シュナイダーポックス

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'''シュナイダーポックス'''(''Schneider Pox'')は、[[Jay Schneider]]が考案した[[悪疫/Pox]]を主軸とした[[黒コントロール]][[デッキ]]。
 
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[[Jay Schneider]]が考案した[[悪疫/Pox]]を主軸とした[[黒コントロール]][[デッキ]]。
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[[ミラージュ・ブロック]][[テンペスト・ブロック]]期に活躍。
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==テンペスト・ブロック期==
基本的戦略は、[[アドバンテージ]]を生み出すカードを多用して相手より多くの[[リソース]]を展開し、自分の[[リソース]]が残る程度に[[悪疫/Pox]]を[[プレイ]]し、残った[[リソース]]か早い[[リカバリー]]によって勝利することである。
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[[ミラージュ・ブロック]][[テンペスト・ブロック]]期の[[スタンダード]]、および同時期の[[エクステンデッド]]で活躍。基本的戦略は、[[アドバンテージ]]を生み出す[[カード]]を多用して[[対戦相手]]より多くの[[リソース]]を[[展開]]し、自分のリソースが残る程度に[[悪疫/Pox]]を[[唱える|唱え]]、残ったリソースか早い[[リカバリー]]によって[[勝利]]することである。
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アドバンテージを得る手段として、[[呆然/Stupor]]などの[[手札破壊]]、[[悪魔の布告/Diabolic Edict]]などの[[除去]]、ユーティリティー的な動きをする[[葬送の魔除け/Funeral Charm]]、また一部では[[マナ・アドバンテージ]]を取るために[[涙の雨/Rain of Tears]]や[[押し寄せる砂/Choking Sands]]などの[[土地破壊]]が採用された。
  
[[アドバンテージ]]を得る手段として、[[呆然/Stupor]]などの[[手札破壊]]、[[悪魔の布告/Diabolic Edict]]などの[[除去]]、ユーティリティー的な動きをする[[葬送の魔除け/Funeral Charm]]、また一部で[[マナ・アドバンテージ]]を取るため[[涙の雨/Rain of Tears]]、[[押し寄せる砂/Choking Sands]]などの[[土地破壊]]が採用された。
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悪疫は[[エンチャント]]、[[アーティファクト]]には影響を及ぼさないため、アーティファクトやエンチャントを多用する。
  
[[悪疫/Pox]]は[[エンチャント]]、[[アーティファクト]]には影響を及ぼさない為、アーティファクトやエンチャントを多用する。
 
 
*[[マナ加速]]のために[[モックス・ダイアモンド/Mox Diamond]]や[[炭色のダイアモンド/Charcoal Diamond]]などの[[マナ・アーティファクト]]。
 
*[[マナ加速]]のために[[モックス・ダイアモンド/Mox Diamond]]や[[炭色のダイアモンド/Charcoal Diamond]]などの[[マナ・アーティファクト]]。
*ダメージソースとして、[[持たざる者の檻/Paupers' Cage]]、[[煮沸ばさみ/Scalding Tongs]]、[[呪われた巻物/Cursed Scroll]]。
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*[[ダメージソース]]として、[[持たざる者の檻/Paupers' Cage]]、[[煮沸ばさみ/Scalding Tongs]]、[[呪われた巻物/Cursed Scroll]]。
 
*[[ロック]]要素として、[[罠の橋/Ensnaring Bridge]]、[[底なしの奈落/Bottomless Pit]]、[[無のブローチ/Null Brooch]]。
 
*[[ロック]]要素として、[[罠の橋/Ensnaring Bridge]]、[[底なしの奈落/Bottomless Pit]]、[[無のブローチ/Null Brooch]]。
  
などが採用された。
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などが採用された。特に、罠の橋と無のブローチで対戦相手をロックし、呪われた巻物で攻める[[デッキ]]を[[エンプティ・ハンドロック]]と呼ぶ。
  
