青
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==色の特徴== | ==色の特徴== | ||
謀略と操作の色であり、[[島]]から[[マナ]]を引き出し[[マーフォーク]]や[[スフィンクス]]を[[召喚]]する。[[白]]と[[黒]]を[[友好色]]とし、[[赤]]と[[緑]]を[[対抗色]]とする。略号は'''U'''。 | 謀略と操作の色であり、[[島]]から[[マナ]]を引き出し[[マーフォーク]]や[[スフィンクス]]を[[召喚]]する。[[白]]と[[黒]]を[[友好色]]とし、[[赤]]と[[緑]]を[[対抗色]]とする。略号は'''U'''。 | ||
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*アルファベットの略号は、他の色は英語名の頭文字であるが、青(BLUE)だけは3文字目の「U」。これは黒(BLACK)と[[土地]](LAND)との重複を避けるため(→[[色]])。 | *アルファベットの略号は、他の色は英語名の頭文字であるが、青(BLUE)だけは3文字目の「U」。これは黒(BLACK)と[[土地]](LAND)との重複を避けるため(→[[色]])。 | ||
− | ==色の役割== | + | ===[[色の役割]]=== |
− | [[クリーチャー]] | + | ;[[クリーチャー]] |
+ | :得意な[[キーワード能力]]は[[飛行]]、[[瞬速]]、[[呪禁]]。戦闘向きのキーワード能力をほとんど持たず、[[マナレシオ]]も他の色に比べると劣る傾向にある。[[タフネス]]の高い防御向きのクリーチャー、優秀な飛行戦力、そして[[重い]][[ファッティ]]が[[コモン]]の定番のカードとなっている。[[クリーチャー・タイプ]]には[[種族]]では[[ドレイク]]、[[マーフォーク]]、[[ヴィダルケン]]、[[スピリット]]、[[スフィンクス]]、[[海蛇]]や[[カニ]]などの水棲生物など、[[職業]]では[[ウィザード]]が多い。[[象徴的クリーチャー]]はスフィンクス、[[特徴的クリーチャー]]はマーフォーク。また幻影の色として[[クリーチャー]]を[[コピー]]することができ、[[クローン/Clone]]を始めとしたコピークリーチャーやコピー・[[トークン]]を[[生成]]するカードを多く持つ。 | ||
− | [[エンチャント]] | + | ;[[エンチャント]] |
+ | :特別に扱いが得意なわけではないが、[[コピー]]したり[[オーラ]]を他のパーマネントに移したりする効果がたまに登場する。また[[果敢]]をはじめとして、エンチャントに限らず「非クリーチャー呪文」という括りで関連を持つことがある。 | ||
− | [[アーティファクト]] | + | ;[[アーティファクト]] |
+ | :知恵や工夫を尊ぶ青はアーティファクトと相性が良く、[[サーチ]]、[[コスト]]軽減、アーティファクトの[[クリーチャー化]]、[[アーティファクト・クリーチャー]]の[[強化]]、その他多くの操作が可能。延長して[[無色]]とシナジーを形成することもある。 | ||
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+ | :これらの呪文の扱いにかけて右に出る色は無く、[[対象の変更]]や[[コピー]]、サーチ、墓地からの回収など様々な支援が可能。 | ||
− | [[ | + | ;[[プレインズウォーカー (カード・タイプ)|プレインズウォーカー]] |
+ | :特殊なシナジーを形成することは少ない。クリーチャーと同様にコピーすることができる。 | ||
− | + | ;[[土地]] | |
+ | :[[基本土地タイプ]]の変更というトリッキーな役割を持ち、[[色事故]]を回避したり、対戦相手の[[土地タイプ]]を変更し[[色拘束]]をかけたりする事ができる。土地のアンタップ制限を行うこともできるが、[[土地破壊]]と同様時代とともに減少傾向にある。 | ||
− | [[ | + | 色の役割として、[[呪文]]の[[打ち消し]]を占有している。また時間を操る魔法も青の専売特許であり、[[追加のターン]]を得る・[[ターンを終了する]]・瞬速を持たせる・パーマネントのタップ/[[アンタップ]]などで表現される。 |
− | + | 精神を重視する性質から、手札・ライブラリー関連の効果を多く有する。[[ドロー]]を得意とし、特に無条件に複数枚引く効果は青がほぼ占有している。また[[ライブラリー]]操作、[[ルーター]]も得意としており、[[手札]]の量・質ともに高めることができる。逆に精神攻撃として[[ライブラリー破壊]]やまれに[[手札破壊]]も行える。 | |
