スライ
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− | '''スライ'''(''Sligh'')は、[[赤]]を中心とした、[[マナカーブ]]と[[ダメージ]]効率を重視した超速攻[[ウィニー]][[デッキ]]。または、赤を中心とした[[ | + | {{ノート参照}} |
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+ | '''スライ'''(''Sligh'')は、[[赤]]を中心とした、[[マナカーブ]]と[[ダメージ]]効率を重視した超速攻[[ウィニー]][[デッキ]]。または、赤を中心とした[[ビートダウンデッキ]]の総称。デッキ名は[[Paul Sligh]](ポール・スライ)のラストネームに由来する。 | ||
==概要== | ==概要== | ||
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[[Paul Sligh]]が使用した[[プロツアー予選]]で2位に入ったことで、以後“スライ”というニックネームがつけられることになった。当時は2位でも[[プロツアー]]出場枠に入れたので、インターネット上における若干の誇大宣伝もあって、この名前が定着してしまった。実際、このデッキ(またの名を“ギーバ”や“[[オークの司書/Orcish Librarian|オークの司書]]デッキ”)は、今日においても偉大な[[デッキビルダー]]であるJay Schneiderのデザインによるものであるが、スライに比べてその名はここ数年ほとんど表に出てこない。 | [[Paul Sligh]]が使用した[[プロツアー予選]]で2位に入ったことで、以後“スライ”というニックネームがつけられることになった。当時は2位でも[[プロツアー]]出場枠に入れたので、インターネット上における若干の誇大宣伝もあって、この名前が定着してしまった。実際、このデッキ(またの名を“ギーバ”や“[[オークの司書/Orcish Librarian|オークの司書]]デッキ”)は、今日においても偉大な[[デッキビルダー]]であるJay Schneiderのデザインによるものであるが、スライに比べてその名はここ数年ほとんど表に出てこない。 | ||
− | 近年、スライと呼ばれているデッキのほとんどが[[デッドガイレッド]](又は[[バーン]])に近い。[[エクステンデッド]]では[[土地破壊]]要素も入り、[[赤単色デッキ|赤単色]]の高速デッキ全体が[[ | + | 近年、スライと呼ばれているデッキのほとんどが[[デッドガイレッド]](又は[[バーン]])に近い。[[エクステンデッド]]では[[土地破壊]]要素も入り、[[赤単色デッキ|赤単色]]の高速デッキ全体が[[Red Deck Wins]]と呼ばれることが多い。 |
==他のデッキとの相性== | ==他のデッキとの相性== | ||
良くも悪くもウィニーの特性を突き詰めたような超速攻が特徴であり、遅いデッキ全般に強い。[[コントロール (デッキ)|コントロールデッキ]]はもちろんだが、相手の速度やこちらの[[展開]]によってはウィニーが苦手とする[[コンボデッキ]]や[[ミッドレンジ]]相手に押し切れてしまうことも珍しくない。 | 良くも悪くもウィニーの特性を突き詰めたような超速攻が特徴であり、遅いデッキ全般に強い。[[コントロール (デッキ)|コントロールデッキ]]はもちろんだが、相手の速度やこちらの[[展開]]によってはウィニーが苦手とする[[コンボデッキ]]や[[ミッドレンジ]]相手に押し切れてしまうことも珍しくない。 | ||
− | 弱点も分かりやすく、序盤をしのげるだけ防御力を持ったデッキには弱い。[[軽い]][[除去]]を詰め込んだコントロールデッキの他、[[アグロ]]寄りの[[緑]]や[[白]]の[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウンデッキ]]との相性も良くない。これは[[火力]]に[[カード・アドバンテージ]]を得づらいものが多い上、クリーチャーの[[殴り合い]]においても緑や白のクリーチャーは[[コスト・パフォーマンス]]が高く、さらに[[プロテクション]]や[[被覆]]・[[呪禁]] | + | 弱点も分かりやすく、序盤をしのげるだけ防御力を持ったデッキには弱い。[[軽い]][[除去]]を詰め込んだコントロールデッキの他、[[アグロ]]寄りの[[緑]]や[[白]]の[[ビートダウン (デッキ)|ビートダウンデッキ]]との相性も良くない。これは[[火力]]に[[カード・アドバンテージ]]を得づらいものが多い上、クリーチャーの[[殴り合い]]においても緑や白のクリーチャーは[[コスト・パフォーマンス]]が高く、さらに[[プロテクション]]や[[被覆]]・[[呪禁]]を持つものが多いため、攻撃力と引き換えに総合的なコスト・パフォーマンスで劣るスライでは直接的な殴り合いに押し負ける場合が多いためである。そして時間が経てば経つほど自分は息切れし、相手は強力な呪文やクリーチャーを出す準備が整ってしまう。 |
==[[スタンダード]]== | ==[[スタンダード]]== | ||
下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。 | 下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。 | ||
+ | *[[スライ/スタンダード/団結のドミナリア〜ファイナルファンタジー期|団結のドミナリア〜ファイナルファンタジー期]] | ||
+ | *[[スライ/スタンダード/イニストラード:真夜中の狩り〜サンダー・ジャンクションの無法者期|イニストラード:真夜中の狩り〜サンダー・ジャンクションの無法者期]] | ||
+ | *[[スライ/スタンダード/イニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期|イニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期]] | ||
+ | *[[スライ/スタンダード/エルドレインの王権〜フォーゴトン・レルム探訪期|エルドレインの王権〜フォーゴトン・レルム探訪期]] | ||
+ | *[[スライ/スタンダード/ラヴニカのギルド~基本セット2021期|ラヴニカのギルド~基本セット2021期]] | ||
+ | *[[スライ/スタンダード/イクサラン・ブロック~基本セット2020期|イクサラン・ブロック~基本セット2020期]] | ||
+ | *[[スライ/スタンダード/カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック+ドミナリア+基本セット2019期|カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック+ドミナリア+基本セット2019期]] | ||
+ | *[[スライ/スタンダード/カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック期|カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック期]] | ||
+ | *[[ラムナプ・レッド|戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック期]] | ||
*[[スライ/スタンダード/テーロス・ブロック+タルキール覇王譚ブロック期|テーロス・ブロック+タルキール覇王譚ブロック期]] | *[[スライ/スタンダード/テーロス・ブロック+タルキール覇王譚ブロック期|テーロス・ブロック+タルキール覇王譚ブロック期]] | ||