特に、[[罠の橋/Ensnaring Bridge]][[無のブローチ/Null Brooch]]で相手を[[ロック]]し、[[呪われた巻物/Cursed Scroll]]で攻撃する[[デッキ]]を[[エンプティ・ハンドロック]]と呼ぶ。
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また、[[ダンシング・ノーム]]と組み合わせ、悪疫で減少した[[ライフ]][[クリーチャー]]のアドバンテージを得るデッキも存在した。
<!--  あってますか?違っていたら修正願います。
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  エンプティ・ハンドロックの説明は、無のブローチより拝借しました。
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  スラッシュ・スクロールとの区別が分かりません。詳しい方フォロー願います。
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細かな相違点はあれど同じだったと思います。 -->
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また、[[ダンシング・ノーム]]と組み合わせ、[[悪疫/Pox]][[プレイ]]にて低減した[[ライフ]][[クリーチャー]][[アドバンテージ]]を得る[[デッキ]]も存在した。
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序盤の[[手札破壊]]のため、当時の[[コンボデッキ]][[コントロール (デッキ)|コントロールデッキ]]などの低速のデッキに対して有利であった。除去にも特化しているため、当時の[[5CG]]、[[5CB]]等にも比較的耐性があった。しかし、序盤に[[クリーチャー]]を大量展開する[[スーサイドブラック]]や[[スライ]]などには除去が追いつかず、また悪疫を打つ[[デッキ]]の定めとして[[バーン]]には非常にもろかった。そのため[[鋼のゴーレム/Steel Golem]]を2,3枚入れたバージョンもある。
  
序盤の[[手札破壊]]の為、当時の[[コンボ]]や[[コントロール]]などの低速の[[デッキ]]に対して有利であった。
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さらに、上記のエンプティ・ハンドロックなど、エンチャントやアーティファクトによる[[コントロール (ゲーム用語)|コントロール]]を主軸に置くデッキの場合、エンチャントやアーティファクトの大量破壊に非常にもろい。
[[除去]]にも特化している為、当時の[[5CG]]、[[5CB]]等にも比較的耐性があった。
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しかし、序盤に[[クリーチャー]]を大量展開する、[[スーサイドブラック]]や[[スライ]]などには[[除去]]が追いつかず、また、[[悪疫/Pox]]を打つ[[デッキ]]の定めとして、[[バーン]]には非常に脆かった。
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そのため[[鋼のゴーレム/Steel Golem]]を2〜3枚入れたバージョンもある。
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さらに、上記の[[エンプティ・ハンドロック]]など、[[エンチャント]][[アーティファクト]]による[[コントロール]]を主軸に置く[[デッキ]]の場合、[[エンチャント]]や[[アーティファクト]]の大量破壊に非常に脆い。
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[[ウルザ・ブロック]]登場後は、[[MoMa]]の台頭により鳴りを潜め、その後[[第6版]]に悪疫が採用されなかったことから[[スタンダード]]より完全に姿を消した。
  
[[ウルザ・ブロック]]登場後は、[[MoMa]]の台頭により鳴りを潜め、その後[[第6版]]に[[悪疫/Pox]]が採用されなかったことから[[スタンダード]]より完全に姿を消した。
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*[[デスクラウド]]の祖先といえるデッキ。
 
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*MTG漫画『[[デュエルファイター刃]]』で主人公のライバルが決勝戦で使用したデッキがこれであり、その知名度を一気に高めた。
現在は、[[エターナル]]でしか見られないが、[[時のらせん]]にて[[小悪疫/Smallpox]]が登場。
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それにより「8Pox」体制が可能となり、[[レガシー]]では細々と復活してきている。
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*[[デスクラウド]]の祖先といえる[[デッキ]]であろう。
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*MTG漫画[[デュエルファイター刃]]で主人公のライバルが決勝戦で使用したデッキも
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これであり、その知名度を一気に高めた。
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<!--  トーナメント実績ご存知の方フォロー願います。  
 
<!--  トーナメント実績ご存知の方フォロー願います。  
  [[Michel Long]]氏が98年インビテーショナルで5位。他にもあるはずです。 -->
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  [[Mike Long]]氏が98年インビテーショナルで5位。他にもあるはずです。 -->
 
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==サンプルレシピ==
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===サンプルレシピ===
 