− | + | 一方[[パーマネント]]を除去する直接的手段を持たず、[[バウンス]]、[[コントロール (ルール用語)|コントロール]]奪取、[[アンタップ制限]]、クリーチャーの[[パワー]]のマイナス[[修整]]など変則的な手段に限られる。アンタップ制限に関しては永続的にアンタップさせない[[オーラ]]か、「次の[[ターン]]の[[アンタップ・ステップ]]に[[アンタップ]]しない」といった一時的制限呪文が定期的に収録されるレギュラーとなっている。 | |
− | [[ | + | バウンス、打ち消し、ドローを組み合わせることにより、土地や[[打ち消されない]]呪文以外のたいていの脅威に対処することができるポテンシャルを持つ。「万能ではあるが、時間や手間がかかり回りくどい」青らしさが戦略にも表れている。 |
− | + | 生命や肉体を重要視しない姿勢から、[[ダメージ]]・[[回復]]・[[ライフロス]]のいずれも行う事ができない。 | |
− | ===色の役割の変更=== | + | [[マナ加速]]は[[無色マナ]]限定で持ち、[[マナ]]の使い道に制限がある場合が多い。また、パーマネントのアンタップが間接的にマナ加速となることもある。 |
− | *[[放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer]]([[ティム]])、[[心霊破/Psionic Blast]]、[[Psychic Purge]]、[[Baki's Curse]] | + | |
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+ | *[[放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer]]([[ティム]])、[[心霊破/Psionic Blast]]、[[Psychic Purge]]、[[Baki's Curse]]といった心霊術を表す直接[[火力]]カードが存在したが、[[第8版]]で放蕩魔術師が[[再録]]落ちし失った。[[時のらせん]]の[[タイムシフト]]で復活したが、[[次元の混乱]]で登場した[[放蕩紅蓮術士/Prodigal Pyromancer]]が[[第10版]]に再録されたことにより[[赤]]へ完全に移行したことが印象付けられた。 | ||
*パワーのみを下げる効果は[[黒]]や[[緑]]が主に持っていたが、[[神河ブロック]]以降、青のものとなった。 | *パワーのみを下げる効果は[[黒]]や[[緑]]が主に持っていたが、[[神河ブロック]]以降、青のものとなった。 | ||
*[[墓地]]のカードをライブラリーに戻す効果は[[Timetwister]]などのリセットの副次効果として持っていたが、[[追憶/Reminisce]]以降それ単独の効果のカードも登場するようになった。 | *[[墓地]]のカードをライブラリーに戻す効果は[[Timetwister]]などのリセットの副次効果として持っていたが、[[追憶/Reminisce]]以降それ単独の効果のカードも登場するようになった。 | ||
*[[プロパガンダ/Propaganda]]といった強力なカードがあるため色の役割として[[攻撃制限]]を持っているイメージが強いが、実際はそう多くは無い。[[亡霊の牢獄/Ghostly Prison]]が登場し色の役割として白に移行したことが明確になったが、[[ラヴニカへの回帰ブロック]]の[[留置]]など必要となれば使用する。 | *[[プロパガンダ/Propaganda]]といった強力なカードがあるため色の役割として[[攻撃制限]]を持っているイメージが強いが、実際はそう多くは無い。[[亡霊の牢獄/Ghostly Prison]]が登場し色の役割として白に移行したことが明確になったが、[[ラヴニカへの回帰ブロック]]の[[留置]]など必要となれば使用する。 | ||
*[[ミラディン・ブロック]]での[[分流/Shunt]]の登場以降、呪文の[[対象の変更]]効果は赤に移行していたが、[[基本セット2011]]の[[移し変え/Redirect]]以後は元に戻ってきた。 | *[[ミラディン・ブロック]]での[[分流/Shunt]]の登場以降、呪文の[[対象の変更]]効果は赤に移行していたが、[[基本セット2011]]の[[移し変え/Redirect]]以後は元に戻ってきた。 | ||
