面晶体のカニ/Hedron Crab

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[[上陸]]で[[ライブラリー]]を3枚[[削る]]ことができる[[クリーチャー]]。
 
[[上陸]]で[[ライブラリー]]を3枚[[削る]]ことができる[[クリーチャー]]。
  
[[サイズ]]よりも[[ライブラリー破壊]][[能力]]に期待して採用される[[カード]]であり、[[書庫の罠/Archive Trap]]などと組み合わせれば、ライブラリー破壊[[デッキ]]を作ることもできる。
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[[サイズ]]こそ小さいものの、[[能力]]は優秀。1[[マナ]]と[[軽い|軽く]]、最序盤に設置すれば[[土地]]を伸ばしていくだけで大量の[[ライブラリー破壊]]を行うことができる。[[基本セット2012]]参入後の[[スタンダード]]では[[フェッチランド]]や[[探検/Explore]]と組んで[[青緑コントロール#ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期|青緑ライブラリー破壊]]を成立させた。また[[モダン]]でも[[青黒ライブラリーアウト]]の主要パーツとなっている。
  
自分を[[対象]]にとることで[[墓地]]を肥やすことも可能。[[スタンダード]][[蘇生]]デッキや[[エクステンデッド]]の[[ナルコブリッジ#エクステンデッド|発掘デッキ]]の[[キーカード]]となっている。
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[[あなた|自分]][[対象]]にとることで[[墓地]][[肥やす]]ことも可能。登場当初から[[エクステンデッド]]の[[ナルコブリッジ#エクステンデッド|ナルコブリッジ]]で活躍したほか、スタンダードでは[[復讐蔦/Vengevine]]を墓地に送ることに特化した[[ドレッジ・ヴァイン]]の[[キーカード]]になった。
  
[[リミテッド]]では最序盤で出せるので上陸しやすく、10枚以上削れることも。[[タフネス]]2なので[[地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder]]に耐性がある。
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[[リミテッド]]でも最序盤で出せるため上陸しやすく、10枚以上削れることも。[[タフネス]]2なので[[地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudder]]にも[[除去耐性|耐性]]がある。
  