*備考
 
*備考
**[[世界選手権99]] [[エクステンデッド]]部門 ベスト8([http://www.wizards.com/sideboard/article.asp?x=WORLDS99/welcome 参考])
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**[[世界選手権99]] [[エクステンデッド]]部門 ベスト8 ([http://www.wizards.com/sideboard/article.asp?x=WORLDS99/welcome 参考])
 
**使用者:[[Royce Chai]]
 
**使用者:[[Royce Chai]]
 
*[[フォーマット]]
 
*[[フォーマット]]
**[[エクステンデッド]]([[リバイズド]][[第6版]]、[[ザ・ダーク]][[ウルザズ・デスティニー]])
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**[[エクステンデッド]]([[リバイズド・エディション]][[第6版]]、[[ザ・ダーク]][[ウルザズ・デスティニー]])
  
 
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*[[エクステンデッド]]タイプのデッキ。
 
*[[エクステンデッド]]タイプのデッキ。
 
*[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]を活かすために[[ウルザのガラクタ/Urza's Bauble]]が投入されている。
 
*[[ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will]]を活かすために[[ウルザのガラクタ/Urza's Bauble]]が投入されている。
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==レガシー==
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現在は、[[エターナル]]でしか見られなくなってしまったこの[[デッキ]]だが、[[時のらせん]]にて[[小悪疫/Smallpox]]が登場。それにより「8Pox」体制が可能となり、[[レガシー]]で復活している。単に'''ポックス'''(''Pox'')と呼ばれることが多い。
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{{#card:Smallpox}}
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黒コントロール系の総力を結集したような、昔からの[[アーキタイプ]]のレガシー版のデッキにおいて見られる「総力戦」的な構成である。軽い優良カードがひしめくレガシーでは、[[手札破壊]]や[[クリーチャー]][[除去]]だけだとジリ貧になり、1枚で簡単に切り返されてしまう場合も多いため、[[土地破壊]]を中心にマナ基盤を攻め、相手に何もさせないようにしていく傾向が強い。
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採用されるカードの傾向は以下の通り
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;手札破壊
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:[[トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach]]、[[思考囲い/Thoughtseize]]、[[強迫/Duress]]など。[[環境]]の定番[[軽量]]手札破壊が用いられる。
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:[[ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil]]のように、継続的な手札破壊が可能なカードもよく採用される。
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;[[クリーチャー]][[除去]]
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:「8Pox」、[[無垢の血/Innocent Blood]]など。クリーチャーを出さず出させない傾向が強いため、除去耐性を無視しやすい[[布告]]系除去が多い。
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:[[ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil]]や[[The Abyss]]のような継続的なクリーチャー除去ができるカードもよく採用される。
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;土地破壊
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:「8Pox」、[[陥没孔/Sinkhole]]、[[不毛の大地/Wasteland]]など。アドバンテージを得づらいこのデッキでは、そもそも相手が行動を開始できないようにする必要がある。
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;行動にマナコストを要求するカード
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:[[Nether Void]]、[[The Tabernacle at Pendrell Vale]]など。土地破壊とあわせることで相手の行動を封じ、リカバリーをより難しくする。
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;[[アタッカー]]
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:[[冥界のスピリット/Nether Spirit]]、[[恐血鬼/Bloodghast]]、[[キマイラ像/Chimeric Idol]]、[[ファイレクシアのトーテム像/Phyrexian Totem]]、[[ミシュラの工廠/Mishra's Factory]]など。「8pox」の影響が小さく、維持・出しなおしが容易なものが選ばれる。
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:相手がリカバリーできない内に速やかに勝負を決めるため、[[墓忍び/Tombstalker]]や[[ニヒリス/Nihilith]]など、デッキの構成と相性がよい高火力アタッカーが用いられることもある。
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;その他
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:自身の[[リカバリー]]に役立つとともに[[不毛の大地/Wasteland]]や[[フェッチランド]]の再利用もできる[[世界のるつぼ/Crucible of Worlds]]はよく使われる。
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[[白]]を加えて、最強の除去こと[[剣を鍬に/Swords to Plowshares]]や万能除去の[[名誉回復/Vindicate]]を加えたり、[[悟りの教示者/Enlightened Tutor]]による[[シルバーバレット]]を取り入れたりして、柔軟な対応ができる構成にしたタイプも多い。
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土地については不毛の大地やミシュラの工廠を使うことから[[ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth]]が用いられることが多い。また、マナ不足を防げる[[ダクムーアの回収場/Dakmor Salvage]]も利用価値が高い。
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その他、緑を足して[[壌土からの生命/Life from the Loam]]と[[モックス・ダイアモンド/Mox Diamond]]、[[突然の衰微/Abrupt Decay]]で対処範囲を広げたタイプや、軽い小悪疫の方だけを採用した、いわば「Poxless Pox」など、好みや[[メタゲーム|メタ]]によって選択するカードに幅があるのもこのデッキの特徴といえる。
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後には、小悪疫やリリアナで自身の手札も捨てることに着目して、[[リアニメイト#レガシー|リアニメイト]]と[[ハイブリッド]]した「ポックスリアニメイト」タイプも登場した。
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===サンプルレシピ===
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*備考
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**[[StarCityGames.com#StarCityGames.com Open Series|StarCityGames.com Legacy Open]] Invitational 2011/12/11 Charlotte レガシー部門 5-1-1 ([http://www.starcitygames.com/events/20111211_invicharlotte.html 参考])
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**使用者:[[Reid Duke]]
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*[[フォーマット]]
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**[[レガシー]](~[[イニストラード]])
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{{#MagicFactory:df312089}}
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===ポックスリアニメイト===
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*備考
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**Hareruya Legacy Cup 2014/11/16 #4 ([https://www.hareruyamtg.com/ja/deck/81655/show/ 参考])
 +
**使用者:Shimizu Ryuu
 +
*[[フォーマット]]
 +
**[[レガシー]](~[[統率者2014]])
 +
 +
{{#MagicFactory:df319788}}
 +
*[http://www.bigmagic.net/news/0114.html 石田弘による解説]も参照。
  
