黒死病/Pestilence

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[[黒]]の「すべての[[クリーチャー]]と[[プレイヤー]]に[[ダメージ]]」という[[呪文]]や[[能力]]の中でも、最も古くから存在している[[カード]][[第6版]]までは[[皆勤賞]]であった。
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「すべての[[クリーチャー]]と[[プレイヤー]]に[[ダメージ]]」という[[呪文]]や[[能力]]の中でも、最古の[[カード]]の1つ。[[第6版]]までは[[皆勤賞]]であった。
  
[[システムクリーチャー]]をまとめて[[除去]]できるだけでなく、いざとなればプレイヤーへのとどめにも使える便利な[[エンチャント]]。その分ちょっと[[重い]]のが難点。
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[[タフネス]]のクリーチャーをまとめて[[除去]]できるだけでなく、いざとなれば[[対戦相手]]にとどめを刺す[[エンドカード]]としても使用できる。
  
使えば使うほどクリーチャーが減って維持が難しくなるので、使いすぎには注意。[[タフネス]]の大きいクリーチャーや[[プロテクション]](黒)持ちを用意してもよい。[[ミシュラランド]]を使うという手もある。[[ぬいぐるみ人形/Stuffy Doll]]を使えば一石二鳥。
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[[生け贄に捧げる]]」の[[ペナルティ能力]]は[[終了ステップ]]開始時にクリーチャーがいない[[場合]]に[[誘発]]し、[[解決]]時に再度チェックが入る([[if節ルール]])。そのため、様々な抜け道がある。
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*例1:[[プロテクション]]([[黒]])持ち、[[破壊不能]]持ち、高タフネスのクリーチャーを用意する。
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*例2:[[終了ステップ]]のチェック時にクリーチャーが[[戦場]]に存在してさえいればよいので、それが例え「[[ターン終了時まで]][[クリーチャー化]]した[[パーマネント]]」であっても構わない。例えば[[ミシュラランド]]等。
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*例3:対戦相手の終了ステップ中に[[起動]]する。その結果もしクリーチャーがいなくなったとしても、「終了ステップの開始時」は既に過ぎているため、生け贄には捧げられずに自分の[[ターン]]を迎えられる。その後、自分のターン中で新たなクリーチャーを戦場に出せばよい。
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*例4:「終了ステップ開始時に戦場に[[戻す|戻る]]能力」を持ったクリーチャーと組み合わせる。
  
プレイヤー自身の[[ライフ]]の維持としては[[黒の防御円/Circle of Protection: Black]]や[[ウルザの鎧/Urza's Armor]]が使用される場合が多い。
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プレイヤー自身の[[ライフ]]への被害を抑える方法としては、[[黒の防御円/Circle of Protection: Black]]や[[ウルザの鎧/Urza's Armor]]が使用される場合が多い。
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*なお[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]の[[総合ルール|ルール]]が整理中だった黎明期において、この手のカードは[[起動コスト]]を「一括[[支払う|払い]]」する事により、[[ダメージ]]もまた「一塊」扱いする事ができた。例えばこれの場合「[[黒マナ]]3点を一気に支払う事で全体に3点のダメージ。」という事ができた。そのため、[[防御円]]での[[軽減]]や[[誘発型能力]]の[[誘発]]に関わる差が生まれていた。もちろん、現ルールにおいてその様な行為は不可能である。
  