− | * | + | *「タップし次のアンタップ・ステップにアンタップさせない」タイプの効果は黎明期から持っていたが、一時期は白と共有していた。[[基本セット2012]]の[[霜のブレス/Frost Breath]]以降は色の役割として完全に独占し定番効果となっている。 |
− | * | + | *[[常磐木]]から外された能力として[[被覆]]や[[島]][[土地渡り|渡り]]、[[廃語|廃止されたキーワード能力]]として[[生息条件]]などを持っていた。 |
+ | *クリーチャーを別の姿に変身させてしまうフレーバーとして、[[変身/Polymorph]]のように除去して代わりのクリーチャーをライブラリーから出したり、[[羊術師/Ovinomancer]]のように代わりにトークンを与える効果を役割として持っていたが、前者は[[タルキール龍紀伝]]の[[祝福された転生/Blessed Reincarnation]]を最後に赤の役割へ移り、後者も[[白]]がよりふさわしいとして[[ストリクスヘイヴン:魔法学院]]の[[再造形/Resculpt]]が最後になった<ref>[https://mtg-jp.com/reading/mm/0035516/ メカニズム的カラー・パイ 2021年版変更点]([[Making Magic]] [[2021年]]2021年10月18日)</ref>。変身のフレーバーは引き続き[[無原則変身法/Mercurial Transformation]]や[[トゥルー・ポリモーフ/True Polymorph]]のように[[特性]]の上書きやコピー効果という形で使われている。 | ||
+ | *[[警戒]]はキーワード能力化する前の[[西風の隼/Zephyr Falcon]]などごく少数が持っており、色の役割が崩された[[次元の混乱]]で取り扱われる程度だったが、[[2021年]]頃[[プレイ・デザイン・チーム]]から[[色の協議会]]に、[[リミテッド]]で有用な青のクリーチャーを作るために警戒を追加して欲しいという要請があったため2種色として検討されることになった<ref>[https://magic.wizards.com/en/articles/archive/making-magic/mechanical-color-pie-2021-10-18 Mechanical Color Pie 2021]/[https://mtg-jp.com/reading/mm/0035515/ メカニズム的カラー・パイ 2021年版]([[Making Magic]] [[2021年]]10月18日)</ref>。実際に登場したのは[[2022年]]の[[統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い]]の[[キャンドルキープの研究者、ヴァル/Vhal, Candlekeep Researcher]]からで、[[本流のセット]]でも[[団結のドミナリア]]から徐々に数を増やしている。 | ||
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+ | ===色の理念=== | ||
+ | [https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/making-magic/20150720 真の青への再訪]によれば、青は知識を元に完璧さを求める色である。青にとって、個々人は望めば何者にも成れる可能性を持った白紙のキャンバスであり、人生とは生涯をかけて己の可能性を追求し、完璧を目指して向上し続けることだと考えている。青が考えるに、己の可能性を追求する上で最も重要なのは知識(情報)であり、人々は(感情や本能に惑わされずに)知識を元に注意深く慎重に理性的に考えた上で成りたい自分を決め、また成りたい自分になるための計画を立てるべきである。故に、青は知識を得るための手段、研究や教育等を重視している。故に青は個々人が十分な教育を受けられる社会を望んでおり、また社会自体も個々人と同じく完璧を目指して向上するべきだと考えている。 | ||