 
==参考==
 
==参考==
 
*[[デッキ集]]
 
*[[デッキ集]]
 +
 +
[[Category:黒単色デッキ|しゆないたあほつくす]]
 +
[[Category:コントロールデッキ|しゆないたあほつくす]]
 +
[[Category:黒単コントロールデッキ|しゆないたあほつくす]]
 +
[[Category:テンペスト・ブロックを含むスタンダードデッキ|しゆないたあほつくす]]
 +
[[Category:黎明期のエクステンデッドデッキ|しゆないたあほつくす]]
 +
[[Category:レガシーデッキ|しゆないたあほつくす]]

2020年4月13日 (月) 15:06時点における最新版

シュナイダーポックス(Schneider Pox)は、Jay Schneiderが考案した悪疫/Poxを主軸とした黒コントロールデッキ


Pox / 悪疫 (黒)(黒)(黒)
ソーサリー

各プレイヤーは、自分のライフの端数を切り上げた3分の1を失う。その後各プレイヤーは自分の手札にあるカードの端数を切り上げた3分の1を捨てる。その後各プレイヤーは自分がコントロールするクリーチャーの端数を切り上げた3分の1を生け贄に捧げる。その後各プレイヤーは自分がコントロールする土地の端数を切り上げた3分の1を生け贄に捧げる。


目次

[編集] テンペスト・ブロック期

ミラージュ・ブロックテンペスト・ブロック期のスタンダード、および同時期のエクステンデッドで活躍。基本的戦略は、アドバンテージを生み出すカードを多用して対戦相手より多くのリソース展開し、自分のリソースが残る程度に悪疫/Pox唱え、残ったリソースか早いリカバリーによって勝利することである。

アドバンテージを得る手段として、呆然/Stuporなどの手札破壊悪魔の布告/Diabolic Edictなどの除去、ユーティリティー的な動きをする葬送の魔除け/Funeral Charm、また一部ではマナ・アドバンテージを取るために涙の雨/Rain of Tears押し寄せる砂/Choking Sandsなどの土地破壊が採用された。

