永遠の証人/Eternal Witness

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[[フィフス・ドーン]]トップ[[アンコモン]]。[[レア]]だと思っていた人は多い。
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[[フィフス・ドーン]]のトップ[[アンコモン]]。[[新たな芽吹き/Regrowth]][[内蔵]]した[[187クリーチャー]]。
3[[マナ]]にして[[墓地]]から[[手札]]へ[[カード]]回収というのは[[187クリーチャー]]の中でも最高級の[[能力]]。
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[[ヴィンテージ]][[制限カード]]である[[Regrowth]][[マナ・コスト]]を([[]])増やしたら、2/1の[[クリーチャー]]がオマケに付いてくるというわけの分からないカード。
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登場当時の基準では強力すぎるとされていた[[新たな芽吹き/Regrowth]]に、ほんの[[緑マナ]]1点を足しただけで2/1の[[クリーチャー]]がオマケに付いてきてしまった。質・量ともに確実に[[カード・アドバンテージ]]が取れるうえに、[[パワー]]2で[[ブロッカー]][[クロック]]としても貢献できるとあって、その[[コスト・パフォーマンス]]は驚異的。
[[cip]]になったおかげで、[[霊体の地滑り/Astral Slide]]や[[鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker]]などで悪用しやすくなった。
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サイズだけ見ると3マナ2/1で[[]]にしてはやや小さめに見えるが、上でも書いたように2マナ分は[[Regrowth]]なので、(緑)で2/1クリーチャーがついてくると考えられる。
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クリーチャーになったおかげで、[[霊体の地滑り/Astral Slide]]や[[鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror Breaker]]などで[[ETB]][[能力]]を再利用しやすくなった。[[排撃/Repulse]]や[[謎めいた命令/Cryptic Command]]のような、他に有効な[[効果]]を持つ[[バウンス]]とは強力な[[シナジー]]を持つ。例えば排撃なら[[引く|ドロー]]、謎めいた命令ならバウンス以外の三つの効果のうち、どれか好きなものを繰り返し使うことができる(→[[ヤソコン#モダン|Eternal Command]])。
<!-- 1マナ2/1デメリット無しとは[[野生の犬/Wild Dogs]]もびっくりである。 -->
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もちろん抱き合わせ故のコストパフォーマンスの良さではあるがそれでも3マナ、前述の通りクリーチャーであることがメリットでもあるためあまりにも強力である。
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弱点らしい弱点はないが、強いて言えば[[ダブルシンボル]]であることと、[[墓地]]からの[[回収]]に過ぎず即座に[[戦場]]や[[ダメージレース]]に介入できるわけではないこと。緑マナ2点が出せなければ当然[[手札]]で[[腐る]]し、また回収した[[呪文]]を[[唱える]]のにさらにマナ(もしくは次[[ターン]]まで待つ余裕)が必要になるため、[[マナ基盤]]が貧弱な[[デッキ]]やじっくり構えているヒマがないデッキではポテンシャルを発揮しきれない場合がある。実際、[[エクステンデッド]]の[[アストログライド]]では、流行の[[Zoo]]や[[バーン]]の速度に対して悠長でリスキーであるという判断から採用しない型が主流だった。
  
