分割カード

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分割カード/Split Cardとは、インベイジョン初出のカード群の総称。

目次

概要


Assault / 暴行 (赤)
ソーサリー

クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。暴行はそれに2点のダメージを与える。

Battery / 殴打 (3)(緑)
ソーサリー

緑の3/3の象(Elephant)クリーチャー・トークンを1体生成する。



Breaking / 強行 (青)(黒)
ソーサリー

プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、カードを8枚切削する。
融合(あなたはこのカードの片方の半分または両方の半分をあなたの手札から唱えてもよい。)

Entering / 突入 (4)(黒)(赤)
ソーサリー

いずれかの墓地にあるクリーチャー・カード1枚をあなたのコントロール下で戦場に出す。それはターン終了時まで速攻を得る。
融合(あなたはこのカードの片方の半分または両方の半分をあなたの手札から唱えてもよい。)



Failure / 腹背 (1)(青)
インスタント

呪文1つを対象とし、それをオーナーの手札に戻す。

Comply / 面従 (白)
ソーサリー

余波(この呪文はあなたの墓地からのみ唱えられる。その後、これを追放する。)
カード名1つを選ぶ。あなたの次のターンまで、対戦相手は選ばれた名前を持つ呪文を唱えられない。


1枚のカードに小さな2枚のカードが並べて印刷されており唱える際にはどちらかを選び、選んだ方の特性を持ってスタックに乗る。

特別なカードセットで登場したものを除けば、いずれもサイクルとして登場しており、次元の混乱でのサイクルが稀少度別であったものを除けば、別のサイクルとなっている。分割カード一覧の節を参照。

分割カードに関連する能力としては以下のものがある。

ルーリング

基本

スタック上では選ばれたカードの性質のみを持つ。スタック以外の領域では中に含まれているカード全ての性質を合計した性質を持つ。

カード名に関しては、便宜上両方の名前を併記して1枚のカード名としていることが多いが、ルール上厳密にはそれぞれの半分が独立したカードとしてそれぞれの名前を持っており、分割カードはそれら2つのカード名を併せ持つカードとして扱う。詳細はカード名#カード名の指定の項も参照。

  • 例:暴行+殴打/Assault+Batteryは、「暴行/Assault」と「殴打/Battery」という2つの名前を持つカードである。
    • 「『暴行』という呪文は唱えられない」という制限がある場合は、「殴打」の側は禁止されていないので唱えることができる。
    • 「『暴行』という名前のカードを追放する」という効果を処理する場合は、「暴行」というカード名を持っているため、「暴行+殴打」は追放される。

スタック上にある場合

分割カードがスタック上にある場合、点数で見たマナ・コストは唱えている側の特性のみが参照される。ただし融合した分割呪文は、色やカード名などは両方の特性を持ち、点数で見たマナ・コストは両方の値を合計した値となる。

  • 例:思考縛り/Thoughtbindは、点数で見たマナ・コストが4以下の呪文を打ち消すことができる。
    • 打撃+爆走/Hit+Runの「打撃」は、点数で見たマナ・コストは3なので打ち消せる。「爆走」は5なので打ち消すことができない。
    • 遠隔+不在/Far+Awayの「遠隔」「不在」はそれぞれ2と3なので、打ち消すことができる。融合して唱えられた場合は、点数で見たマナ・コストは合計の5となるので打ち消すことはできない。

分割カードを唱える場合、まず「どちらの側で唱えるか」を選択してから唱え始める。ある特性を持った呪文を唱えることを許可したり禁止したりする効果は、唱える側の特性のみを見て適用する。