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+ | こうしたことから、青が表すものとして、[[入念な研究/Careful Study|学問]]、[[ラト・ナムの図書館/Library of Lat-Nam|本などの情報集積体]]、[[精神力/Mind Over Matter|精神]]/[[思考の泉/Mind Spring|思考]]、[[暗記+記憶/Commit+Memory|記憶]]、[[テレパシー/Telepathy|テレパシー]]、[[Telekinesis|テレキネシス]]、[[ターン|時間]]の活用、[[支配魔法/Control Magic|支配]]、[[運命の操作/Manipulate Fate|操作]]、[[綿密な分析/Deep Analysis|綿密さ]]、[[紛糾/Complicate|複雑さ]]、[[ごまかし/Hoodwink|小手先の技術]]、[[イリュージョン|幻影]]、[[効率的構築/Efficient Construction|構築]]/[[主任技師/Chief Engineer|技術]]、[[アーティファクト]]、[[ゲラルフの傑作/Geralf's Masterpiece|人工物]]、[[卑怯/Cowardice|消極性]]、[[寒け/Chill|冷たさ]]、[[水の精霊/Water Elemental|水]]/[[大気の精霊/Air Elemental|空気の精霊]]などがある。 | ||
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+ | 青と黒は共に自己利益を求め、自分のありようや自分の行動を自分で決めるべきだと考えており、故に友好色であるとされる。ただし、青は全体利益を求める性質もあるため、その点では黒と対立する。 | ||
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+ | 青と白は共に計画的に全体利益を求める色であり、故に友好色であるとされる。ただし、青は自己利益を求める性質もあるため、その点では白と対立する。 | ||
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+ | 青は自分のありようを自分で自由に選択することを是とするが、緑は自分のあるべき姿は自然界によって既に決められていて、それを変えるべきではないと考えており、故に青と緑は対抗色となっている。 | ||
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*日本人が好きな色とよく言われる。<!-- どなたか日本人が青好きと言われるようになった由来を知りませんか? --> | *日本人が好きな色とよく言われる。<!-- どなたか日本人が青好きと言われるようになった由来を知りませんか? --> | ||
*[[禁止カード]]がやたらに多い色でもある。[[パワー9]]の三枚を筆頭に、[[意外な授かり物/Windfall]]、[[精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor]]と挙げればキリがない。これは[[引く|ドロー]]と[[サーチ]]に長けた色であるためパワーバランスの調整が難しく、また[[修繕/Tinker]]や[[精神の願望/Mind's Desire]]といった強烈な[[コンボパーツ]]が多数存在することが原因となっている。 | *[[禁止カード]]がやたらに多い色でもある。[[パワー9]]の三枚を筆頭に、[[意外な授かり物/Windfall]]、[[精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptor]]と挙げればキリがない。これは[[引く|ドロー]]と[[サーチ]]に長けた色であるためパワーバランスの調整が難しく、また[[修繕/Tinker]]や[[精神の願望/Mind's Desire]]といった強烈な[[コンボパーツ]]が多数存在することが原因となっている。 | ||
+ | *「青はクリーチャーが貧弱な色」と説明されることが多いが、それは一面だけを見た評価に過ぎない。 | ||
+ | **確かに、青は[[色の役割]]において[[マナレシオ]]([[コスト]]対[[P/T]]比)による単純比較では最下位と位置付けられている。クリーチャー同士の戦闘を有利にする[[キーワード能力]]もほとんど与えられない。[[コモン]]クリーチャーのP/Tや戦闘能力の質が如実に反映されやすい[[リミテッド]]では、[[緑]]や[[白]]の良質なクリーチャーに一方的にやられてしまうことも多い。これらを踏まえて「青のクリーチャーは貧弱」と評価することは誤りではないだろう。 | ||
+ | **一方で、飛行やブロックされない回避能力、呪禁や自己バウンスによる除去耐性、何らかの[[カード・アドバンテージ]]を獲得できる能力がクリーチャーに与えられており、決して他の色に質で劣るとは言い切れない。青が得意とする[[大型クリーチャー]]で言えば、[[霊異種/Aetherling]]のように非常に対処が難しく決定力の高いカードは幾度となく登場している。[[小型クリーチャー]]にしても、たびたび[[タイプ的カード]]が登場するマーフォークを始めとして、[[秘密を掘り下げる者/Delver of Secrets]]のような単独でも強力な[[ウィニー]]クリーチャーも少なくない。 | ||