*[[ターン終了ステップ]]のチェック時にクリーチャーが[[]]に存在していれば、たとえそれが「[[ターン終了時まで]][[クリーチャー]]であるような[[パーマネント]]であっても、このペナルティを回避できる。
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低タフネスのクリーチャー群を壊滅させる点、相手の増援や厄介な[[システムクリーチャー]]の滞在を許さない点、繰り返し使用可能な点、エンドカードに成り得る点。これら4点は[[リミテッド]]において非常に強力過ぎた。登場当初から[[コモン]]で登場し続けていたが、リミテッドにおけるゲームバランスが考慮され、[[第6版]]では[[アンコモン]]となった。また、後述する関連カードの[[レアリティ]]もアンコモン以上である場合が多い。
*大昔[[マジック:ザ・ギャザリング|マジック]]のルールが不安定だった時代は、この手のカードは[[起動コスト]]をまとめて払って[[ダメージ]]も「一塊」で扱うことができた。そのため、例えばこれの場合、[[]]3[[マナ]]を一気に[[支払う]]ことで「全体に3ダメージ」ということができ、[[防御円]]での[[軽減]][[誘発型能力]]のトリガーに関わる差が生まれていた。もちろん現ルールではそんなことはできず、能力の[[起動]]は1回ずつである。
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**[[ビジョンズ]]でこの[[能力]]をもって登場した[[墓所のネズミ/Crypt Rats]]が出たあたりまでは旧書式であった。
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*[[第4版]]までの{{Gatherer|id=76}}はかなり不気味である。[[第5版]][[再録]]の折{{Gatherer|id=3869|新規イラスト}}を獲得。[[ウルザズ・サーガ]]及び[[バトルロイアル]]版の{{Gatherer|id=21149}}奥には、[[魔女エンジン/Witch Engine]]({{Gatherer|id=5836}})の姿が描かれている。
*英語名から分かるとおり、「黒死病」とは「ペスト」の日本語名。現実に多くの死者を出した有名な伝染病である。伝染病らしく、菌の感染者(クリーチャー)が存在しないと死滅する([[生け贄に捧げる]])というデザインになっている。
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*英語名から分かるとおり、「黒死病」とは[[Wikipedia:ja:ペスト|ペスト]]の日本語名。人類史上において億人超えの多大な死者を出した有名な伝染病である。「ペスト菌の感染者や媒介者(クリーチャー)が存在しなくなれば消え去る([[生け贄に捧げる]])」という効果は、モデルである伝染病を意識した[[トップダウン・デザイン]]だろう。
**これに由来してこのカードの俗称も「[[ペスト]]」であり、類似の[[効果]]を持つカードも同様に称される。ペストが類似効果の総称として使われるくらい、後に類似の効果を持つバリエーションがいくつも作られている。最も類似しているカードは[[Withering Wisps]]。能力で言えば[[のたうつウンパス/Thrashing Wumpus]]。
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**これに由来してこのカードの俗称も「[[ペスト]]」であり、類似の[[効果]]を持つカードも同様に称される。ペストが効果の総称として使われるくらい、類似効果を持つカードが後にいくつも作られている。
*[[第4版]]までの{{Gatherer|Pestilence|イラスト}}はかなり不気味である。
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*[[次元の混乱]]にて、[[赤]]の[[紅蓮炎血/Pyrohemia]]として[[タイムシフト]]
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==関連カード==
*この手のカードは、総じてリミテッドは強力。ウルザズ・サーガではコモンであったため、ウルザズ・サーガを含むリミテッドでは非常に良く見かけることとなった。リミテッドのゲームバランスを考慮したのか、6版ではアンコモンになった。
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===主な亜種===
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黒死病のように何回も[[起動]]可能な各クリーチャーと各プレイヤーへの全体火力を持つ[[黒]]の[[カード]]。特記しない限りエンチャントの起動型能力。ダメージが1回のみのものは[[乾きの呪文/Dry Spell]]を参照のこと。
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*[[Withering Wisps]] - 1[[マナ]]軽くなったが、[[コントロール]]している[[氷雪]][[沼]]の数までしか起動できない。(1)(黒)(黒)。([[アイスエイジ]])
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*[[墓所のネズミ/Crypt Rats]] - 1/1のクリーチャー。[[黒マナ]]の(X)で起動。(2)(黒)。([[ビジョンズ]])
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**[[保菌獣/Infected Vermin]] - 1/1のクリーチャー。(2)(黒)で起動。[[スレッショルド]]で3点ダメージに強化。(2)(黒)。([[オデッセイ]])
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*[[悪のただれ/Festering Evil]] - あなたのアップキープごとに誘発する。(黒)(黒)支払ってこれを生け贄に捧げて3点ダメージの起動もできる。(3)(黒)(黒)。([[ウェザーライト]])
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**[[疫病吐き/Plague Spitter]] - 2/2のクリーチャーになった悪のただれ。生け贄でなく[[PIG]]能力によって1点ダメージ。(2)(黒)。([[インベイジョン]]
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*[[のたうつウンパス/Thrashing Wumpus]] - 3/3のクリーチャー。(黒)で起動。(3)(黒)(黒)。([[メルカディアン・マスクス]])
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*[[有毒の原野/Noxious Field]] - エンチャント([[土地]])の[[オーラ]]版。起動にマナは不要だが[[タップ能力]]。(1)(黒)(黒)。([[プロフェシー]])
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*[[亡者の悲鳴/Screams of the Damned]] - (1)(黒)と[[墓地]]のカード1枚[[追放]]で起動。(3)(黒)(黒)。(オデッセイ)
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*[[最後の笑い/Last Laugh]] - 起動型能力でなく、これ以外のパーマネントが1つ戦場からいずれかの墓地に置かれるたび誘発する。(2)(黒)(黒)。([[トーメント]])
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*[[膿絡み/Festercreep]] - 0/0のクリーチャー。(1)(黒)とこれ自身の[[+1/+1カウンター]]を1つ取り除いて起動。(1)(黒)。(モーニングタイド)
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**[[執行の悪魔/Carnifex Demon]] - 6/6[[飛行]]持ちクリーチャー。[[-1/-1カウンター]]を他の各クリーチャーに置く。(黒)と自身の-1/-1カウンターを1つ取り除いて起動。(4)(黒)(黒)。([[ミラディンの傷跡]])
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**[[喧騒の指揮者/Conductor of Cacophony]] - 2/1のクリーチャー。(黒)とこれ自身の+1/+1カウンターを1つ取り除いて起動。(3)(黒)。([[ジャンプスタート2022]])
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*[[黒死病の悪魔/Pestilence Demon]] - 7/6の飛行持ちクリーチャー。 (黒)で起動。(5)(黒)(黒)(黒)。([[エルドラージ覚醒]])
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また、[[タイムシフト]]カードとして[[赤]]の[[紅蓮炎血/Pyrohemia]][[次元の混乱]])が存在する。
  