*[[スライ/スタンダード/ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期|ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期]] | *[[スライ/スタンダード/ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期|ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期]] | ||
32行: | 43行: | ||
*[[スライ/スタンダード/テンペスト・ブロック+ウルザ・ブロック期|テンペスト・ブロック+ウルザ・ブロック期]] | *[[スライ/スタンダード/テンペスト・ブロック+ウルザ・ブロック期|テンペスト・ブロック+ウルザ・ブロック期]] | ||
*[[スライ/スタンダード/ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期|ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期]] | *[[スライ/スタンダード/ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期|ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期]] | ||
+ | *[[スライ/スタンダード/アイスエイジ・ブロック+ミラージュ・ブロック期|アイスエイジ・ブロック+ミラージュ・ブロック期]] | ||
*[[スライ/スタンダード/アイスエイジ・ブロック期|アイスエイジ・ブロック期]] | *[[スライ/スタンダード/アイスエイジ・ブロック期|アイスエイジ・ブロック期]] | ||
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*[[スライ/ブロック構築/テンペスト|テンペスト・ブロック構築]] | *[[スライ/ブロック構築/テンペスト|テンペスト・ブロック構築]] | ||
*[[スライ/ブロック構築/ミラージュ|ミラージュ・ブロック構築]] | *[[スライ/ブロック構築/ミラージュ|ミラージュ・ブロック構築]] | ||
+ | |||
+ | ==パイオニア== | ||
+ | [[パイオニア]]では、様々な[[カード・セット|セット]]の強力なパーツを集めた[[赤単色デッキ|赤単色]]の[[アグロ]]・[[デッキ]]が成立する。 | ||
+ | |||
+ | {{#card:Monastery Swiftspear}} | ||
+ | {{#card:Wild Slash}} | ||
+ | {{#card:Ramunap Ruins}} | ||
+ | |||
+ | [[僧院の速槍/Monastery Swiftspear]]や[[損魂魔道士/Soul-Scar Mage]]などの優秀な[[ウィニー]][[クリーチャー]]と、[[乱撃斬/Wild Slash]]や[[稲妻の一撃/Lightning Strike]]といった[[火力]][[呪文]]で攻め立て、[[ラムナプの遺跡/Ramunap Ruins]]も絡めて[[対戦相手]]の[[ライフ]]を[[削る|削り]]切る。 | ||
+ | |||
+ | {{#card:Obosh, the Preypiercer}} | ||
+ | {{#card:Collective Defiance}} | ||
+ | [[イコリア:巨獣の棲処]]参入後は、新たに[[獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer]]を[[相棒]]に据えたタイプが登場したが、相棒のルール変更後は数を減らした。 | ||
+ | |||
+ | {{#card:Ojer Axonil, Deepest Might}} | ||
+ | [[イクサラン:失われし洞窟]]参入後は、[[最深の力、オヘル・アショニル/Ojer Axonil, Deepest Might]]を採用したタイプも登場した。アショニルの能力を活かすため、非[[戦闘ダメージ]]を継続的に与えられるカードが多く入りやすい。 | ||
+ | |||
+ | ===サンプルリスト=== | ||
+ | ====初期型==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pioneer Challenge #12006983 on 11/03/2019 ベスト4([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pioneer-challenge-2019-11-04 参考]) | ||
+ | **使用者:grinderA | ||
+ | **[[パイオニア]](~[[エルドレインの王権]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory: df319500}} | ||
+ | *[[密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter]][[禁止カード|禁止]]前の初期型。[[損魂魔道士/Soul-Scar Mage]]・[[ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunner]]と[[魔術師の稲妻/Wizard's Lightning]]の[[タイプ的]][[シナジー]]が組み込まれている。 | ||
+ | |||
+ | ====密輸人の回転翼機禁止後==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **[[プレイヤーズツアーフェニックス20]] ベスト4([https://magic.gg/events/players-tour-phoenix-2020 参考]) | ||
+ | **使用者:[[Zachary Kiihne]] | ||
+ | **[[パイオニア]](~[[テーロス還魂記]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory: df319647}} | ||
+ | *密輸人の回転翼機禁止後のリスト。[[朱地洞の族長、トーブラン/Torbran, Thane of Red Fell]]を[[マナカーブ]]の頂点に置いている。 | ||
+ | |||
+ | ====イコリア:巨獣の棲処後==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pioneer Challenge #12148183 on 05/03/2020 ベスト4([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pioneer-challenge-2020-05-04 参考]) | ||
+ | **使用者:KelMasterP | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パイオニア]](~[[イコリア:巨獣の棲処]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory:df319911}} | ||
+ | *[[イコリア:巨獣の棲処]]参入後の、[[獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer]]を[[相棒]]に据えたタイプ。 | ||
+ | |||
+ | ====イクサラン:失われし洞窟後==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pioneer Challenge on 01/06/2024 ベスト8([https://www.mtgo.com/decklist/pioneer-showcase-challenge-2024-01-0712603864 参考]) | ||