+ | **[[エターナル]]まで[[カードプール]]を広げて見ると、秘密を掘り下げる者、[[瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage]]、[[ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique]]、[[真の名の宿敵/True-Name Nemesis]]といった優良クリーチャーが犇めいていることがすぐにわかる。これらを指して「青はクリーチャー最強の色」と評されることもある。(それもまた一面だけを見た評価に過ぎない) | ||
+ | **[[構築]]の幅が制限される[[スタンダード]]でも、カードプールに恵まれれば青[[単色]]の純粋な[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウンデッキ]]が[[トップメタ]]に食い込むこともある。[[青単信心]]が代表的。 | ||
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+ | ==脚注== | ||
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==参考== | ==参考== |
2024年6月15日 (土) 17:46時点における最新版
青/Blueは、マジック:ザ・ギャザリングにおける色の1つ。
目次 |
[編集] 色の特徴
謀略と操作の色であり、島からマナを引き出しマーフォークやスフィンクスを召喚する。白と黒を友好色とし、赤と緑を対抗色とする。略号はU。
[編集] 色の役割
- クリーチャー
- 得意なキーワード能力は飛行、瞬速、呪禁。戦闘向きのキーワード能力をほとんど持たず、マナレシオも他の色に比べると劣る傾向にある。タフネスの高い防御向きのクリーチャー、優秀な飛行戦力、そして重いファッティがコモンの定番のカードとなっている。クリーチャー・タイプには種族ではドレイク、マーフォーク、ヴィダルケン、スピリット、スフィンクス、海蛇やカニなどの水棲生物など、職業ではウィザードが多い。象徴的クリーチャーはスフィンクス、特徴的クリーチャーはマーフォーク。また幻影の色としてクリーチャーをコピーすることができ、クローン/Cloneを始めとしたコピークリーチャーやコピー・トークンを生成するカードを多く持つ。
- エンチャント
- 特別に扱いが得意なわけではないが、コピーしたりオーラを他のパーマネントに移したりする効果がたまに登場する。また果敢をはじめとして、エンチャントに限らず「非クリーチャー呪文」という括りで関連を持つことがある。
- アーティファクト
- 知恵や工夫を尊ぶ青はアーティファクトと相性が良く、サーチ、コスト軽減、アーティファクトのクリーチャー化、アーティファクト・クリーチャーの強化、その他多くの操作が可能。延長して無色とシナジーを形成することもある。
- プレインズウォーカー
- 特殊なシナジーを形成することは少ない。クリーチャーと同様にコピーすることができる。
- 土地
- 基本土地タイプの変更というトリッキーな役割を持ち、色事故を回避したり、対戦相手の土地タイプを変更し色拘束をかけたりする事ができる。土地のアンタップ制限を行うこともできるが、土地破壊と同様時代とともに減少傾向にある。
色の役割として、呪文の打ち消しを占有している。また時間を操る魔法も青の専売特許であり、追加のターンを得る・ターンを終了する・瞬速を持たせる・パーマネントのタップ/アンタップなどで表現される。
精神を重視する性質から、手札・ライブラリー関連の効果を多く有する。ドローを得意とし、特に無条件に複数枚引く効果は青がほぼ占有している。またライブラリー操作、ルーターも得意としており、手札の量・質ともに高めることができる。逆に精神攻撃としてライブラリー破壊やまれに手札破壊も行える。
一方パーマネントを除去する直接的手段を持たず、バウンス、コントロール奪取、アンタップ制限、クリーチャーのパワーのマイナス修整など変則的な手段に限られる。アンタップ制限に関しては永続的にアンタップさせないオーラか、「次のターンのアンタップ・ステップにアンタップしない」といった一時的制限呪文が定期的に収録されるレギュラーとなっている。
バウンス、打ち消し、ドローを組み合わせることにより、土地や打ち消されない呪文以外のたいていの脅威に対処することができるポテンシャルを持つ。「万能ではあるが、時間や手間がかかり回りくどい」青らしさが戦略にも表れている。