悪疫はエンチャントアーティファクトには影響を及ぼさないため、アーティファクトやエンチャントを多用する。

などが採用された。特に、罠の橋と無のブローチで対戦相手をロックし、呪われた巻物で攻めるデッキエンプティ・ハンドロックと呼ぶ。

また、ダンシング・ノームと組み合わせ、悪疫で減少したライフクリーチャーのアドバンテージを得るデッキも存在した。

序盤の手札破壊のため、当時のコンボデッキコントロールデッキなどの低速のデッキに対して有利であった。除去にも特化しているため、当時の5CG5CB等にも比較的耐性があった。しかし、序盤にクリーチャーを大量展開するスーサイドブラックスライなどには除去が追いつかず、また悪疫を打つデッキの定めとしてバーンには非常にもろかった。そのため鋼のゴーレム/Steel Golemを2,3枚入れたバージョンもある。

さらに、上記のエンプティ・ハンドロックなど、エンチャントやアーティファクトによるコントロールを主軸に置くデッキの場合、エンチャントやアーティファクトの大量破壊に非常にもろい。

ウルザ・ブロック登場後は、MoMaの台頭により鳴りを潜め、その後第6版に悪疫が採用されなかったことからスタンダードより完全に姿を消した。

[編集] サンプルレシピ

メインデッキ (60)
クリーチャー (3)
3 鋼のゴーレム/Steel Golem
インスタント・ソーサリー (24)
4 暗黒の儀式/Dark Ritual
2 Demonic Consultation
3 悪魔の布告/Diabolic Edict
4 強迫/Duress
3 葬送の魔除け/Funeral Charm
4 トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach
2 悪疫/Pox
2 ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will
エンチャント・アーティファクト (11)
3 呪われた巻物/Cursed Scroll
4 拷問台/The Rack
4 ウルザのガラクタ/Urza's Bauble
土地 (22)
3 ミシュラの工廠/Mishra's Factory
4 不毛の大地/Wasteland
15 沼/Swamp
サイドボード
2 砂のゴーレム/Sand Golem
3 ボトルのノーム/Bottle Gnomes
3 底なしの奈落/Bottomless Pit
2 トーモッドの墓所/Tormod's Crypt
1 ヨーグモスの意志/Yawgmoth's Will
1 恐怖/Terror
1 葬送の魔除け/Funeral Charm
2 Dystopia

[編集] レガシー

現在は、エターナルでしか見られなくなってしまったこのデッキだが、時のらせんにて小悪疫/Smallpoxが登場。それにより「8Pox」体制が可能となり、レガシーで復活している。単にポックス(Pox)と呼ばれることが多い。


Smallpox / 小悪疫 (黒)(黒)
ソーサリー

各プレイヤーは1点のライフを失い、カードを1枚捨て、クリーチャーを1体生け贄に捧げ、その後土地を1つ生け贄に捧げる。



Tombstalker / 墓忍び (6)(黒)(黒)
クリーチャー — デーモン(Demon)

飛行
探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)

5/5

黒コントロール系の総力を結集したような、昔からのアーキタイプのレガシー版のデッキにおいて見られる「総力戦」的な構成である。軽い優良カードがひしめくレガシーでは、手札破壊クリーチャー除去だけだとジリ貧になり、1枚で簡単に切り返されてしまう場合も多いため、土地破壊を中心にマナ基盤を攻め、相手に何もさせないようにしていく傾向が強い。

採用されるカードの傾向は以下の通り

手札破壊
トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach思考囲い/Thoughtseize強迫/Duressなど。環境の定番軽量手札破壊が用いられる。
ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veilのように、継続的な手札破壊が可能なカードもよく採用される。
クリーチャー除去
「8Pox」、無垢の血/Innocent Bloodなど。クリーチャーを出さず出させない傾向が強いため、除去耐性を無視しやすい布告系除去が多い。
ヴェールのリリアナ/Liliana of the VeilThe Abyssのような継続的なクリーチャー除去ができるカードもよく採用される。
土地破壊
「8Pox」、陥没孔/Sinkhole不毛の大地/Wastelandなど。アドバンテージを得づらいこのデッキでは、そもそも相手が行動を開始できないようにする必要がある。
行動にマナコストを要求するカード
Nether VoidThe Tabernacle at Pendrell Valeなど。土地破壊とあわせることで相手の行動を封じ、リカバリーをより難しくする。
アタッカー
冥界のスピリット/Nether Spirit恐血鬼/Bloodghastキマイラ像/Chimeric Idolファイレクシアのトーテム像/Phyrexian Totemミシュラの工廠/Mishra's Factoryなど。「8pox」の影響が小さく、維持・出しなおしが容易なものが選ばれる。
相手がリカバリーできない内に速やかに勝負を決めるため、墓忍び/Tombstalkerニヒリス/Nihilithなど、デッキの構成と相性がよい高火力アタッカーが用いられることもある。
その他
自身のリカバリーに役立つとともに不毛の大地/Wastelandフェッチランドの再利用もできる世界のるつぼ/Crucible of Worldsはよく使われる。