 
==参考==
 
==参考==
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*[[カード個別評価:第5版]] - [[コモン]]
 
*[[カード個別評価:第5版]] - [[コモン]]
 
*[[カード個別評価:第4版]] - [[コモン]]
 
*[[カード個別評価:第4版]] - [[コモン]]
*[[カード個別評価:リバイズド]] - [[コモン]]
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*[[カード個別評価:リバイズド・エディション]] - [[コモン]]
*[[カード個別評価:アンリミテッド]] - [[コモン]]
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*[[カード個別評価:アンリミテッド・エディション]] - [[コモン]]

2023年2月3日 (金) 06:34時点における最新版


Pestilence / 黒死病 (2)(黒)(黒)
エンチャント

終了ステップの開始時に、クリーチャーが戦場に存在しない場合、黒死病を生け贄に捧げる。
(黒):黒死病は、各クリーチャーと各プレイヤーにそれぞれ1点のダメージを与える。


「すべてのクリーチャープレイヤーダメージ」という呪文能力の中でも、最古のカードの1つ。第6版までは皆勤賞であった。

タフネスのクリーチャーをまとめて除去できるだけでなく、いざとなれば対戦相手にとどめを刺すエンドカードとしても使用できる。

生け贄に捧げる」のペナルティ能力終了ステップ開始時にクリーチャーがいない場合誘発し、解決時に再度チェックが入る(if節ルール)。そのため、様々な抜け道がある。

  • 例1:プロテクション)持ち、破壊不能持ち、高タフネスのクリーチャーを用意する。
  • 例2:終了ステップのチェック時にクリーチャーが戦場に存在してさえいればよいので、それが例え「ターン終了時までクリーチャー化したパーマネント」であっても構わない。例えばミシュラランド等。
  • 例3:対戦相手の終了ステップ中に起動する。その結果もしクリーチャーがいなくなったとしても、「終了ステップの開始時」は既に過ぎているため、生け贄には捧げられずに自分のターンを迎えられる。その後、自分のターン中で新たなクリーチャーを戦場に出せばよい。
  • 例4:「終了ステップ開始時に戦場に戻る能力」を持ったクリーチャーと組み合わせる。

プレイヤー自身のライフへの被害を抑える方法としては、黒の防御円/Circle of Protection: Blackウルザの鎧/Urza's Armorが使用される場合が多い。

  • なおマジックルールが整理中だった黎明期において、この手のカードは起動コストを「一括払い」する事により、ダメージもまた「一塊」扱いする事ができた。例えばこれの場合「黒マナ3点を一気に支払う事で全体に3点のダメージ。」という事ができた。そのため、防御円での軽減誘発型能力誘発に関わる差が生まれていた。もちろん、現ルールにおいてその様な行為は不可能である。

低タフネスのクリーチャー群を壊滅させる点、相手の増援や厄介なシステムクリーチャーの滞在を許さない点、繰り返し使用可能な点、エンドカードに成り得る点。これら4点はリミテッドにおいて非常に強力過ぎた。登場当初からコモンで登場し続けていたが、リミテッドにおけるゲームバランスが考慮され、第6版ではアンコモンとなった。また、後述する関連カードのレアリティもアンコモン以上である場合が多い。

[編集] 関連カード

[編集] 主な亜種

黒死病のように何回も起動可能な各クリーチャーと各プレイヤーへの全体火力を持つカード。特記しない限りエンチャントの起動型能力。ダメージが1回のみのものは乾きの呪文/Dry Spellを参照のこと。

また、タイムシフトカードとして紅蓮炎血/Pyrohemia次元の混乱)が存在する。

[編集] 参考

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