超過

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'''超過'''/''Overload''は、[[ラヴニカへの回帰]]で制定された[[キーワード能力]]。これは[[常在型能力]]である。
 
 
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'''超過'''(ちょうか)/''Overload''は、[[ラヴニカへの回帰]]で初登場した[[キーワード能力]]。これを持つ[[カード]]が[[スタック]]上にある間に機能する[[常在型能力]]2つからなる。
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==定義==
 
==定義==
「超過[コスト]」は、「あなたはこの[[呪文]]の[[マナ・コスト]]を[[支払う]]のではなく、[コスト]を支払ってもよい」および「この呪文の超過コストを支払うことにした場合、その文章欄に書かれた『[[対象|target]]』という語を『each』という語に変更する。」ということを意味する。これは[[文章変更効果]]である。
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'''超過''' [コスト]は以下の2つの常在型能力からなる。
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*[[あなた]]はこの[[呪文]]の[[マナ・コスト]]を[[支払う]]のではなく、[コスト]を支払ってもよい。
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*この呪文の超過コストを支払うことにした場合、その[[文章欄]]に書かれた「[[対象|target]]」という語すべてを「each」という語に変更する。([[文章変更効果]]
  
 
日本語版は文法の関係で理解しにくいため、[[注釈文]]に変更後の[[効果]]がそのまま書いてある。
 
日本語版は文法の関係で理解しにくいため、[[注釈文]]に変更後の[[効果]]がそのまま書いてある。
  
 
==解説==
 
==解説==
ラヴニカへの回帰で[[イゼット団/The Izzet]]に割り振られたキーワード。単体への呪文の効果が全体へと拡大する直感的にわかりやすいが大胆な能力。[[放射/Radiate]]内蔵とも言える。
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ラヴニカへの回帰で[[イゼット団/The Izzet]]に割り振られたキーワード。単体への呪文の効果が全体へと拡大する、直感的にわかりやすいが大胆な[[能力]]。[[ドラゴンの迷路]]、[[統率者2015]]、[[モダンホライゾン]]、[[モダンホライゾン2]]、[[統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い統率者デッキ]]、[[兄弟戦争統率者デッキ]]、[[Ravnica: Cluedo Edition]]で再登場した。
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[[ラヴニカへの回帰ブロック]]ではイゼット団の[[色]]である[[青]]と[[赤]]に割り振られ、[[統率者2015]]でもイゼット団の呪文として登場した。
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[[モダンホライゾン]]では逆に[[白]]、[[黒]]、[[緑]]のみに存在し、超過で唱えると不利益ももたらす[[精神の掻き寄せ/Mind Rake]]も登場した。
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===ルール===
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*超過コストは[[代替コスト]]なので、「[[マナ・コストを支払うことなく唱える]]」や[[フラッシュバック]]など他の代替コストと一緒に支払うことはできない。[[代替コスト]]の項も参照。
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*超過コストを支払って唱える場合、それは対象を取らなくなる。通常では適切な対象を取れない場合でも、超過コストを支払うなら唱えることができる。
  
==ルール==
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===その他===
*超過コストは[[代替コスト]]なので、「マナ・コストを支払うことなく唱える」や[[フラッシュバック]]など他の代替コストと一緒に支払う事はできない。
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*超過を持つ呪文のほとんどは、何らかの[[オブジェクト]]のうち、「あなたが[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]する」または「あなたがコントロールしていない」もの1つを対象に取る。基本的に利益をもたらすものが前者、不利益をもたらすものが後者となっている。
*超過コストを支払って唱える場合、それは対象を取らなくなる。通常では適切な対象を取れない場合でも、超過コストを支払うなら唱える事ができる。
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**[[戦場]]か[[スタック]]にあるオブジェクトに関して、[[2人対戦]]では「あなたがコントロールしていない」は「[[対戦相手]]がコントロールする」と同義だが、[[双頭巨人戦]]などでは対戦相手だけでなく[[チームメイト]]も巻き込む点に注意。
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*デザインの元となったのは、[[The Great Designer Search]]での[[Kenneth Nagle]]の提出案の中に含まれていた'''分散'''/''Dispersion''というメカニズムである。さらにその着想元となったのは[[放射/Radiate]]。
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*[[ラヴニカ・ブロック]]におけるイゼットのキーワードである[[複製]]とはよく似ている。さらに言えば、どちらも「コスト小、効果小」と「コスト大、効果大」を選択できるという、[[キッカー]]の系譜に連なるメカニズムである。
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**基本的にはこれに沿ったデザインがなされているが、前述の[[精神の掻き寄せ/Mind Rake]]はデザイン空間の拡張として「コスト大、効果小」と「コスト小、効果大(デメリットあり)」を選ぶという試みが取られている。
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*同じ英語名を持つ[[カード]]に[[過負荷/Overload]]がある。
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*「[[任意の対象]]/any target」という記述に超過が適用されると「any each」という意味の通らない文ができてしまうが、[[ファイレクシア:完全なる統一]]までで、これらの記述を両方持つ[[カード]]や、両方持たせる方法は存在しない。
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**この記述が登場した[[ドミナリア]]の時点で、[[プレイヤー]]と[[クリーチャー]]の両方を対象に取れるダメージ呪文は超過呪文の中に存在しなかった。そのため[[オラクル]]改訂によってこのような問題が起こることもなかった。
  