+ | **使用者:Gobern | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パイオニア]](~[[イクサラン:失われし洞窟]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory:df323117}} | ||
+ | *[[イクサラン:失われし洞窟]]参入後の、[[最深の力、オヘル・アショニル/Ojer Axonil, Deepest Might]]を軸にしたタイプ。 | ||
+ | **[[メインデッキ]]から[[暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidon]]を無理なく採用できるので、[[アブザン探検]]への耐性が上がっている。 | ||
+ | **[[サイドボード]]が14枚しかないが、[[Magic Online]]公式サイト側の不備か、実際に14枚だったのかは不明。 | ||
==テンペスト期のエクステンデッド== | ==テンペスト期のエクステンデッド== | ||
− | [[ローテーション]]後の[[エクステンデッド]]におけるスライは、[[土地破壊]]の要素を組み込み、特に[[ | + | [[ローテーション]]後の[[エクステンデッド]]におけるスライは、[[土地破壊]]の要素を組み込み、特に[[Red Deck Wins#エクステンデッド|Red Deck Wins]]の名で呼ばれることが多い。 |
{{#card:Jackal Pup}} | {{#card:Jackal Pup}} | ||
57行: | 126行: | ||
優秀な[[ウィニー]][[クリーチャー]]と[[火力]]に加え、[[リシャーダの港/Rishadan Port]]や[[不毛の大地/Wasteland]]で[[マナ]]を縛り、[[対戦相手]]の動きを封じる。また、[[オンスロート]]の[[フェッチランド]]が[[ライブラリー]]を[[デッキ圧縮|圧縮]]しつつ、終盤の無駄な[[土地]][[引く|ドロー]]を減らしてくれる。 | 優秀な[[ウィニー]][[クリーチャー]]と[[火力]]に加え、[[リシャーダの港/Rishadan Port]]や[[不毛の大地/Wasteland]]で[[マナ]]を縛り、[[対戦相手]]の動きを封じる。また、[[オンスロート]]の[[フェッチランド]]が[[ライブラリー]]を[[デッキ圧縮|圧縮]]しつつ、終盤の無駄な[[土地]][[引く|ドロー]]を減らしてくれる。 | ||
− | 要となる[[テンペスト・ブロック]]は[[ローテーション]]で退場してしまったが、速攻+土地破壊という動きは[[ | + | 要となる[[テンペスト・ブロック]]は[[ローテーション]]で退場してしまったが、速攻+土地破壊という動きは[[Boros Deck Wins]]にも受け継がれている。 |
[[オンスロート]]以降は強力な[[ゴブリン]]の登場を受けて[[ラッキースライ]]も強化されたが、[[ゴブヴァンテージ]]に取って代わられてしまい、その後の[[ゴブリン (デッキ)#エクステンデッド|ゴブリン]]もスライとは動きが異なる。 | [[オンスロート]]以降は強力な[[ゴブリン]]の登場を受けて[[ラッキースライ]]も強化されたが、[[ゴブヴァンテージ]]に取って代わられてしまい、その後の[[ゴブリン (デッキ)#エクステンデッド|ゴブリン]]もスライとは動きが異なる。 | ||
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{{#Card:Wasteland}} | {{#Card:Wasteland}} | ||
− | 基本的には[[#テンペスト・ブロック期|テンペスト期のもの]]と同じで、[[軽い|軽量]][[クリーチャー]]と[[火力]]で[[対戦相手]]の[[ライフ]]を[[削る]]。ただし、[[デュアルランド]]など凶悪な[[ | + | 基本的には[[#テンペスト・ブロック期|テンペスト期のもの]]と同じで、[[軽い|軽量]][[クリーチャー]]と[[火力]]で[[対戦相手]]の[[ライフ]]を[[削る]]。ただし、[[デュアルランド]]など凶悪な[[基本でない土地]]が蔓延する[[環境]]であるため、定番の[[不毛の大地/Wasteland]]に加えて[[発展の代価/Price of Progress]]も多く採用される。 |
[[デッキ]]の性質上遅い[[コントロール (デッキ)|コントロール]]や[[ネクロ]]などには強いが、[[メタゲーム]]の中心にあった[[ドネイト]]には[[Illusions of Grandeur]]から苦戦を強いられる。そのため、活躍の度合いはメタによるところが大きい。 | [[デッキ]]の性質上遅い[[コントロール (デッキ)|コントロール]]や[[ネクロ]]などには強いが、[[メタゲーム]]の中心にあった[[ドネイト]]には[[Illusions of Grandeur]]から苦戦を強いられる。そのため、活躍の度合いはメタによるところが大きい。 | ||
73行: | 142行: | ||
*[[クリーチャー]]の枚数を削った[[バーン]]タイプも存在した。 | *[[クリーチャー]]の枚数を削った[[バーン]]タイプも存在した。 | ||
− | === | + | ===サンプルリスト=== |
*備考 | *備考 | ||
**[[グランプリフェニックス00]] ベスト8 ([http://www.wizards.com/sideboard/event.asp?event=GPPHX00 参考]) | **[[グランプリフェニックス00]] ベスト8 ([http://www.wizards.com/sideboard/event.asp?event=GPPHX00 参考]) | ||
81行: | 150行: | ||
{{#MagicFactory:df300972}} | {{#MagicFactory:df300972}} | ||
− | |||
==レガシー== | ==レガシー== | ||
[[レガシー]]でも散見される[[アーキタイプ]]である。 | [[レガシー]]でも散見される[[アーキタイプ]]である。 | ||
92行: | 160行: | ||
構成としては、[[#エクステンデッド(デュアルランド期)|旧エクステンデッドのもの]]を基盤とし、加えて、中盤以降の活躍が期待できる[[渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer]]や[[運命の大立者/Figure of Destiny]]などが採用される。 | 構成としては、[[#エクステンデッド(デュアルランド期)|旧エクステンデッドのもの]]を基盤とし、加えて、中盤以降の活躍が期待できる[[渋面の溶岩使い/Grim Lavamancer]]や[[運命の大立者/Figure of Destiny]]などが採用される。 | ||
− | 強力な[[ | + | 強力な[[基本でない土地]]が蔓延する[[環境]]であるため、[[火力]]は[[発展の代価/Price of Progress]]が標準装備である。また、別な基本でない土地への対策として[[破滅/Ruination]]を使用することもある。 |
最近では、[[黒]]を[[タッチ]]して[[闇の腹心/Dark Confidant]]を採用したり、[[緑]]をタッチして[[タルモゴイフ/Tarmogoyf]]を採用するなどの構成も多く見られる。色が増えると[[Zoo/レガシー|Zoo]]に近い構成をとることが多い。 | 最近では、[[黒]]を[[タッチ]]して[[闇の腹心/Dark Confidant]]を採用したり、[[緑]]をタッチして[[タルモゴイフ/Tarmogoyf]]を採用するなどの構成も多く見られる。色が増えると[[Zoo/レガシー|Zoo]]に近い構成をとることが多い。 | ||
98行: | 166行: | ||
また、火力が十分に充実している環境であるため、[[モグの狂信者/Mogg Fanatic]]以外のクリーチャーを外し、[[バーン]]寄りの構成を取るタイプも多い。 | また、火力が十分に充実している環境であるため、[[モグの狂信者/Mogg Fanatic]]以外のクリーチャーを外し、[[バーン]]寄りの構成を取るタイプも多い。 | ||