弱点らしい弱点は無いが、強いて言えば[[ダブルシンボル]]である事。[[タッチ]][[]]なデッキでは(緑)(緑)が出せずに[[手札]]で腐る可能性がある。
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[[スタンダード]]では、[[オンスロート・ブロック]]退陣間際の登場とあって[[サイクリング]]と組み合わさり[[エターナルスライド]]で活躍。また他にも[[ウルザトロン]]や[[創造の標]]デッキなどで広く使われた。その後も[[エクステンデッド]]、[[モダン]]、[[エターナル]]とあらゆる[[フォーマット]]で活躍する[[パワーカード]]である。
しかし、逆に言えば(緑)(緑)が容易に出せる緑メインのデッキならばほぼ間違いなく入るのである。
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[[オンスロート・ブロック]]退陣間際には[[サイクリング]]と組み合わさり[[エターナルスライド]]で活躍。
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*[[歯と爪/Tooth and Nail]][[リアニメイト]]などの「クリーチャーを[[戦場に出す]]」[[呪文]]でこれを戦場に出した場合、そのカードを回収できる。なぜなら、ETB能力が[[スタック]]に乗り、戻す[[対象]]を選ぶのは、そのカードの[[解決]]が終わる=墓地に置かれた後なので、対象を選ぶ時点でそれは既に墓地にあるからである。
また他にも[[ウルザトロン]]や[[創造の標]]デッキなどで広く使われた。
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*登場当時の類似カードは[[エルフの隠し場所/Elven Cache]]や[[エクソダス]]の[[タウンズフォーク]]などが基準。その後に出たものも[[喚起/Recollect]]や[[イゼットの時術師/Izzet Chronarch]]などである。見比べるとこのカードがどれだけ優れた[[コスト・パフォーマンス]]なのか([[開発部]]が強気に調整してしまったか)がよくわかる。
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*開発時は、5マナ2/2というサイズだったらしい。前述のエルフの隠し場所やタウンズフォークから考えればそのぐらいが適正にも思えるが、そのままであればここまで使われることはなかったのは間違いない。[[フィフス・ドーン]]の緑のカード群が弱かったために、バランスを取るために作られたのだが、緑の[[レア]]には既に[[全ての太陽の夜明け/All Suns' Dawn]]があったのでアンコモンになったとのこと。
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*[[アルティメットマスターズ]]で再録された際には[[アルティメットマスターズ#Ultimate Box Topper|Ultimate Box Topper]]の1枚に選ばれている。アンコモンからの選出はこれと[[台所の嫌がらせ屋/Kitchen Finks]]のみ。
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*フィフス・ドーン版の{{Gatherer|id=51628}}で顔にタトゥーを施しているからか、[[Secret Lair Drop Series/2020年#Full Sleeves: The Tattoo Pack|Secret Lair Drop Series: Full Sleeves: The Tattoo Pack]]の1枚に選出された。
  
