念は無い。アイスエイジより3つ前に発売された[[レジェンド (エキスパンション)|レジェンド]]は比較的枚数が多く、かつ新ルールを搭載した1パック15枚入りのエキスパンションではあるが、独立型エキスパンションとしての機能はなく、ブロックを形成しない。このような古いエキスパンションを総称して俗に「オールドエキスパンション」と呼ぶ。
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#*※ブロックの第1セットではない、変則的な大型エキスパンション。
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#'''2015秋~[[2016年]]春 [[戦乱のゼンディカー・ブロック]]''' ([[戦乱のゼンディカー]]、[[ゲートウォッチの誓い]])
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#'''2016春~2016年秋 [[イニストラードを覆う影ブロック]]''' ([[イニストラードを覆う影]]、[[異界月]])
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#'''2016秋~[[2017年]]春 [[カラデシュ・ブロック]]''' ([[カラデシュ]]、[[霊気紛争]])
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#'''2017春~2017年秋 [[アモンケット・ブロック]]''' ([[アモンケット]]、[[破滅の刻]])
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#'''2017秋~[[2018年]]春 [[イクサラン・ブロック]]''' ([[イクサラン]]、[[イクサランの相克]])
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アイスエイジ以前のエキスパンション([[アラビアンナイト]]~[[フォールン・エンパイア]])と、アイスエイジ・ブロックから離脱したホームランドには、ブロックという概念は無い。このような古いエキスパンションを総称して俗に「'''オールドエキスパンション'''」と呼ぶ。
  
 
== 参考 ==
 
== 参考 ==
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<references />
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/playing-blocks-2009-12-07 Playing With Blocks]/[http://web.archive.org/web/20180123190051/http://archive.mtg-jp.com/reading/translated/002103/ ブロックで遊ぼう(Internet Archive)](文:[[Mark Rosewater]])
 +
*[[ブロック構築]]
 +
*[[ローテーション]]
 
*[[サイクル#ブロック|サイクル]]
 
*[[サイクル#ブロック|サイクル]]
 
*[[カードセット一覧]]
 
*[[カードセット一覧]]
 
*[http://mtg-jp.com/reading/translated/002103/ ブロックで遊ぼう]/[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/68 Playing With Blocks](文:[[Mark Rosewater]])
 

2022年8月12日 (金) 03:23時点における最新版

ブロックBlock)は、1年間または半年間のあいだに発売される共通のテーマやストーリーを持ったエキスパンション群の総称。

目次

[編集] 概要

新たなブロックの第1セットは大型エキスパンションである。そのエキスパンションの名前(またはその一部)を取って「~ブロック」と呼ぶ。

  • かつてはサイクルとも呼ばれ、ブロックごとにそのストーリーやイメージにちなんだ名称が与えられていた。

そこに続編・拡張セットである小型エキスパンションが加わり、2セット(タルキール覇王譚ブロック以前は3セット)で1つのブロックが構成される。

ブロックの大型エキスパンションには必ず、基本土地や各種基本的な効果を持つカード(一例としては帰化/Naturalizeやその亜種)が収録される。これにより、「エンチャント破壊するカードが1枚も存在しない」などの理由で戦略が制限されることは起こりにくい。1つのブロックに含まれるカードのみでデッキを構築する「ブロック構築」というフォーマットが成立していたほか、スタンダードに代表されるローテーションを行う構築フォーマットもブロックと強い関係がある。

[編集] 変遷

ブロック制の前夜には大型独立セット1つ+拡張小型セット1つという形式が計画され、実際にアイスエイジアライアンスミラージュビジョンズはこの方式でデザインされた。しかしミラージュの発売に前後して3セット1ブロック制に決まり、ミラージュ・ブロックの最終エキスパンションとしてウェザーライトが付け加えられ、アイスエイジ・ブロックにはホームランドが編入された。

その後は長らく「大(10月)→小(翌年2月)→小(翌年6月)」の1+2エキスパンションで構成される基本が守られてきたが、1年間に1ブロック3セット+基本セットを発売する構造にはストーリー展開の遅れ、第3セットの設計の難しさなどの問題も指摘されており、ローウィン=シャドウムーア・ブロック以降は「大→小→/大→小」の2+2形式や大→小→大の2+1形式も変則型も実験された。