− | === | + | ===サンプルリスト=== |
*備考 | *備考 | ||
**[[レガシー選手権05]] 準優勝 ([http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/feature/282 参考]) | **[[レガシー選手権05]] 準優勝 ([http://www.wizards.com/default.asp?x=mtgcom/feature/282 参考]) | ||
105行: | 173行: | ||
{{#MagicFactory:df303376}} | {{#MagicFactory:df303376}} | ||
+ | ==パウパー== | ||
+ | [[パウパー]]の赤単としては[[ゴブリン (デッキ)#パウパー|ゴブリンデッキ]]や[[バーン#パウパー|バーン]]が有力だが、スライタイプも少数が存在している。 | ||
+ | |||
+ | {{#card: Akroan Crusader}} | ||
+ | {{#card: Satyr Hoplite}} | ||
+ | |||
+ | [[テーロス・ブロック]]参入後は、'''赤単英雄的''' (''Mono-Red Heroic'')と呼ばれる、[[英雄的]]を持つ[[クリーチャー]]を中心に据えた[[英雄的 (デッキ)|英雄的デッキ]]が主流となっている。強化手段は[[噛み傷への興奮/Furor of the Bitten]]のような[[オーラ]]をはじめとして、[[ティムールの激闘/Temur Battle Rage]]のような[[インスタント]]、[[ソーサリー]]など様々である。また[[焼身の魂喰い/Immolating Souleater]]を採用し、[[ソウルイーター]]との[[ハイブリッドデッキ]]の形をとる場合もある。 | ||
+ | |||
+ | {{#card: Kiln Fiend}} | ||
+ | {{#card: Festival Crasher}} | ||
+ | |||
+ | また、[[窯の悪鬼/Kiln Fiend]]も赤単英雄的の追加のアタッカーとして採用される場合がある。[[イニストラード:真夜中の狩り]]で[[祭り壊し/Festival Crasher]]を獲得したことで、このような自分を対象としないインスタント・ソーサリーによっても強化されるクリーチャーを主軸として運用し、英雄的を持つクリーチャーを抜いたタイプが赤単英雄的から派生した。この[[ウィー=ゼロックス#パウパー|ウィー=ゼロックス]]にも似たデッキのことを特に'''赤単ブリッツ''' (''Mono-Red Blitz'')、もしくは'''赤単果敢'''、'''悪鬼シュート'''と呼ぶ。 | ||
+ | |||
+ | {{#card: Goblin Heelcutter}} | ||
+ | {{#card: Burning-Tree Emissary}} | ||
+ | |||
+ | [[タルキール覇王譚ブロック|タルキール・ブロック]]で[[ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter]]、[[モダンマスターズ2017]]で[[炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary]]を獲得した後は、[[クリーチャー]]を大量に投入して優秀な[[火力]]でサポートする'''[[Red Deck Wins|RDW]]'''型が結果を残している。クリーチャーは[[パワー]]が2以上になるものが大半を占めており、また[[電謀/Electrickery]]などに耐えるため[[タフネス]]も2以上のものがほとんどである。 | ||
+ | |||
+ | ===赤単英雄的=== | ||
+ | <!-- | ||
+ | ====サンプルリスト1==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper Premier #8714937 on 09/05/2015 3-0 ([http://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-daily-2015-09-06 参考]) | ||
+ | **使用者:magicbobby | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パウパー]](~[[マジック・オリジン]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory:df314661}} | ||
+ | *[[ティムールの激闘/Temur Battle Rage]]獲得後のリスト。こちらは強化手段として[[オーラ]]を多く採用しているため、[[窯の悪鬼/Kiln Fiend]]を採用していない。 | ||
+ | ====サンプルリスト2==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper Constructed League 5-0(2018/05/16)([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-constructed-league-2018-05-16 参考]) | ||
+ | **使用者:eihort | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パウパー]](〜[[ドミナリア]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory: df318667}} | ||
+ | *赤単英雄的と[[ソウルイーター]]との[[ハイブリッドデッキ]]。 | ||
+ | --> | ||
+ | ====サンプルリスト1==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper Daily #8418493 on 06/29/2015 3-1([https://www.mtggoldfish.com/deck/301070 参考]) | ||
+ | **使用者:basking_devil | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パウパー]](~[[モダンマスターズ2015]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory:df323877}} | ||
+ | *強化手段を[[窯の悪鬼/Kiln Fiend]]と相性のいい[[インスタント]]と[[ソーサリー]]に寄せたタイプ。 | ||
+ | |||
+ | ====サンプルリスト2==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper Daily #8552242 on 08/11/2015 3-1([https://www.mtggoldfish.com/deck/312105 参考]) | ||
+ | **使用者:nekotora | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パウパー]](~[[マジック・オリジン]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory:df323878}} | ||
+ | *こちらは強化手段として[[オーラ]]を多く採用しているため、[[窯の悪鬼/Kiln Fiend]]を採用していない。 | ||
+ | |||
+ | ====サンプルリスト3==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper League on 02/21/2018 5-0([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-constructed-league-2018-02-21 参考]) | ||