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[[ヴィンテージ]]において2019年8月に[[Fastbond]]が制限解除されたことにより、[[雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Clouds]]と合わせて[[ライブラリーアウト]]を狙うデッキが登場した。
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*人気のある上陸クリーチャーだったため[[戦乱のゼンディカー]]で[[再録]]が検討されたが、[[デベロップ・チーム|デベロップ]]段階で[[構築]][[フォーマット]]において問題があると判断され、ボツになった<ref>[http://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/odds-and-ends-oath-gatewatch-part-1-2016-02-01 Odds and Ends: Oath of the Gatewatch, Part 1 ]/[http://mtg-jp.com/reading/translated/mm/0016435/# こぼれ話:『ゲートウォッチの誓い』 その1]([[Making Magic]] 2016年2月1日)</ref>。
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==主な亜種==
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[[カード]]の[[プレイ]]等に対して切削ないしライブラリー破壊を誘発させるカード。特記しない限り、クリーチャー。戦場に出すたび誘発なのは'''太字'''のみ。同種の誘発条件で[[バーン]]型のものは[[猛然たる突撃/Furious Assault]]の項を参照。
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*[[雲蹄の麒麟/Cloudhoof Kirin]] - (3)(青)(青)4/4[[飛行]]。条件は[[スピリット]]か[[秘儀]]を唱えるたび。対象プレイヤーがそのマナ総量の枚数切削。([[神河救済]])
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**'''[[ハリマーの採掘者/Halimar Excavator]]''' - (1)(青)1/3。条件は[[同盟者]]で、自身が戦場に出ても誘発。対象プレイヤーがあなたの同盟者数だけ切削。([[ワールドウェイク]])
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**'''[[盗賊ギルドの処罰者/Thieves' Guild Enforcer]]''' - (黒)1/1。条件は[[ならず者]]で、自身が戦場に出ても誘発。各対戦相手が2枚。対戦相手の墓地が8枚以上だと+2/+1[[修整]]と[[接死]]を得る。([[基本セット2021]])
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*[[ディミーアの脳外科医、シアクー/Circu, Dimir Lobotomist]] - (2)(青)(黒)2/3。条件は[[青]]か[[黒]]の呪文を唱えるたび。対象プレイヤーのライブラリーの上1枚を[[追放]]する。[[青黒]]なら2回誘発。([[ラヴニカ:ギルドの都]])
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**[[溺れさせる者の信徒/Drowner Initiate]] - (青)1/1。条件は青の呪文を唱えるたび。ただしそのたび(1)を支払う必要がある。対象プレイヤーが2枚。他プレイヤーの青の呪文でも誘発する。([[シャドウムーア]])
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**'''[[賢者街の住人/Sage's Row Denizen]]''' - (2)(青)2/3。条件は青のクリーチャーを戦場に出すたび。対象プレイヤーが2枚。([[ギルド門侵犯]])
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**[[思考刈り/Thought Harvester]] - (3)(青)2/4[[欠色]]飛行。条件は[[無色]]の呪文を唱えるたび。対象の[[対戦相手]]のライブラリーの上1枚を追放する。([[ゲートウォッチの誓い]])
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**[[水没した秘密/Drowned Secrets]] - (1)(青)[[エンチャント]]。条件は青の呪文を唱えるたび。対象プレイヤーが2枚。([[ラヴニカのギルド]])
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*[[下水の宿敵/Sewer Nemesis]] - (3)(黒)戦場に出る際に指定したプレイヤー1人の墓地枚数に等しい[[P/T]]を持つ。あなたに限らず、その指定プレイヤーが呪文を唱えるたびの誘発。([[統率者 (カードセット)|統率者]])
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*[[破壊的な逸脱者/Consuming Aberration]] - (3)(青)(黒)対戦相手の墓地枚数に等しいP/Tを持つ。条件は呪文を唱えるたび。各対戦相手は土地が1枚出るまでライブラリーの上からカードを墓地に置く。(ギルド門侵犯)
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**'''[[恐怖の顕現、ウンブリス/Umbris, Fear Manifest]]''' - (3)(青)(黒)1/1。条件が自身か[[ナイトメア]]か[[ホラー]]、参照するのもライブラリー破壊も墓地から追放[[領域]]になった破壊的な逸脱者。([[イニストラード:真紅の契り統率者デッキ]])
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*[[精神奪い/Mindreaver]] - (青)(青)2/1。条件はこれを対象に呪文を唱えるたび。対象プレイヤーがライブラリーの上を3枚追放。([[神々の軍勢]])
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*'''[[タッサの貪り食い/Thassa's Devourer]]''' - (4)(青)2/6[[クリーチャー・エンチャント]]。条件はエンチャントで、自身が戦場に出ても誘発。対象プレイヤーが2枚。([[ニクスへの旅]])
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**'''[[神秘の賢者/Sage of Mysteries]]''' - (青)0/2。条件はエンチャントを出すたび。([[テーロス還魂記]])
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*'''[[群の祭壇/Altar of the Brood]]''' - (1)[[アーティファクト]]。条件は[[パーマネント]]を戦場に出すたび。各対戦相手が1枚。([[タルキール覇王譚]])
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*[[精励する発掘者/Diligent Excavator]] - (1)(青)1/3。条件は[[歴史的]]な呪文を唱えるたび。対象プレイヤーが2枚。([[ドミナリア]])
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*'''[[氷山のカンクリックス/Iceberg Cancrix]]''' - (1)(青)0/4[[氷雪クリーチャー]]。条件は[[氷雪パーマネント]]を戦場に出すたび。対象プレイヤーが2枚。([[モダンホライゾン]])
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*'''[[遺跡ガニ/Ruin Crab]]''' - 自分を切削できなくなったが、対象を取らず各対戦相手を同時に削る様になった、面正体のカニの直接のリメイク。([[ゼンディカーの夜明け]])
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*[[多彩なるサルマン/Saruman of Many Colors]] - (3)(白)(青)(黒)5/4。条件はそのターン2つ目のあなたの呪文。各対戦相手が2枚。([[指輪物語:中つ国の伝承]])
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反対に対戦相手がカードをプレイするたびにライブラリーを破壊するものには[[無理強いた成果/Forced Fruition]]、[[記憶の浸食/Memory Erosion]]、[[淀みの種父/Sire of Stagnation]]が存在する。誘発条件が攻撃するたびのものは[[道理の宿敵/Nemesis of Reason]]の項を、カードを引くたびのものは[[心理腐食/Psychic Corrosion]]の項をそれぞれ参照。
 
==ストーリー==
 
==ストーリー==
'''面晶体のカニ'''/''Hedron Crab''は[[ゼンディカー/Zendikar]]の[[カニ]]で、海岸線で小型の[[面晶体/Hedron]]を拾っては殻を飾り立てる({{Gatherer|Hedron Crab}})。
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'''面晶体のカニ'''/''Hedron Crab''は[[ゼンディカー/Zendikar]]の[[カニ]]で、海岸線で小型の[[面晶体/Hedron]]を拾っては殻を飾り立てる({{Gatherer|id=180348}})。
  
[[フレイバー・テキスト]]には「Hedrons perplex minds both great and small.(面晶体は精神を混乱させる。貴賎を問わずに。)」とあり、[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/stf/59 The Moment of Discovery]では、このカニのカード・メカニズムと設定の関わりが解説されている。それによると、このカニ自身のちっぽけな心は混乱した状態にあり、その上、面晶体が隙間なく集められたことで、近づいた魔道士の精神にも深刻な影響を及ぼしてしまう。また、[[上陸]]によって新たな海岸を増やし面晶体を更に集めさせるならば、他の[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]の魔法庫([[ライブラリー]])にすら悪影響を与えられる、という。
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[[フレイバー・テキスト]]には「Hedrons perplex minds both great and small.(面晶体は精神を混乱させる。貴賎を問わずに。)」とあり、公式記事「The Moment of Discover<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/savor-flavor/moment-discovery-2009-10-06 The Moment of Discovery](Daily MTG 2009年10月6日)</ref>」では、このカニのカード・メカニズムと設定の関わりが解説されている。それによると、このカニ自身のちっぽけな心は混乱した状態にあり、その上、面晶体が隙間なく集められたことで、近づいた魔道士の精神にも深刻な影響を及ぼしてしまう。また、[[上陸]]によって新たな海岸を増やし面晶体を更に集めさせるならば、他の[[プレインズウォーカー/Planeswalker]]の魔法庫([[ライブラリー]])にすら悪影響を与えられる、という。
  