特に2006年2008年は発売されるエキスパンションが4つであったため、

ディセンションは5月に、コールドスナップは7月に発売された。
シャドウムーアは5月に、イーブンタイドは7月に発売された。

2015年の戦乱のゼンディカー・ブロック以降は大+小の2セット1ブロック形式になり、それに伴いマジック・オリジンを最後に基本セットは廃止、1年間に2ブロック4エキスパンションを発売する2ブロック制に変更された[1]

2018年春から、スタンダードで使用可能なカード・セットがすべて大型セットとなり、ブロックという概念は廃止となった[2]。これに伴いブロック構築も廃止となった[3]

[編集] ブロック一覧

2017年9月現在、以下のブロックが存在する。

  1. 19951996年 アイスエイジ・ブロック(アイスエイジ・サイクル) (アイスエイジホームランド、アライアンスコールドスナップ
    • 2006年8月にホームランドが離脱しコールドスナップと置き換わった。
  2. 1996~1997年 ミラージュ・ブロック(ミラージュ・サイクル) (ミラージュビジョンズウェザーライト
  3. 1997~1998年 テンペスト・ブロック(ラース・サイクル) (テンペストストロングホールドエクソダス
  4. 1998~1999年 ウルザ・ブロック(アーティファクト・サイクル) (ウルザズ・サーガウルザズ・レガシーウルザズ・デスティニー
  5. 1999~2000年 マスクス・ブロック(マスカレイド・サイクル) (メルカディアン・マスクスネメシスプロフェシー
  6. 2000~2001年 インベイジョン・ブロック (インベイジョンプレーンシフトアポカリプス
  7. 2001~2002年 オデッセイ・ブロック (オデッセイトーメントジャッジメント
  8. 2002~2003年 オンスロート・ブロック (オンスロートレギオンスカージ
  9. 2003~2004年 ミラディン・ブロック (ミラディンダークスティールフィフス・ドーン
  10. 2004~2005年 神河ブロック (神河物語神河謀叛神河救済
  11. 2005~2006年 ラヴニカ・ブロック (ラヴニカ:ギルドの都ギルドパクトディセンション
  12. 2006~2007年 時のらせんブロック (時のらせん次元の混乱未来予知
  13. 2007~2008年 ローウィン=シャドウムーア・ブロック
  14. 2008~2009年 アラーラの断片ブロック (アラーラの断片コンフラックスアラーラ再誕
  15. 2009~2010年 ゼンディカー・ブロック (ゼンディカーワールドウェイクエルドラージ覚醒※)
  16. 2010~2011年 ミラディンの傷跡ブロック (ミラディンの傷跡ミラディン包囲戦新たなるファイレクシア
  17. 2011~2012年 イニストラード・ブロック (イニストラード闇の隆盛アヴァシンの帰還※)
  18. 2012~2013年 ラヴニカへの回帰ブロック (ラヴニカへの回帰ギルド門侵犯※、ドラゴンの迷路
  19. 2013~2014年 テーロス・ブロック (テーロス神々の軍勢ニクスへの旅
  20. 2014~2015年 タルキール覇王譚ブロック (タルキール覇王譚運命再編タルキール龍紀伝※)
    • ※ブロックの第1セットではない、変則的な大型エキスパンション。
  21. 2015秋~2016年春 戦乱のゼンディカー・ブロック (戦乱のゼンディカーゲートウォッチの誓い
  22. 2016春~2016年秋 イニストラードを覆う影ブロック (イニストラードを覆う影異界月
  23. 2016秋~2017年春 カラデシュ・ブロック (カラデシュ霊気紛争
  24. 2017春~2017年秋 アモンケット・ブロック (アモンケット破滅の刻
  25. 2017秋~2018年春 イクサラン・ブロック (イクサランイクサランの相克

アイスエイジ以前のエキスパンション(アラビアンナイトフォールン・エンパイア)と、アイスエイジ・ブロックから離脱したホームランドには、ブロックという概念は無い。このような古いエキスパンションを総称して俗に「オールドエキスパンション」と呼ぶ。

[編集] 参考

  1. Metamorphosis/変身
  2. Metamorphosis 2.0/変身2.0
  3. April Magic Tournament Rules Release Notes/4月マジックイベント規定リリースノート
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