+ | **使用者:Chups_Zookeeper | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パウパー]](~[[イクサランの相克]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory:df323879}} | ||
+ | *上で示した2タイプの折衷型。 | ||
+ | |||
+ | ====サンプルリスト4==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper Challenge #12404232 on 04/03/2022 4位([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-challenge-2022-04-03 参考]) | ||
+ | **使用者:Mogged | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パウパー]](~[[神河:輝ける世界]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory:df323880}} | ||
+ | *大量に採用された[[キャントリップ]][[呪文]]を[[唱える]]たびに[[燃え立つ預言者/Burning Prophet]]の[[占術]]が[[誘発]]するため、[[引く|ドロー]]の質を高めることができる。 | ||
+ | |||
+ | ====サンプルリスト5==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper League on 9/16/2024 5-0([https://www.mtgo.com/decklist/pauper-league-2024-09-168386 参考]) | ||
+ | **使用者:IvernOP | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パウパー]](〜[[ブルームバロウ]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory: df323765}} | ||
+ | *マナ加速手段として[[水蓮の花びら/Lotus Petal]]、[[猿人の指導霊/Simian Spirit Guide]]を採用して、[[窯の悪鬼/Kiln Fiend]]や[[焼身の魂喰い/Immolating Souleater]]の早期着地を狙う。 | ||
+ | |||
+ | ===赤単ブリッツ=== | ||
+ | ====サンプルリスト1==== | ||
+ | * 備考 | ||
+ | ** 第1期パウパー神決定戦 準優勝 on 06/25/2022([https://article.hareruyamtg.com/article/63391/ 参考]) | ||
+ | ** 使用者:[[高野成樹]] | ||
+ | * [[フォーマット]] | ||
+ | ** [[パウパー]](〜[[統率者レジェンズ:バルダーズ・ゲートの戦い]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory: df321262}} | ||
+ | *[[窯の悪鬼/Kiln Fiend]]や[[祭り壊し/Festival Crasher]]を軽量呪文の連打で強化し、[[ティムールの激闘/Temur Battle Rage]]で[[二段攻撃]]と[[トランプル]]を付与して[[投げる|シュート]]する。その高い爆発力から、一種のコンボデッキとも言える。 | ||
+ | |||
+ | ====サンプルリスト2==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper Challenge #12464069 on 8/28/2022 優勝([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-challenge-2022-08-29 参考]) | ||
+ | **使用者:FerMTG | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パウパー]](〜[[ダブルマスターズ2022]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory: df323764}} | ||
+ | *[[僧院の速槍/Monastery Swiftspear]]獲得後のリスト。 | ||
+ | |||
+ | ====サンプルリスト3==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper League on 12/16/2023 5-0([https://www.mtgo.com/decklist/pauper-league-2023-12-167795 参考]) | ||
+ | **使用者:gforgregarious | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
+ | **[[パウパー]](〜[[イクサラン:失われし洞窟]]) | ||
+ | |||
+ | {{#MagicFactory: df323876}} | ||
+ | *[[僧院の速槍/Monastery Swiftspear]]禁止直後のリスト。3種類目の[[クロック]]として、[[団結のドミナリア]]で獲得した[[ギトゥの増幅士/Ghitu Amplifier]]を採用している。 | ||
+ | |||
+ | ===RDW=== | ||
+ | ====サンプルリスト1==== | ||
+ | *備考 | ||
+ | **Pauper Challenge #11670678 on 10/28/2018 準優勝([https://magic.wizards.com/en/articles/archive/mtgo-standings/pauper-challenge-2018-10-29 参考]) | ||
+ | **使用者:GioNuti7 | ||
+ | *[[フォーマット]] | ||
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+ | *[[パウパー]]の公式フォーマット化に伴い[[ゴブリンの手投げ弾/Goblin Grenade]]を獲得した後のリスト。 | ||
+ | *[[炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary]]と[[谷を駆ける者/Valley Dasher]]以外のクリーチャーはすべて[[ゴブリン]]であるため、ゴブリンの手投げ弾以外に[[火花鍛冶/Sparksmith]]も採用される。 | ||
==参考== | ==参考== | ||
− | *[http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=sb20010607a,,en Finding the Tinker Deck]([[WotC]]、文:[[Mike Flores]]) | + | *[http://web.archive.org/web/20190602184053/http://www.wizards.com/sideboard/JParticle.asp?x=sb20010607a,,en Finding the Tinker Deck(Internet Archive)]/[https://magic.wizards.com/ja/articles/archive/feature/tinker-%E3%83%87%E3%83%83%E3%82%AD%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%8E%A2%E7%A9%B6-2000-01-01 Tinkerデッキへの探究]([[WotC]]、文:[[Mike Flores]]) |