スタック上にない場合

分割カードがスタック以外の領域にある場合、カード・タイプマナ・コストは両方の合計として扱う。

  • 例:腹背+面従/Failure+Complyがスタック以外の領域にある場合
  • 例:きらめく願い/Glittering Wishゲームの外部から多色のカード1枚を手札に加える。腹背+面従が持っている色は白と青の2つなので、多色のカードであり、よってこれにより手札に加えることができる。各半分は単色であるが、それは考慮しない。
  • 例:苦悶の権化/Embodiment of Agonies墓地にある異なるマナ・コストのカード1種類につき+1/+1カウンターが1つ置かれる。腹背+面従と聖トラフトの霊/Geist of Saint Traftはどちらも「(1)(白)(青)」のマナ・コストを持つため、墓地にそれら2枚のみがあった場合、置かれる+1/+1カウンターは1つである。
  • 例:生き返りの蒸気/Reviving Vaporsは手札に加えたカードの点数で見たマナ・コストによって得るライフの量を決定する。ここで腹背+面従を手札に加えた場合、これの点数で見たマナ・コストは「3」なので、3点のライフを得る。
  • 例:虚空/Voidは指定した値の点数で見たマナ・コストに該当するカードを捨てさせる。対象のプレイヤーの手札に腹背+面従があった場合、これの点数で見たマナ・コストは3なので、指定が「3」であれば捨てさせる事ができる。「1」「2」では捨てさせられない。
  • 例:撹乱する群れ/Disrupting Shoal代替コストとして腹背+面従を追放する場合、「点数で見たマナ・コストがXである青のカード1枚」と指定されているので、Xの適正な指定は「3」だけである。「1」「2」は指定できない。

旧ルール

1枚のカードに2つの半分が印刷されているという複雑さのためか、分割カードに関するルールはたびたび変更されている。

アモンケットでのルール更新前

スタック上にない分割カードは、それぞれの半分に基づく2組の特性を同時に持つとされていた。

  • 例:腹背+面従/Failure+Complyがスタック以外の領域にある場合。(腹背+面従はルール変更後に登場しているが、現在のルールとの対比のため、ここで例示する。)
    • カード・タイプは、腹背が「インスタント」、面従が「ソーサリー」であるため、「インスタント・ソーサリー」である。
    • 色は、腹背が「青」、面従が「白」であるため、「白青」である。
    • 点数で見たマナ・コストは、腹背が「2」、面従が「1」であるため、「『2』かつ『1』」である。
    • 点数で見たマナ・コストを参照することと色を参照することはお互いに「関連」してはいない。

カードの特性が参照される場合、以下のように処理された。

  • 分割カードの特性を参照して何かする効果は、2つの特性の組み合わせを答えとして参照する。点数で見たマナ・コストは各部分のマナ・コストの和となる。これについては、現在のルールとの差はない。
  • 分割カードの特性がある条件に当てはまるかそうでないかを問う効果は、2つの特性に対しての答えの論理和を回答とする。すなわち、どちらかが「はい」なら全体の答えも「はい」である。
    • 虚空/Voidを解決するに際し、対象のプレイヤーの手札に腹背+面従があった場合、これの点数で見たマナ・コストは「1」と「2」なので、指定が「1」「2」であれば捨てさせる事ができる。「3」では捨てさせられない。
    • 撹乱する群れ/Disrupting Shoalの代替コストとして腹背+面従を追放する場合、Xの適正な指定は「1」と「2」のどちらかである。「3」は指定できない。
      • 「1」の側である「面従」は青ではないが、カードとして「青である」という特性を備えているため問題はない。

ルール上は矛盾なく取り扱うことができるが、複雑で特に初心者にとって理解が難しいことからアモンケットの発売に合わせ現在のルールに変更された。

  • 旧ルールでは分割カードの「複数のコストを持っている」ことを活かせたものの、新ルールでその利点が失われたカードとしては、上記の撹乱する群れのほか、相殺/Counterbalance等時の王笏/Isochron Scepterなどが挙げられる。

ドラゴンの迷路でのルール更新前

プレーンシフトからドラゴンの迷路までは、分割カードのカード名を選択する場合は、両方の半分の名前を選択し、選んだ2つのカード名のうち一方でも持っていれば、オブジェクトは「指定した名前を持つ」と判定するルールとなっていた。