生命や肉体を重要視しない姿勢から、ダメージ・回復・ライフロスのいずれも行う事ができない。
マナ加速は無色マナ限定で持ち、マナの使い道に制限がある場合が多い。また、パーマネントのアンタップが間接的にマナ加速となることもある。
[編集] 色の役割の変更
- 放蕩魔術師/Prodigal Sorcerer(ティム)、心霊破/Psionic Blast、Psychic Purge、Baki's Curseといった心霊術を表す直接火力カードが存在したが、第8版で放蕩魔術師が再録落ちし失った。時のらせんのタイムシフトで復活したが、次元の混乱で登場した放蕩紅蓮術士/Prodigal Pyromancerが第10版に再録されたことにより赤へ完全に移行したことが印象付けられた。
- パワーのみを下げる効果は黒や緑が主に持っていたが、神河ブロック以降、青のものとなった。
- 墓地のカードをライブラリーに戻す効果はTimetwisterなどのリセットの副次効果として持っていたが、追憶/Reminisce以降それ単独の効果のカードも登場するようになった。
- プロパガンダ/Propagandaといった強力なカードがあるため色の役割として攻撃制限を持っているイメージが強いが、実際はそう多くは無い。亡霊の牢獄/Ghostly Prisonが登場し色の役割として白に移行したことが明確になったが、ラヴニカへの回帰ブロックの留置など必要となれば使用する。
- ミラディン・ブロックでの分流/Shuntの登場以降、呪文の対象の変更効果は赤に移行していたが、基本セット2011の移し変え/Redirect以後は元に戻ってきた。
- 「タップし次のアンタップ・ステップにアンタップさせない」タイプの効果は黎明期から持っていたが、一時期は白と共有していた。基本セット2012の霜のブレス/Frost Breath以降は色の役割として完全に独占し定番効果となっている。
- 常磐木から外された能力として被覆や島渡り、廃止されたキーワード能力として生息条件などを持っていた。
- クリーチャーを別の姿に変身させてしまうフレーバーとして、変身/Polymorphのように除去して代わりのクリーチャーをライブラリーから出したり、羊術師/Ovinomancerのように代わりにトークンを与える効果を役割として持っていたが、前者はタルキール龍紀伝の祝福された転生/Blessed Reincarnationを最後に赤の役割へ移り、後者も白がよりふさわしいとしてストリクスヘイヴン:魔法学院の再造形/Resculptが最後になった[1]。変身のフレーバーは引き続き無原則変身法/Mercurial Transformationやトゥルー・ポリモーフ/True Polymorphのように特性の上書きやコピー効果という形で使われている。
- 警戒はキーワード能力化する前の西風の隼/Zephyr Falconなどごく少数が持っており、色の役割が崩された次元の混乱で取り扱われる程度だったが、2021年頃プレイ・デザイン・チームから色の協議会に、リミテッドで有用な青のクリーチャーを作るために警戒を追加して欲しいという要請があったため2種色として検討されることになった[2]。実際に登場したのは2022年の統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦いのキャンドルキープの研究者、ヴァル/Vhal, Candlekeep Researcherからで、本流のセットでも団結のドミナリアから徐々に数を増やしている。
[編集] 色の理念
真の青への再訪によれば、青は知識を元に完璧さを求める色である。青にとって、個々人は望めば何者にも成れる可能性を持った白紙のキャンバスであり、人生とは生涯をかけて己の可能性を追求し、完璧を目指して向上し続けることだと考えている。青が考えるに、己の可能性を追求する上で最も重要なのは知識(情報)であり、人々は(感情や本能に惑わされずに)知識を元に注意深く慎重に理性的に考えた上で成りたい自分を決め、また成りたい自分になるための計画を立てるべきである。故に、青は知識を得るための手段、研究や教育等を重視している。故に青は個々人が十分な教育を受けられる社会を望んでおり、また社会自体も個々人と同じく完璧を目指して向上するべきだと考えている。
こうしたことから、青が表すものとして、学問、本などの情報集積体、精神/思考、記憶、テレパシー、テレキネシス、時間の活用、支配、操作、綿密さ、複雑さ、小手先の技術、幻影、構築/技術、アーティファクト、人工物、消極性、冷たさ、水/空気の精霊などがある。