− | *[http:// | + | *[http://web.archive.org/web/20190907233623/http://www.wizards.com/sideboard/article.asp?x=sb20001005a The History of Sligh(Internet Archive)]([[Dave Meddish]]著) |
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2024年10月29日 (火) 00:52時点における最新版
スライ(Sligh)は、赤を中心とした、マナカーブとダメージ効率を重視した超速攻ウィニーデッキ。または、赤を中心としたビートダウンデッキの総称。デッキ名はPaul Sligh(ポール・スライ)のラストネームに由来する。
目次 |
[編集] 概要
軽量のクリーチャーと数種類の火力が主戦力で、無色のダメージソースとして呪われた巻物/Cursed Scrollなども使用される。5ターン以内に決められるかどうかが勝負の分かれ目となる。
もともとのスライはJay Schneiderの唱えた「そのターンに出し得るマナをムダなく使うにはどうしたらいいか?」という理論のもと生み出されたデッキ。特定のマナカーブ(スライカーブ)に基づいて構築されており、元来は土地23枚に対して1マナ13枚、2マナ9枚、3マナ5枚、4マナ3枚を目安にクリーチャーが投入されており、火力呪文などは別途で計算されていた。
Paul Slighが使用したプロツアー予選で2位に入ったことで、以後“スライ”というニックネームがつけられることになった。当時は2位でもプロツアー出場枠に入れたので、インターネット上における若干の誇大宣伝もあって、この名前が定着してしまった。実際、このデッキ(またの名を“ギーバ”や“オークの司書デッキ”)は、今日においても偉大なデッキビルダーであるJay Schneiderのデザインによるものであるが、スライに比べてその名はここ数年ほとんど表に出てこない。
近年、スライと呼ばれているデッキのほとんどがデッドガイレッド(又はバーン)に近い。エクステンデッドでは土地破壊要素も入り、赤単色の高速デッキ全体がRed Deck Winsと呼ばれることが多い。
[編集] 他のデッキとの相性
良くも悪くもウィニーの特性を突き詰めたような超速攻が特徴であり、遅いデッキ全般に強い。コントロールデッキはもちろんだが、相手の速度やこちらの展開によってはウィニーが苦手とするコンボデッキやミッドレンジ相手に押し切れてしまうことも珍しくない。
弱点も分かりやすく、序盤をしのげるだけ防御力を持ったデッキには弱い。軽い除去を詰め込んだコントロールデッキの他、アグロ寄りの緑や白のビートダウンデッキとの相性も良くない。これは火力にカード・アドバンテージを得づらいものが多い上、クリーチャーの殴り合いにおいても緑や白のクリーチャーはコスト・パフォーマンスが高く、さらにプロテクションや被覆・呪禁を持つものが多いため、攻撃力と引き換えに総合的なコスト・パフォーマンスで劣るスライでは直接的な殴り合いに押し負ける場合が多いためである。そして時間が経てば経つほど自分は息切れし、相手は強力な呪文やクリーチャーを出す準備が整ってしまう。
[編集] スタンダード
下記の時期のスタンダードにおいても、活躍を見せる。
- 団結のドミナリア〜ファイナルファンタジー期
- イニストラード:真夜中の狩り〜サンダー・ジャンクションの無法者期
- イニストラード:真夜中の狩り〜機械兵団の進軍:決戦の後に期
- エルドレインの王権〜フォーゴトン・レルム探訪期
- ラヴニカのギルド~基本セット2021期
- イクサラン・ブロック~基本セット2020期
- カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック+ドミナリア+基本セット2019期
- カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック+イクサラン・ブロック期
- 戦乱のゼンディカー・ブロック+イニストラードを覆う影ブロック+カラデシュ・ブロック+アモンケット・ブロック期
- テーロス・ブロック+タルキール覇王譚ブロック期
- ラヴニカへの回帰ブロック+テーロス・ブロック期
- イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期
- ミラディンの傷跡ブロック+イニストラード・ブロック期
- ゼンディカー・ブロック+ミラディンの傷跡ブロック期
- アラーラの断片ブロック+ゼンディカー・ブロック期
- 時のらせんブロック+ローウィン=シャドウムーア・ブロック期
- ラヴニカ・ブロック+時のらせんブロック期
- ミラディン・ブロック+神河ブロック期
- オンスロート・ブロック+ミラディン・ブロック期
- マスクス・ブロック+インベイジョン・ブロック期
- ウルザ・ブロック+マスクス・ブロック期
- テンペスト・ブロック+ウルザ・ブロック期
- ミラージュ・ブロック+テンペスト・ブロック期
- アイスエイジ・ブロック+ミラージュ・ブロック期
- アイスエイジ・ブロック期
[編集] ブロック構築
各ブロック構築においても、下記の時期で活躍を見せる。
- テーロス・ブロック構築
- ラヴニカへの回帰ブロック構築
- ゼンディカー=エルドラージ覚醒・ブロック構築
- ローウィン=シャドウムーア・ブロック構築
- 時のらせんブロック構築
- ミラディン・ブロック構築
- マスクス・ブロック構築
- ウルザ・ブロック構築
- テンペスト・ブロック構築
- ミラージュ・ブロック構築
[編集] パイオニア
パイオニアでは、様々なセットの強力なパーツを集めた赤単色のアグロ・デッキが成立する。
クリーチャー — 人間(Human) モンク(Monk)
速攻
果敢(あなたがクリーチャーでない呪文を唱えるたび、ターン終了時まで、このクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。)
インスタント
獰猛 ― あなたがパワーが4以上のクリーチャーをコントロールしているなら、このターン、ダメージは軽減できない。
クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。乱撃斬はそれに2点のダメージを与える。
土地 — 砂漠(Desert)
(T):(◇)を加える。
(T),1点のライフを支払う:(赤)を加える。
(2)(赤)(赤),(T),砂漠(Desert)1つを生け贄に捧げる:ラムナプの遺跡は各対戦相手にそれぞれ2点のダメージを与える。
僧院の速槍/Monastery Swiftspearや損魂魔道士/Soul-Scar Mageなどの優秀なウィニークリーチャーと、乱撃斬/Wild Slashや稲妻の一撃/Lightning Strikeといった火力呪文で攻め立て、ラムナプの遺跡/Ramunap Ruinsも絡めて対戦相手のライフを削り切る。
伝説のクリーチャー — ヘリオン(Hellion) ホラー(Horror)
相棒 ― あなたの開始時のデッキに、マナ総量が奇数のカードと土地カードのみが入っていること。(このカードがあなたの選んだ相棒であるなら、ソーサリーとして(3)を支払うことでゲームの外部からそれをあなたの手札に加えてもよい。)
あなたがコントロールしていてマナ総量が奇数である発生源がパーマネントやプレイヤーにダメージを与えるなら、代わりに、それはそのパーマネントかプレイヤーにその点数の2倍のダメージを与える。
ソーサリー
増呪(1)(2つ目以降に選ぶモード1つにつき、このコストを1回支払う。)
以下から1つ以上を選ぶ。
・プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは、自分の手札からカードをすべて捨て、その後その枚数に等しい枚数のカードを引く。