ワールドウェイクでのルール更新前

ワールドウェイクでのルール更新の前は、呪文を唱えることを許可・禁止する効果は現在の「スタック上にない場合」と同様に論理和で適用されていた。

カード名

これまでに登場したすべての分割カードは、各半分が1単語のカード名を持つ。

その他

  • ルールそのものはきっちり整備されておりさまざまなバリエーションに発展させても問題なく処理はできるものの、プレイヤーを混乱させるような極端に突飛なデザインは避けられている。
  • ドラゴンの迷路までの分割カードはすべて「両方インスタント」か「両方ソーサリー」だったが、アモンケットにて「インスタント+ソーサリー」の分割カードが登場した。
  • 分割カードのアイディア自体はお蔵入りとなったアングルード2用に出されたものだった。
  • 横置きのカードとしてはBurning Cinder Fury of Crimson Chaos Fire以来。エラーカードだと思ってネットオークションに出品してしまった人や切り離してしまった人もいたとか。
  • 分割カードのおかげでカードを横向きにおく場合どちらが上なのかはっきりした。キッチリ整頓したい人には意外とありがたいことである。
  • インベイジョンの友好色分割カードは、左から白→青→黒→赤→緑→白と色の順に並べられているが、アポカリプスの対抗色分割カードは白→赤→青→緑→黒→白と本来の並びとは逆順である。
  • 慣れていないとカードを横向きにしてテキストを読みたくなるが、分割カードを持っているとバレるのでやめておこう。もちろん、自分の顔を傾けるのもよくない。
  • アモンケット・ブロックの余波を持つ分割カードは余波を持つ側の半分だけが横向きであり(カード画像)、手札では上半分をそのまま読める・墓地では右半分だけはみ出させて置けばその存在を忘れずにすむ、というフラッシュバックの反省も活かしたデザインになっている。
    • 余波を持つ側の半分は通常の分割カードと向きが逆になっている(通常のものは左倒しだが余波は右倒し)。正確な理由は不明だが、おそらくは実際のゲームにおける領域の物理的配置を配慮したものだろう。卓上の中心を戦場、その右側にライブラリーや墓地を配置するプレイヤーは多く、このとき墓地の右側からはみ出ることになり戦場のパーマネントの邪魔にならない。
  • 権利表記やアーティスト名は、従来のカード枠(旧枠および第8版~コンスピラシーのカード枠)ではわざわざ各半分に印刷されていた(カード画像)が、基本セット2015以降のカード枠では他のカードと同じく下端の一箇所にのみ印刷される(カード画像)。ただし統率者2016の分割カードのみ下端ではなく右端に印刷されている(カード画像)。

分割カード一覧

インベイジョン

各半分が単色、カード全体では友好色2色。

アポカリプス

各半分が単色、カード全体では対抗色2色。

ディセンション

以下は、各半分が友好色2色、カード全体では弧3色

以下は、各半分が対抗色2色、カード全体では楔3色

次元の混乱

各半分とも単色(カード全体でも赤単色)。稀少度別のサイクル。

ドラゴンの迷路

以下は、各半分が単色、カード全体では2色。

以下は、各半分が2色、カード全体では3色。

アモンケット

以下は、各半分が同じ色の単色(カード全体でも単色)。

以下は、各半分が単色、カード全体では友好色2色。

以下は、各半分が単色、カード全体では対抗色2色。

破滅の刻

以下は、各半分が単色、カード全体では友好色2色。

以下は、各半分が単色、カード全体では対抗色2色。

ラヴニカのギルド

半分が混成2色、もう半分が通常の2色(カード全体でも2色)。

ラヴニカの献身

半分が混成2色、もう半分が通常の2色(カード全体でも2色)。

その他(銀枠

アンヒンジド
ホリデーギフトカード
2009年のエイプリル・フール
Mystery Booster R&D Playtest card

脚注

  1. Development Questions with Amonkhet/『アモンケット』でのデベロップの疑問(Latest Developments 2017年4月14日 Sam Stoddard著)
  2. Twenty Years, Twenty Lessons—Part 3/20の年、20の教訓 その3(Making Magic 2016年6月13日 Mark Rosewater著)

参考

引用:総合ルール 20231117.0

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