を加えて、最強の除去こと剣を鍬に/Swords to Plowsharesや万能除去の名誉回復/Vindicateを加えたり、悟りの教示者/Enlightened Tutorによるシルバーバレットを取り入れたりして、柔軟な対応ができる構成にしたタイプも多い。

土地については不毛の大地やミシュラの工廠を使うことからヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmothが用いられることが多い。また、マナ不足を防げるダクムーアの回収場/Dakmor Salvageも利用価値が高い。

その他、緑を足して壌土からの生命/Life from the Loamモックス・ダイアモンド/Mox Diamond突然の衰微/Abrupt Decayで対処範囲を広げたタイプや、軽い小悪疫の方だけを採用した、いわば「Poxless Pox」など、好みやメタによって選択するカードに幅があるのもこのデッキの特徴といえる。

後には、小悪疫やリリアナで自身の手札も捨てることに着目して、リアニメイトハイブリッドした「ポックスリアニメイト」タイプも登場した。

[編集] サンプルレシピ

Pox (Legacy) [1]
土地 (25)
4 ミシュラの工廠/Mishra's Factory
4 不毛の大地/Wasteland
4 ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth
13 沼/Swamp
クリーチャー (2)
2 冥界のスピリット/Nether Spirit
呪文 (33)
4 暗黒の儀式/Dark Ritual
4 トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach
4 コジレックの審問/Inquisition of Kozilek
4 陥没孔/Sinkhole
4 小悪疫/Smallpox
4 ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil
3 無垢の血/Innocent Blood
3 呪われた巻物/Cursed Scroll
1 闇の旋動/Spinning Darkness
1 悪疫/Pox
1 Nether Void
サイドボード (15)
4 仕組まれた疫病/Engineered Plague
2 真髄の針/Pithing Needle
2 虚空の力線/Leyline of the Void
2 根絶/Extirpate
2 闇の旋動/Spinning Darkness
2 非業の死/Perish
1 The Abyss


[編集] ポックスリアニメイト

Pox Reanimator [2]
土地 (22)
1 ヨーグモスの墳墓、アーボーグ/Urborg, Tomb of Yawgmoth
1 ミシュラの工廠/Mishra's Factory
3 不毛の大地/Wasteland
17 沼/Swamp
クリーチャー (6)
1 核の占い師、ジン=ギタクシアス/Jin-Gitaxias, Core Augur
1 大修道士、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Grand Cenobite
1 グリセルブランド/Griselbrand
1 エメリアの盾、イオナ/Iona, Shield of Emeria
1 灰燼の乗り手/Ashen Rider
1 墓所のタイタン/Grave Titan
呪文 (32)
4 ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil
4 動く死体/Animate Dead
4 小悪疫/Smallpox
4 トーラックへの賛歌/Hymn to Tourach
4 思考囲い/Thoughtseize
4 再活性/Reanimate
4 納墓/Entomb
4 暗黒の儀式/Dark Ritual
サイドボード (15)
3 無垢の血/Innocent Blood
1 陰謀団の先手ブレイズ/Braids, Cabal Minion
3 虚空の力線/Leyline of the Void
2 仕組まれた疫病/Engineered Plague
1 ワームとぐろエンジン/Wurmcoil Engine
3 漸増爆弾/Ratchet Bomb
2 真髄の針/Pithing Needle

[編集] 参考

QR Code.gif