・クリーチャー1体を対象とする。集団的抵抗はそれに4点のダメージを与える。
・対戦相手1人かプレインズウォーカー1体を対象とする。集団的抵抗はそれに3点のダメージを与える。
イコリア:巨獣の棲処参入後は、新たに獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercerを相棒に据えたタイプが登場したが、相棒のルール変更後は数を減らした。
伝説のクリーチャー — 神(God)
トランプル
あなたがコントロールしている赤の発生源が、対戦相手1人にこれのパワーよりも小さい点数の、戦闘ダメージでないダメージを与えるなら、代わりにその発生源はこれのパワーに等しい点数のダメージを与える。
これが死亡したとき、これをオーナーのコントロール下でタップ状態かつ変身させた状態で戦場に戻す。
Temple of Power / 力の神殿
土地
(《最深の力、オヘル・アショニル/Ojer Axonil, Deepest Might》から変身する。)
(T):(赤)を加える。
(2)(赤),(T):力の神殿を変身させる。このターンにあなたのコントロール下で赤の発生源が与えて戦闘ダメージでないダメージの合計が4点以上でなければ起動できず、起動はソーサリーとしてのみ行う。
イクサラン:失われし洞窟参入後は、最深の力、オヘル・アショニル/Ojer Axonil, Deepest Mightを採用したタイプも登場した。アショニルの能力を活かすため、非戦闘ダメージを継続的に与えられるカードが多く入りやすい。
[編集] サンプルリスト
[編集] 初期型
- 密輸人の回転翼機/Smuggler's Copter禁止前の初期型。損魂魔道士/Soul-Scar Mage・ギトゥの溶岩走り/Ghitu Lavarunnerと魔術師の稲妻/Wizard's Lightningのタイプ的シナジーが組み込まれている。
[編集] 密輸人の回転翼機禁止後
- 備考
- プレイヤーズツアーフェニックス20 ベスト4(参考)
- 使用者:Zachary Kiihne
- パイオニア(~テーロス還魂記)
Mono-Red Aggro [2] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 密輸人の回転翼機禁止後のリスト。朱地洞の族長、トーブラン/Torbran, Thane of Red Fellをマナカーブの頂点に置いている。
[編集] イコリア:巨獣の棲処後
Mono-Red Obosh [3] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- イコリア:巨獣の棲処参入後の、獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercerを相棒に据えたタイプ。
[編集] イクサラン:失われし洞窟後
Mono-Red Aggro(Axonil) [4] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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|
- イクサラン:失われし洞窟参入後の、最深の力、オヘル・アショニル/Ojer Axonil, Deepest Mightを軸にしたタイプ。
- メインデッキから暴れ回るフェロキドン/Rampaging Ferocidonを無理なく採用できるので、アブザン探検への耐性が上がっている。
- サイドボードが14枚しかないが、Magic Online公式サイト側の不備か、実際に14枚だったのかは不明。
[編集] テンペスト期のエクステンデッド
ローテーション後のエクステンデッドにおけるスライは、土地破壊の要素を組み込み、特にRed Deck Winsの名で呼ばれることが多い。
クリーチャー — ジャッカル(Jackal)
ジャッカルの仔にダメージが与えられるたび、それはあなたにそのダメージに等しい点数のダメージを与える。
2/1優秀なウィニークリーチャーと火力に加え、リシャーダの港/Rishadan Portや不毛の大地/Wastelandでマナを縛り、対戦相手の動きを封じる。また、オンスロートのフェッチランドがライブラリーを圧縮しつつ、終盤の無駄な土地ドローを減らしてくれる。
要となるテンペスト・ブロックはローテーションで退場してしまったが、速攻+土地破壊という動きはBoros Deck Winsにも受け継がれている。
オンスロート以降は強力なゴブリンの登場を受けてラッキースライも強化されたが、ゴブヴァンテージに取って代わられてしまい、その後のゴブリンもスライとは動きが異なる。
[編集] デュアルランド期のエクステンデッド
スライはテンペスト・ブロック以降エクステンデッドでも有力なアーキタイプになった。
基本的にはテンペスト期のものと同じで、軽量クリーチャーと火力で対戦相手のライフを削る。ただし、デュアルランドなど凶悪な基本でない土地が蔓延する環境であるため、定番の不毛の大地/Wastelandに加えて発展の代価/Price of Progressも多く採用される。
デッキの性質上遅いコントロールやネクロなどには強いが、メタゲームの中心にあったドネイトにはIllusions of Grandeurから苦戦を強いられる。そのため、活躍の度合いはメタによるところが大きい。
[編集] サンプルリスト
- 備考
- グランプリフェニックス00 ベスト8 (参考)
- 使用者:Robert Swarowski
- フォーマット
Sligh [5] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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[編集] レガシー
クリーチャー — キスキン(Kithkin)
(赤/白):運命の大立者は基本のパワーとタフネスが2/2であるキスキン(Kithkin)・スピリット(Spirit)になる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白):運命の大立者がスピリットである場合、それは基本のパワーとタフネスが4/4であるキスキン・スピリット・戦士(Warrior)になる。
(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白)(赤/白):運命の大立者が戦士である場合、それは基本のパワーとタフネスが8/8であり飛行と先制攻撃を持つキスキン・スピリット・戦士・アバター(Avatar)になる。
レガシーの赤単といえば、ゴブリンデッキが主流であるが、純粋なスライタイプも少なくない。
構成としては、旧エクステンデッドのものを基盤とし、加えて、中盤以降の活躍が期待できる渋面の溶岩使い/Grim Lavamancerや運命の大立者/Figure of Destinyなどが採用される。
強力な基本でない土地が蔓延する環境であるため、火力は発展の代価/Price of Progressが標準装備である。また、別な基本でない土地への対策として破滅/Ruinationを使用することもある。
最近では、黒をタッチして闇の腹心/Dark Confidantを採用したり、緑をタッチしてタルモゴイフ/Tarmogoyfを採用するなどの構成も多く見られる。色が増えるとZooに近い構成をとることが多い。
また、火力が十分に充実している環境であるため、モグの狂信者/Mogg Fanatic以外のクリーチャーを外し、バーン寄りの構成を取るタイプも多い。
[編集] サンプルリスト
- 備考
- レガシー選手権05 準優勝 (参考)
- 使用者:Peter Franke
- レガシー(~ラヴニカ:ギルドの都)
スライ(レガシー) [6] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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[編集] パウパー
