双頭巨人戦
提供:MTG Wiki
双頭巨人戦/Two-Headed Giantは、多人数戦の変種ルールの1つで、CR:810に定められている。2人1組の2チームで対戦を行う形式。
目次 |
ルール
それぞれのチームは、テーブルの片側に並んで座る。どう座るかはそれぞれのチームが決める。それぞれ右側に座ったプレイヤーを第1プレイヤー、左側を第2プレイヤーと呼ぶ。
ライフは共有されるが、それ以外のリソース(マナ、手札のカードなど)は共有されない。ただし、チームメイトとの意思疎通は自由である。
その他の特徴について以下に述べる。
ライフ
ライフは各チームで共有される。これを「共用ライフ」と呼ぶ。共用ライフ総量の初期値は30点であり、チームの共用ライフが0点以下であるチームは、状況起因処理により敗北する。
詳しくは共用ライフの項目を参照。
ターンの進行
優先権は、プレイヤー個人ではなくチームが持つ。優先権を持つチームのプレイヤーは、通常のルールと同様、呪文を唱えたり起動型能力を起動したり特別な処理を行ったりできる。チームの両プレイヤーが同時に処理を行おうとした場合、第1プレイヤーが処理の順番を決定する。
APNAP順ルールは修整され、ターンを現在進行しているチームをアクティブ・プレイヤーではなく「アクティブ・チーム」、他方のチームを「非アクティブ・チーム」と呼ぶ。両チームが同時に選択や処理を行う場合には、まずアクティブ・チームが必要な選択を全て行い、次いで非アクティブ・チームが必要な選択を全て行った後、同時に処理が実行される。
- マリガンを行うかの選択は先攻チームが先に行う。そのチームの各プレイヤーがマリガンを行うかどうかをそれぞれ決定し、その後で同時にマリガンを行う。初めの1回については6枚ではなく、7枚引く(それ以降は通常通り1枚ずつ減っていく)。先攻チームの両プレイヤーがマリガンをし終えたら、同様に後攻チームがマリガンを行う。
- 先攻チームは、最初のターンのドロー・ステップを飛ばす。
- いずれかの効果によってプレイヤーが追加のターン・フェイズ・ステップを得た場合、そのプレイヤーのチームが追加のターン・フェイズ・ステップを得る。逆に、ターン・フェイズ・ステップを飛ばされる場合もチーム単位で飛ばされる。また、あるチームの両プレイヤーが同一のターン・フェイズ・ステップを得たり失ったりする場合、そのチーム全体で1回だけ得たり失ったりする。
- 効果によって他のプレイヤーのターンをコントロールする場合、その効果のコントローラーが、影響を受けたプレイヤーのチームのターンのコントロールを得る。
- 複数のプレイヤーがカードを引く効果があった場合、アクティブ・チームの第1プレイヤーが全てのカードを引き、次に同チームの第2プレイヤー、以下非アクティブ・チームが同様に引く。
戦闘
「影響範囲制限」「複数への攻撃」「クリーチャー配置」「左翼への攻撃」「右翼への攻撃」のいずれの多人数戦選択ルールも用いない。
各チームのクリーチャーは、チームごとに他のチームを攻撃する。アクティブ・チームは「攻撃チーム」となり、そのチームの各プレイヤーは「攻撃プレイヤー」となる。同様に、非アクティブ・チームは「防御チーム」となり、そのチームの各プレイヤーは「防御プレイヤー」となる。
攻撃クリーチャー指定ステップの開始に際して、攻撃チームは攻撃クリーチャーを指定する。いずれかの防御プレイヤーがコントロールするオブジェクトの効果(テフェリーの濠/Teferi's Moatなど)によってそのプレイヤーを攻撃できないクリーチャーは、防御チームを攻撃できない。アクティブ・チームの攻撃は一群で行ない、その攻撃クリーチャー群は全体として適正でなければならない。
ブロック・クリーチャー指定ステップの開始に際して、防御チームはブロック・クリーチャーを指定する。防御チームによるブロックは一群で行ない、ブロック・クリーチャーは全体として適正でなければならない。
戦闘ダメージ・ステップ開始に際して、攻撃チームは攻撃クリーチャーがどのように戦闘ダメージを割り振るかを宣言する。防御チームに割り振る場合、攻撃チームは攻撃クリーチャーごとに防御プレイヤーを1人選び、そのプレイヤーに戦闘ダメージを割り振る。攻撃チームの割り振り宣言が終わったら、防御チームが同様に割り振る。
- 単発的効果や特性定義能力が防御プレイヤーを参照する場合、その効果あるいは能力のコントローラーが選んだいずれか1人の防御プレイヤーのみを参照する。攻撃プレイヤーについても同様である。
- 例えば、道理の宿敵/Nemesis of Reasonの誘発型能力は、解決時に選んだ防御チームのうちのいずれか一方のプレイヤーのライブラリーを削る。
- 他のあらゆる場合において防御プレイヤーとは両プレイヤーのことを指す。肯定的比較(土地渡りのように「防御プレイヤーが~であるかどうか」を見る場合)、相対的比較(ごますりモグ/Mogg Toadyのように「防御プレイヤーよりも~かどうか」を見る場合)については、それぞれの防御プレイヤーについて比較を行い、いずれかが真であればその解は真である。また、否定的比較(シー・モンスター/Sea Monsterのように「防御プレイヤーが~でないかどうか」を見る場合)については、対応する肯定的比較が偽である場合(すなわち両方が「~でない」場合)に真となる。これらは攻撃プレイヤーについても同様である。
- 例えば、防御プレイヤーのいずれかが森をコントロールしている場合、森渡りを持つクリーチャーはブロックされない。また、攻撃プレイヤーのいずれかよりも多くのクリーチャーをコントロールしている場合、ごますりモグはブロックに参加できる。
勝敗
基本的には個人戦と同様に決まるが、いくつかの例外がある。
- チームの共用ライフが0点以下になったチームは状況起因処理により敗北する。
- チーム単位でのみ勝敗が存在し、プレイヤー個人での勝敗は存在しない。いずれかのプレイヤーが勝利(敗北)となれば、そのチームが勝利(敗北)になる。また、効果によっていずれかのプレイヤーが勝利(敗北)できない場合、そのプレイヤーのチームは勝利(敗北)できない。
- プレイヤーが投了したら、そのチームは即座にゲームから離れ、そのチームの敗北となる。
トーナメント
2005年10月1日から、トーナメントにおける多人数戦の対戦形式として構築・エターナル・リミテッド(シールドのみ)で公認され、2005年11月12月に全世界一斉にトーナメントが行われた。しかし、日本では開催されなかった。
2007年から、ついにプロツアーの種目になる。初の双頭巨人戦プロツアーはプロツアーサンディエゴ07。
マッチの勝敗は、1ゲームの勝敗で決まる。そのため、認定大会ではゲームの敗北のペナルティの代わりにマッチ・ポイントを1点失う裁定が下される。
その他
- 2006年10月に、一旦「先攻チームにも最初のターンのドロー・ステップは存在するが、ドローできるのは一方のプレイヤーだけ」となった。しかし、2007年5月に元に戻った。
- 各チーム3人以上でゲームを行うこともできる。その場合、共用ライフ総量の初期値を15点×人数とするのがよい。
禁止カード
※リミテッドでは適用されない。
制限カード
※ヴィンテージのみで適用。
参考
- 双頭巨人戦 ルール概要 (文:進藤欣也)
- 共用ライフ
- 多人数戦
- ルーリング