*[[歯と爪/Tooth and Nail]][[リアニメイト]][[呪文]]で出した場合はそのカードを回収できる。
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==関連カード==
なぜなら、[[cip]]能力が[[スタック]]に乗り、戻す[[対象]]を選ぶのは、そのカードの解決が終わる=墓地に置かれた後なので、対象を選ぶ時点でそれは既に墓地にあるからである。
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墓地から手札に任意の[[カード・タイプ]]のカードを戻す能力を持つ[[パーマネント]]。特記しない限り[[緑]]。
*開発時は、何と5マナ2/2というサイズだったらしい。
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*[[禁忌の墓所/Forbidden Crypt]] - (3)([[黒マナ|黒]])(黒)。カードを[[引く]]事を、墓地からカードを[[手札に加える]]事に[[置換]]する[[黒]]の[[エンチャント]]。([[ミラージュ]])
[[イゼットの時術師/Izzet Chronarch]]を見れば適性と言えるが、ここまで使われる事が無かったのは間違いない。
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*[[総体の知識/Holistic Wisdom]] - (1)(緑)(緑)。[[起動コスト]]として[[追放]]したカードと共通した[[カード・タイプ]]のカードを戻すことができるエンチャント。([[オデッセイ]])
*3マナ2/1であることを考えると、cipは[[Regrowth]]ではなく[[回収/Reclaim]]の方が適切であったかもしれない。
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*[[納骨蔵のワーム/Charnelhoard Wurm]] - (4)(黒)([[赤マナ|赤]])(緑)。クリーチャー。[[対戦相手]]に[[ダメージ]]を与えた時の[[誘発型能力]]で戻す。([[コンフラックス]])
*[[頭蓋骨絞め/Skullclamp]]が禁止になっていなければ、環境は緑一色であった可能性すらある。
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**[[ラミレス・ディピエトロの幽霊/Ghost of Ramirez DePietro]] - (2)([[青マナ|青]])。[[共闘]]クリーチャー。このターンに手札か[[ライブラリー]]から墓地に置かれたカードしか戻せない納骨蔵のワーム。([[統率者レジェンズ]])
*1マナ重い[[エルフの隠し場所/Elven Cache]][[エクソダス]]の[[タウンズフォーク]]等、この[[カード]]のおかげで見劣りするようになったものは多い。
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*[[写本裁断機/Codex Shredder]] - (1)。起動コスト(5)と自身を[[生け贄に捧げる]][[タップ能力]]として内蔵した[[アーティファクト]]。([[ラヴニカへの回帰]])
*その後に出された[[墓地]]からの回収カードである[[喚起/Recollect]][[イゼットの時術師/Izzet Chronarch]]できちんとバランスを見直されている。
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*[[ニクスの織り手/Nyx Weaver]] - (1)(黒)(緑)。起動コスト(1)(黒)(緑)と自身を[[追放]]する[[起動型能力]]として内蔵した[[クリーチャー・エンチャント]]。([[ニクスへの旅]]
前者は[[アドバンテージ]]が単純に得られず、後者は回収の条件が付き、さらにそれぞれ適正であろう[[マナ・コスト]]に修正された。
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*[[黄金牙、タシグル/Tasigur, the Golden Fang]] - (5)(黒)。[[探査]]クリーチャー。起動コスト(2)(緑/青)(緑/青)の起動型能力で[[対戦相手]]が選んだカードを戻す。ただし土地だけは選択できない。([[運命再編]])
<!-- -その後に出された[[喚起/Recollect]][[イゼットの時術師/Izzet Chronarch]]も適度にバランスが調整され、けして弱い[[カード]]ではないのに、ただの弱いカードと評価されてしまう。その傾向は特に初心者に多い。証人は墓地からのカード回収効果を持つカードへの価値観を大きく捻じ曲げてしまった。
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**[[神の乱/The Kami War]] - (1)([[白マナ|白]])(青)(黒)(赤)(緑)。[[変身]]する[[英雄譚]]の[[第2面]]であるクリーチャー・エンチャント。起動型でなく[[攻撃]]時にタシグルの能力が[[誘発]]する。([[神河:輝ける世界]])
↑断定も含めて、ちょっと大げさ過ぎる。 -->
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*[[棲み家の防御者/Den Protector]] - [[変異誘発型能力]]として内蔵した[[大変異]](1)(緑)クリーチャー。([[タルキール龍紀伝]])
*開発時、[[フィフス・ドーン]]の緑のカード群が弱かったために、バランスを取るために作られたのだが、緑のレアには既に[[全ての太陽の夜明け/All Suns' Dawn|Regrowth系のカード]]があったのでアンコモンになったとのこと。
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*[[ムラーサの緑守り/Greenwarden of Murasa]] - (4)(緑)(緑)。ETB能力と自身を追放する[[PIG]]能力でそれぞれ1枚ずつ戻す。([[戦乱のゼンディカー]])
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*[[髑髏蛇/Skullwinder]] - (2)(緑)。ETB能力として内蔵したクリーチャー。対戦相手もカードを戻せる。([[統率者2015]])
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*[[征服者のガレオン船/Conqueror's Galleon]] - (4)。[[両面カード]]の[[第2面]]である[[土地]]の起動コスト(6)のタップ能力として内蔵した[[機体]]・アーティファクト。([[イクサラン]])
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*[[伝承の収集者、タミヨウ/Tamiyo, Collector of Tales]] - (2)(緑)(青)。-3[[忠誠度能力]]として内蔵した[[プレインズウォーカー]]。([[灯争大戦]]
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*[[永久の証人/Timeless Witness]] - (2)(緑)(緑)。[[永遠]](5)(緑)(緑)付き永遠の証人。([[モダンホライゾン2]])
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*[[デック・オヴ・メニー・シングズ/The Deck of Many Things]] - (5)。起動コスト(2)の[[タップ能力]]で20面[[サイコロ]]を振り、出目が9以下なら戻せるアーティファクト。ただし[[無作為に]]選ぶ。([[フォーゴトン・レルム探訪]])
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*[[グリッサの回収者/Glissa's Retriever]] - (5)(緑)。自身を追放するPIG能力として内蔵したクリーチャー。[[毒カウンター]]が3つ以上の対戦相手1人につき1枚ずつ戻す。([[ファイレクシア:完全なる統一統率者デッキ]])
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クリーチャーしか戻せないものは[[Adun Oakenshield]]か[[グレイブディガー/Gravedigger]]の項を参照。
  