パウパーの赤単としてはゴブリンデッキやバーンが有力だが、スライタイプも少数が存在している。
クリーチャー — 人間(Human) 兵士(Soldier)
英雄的 ― あなたがアクロスの十字軍を対象とする呪文を1つ唱えるたび、速攻を持つ赤の1/1の兵士(Soldier)クリーチャー・トークンを1体生成する。
1/1クリーチャー — サテュロス(Satyr) 兵士(Soldier)
英雄的 ― あなたがサテュロスの重装歩兵を対象とする呪文を1つ唱えるたび、サテュロスの重装歩兵の上に+1/+1カウンターを1個置く。
1/1テーロス・ブロック参入後は、赤単英雄的 (Mono-Red Heroic)と呼ばれる、英雄的を持つクリーチャーを中心に据えた英雄的デッキが主流となっている。強化手段は噛み傷への興奮/Furor of the Bittenのようなオーラをはじめとして、ティムールの激闘/Temur Battle Rageのようなインスタント、ソーサリーなど様々である。また焼身の魂喰い/Immolating Souleaterを採用し、ソウルイーターとのハイブリッドデッキの形をとる場合もある。
クリーチャー — エレメンタル(Elemental) ビースト(Beast)
あなたがインスタント呪文かソーサリー呪文を唱えるたび、窯の悪鬼はターン終了時まで+3/+0の修整を受ける。
1/2クリーチャー — デビル(Devil)
あなたがインスタントやソーサリーである呪文を唱えるたび、ターン終了時まで、祭り壊しは+2/+0の修整を受ける。
1/3また、窯の悪鬼/Kiln Fiendも赤単英雄的の追加のアタッカーとして採用される場合がある。イニストラード:真夜中の狩りで祭り壊し/Festival Crasherを獲得したことで、このような自分を対象としないインスタント・ソーサリーによっても強化されるクリーチャーを主軸として運用し、英雄的を持つクリーチャーを抜いたタイプが赤単英雄的から派生した。このウィー=ゼロックスにも似たデッキのことを特に赤単ブリッツ (Mono-Red Blitz)、もしくは赤単果敢、悪鬼シュートと呼ぶ。
クリーチャー — ゴブリン(Goblin) 狂戦士(Berserker)
ゴブリンの踵裂きが攻撃するたび、クリーチャー1体を対象とする。このターン、それではブロックできない。
疾駆(2)(赤)(あなたはこの呪文を、これの疾駆コストで唱えてもよい。そうしたなら、これは速攻を得るとともに、次の終了ステップの開始時にこれを戦場からオーナーの手札に戻す。)
クリーチャー — 人間(Human) シャーマン(Shaman)
炎樹族の使者が戦場に出たとき、(赤)(緑)を加える。
2/2タルキール・ブロックでゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutter、モダンマスターズ2017で炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryを獲得した後は、クリーチャーを大量に投入して優秀な火力でサポートするRDW型が結果を残している。クリーチャーはパワーが2以上になるものが大半を占めており、また電謀/Electrickeryなどに耐えるためタフネスも2以上のものがほとんどである。
[編集] 赤単英雄的
[編集] サンプルリスト1
Mono-Red Heroic(Pauper) [7] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 強化手段を窯の悪鬼/Kiln Fiendと相性のいいインスタントとソーサリーに寄せたタイプ。
[編集] サンプルリスト2
Mono-Red Heroic(Pauper) [8] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- こちらは強化手段としてオーラを多く採用しているため、窯の悪鬼/Kiln Fiendを採用していない。
[編集] サンプルリスト3
Mono-Red Heroic(Pauper) [9] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 上で示した2タイプの折衷型。
[編集] サンプルリスト4
Mono-Red Heroic(Pauper) [10] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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[編集] サンプルリスト5
Mono-Red Heroic(Pauper) [11] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- マナ加速手段として水蓮の花びら/Lotus Petal、猿人の指導霊/Simian Spirit Guideを採用して、窯の悪鬼/Kiln Fiendや焼身の魂喰い/Immolating Souleaterの早期着地を狙う。
[編集] 赤単ブリッツ
[編集] サンプルリスト1
- 備考
- フォーマット
Mono-Red Blitz [12] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 窯の悪鬼/Kiln Fiendや祭り壊し/Festival Crasherを軽量呪文の連打で強化し、ティムールの激闘/Temur Battle Rageで二段攻撃とトランプルを付与してシュートする。その高い爆発力から、一種のコンボデッキとも言える。
[編集] サンプルリスト2
Mono-Red Blitz(Pauper) [13] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 僧院の速槍/Monastery Swiftspear獲得後のリスト。
[編集] サンプルリスト3
Mono-Red Blitz(Pauper) [14] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 僧院の速槍/Monastery Swiftspear禁止直後のリスト。3種類目のクロックとして、団結のドミナリアで獲得したギトゥの増幅士/Ghitu Amplifierを採用している。
[編集] RDW
[編集] サンプルリスト1
Sligh [15] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- 炎樹族の使者/Burning-Tree Emissary加入後のクリーチャー主体のリスト。1マナでパワー2をもつクリーチャーが12枚も入っている。
- 炎樹族の使者から出るマナで唱えられる上に、速攻を持つためすぐに攻撃可能な2マナシングルシンボルクリーチャーとして、泥騒ぎの群勢/Mudbrawler Cohortと谷を駆ける者/Valley Dasherが採用される。
- ゴブリンの踵裂き/Goblin Heelcutterの疾駆によって、モグの徴集兵部隊/Mogg Conscriptsなどのペナルティ能力を踏み倒し続けることができる。
[編集] サンプルリスト2
RDW(Pauper) [16] | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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- パウパーの公式フォーマット化に伴いゴブリンの手投げ弾/Goblin Grenadeを獲得した後のリスト。
- 炎樹族の使者/Burning-Tree Emissaryと谷を駆ける者/Valley Dasher以外のクリーチャーはすべてゴブリンであるため、ゴブリンの手投げ弾以外に火花鍛冶/Sparksmithも採用される。
[編集] 参考
- Finding the Tinker Deck(Internet Archive)/Tinkerデッキへの探究(WotC、文:Mike Flores)
- The History of Sligh(Internet Archive)(Dave Meddish著)
- デッキ集