*日本語版フレイバー・テキストの「面晶体の混乱した思考は、偉大であり矮小である。」は明らかな誤り。「Hedrons perplex minds」を「Hedron's perplex minds」と誤読したか。
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*日本語版フレイバー・テキストの「面晶体の混乱した思考は、偉大であり矮小である。」は明らかな[[誤訳/名訳|誤訳]]。「Hedrons perplex minds」を「Hedron's perplex minds」と誤読したか。
  
 
==参考==
 
==参考==
*[http://www.wizards.com/Magic/Magazine/Article.aspx?x=mtg/daily/arcana/335 壁紙]
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*[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/feature/wallpaper-week-hedron-crab-2009-12-04 壁紙]([[Daily MTG]] 2009年12月4日)
 
*[[ライブラリー破壊カード]]
 
*[[ライブラリー破壊カード]]
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*[[面晶体/Hedron]]([[背景世界/ストーリー用語]])
 
*[[カード個別評価:ゼンディカー]] - [[アンコモン]]
 
*[[カード個別評価:ゼンディカー]] - [[アンコモン]]

2023年10月24日 (火) 13:24時点における最新版


Hedron Crab / 面晶体のカニ (青)
クリーチャー — カニ(Crab)

上陸 ― 土地が1つあなたのコントロール下で戦場に出るたび、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを3枚切削する。

0/2

上陸ライブラリーを3枚削ることができるクリーチャー

サイズこそ小さいものの、能力は優秀。1マナ軽く、最序盤に設置すれば土地を伸ばしていくだけで大量のライブラリー破壊を行うことができる。基本セット2012参入後のスタンダードではフェッチランド探検/Exploreと組んで青緑ライブラリー破壊を成立させた。またモダンでも青黒ライブラリーアウトの主要パーツとなっている。

自分対象にとることで墓地肥やすことも可能。登場当初からエクステンデッドナルコブリッジで活躍したほか、スタンダードでは復讐蔦/Vengevineを墓地に送ることに特化したドレッジ・ヴァインキーカードになった。

リミテッドでも最序盤で出せるため上陸しやすく、10枚以上削れることも。タフネス2なので地鳴りの揺るぎ/Seismic Shudderにも耐性がある。

ヴィンテージにおいて2019年8月にFastbondが制限解除されたことにより、雲の宮殿、朧宮/Oboro, Palace in the Cloudsと合わせてライブラリーアウトを狙うデッキが登場した。

[編集] 主な亜種

カードプレイ等に対して切削ないしライブラリー破壊を誘発させるカード。特記しない限り、クリーチャー。戦場に出すたび誘発なのは太字のみ。同種の誘発条件でバーン型のものは猛然たる突撃/Furious Assaultの項を参照。

反対に対戦相手がカードをプレイするたびにライブラリーを破壊するものには無理強いた成果/Forced Fruition記憶の浸食/Memory Erosion淀みの種父/Sire of Stagnationが存在する。誘発条件が攻撃するたびのものは道理の宿敵/Nemesis of Reasonの項を、カードを引くたびのものは心理腐食/Psychic Corrosionの項をそれぞれ参照。

[編集] ストーリー

面晶体のカニ/Hedron Crabゼンディカー/Zendikarカニで、海岸線で小型の面晶体/Hedronを拾っては殻を飾り立てる(イラスト)。

フレイバー・テキストには「Hedrons perplex minds both great and small.(面晶体は精神を混乱させる。貴賎を問わずに。)」とあり、公式記事「The Moment of Discover[2]」では、このカニのカード・メカニズムと設定の関わりが解説されている。それによると、このカニ自身のちっぽけな心は混乱した状態にあり、その上、面晶体が隙間なく集められたことで、近づいた魔道士の精神にも深刻な影響を及ぼしてしまう。また、上陸によって新たな海岸を増やし面晶体を更に集めさせるならば、他のプレインズウォーカー/Planeswalkerの魔法庫(ライブラリー)にすら悪影響を与えられる、という。

  • 日本語版フレイバー・テキストの「面晶体の混乱した思考は、偉大であり矮小である。」は明らかな誤訳。「Hedrons perplex minds」を「Hedron's perplex minds」と誤読したか。

[編集] 参考

  1. Odds and Ends: Oath of the Gatewatch, Part 1 /こぼれ話:『ゲートウォッチの誓い』 その1(Making Magic 2016年2月1日)
  2. The Moment of Discovery(Daily MTG 2009年10月6日)
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