稲妻のらせん/Lightning Helix
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赤の得意な火力と、白の得意なライフ回復を合わせた、非常にシンプルな呪文。同一効果の5マナソーサリーである本質の吸収/Essence Drainとは比べ物にならない。
効果としては稲妻/Lightning Bolt+治癒の軟膏/Healing Salveの回復モードといった感じで、黒に多いドレイン呪文のようなカードになった。2マナ3点のインスタントというだけでも火力としては十分に有用であり、オマケがつくのだから多色カードゆえの色拘束を加味しても優秀である。
特に対戦相手のクリーチャーを焼きつつライフを回復できる(=より長く時間を稼げる)ため、守りの場面で強力であることから、カウンターバーンやトリコロールなどと相性がいい。もちろんブロッカーや対戦相手本体を狙う攻めの火力としても有用。要は状況問わず便利な万能カードであって、実際にBoros Deck Wins・Zooなどのビートダウンからトリコロール・セプターチャントなどのコントロールまで、またスタンダードからエクステンデッド・モダン・エターナルまで、アーキタイプも環境も問わずにあらゆるボロスカラーを含むデッキで満遍なく活躍を見せている。
- 時間稼ぎが不要なアグロなどのデッキタイプであっても、ライフを補填してダメージレースの不利を補う手段として有用。
- ラヴニカ:ギルドの都で共に登場したショックランドなどを多用する多色デッキでは、スーサイド的にライフが目減りするため、そのフォロー役としても非常にありがたかった。
- またこちらも共に登場した強力火力黒焦げ/Charとの相性もよい。プロツアーホノルル06準決勝では、この2枚がCraig Jonesに劇的な勝利をもたらしている[1]。続く決勝では敗退したものの、JonesはRuel兄弟をともに打ち破っての準優勝を果たした。
- プレイヤー褒賞プログラムプロモバージョンが存在する。
- アジャニvsニコル・ボーラスに新規イラストで収録された。イラストに描かれている人物はアジャニ/Ajani(復讐のアジャニ/Ajani Vengeant)。Modern Mastersで再録された際にもこちらのイラストが使用されている。
- ラヴニカ/Ravnicaを再訪するたびに調整された亜種が作られており、ボロス軍/Boros Legionの呪文の定番になっている。また通常のエキスパンションでそのまま再録されることがないあたり、稲妻のらせんがいかに高効率であったかを物語っている。
- ドラゴンの迷路では、上位種の戦導者のらせん/Warleader's Helixが登場した。そちらは4マナ4点分。
- 元々、ドラゴンの迷路では稲妻のらせんを再録することが検討されていたが、瞬唱の魔道士/Snapcaster Mageとの組み合わせが強力すぎたため、代わりに戦導者のらせんが作られることになった[2]。
- ラヴニカのギルドではこれと全く同じルール文章を持つ分割カードの間隙/Interventionが登場した。4マナと重くなった代わりに、単体強化としても使えるようになった。
- ドラゴンの迷路では、上位種の戦導者のらせん/Warleader's Helixが登場した。そちらは4マナ4点分。
開発秘話
このカードの開発に際して時間がかかった部分は、デザインそのものではなく、これを印刷すべきかどうかについての議論であった。それぞれの効果は赤白らしいものであったが、それらを合わせた結果ドレイン呪文のようになったことで、「赤と白を組み合わせて、黒単色で通常していることをするのは許されるのだろうか」という疑問が生まれたのである。
「ラヴニカ」のデザイン・チームは許されると考えたが、これは奈落全体での議論になり、熱のこもった議論が全体会議で1時間にも渡って繰り広げられた。最終的にこのデザインについて説得力のある反論を誰もできず、一番の反論も、おかしい「気がする」というものだった。Mark Rosewaterは、それぞれの要素が色の役割にふさわしいものであり、ユーザーも受け入れるだろうとこの反論を却下し、このカードは世に出ることになった。そして実際、このカードは広く受け入れられたのである[3]。
関連カード
ダメージを与えると同時に同じ点数のライフを得る赤白の亜種。特筆なければ対象の制限なし。黒のカードについてはドレインを参照。
- インスタント・ソーサリー
- 光り輝く炎/Brightflame - XRRWWのソーサリー。クリーチャー限定。X点。光輝で与えたダメージの合計に等しいライフを得る。(ラヴニカ:ギルドの都)
- 戦導者のらせん/Warleader's Helix - 2RWのインスタント。4点。(ドラゴンの迷路)
- 間隙/Intervention - 2RWのインスタント。分割カードの半分。3点。(ラヴニカのギルド)
- 強打のらせん/Smiting Helix - ソーサリー。マナ・コストは3Bだがフラッシュバック・コストがRW。3点。(モダンホライゾン)
- 天頂の閃光/Zenith Flare - 2RWのインスタント。X点。墓地のサイクリングカードの枚数に等しい。(イコリア:巨獣の棲処)
- 見事な根本原理/Inspired Ultimatum - UURRRWWのソーサリー。5点。さらに5ドロー。(イコリア:巨獣の棲処)
- パーマネント
- 復讐のアジャニ/Ajani Vengeant - 2RWのプレインズウォーカーの[-2]忠誠度能力。3点。(アラーラの断片)
- 炎まといの報復者/Firemane Avenger - 2RWのクリーチャーの大隊誘発型能力。3点。(ギルド門侵犯)
- 毅然たる生き残り/Resolute Survivors - 1RWのクリーチャーの督励誘発型能力。対戦相手限定。1点。(破滅の刻)
- 溶岩腹スリヴァー/Lavabelly Sliver - 1RWETB能力。プレイヤーかプレインズウォーカー限定。1点。(モダンホライゾン)
- サヴァイの雷たてがみ/Savai Thundermane - RWのクリーチャー。サイクリングするたび追加で(2)を支払えば誘発。クリーチャー限定。2点。(イコリア:巨獣の棲処)
- 猟の頂点、スナップダックス/Snapdax, Apex of the Hunt - 変容コスト2B/RWWの変容誘発型能力。プレイヤーは対象にできない。4点。(イコリア:巨獣の棲処)
タマノーア/Tamanoa・迎え火のしもべ/Balefire Liege・魂火の大導師/Soulfire Grand Master・ファイアソングとサンスピーカー/Firesong and Sunspeakerなどは、インスタント・ソーサリー呪文を稲妻のらせん化するカードと言えるだろう。
参考
- ↑ Topdeck of the Century(Youtube マジック・ザ・ギャザリング公式チャンネル)
- ↑ Balancing for Fun/楽しさのためのバランス調整(Latest Developments 2013年5月3日)
- ↑ As Good as Gold/金のように(Making Magic -マジック開発秘話- 2018年9月4日)
- カード個別評価:ラヴニカ:ギルドの都 - アンコモン
- カード個別評価:アイコニックマスターズ - アンコモン
- カード個別評価:Modern Masters - アンコモン
- カード個別評価:ミスティカルアーカイブ - レア