 
==参考==
 
==参考==
*[[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/daily/af14|創生の証人―まな板の上の“新たな芽吹き君”]](Wizards社;英語)
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*[https://web.archive.org/web/20220818145211/https://magic.wizards.com/en/articles/archive/latest-developments/witnessing-creation-2004-05-14-0 Witnessing Creation(Internet Archive)](Latest Developments [[2004年]]5月14日 [[Aaron Forsythe]]著)
*[[http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/cotd/0503|Card of the Day 11/03/2005]]([[http://abomination.jp/empire/Misc/CotD/CD200503.shtml|邦訳]])
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*[https://web.archive.org/web/20220127150342/https://magic.wizards.com/en/articles/archive/card-day-march-2005-2005-03-01 Card of the Day 11/03/2005(Internet Archive)]([https://web.archive.org/web/20211208064050/http://abomination.jp/empire/Misc/CotD/CD200503.shtml 邦訳(Internet Archive)])
*[[カード個別評価:ミラディンブロック]]
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*[[カード個別評価:フィフス・ドーン]] - [[アンコモン]]
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*[[カード個別評価:ダブルマスターズ2022]] - [[アンコモン]]
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*[[カード個別評価:時のらせんリマスター]] - 旧枠加工カード
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*[[カード個別評価:統率者マスターズ]] - [[アンコモン]]
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*[[カード個別評価:アルティメットマスターズ]] - [[アンコモン]]
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*[[カード個別評価:Modern Masters]] - [[アンコモン]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2024年#Deceptive Divination|Secret Lair Drop Series: Deceptive Divination]]
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*[[Secret Lair Drop Series/2020年#Full Sleeves: The Tattoo Pack|Secret Lair Drop Series: Full Sleeves: The Tattoo Pack]]
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*[[マジック30周年記念プロモ]]

2024年3月31日 (日) 13:37時点における版


Eternal Witness / 永遠の証人 (1)(緑)(緑)
クリーチャー — 人間(Human) シャーマン(Shaman)

永遠の証人が戦場に出たとき、あなたの墓地にあるカード1枚を対象とする。あなたはそれをあなたの手札に戻してもよい。

2/1

フィフス・ドーンのトップアンコモン新たな芽吹き/Regrowth内蔵した187クリーチャー

登場当時の基準では強力すぎるとされていた新たな芽吹き/Regrowthに、ほんの緑マナ1点を足しただけで2/1のクリーチャーがオマケに付いてきてしまった。質・量ともに確実にカード・アドバンテージが取れるうえに、パワー2でブロッカークロックとしても貢献できるとあって、そのコスト・パフォーマンスは驚異的。

クリーチャーになったおかげで、霊体の地滑り/Astral Slide鏡割りのキキジキ/Kiki-Jiki, Mirror BreakerなどでETB能力を再利用しやすくなった。排撃/Repulse謎めいた命令/Cryptic Commandのような、他に有効な効果を持つバウンスとは強力なシナジーを持つ。例えば排撃ならドロー、謎めいた命令ならバウンス以外の三つの効果のうち、どれか好きなものを繰り返し使うことができる(→Eternal Command)。

弱点らしい弱点はないが、強いて言えばダブルシンボルであることと、墓地からの回収に過ぎず即座に戦場ダメージレースに介入できるわけではないこと。緑マナ2点が出せなければ当然手札腐るし、また回収した呪文唱えるのにさらにマナ(もしくは次ターンまで待つ余裕)が必要になるため、マナ基盤が貧弱なデッキやじっくり構えているヒマがないデッキではポテンシャルを発揮しきれない場合がある。実際、エクステンデッドアストログライドでは、流行のZooバーンの速度に対して悠長でリスキーであるという判断から採用しない型が主流だった。

スタンダードでは、オンスロート・ブロック退陣間際の登場とあってサイクリングと組み合わさりエターナルスライドで活躍。また他にもウルザトロン創造の標デッキなどで広く使われた。その後もエクステンデッドモダンエターナルとあらゆるフォーマットで活躍するパワーカードである。

関連カード

墓地から手札に任意のカード・タイプのカードを戻す能力を持つパーマネント。特記しない限り

クリーチャーしか戻せないものはAdun Oakenshieldグレイブディガー/Gravediggerの項を参照。

参考

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