青と黒は共に自己利益を求め、自分のありようや自分の行動を自分で決めるべきだと考えており、故に友好色であるとされる。ただし、青は全体利益を求める性質もあるため、その点では黒と対立する。
青と白は共に計画的に全体利益を求める色であり、故に友好色であるとされる。ただし、青は自己利益を求める性質もあるため、その点では白と対立する。
青は自分のありようを自分で自由に選択することを是とするが、緑は自分のあるべき姿は自然界によって既に決められていて、それを変えるべきではないと考えており、故に青と緑は対抗色となっている。
青が理性を持って長期的利益を求める色であるのに対し、赤は感情を持って短期的利益を求める色であるため、青と赤は対抗色となっている。
[編集] その他
- 巨大なクリーチャーやコントロールを多く抱えるため、重い呪文が多い(参考:各種カードランキング#色別)
- 日本人が好きな色とよく言われる。
- 禁止カードがやたらに多い色でもある。パワー9の三枚を筆頭に、意外な授かり物/Windfall、精神を刻む者、ジェイス/Jace, the Mind Sculptorと挙げればキリがない。これはドローとサーチに長けた色であるためパワーバランスの調整が難しく、また修繕/Tinkerや精神の願望/Mind's Desireといった強烈なコンボパーツが多数存在することが原因となっている。
- 「青はクリーチャーが貧弱な色」と説明されることが多いが、それは一面だけを見た評価に過ぎない。
- 確かに、青は色の役割においてマナレシオ(コスト対P/T比)による単純比較では最下位と位置付けられている。クリーチャー同士の戦闘を有利にするキーワード能力もほとんど与えられない。コモンクリーチャーのP/Tや戦闘能力の質が如実に反映されやすいリミテッドでは、緑や白の良質なクリーチャーに一方的にやられてしまうことも多い。これらを踏まえて「青のクリーチャーは貧弱」と評価することは誤りではないだろう。
- 一方で、飛行やブロックされない回避能力、呪禁や自己バウンスによる除去耐性、何らかのカード・アドバンテージを獲得できる能力がクリーチャーに与えられており、決して他の色に質で劣るとは言い切れない。青が得意とする大型クリーチャーで言えば、霊異種/Aetherlingのように非常に対処が難しく決定力の高いカードは幾度となく登場している。小型クリーチャーにしても、たびたびタイプ的カードが登場するマーフォークを始めとして、秘密を掘り下げる者/Delver of Secretsのような単独でも強力なウィニークリーチャーも少なくない。
- エターナルまでカードプールを広げて見ると、秘密を掘り下げる者、瞬唱の魔道士/Snapcaster Mage、ヴェンディリオン三人衆/Vendilion Clique、真の名の宿敵/True-Name Nemesisといった優良クリーチャーが犇めいていることがすぐにわかる。これらを指して「青はクリーチャー最強の色」と評されることもある。(それもまた一面だけを見た評価に過ぎない)
- 構築の幅が制限されるスタンダードでも、カードプールに恵まれれば青単色の純粋なビートダウンデッキがトップメタに食い込むこともある。青単信心が代表的。
[編集] 脚注
- ↑ メカニズム的カラー・パイ 2021年版変更点(Making Magic 2021年2021年10月18日)
- ↑ Mechanical Color Pie 2021/メカニズム的カラー・パイ 2021年版(Making Magic 2021年10月18日)
[編集] 参考
- True Blue(Making Magic 2003年8月11日 Mark Rosewater著)
- 真の青――頭は回れど力はからきし(Braingeyser、上の記事の和訳)
- Striving for Perfection(Making Magic 2008年11月8日 Mark Rosewater著 エスパーウィーク記事)
- True Blue Revisited/真の青への再訪(Making Magic 2015年7月20日 Mark Rosewater著 米村薫訳)
- 用語集
色 | |||||||||
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単色 | 白 - 青 - 黒 - 赤 - 緑 | ||||||||
多色 (金) |
| ||||||||
アン・ゲーム専用 | ピンク - 金 - 目の色 | ||||||||
色の関係 | 色の組み合わせ - 友好色 - 対抗色 - カラーパイ - 色の役割 | ||||||||
関連項目 | 無色 - 有色 - 単色カード - 多色カード - 色指標 - 固有色 - デッキカラー |