 
==参考==
 
==参考==
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*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/feature/211a On the Origin of Scavenge and Overload]/[https://mtg-jp.com/reading/translated/0004027/ 活用と超過の起源](DailyMTG.com、文:[[Kenneth Nagle]]、訳:[[米村薫]])
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*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/mm/221 Designing for Izzet]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0004206/ イゼットのデザイン](DailyMTG.com、Making Magic、文:[[Mark Rosewater]]、訳:米村薫)
 
*{{WHISPER検索/カードテキスト|超過}}
 
*{{WHISPER検索/カードテキスト|超過}}
 
*[[キーワード能力]]
 
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*[[ルーリング#キーワード能力|ルーリング]]
 
*[[ルーリング#キーワード能力|ルーリング]]
  
<!--{{#cr:{{キーワード能力のCR番号|超過}}}}-->
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{{#cr:{{キーワード能力のCR番号|超過}}}}
 
[[Category:キーワード能力|ちょうか]]
 
[[Category:キーワード能力|ちょうか]]
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__NOTOC__

2024年2月28日 (水) 13:38時点における最新版

超過/Overload
種別 常在型能力
登場セット 多数
CR CR:702.96

超過(ちょうか)/Overloadは、ラヴニカへの回帰で初登場したキーワード能力。これを持つカードスタック上にある間に機能する常在型能力2つからなる。


Cyclonic Rift / サイクロンの裂け目 (1)(青)
インスタント

あなたがコントロールしていない土地でないパーマネント1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。
超過(6)(青)(あなたはこの呪文をその超過コストで唱えてもよい。そうしたなら、あなたがコントロールしていない土地でない各パーマネントをそれぞれオーナーの手札に戻す。)


[編集] 定義

超過 [コスト]は以下の2つの常在型能力からなる。

日本語版は文法の関係で理解しにくいため、注釈文に変更後の効果がそのまま書いてある。

[編集] 解説

ラヴニカへの回帰でイゼット団/The Izzetに割り振られたキーワード。単体への呪文の効果が全体へと拡大する、直感的にわかりやすいが大胆な能力ドラゴンの迷路統率者2015モダンホライゾンモダンホライゾン2統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い統率者デッキ兄弟戦争統率者デッキRavnica: Cluedo Editionで再登場した。

ラヴニカへの回帰ブロックではイゼット団のであるに割り振られ、統率者2015でもイゼット団の呪文として登場した。

モダンホライゾンでは逆にのみに存在し、超過で唱えると不利益ももたらす精神の掻き寄せ/Mind Rakeも登場した。

[編集] ルール

[編集] その他

  • 超過を持つ呪文のほとんどは、何らかのオブジェクトのうち、「あなたがコントロールする」または「あなたがコントロールしていない」もの1つを対象に取る。基本的に利益をもたらすものが前者、不利益をもたらすものが後者となっている。
  • デザインの元となったのは、The Great Designer SearchでのKenneth Nagleの提出案の中に含まれていた分散/Dispersionというメカニズムである。さらにその着想元となったのは放射/Radiate
  • ラヴニカ・ブロックにおけるイゼットのキーワードである複製とはよく似ている。さらに言えば、どちらも「コスト小、効果小」と「コスト大、効果大」を選択できるという、キッカーの系譜に連なるメカニズムである。
    • 基本的にはこれに沿ったデザインがなされているが、前述の精神の掻き寄せ/Mind Rakeはデザイン空間の拡張として「コスト大、効果小」と「コスト小、効果大(デメリットあり)」を選ぶという試みが取られている。
  • 同じ英語名を持つカード過負荷/Overloadがある。
  • 任意の対象/any target」という記述に超過が適用されると「any each」という意味の通らない文ができてしまうが、ファイレクシア:完全なる統一までで、これらの記述を両方持つカードや、両方持たせる方法は存在しない。

[編集] 参考

引用:総合ルール 20231117.0

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